先日たまたま聞いていたNHKラジオ番組で、
認知症の家族にどう寄り添えばよいかという話題が出ました。
その内容に、いろいろ気づかされることがありました。
神様から見れば、人間はみな霊的認知症ではないか?という気がしました。
今回は、その辺について私が思ったことを中心に見ていこうと思います。
【今回のもくじ】
・ 神は人をどのように導くのか
・ 神から見れば、人はみな霊的認知症かもしれない
・ 神は「愛のきずな」で人を導く
・ 神のくびき(軛)は軽い
・ 人間の理性だけでは真実を認知できない
■ 神は人をどのように導くのか
認知症の家族にどう寄り添えばよいか。
たとえば、「財布を盗まれた」という被害妄想にとらわれてしまっている人に、
どう対応したらいいのか。
ラジオ番組に出演していた専門家のアドバイスはこうでした。
「認知症の人でも、感情は働いているから、感情に寄り添ってあげることが大事」
具体的には、
× 「誰も盗んでないよ」と、本人の気持ちを否定する
◎ 「それは困ったね」と、本人に共感していっしょに財布を探してあげる
そして財布を、テーブルの上など、本人が自分で発見できる場所に置いてあげる。
盗まれたと思い込んでる財布を、自分で発見することで、
認知症の人の感情が落ち着くとのこと。
このお話を聞いて、私は思いました。
「それって、神様が人間を導くときのやり方と同じやんか?」
神様が人間を導く場合、
非常事態には、神から直球で解決が与えられることもありますが、
ほとんどの場合は、そうではないと思います。
認知症の人のお財布を、本人が見つけやすい所に置いてあげるようにして、
神様も、人間が自分で正しい道を見つけることができるよう工夫し、誘導してくれている。
その誘導の仕方や、発見までの難易度は同一ではないですね。
ひとり一人の個性や成長、魂の目的に合わせて導き方を調節しているはずです。
だから人間が「自分の力で成し遂げた、解決した」と思い込んでいる場合でも、
実際にはそんなことはあり得ない。
神という介助者がテーブルの上に置いてくれたお財布を自分で発見しただけです。
しかもテーブルの上を見るように誘導してくれたのも神なのです。
そういう裏事情に思いをはせることなく、
「神など関係ない、自分の実力で成し遂げた!」と思い込んでいる人は、
神から見れば重度の霊的認知症ということになりそうです……
■ 神から見れば、人はみな霊的認知症かもしれない
今から2500年ほど前の古代ユダヤ人(イスラエルの民)も、
ひどい霊的認知症にかかっていたようです。
神ヤハウェに導かれていることを忘れ、
神に背を向けているイスラエルの民の霊的認知症に対して、
預言者ホセアを通して神はこう語ります……
まだ幼かったイスラエルをわたしは愛した。
エジプトから彼を呼び出し、わが子とした。
わたしが彼らを呼び出したのに
彼らはわたしから去って行き
バアルに犠牲をささげ
偶像に香をたいた。
エフライム(イスラエルの民)の腕を支えて
歩くことを教えたのは、わたしだ。
しかし、わたしが彼らをいやしたことを
彼らは知らなかった。
わたしは人間の綱、愛のきずなで彼らを導き
彼らの顎から軛(くびき)を取り去り
身をかがめて食べさせた。
――旧約聖書 『ホセア書』 11章1-4節
私を含め、現代人も、まったく同じことをしていると思います。
正しい道を備え導いてくれている神ヤハウェを知らず、
まったく見当違いの偽神に従い、偶像に願をかけ、あるいは自力を誇っている。
霊的認知症なんですね……
実際、認知症でなくても、人間の脳はかんたんに騙されてしまいます。
↓これは錯視図だとわかっているにもかかわらず、何度見ても歪んで見えてしまいます。
(参考) 見えているのに、見えていない。… 人を錯覚から解放して、真実に導く神
程度の差はあっても、神から見れば、人間はみな認知障害をもっていると思います。
人間の記憶能力もたいへん怪しいです。
昨日のランチの内容がすぐに思い出せないとか、
人の名前をド忘れしてしまうとか、
中学時代と高校時代の記憶が混同してたりとかしますよね。
↑私だけじゃないよね???
