ダウンタイムは娘たちの独立の物語(ネタバレあり)
久々にドラマを一気見した話題の『ダウンタイム』ダウンタイムを観る | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト天才的なオペ技術を持つ救急外科医・文は、不本意ながら美容医療の世界へ転身する。カリスマ美容外科医・凜と対立するなかで、華やかな表舞台の裏に潜む金への欲望と人々の美への渇望が暴かれていく。www.netflix.com美容整形、ルッキズム、ネット炎上など今っぽいテーマ満載ではあるものの実はこのドラマの見応えは娘たちの反乱にあると思う父を越えようとする息子と強大な権力でそれを潰そうとする父というネタはもはや古典的に擦られまくっているけれど父と娘の抗争というのはまあまあ珍しいのではないかそこには息子とのそれと違う切ない葛藤がある「わたしも娘だから」娘にとって父とは世界との接点であり社会の縮図であり憧れの対象でもあるその父(社会)に認められるために娘はまず父の価値観に染まり期待に応えようと優等生になるまたは真逆の方向へ反発する正反対の道を歩むどちらもエネルギーのベクトルが違うだけで父という大きな壁に囚われ認められることを目指すという意味では同義であるしかし社会の中で自分を表していけばいつか必ず父の枠組みから出