誰でも多少の認知障害は日々起こっているのだと思います。
それでも生活には支障がない、笑い話ですむレベルだから問題にならないだけですね。
自分の認知能力を信用しすぎないで、
脳は錯覚をよく起こすということを自覚するのが大事だと思います。
脳には五感で得た情報の自動補正機能がついていますが、
この機能はとても便利な一方で、錯覚が生じる元でもある。
(参考) 神に心を開く … 心が閉じていると、見ても見えず、聞いても聞こえず
だから人間の判断、常識、道徳、哲学などを基準にして生きるのは危険です。
差別的な表現に聞こえるかもしれませんが、イエスの言う通りです。
盲人が盲人の道案内をすれば、二人とも穴に落ちてしまう。
――新約聖書 『マタイによる福音書』 15章14節
人はみな霊的な認知症だし、霊的な盲人なのだと思います。
「そんなことはない、私には見えている、霊視能力がある」などと主張する人は、
自分がいかに脆い足場の上にいるかを認知できていないので危険です。
そのうち神様が愛をもってその足場を破壊してくださるでしょう。
(参考) アンカー(錨)は神の岩に降ろせ … 嵐にも揺るがぬものを土台とせよ。
(参考) 剣と分裂(divide)をもたらすキリスト … 守るべき境界線と、壊すべき境界線
人間の不確かさを自覚できている人は、人間の力に頼らないで、神に頼ります。
まず神が第一です。
人を通して神様が助け導いてくれることが多いですが、
だからといって、神を抜きにして、いきなり人に助けを求めてしまうと、
そこから諸々のトラブル、ひずみが発生することになります。
預言者イザヤを通してこう警告されています。
人間に従ってしまうと、錯覚を基準に物事を判断し、
誤解に誤解を重ね、黒いカラスを白だと言い、
神に従っているつもりで神に逆らう生き方にはまりこんでしまいます……
(参考) そのルールの目的は何ですか? … 旧い約束から新しい約束の世界へ
■ 神は「愛のきずな」で人を導く
神が人を導く方法はたくさんあります。
ホセア書では、「愛のきずな」で人を導いていると語られています。
わたしは人間の綱、愛のきずなで彼らを導き
彼らの顎から軛(くびき)を取り去り
身をかがめて食べさせた。 (ホセア書 11章4節)
私はこの個所を読むたびに、盲人ランナーと伴走者の姿を思い浮かべてしまいます。
(参考) 霊的な盲人を先導し、伴走する神 … 袋小路の壁をぶち破る神
盲人ランナーと伴走者は、腕を伴走ロープで結んで走ります。
文字通り「人間の綱」ですね。
日本ブラインドマラソン協会(JBMA)の公式サイトではこう説明されています。
伴走時、障がい者ランナーと伴走者を繋ぐものは“きずな”と呼ばれるロープです。
1メートルほどの長さのものを輪にします。
http://jbma.or.jp/challenge/guiderunnner/preparation/
伴走者との信頼関係が深いほど、盲人ランナーも走りやすいでしょうし、
伴走者も伴走しやすいでしょう。
霊的盲人の私たちも、神様の伴走ロープ「愛のきずな」で導かれているはずです。
愛のきずなを結ぶものは「信頼」だと思います。
心を尽くして主に信頼し、自分の分別には頼らず
常に主を覚えてあなたの道を歩け。
そうすれば
主はあなたの道筋をまっすぐにしてくださる。
――旧約聖書 『箴言』 3章5、6節
(参考) 何に対して素直であるべきなのか。ナオ(直)とマガ(曲、禍)。
神との信頼関係がないと、神の伴走ロープの導きが信用できなくて、逆らいたくなる。
神の「愛のきずな」が手錠のように感じられて、抜け出したくなってしまう。
そういう状態では、神が人を導くのはむずかしいし、
人間も自力で暗中模索した末にとんでもない悪路に迷い出ることになってしまいます。
神が人をロープで縛り上げて、身動きをとれなくして、
無理やり正しい道に引きずっていくことは可能でしょう。
でもそうやって力ずくで人間を引きずりまわす関係には、愛も信頼もないですね。
西部劇の悪い奴が、馬で人を引きずって走るのと変わりない。
神が人間に対して、そんな強引な導き方をするメリットはありません。
神は人間の自由意志を尊重しています。
人間が自発的に神を信頼して、神に立ち返ることを望んでおられます。
人間から選択権を奪うことはしていません。
(参考) 「私はロボットではありません」… 神は人間に個性と自由意志を与えた。
それゆえ、人間は神に背くことが可能なわけですが、
神に背き続けている限り、霊的に死んでいる状態からは抜け出せません。
■ 神のくびき(軛)は軽い
わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。
わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。
だから、彼らが言うことは、すべて行い、また守りなさい。
彼らは背負いきれない重荷をまとめ、人の肩に載せるが、
そのすることは、すべて人に見せるためである。
キリスト教の支配から自由になり、
なにゆえ、地上の王は構え、支配者は結束して
「我らは、枷をはずし
キリスト教制度に対する根深い確執がない風土だからこそ、
神とキリスト、聖書の本質にダイレクトに触れることができると思っています。
主を畏れることは知恵の初め。
無知な者は知恵をも諭しをも侮る。
――旧約聖書 『箴言』 1章7節
霊的認知症であっても、神を畏れかしこむことはできます。
神の本質をあらわしているものと、そうでないものを正しく判別できるよう、
これからも神の愛のきずなに頼っていきたいと思います。
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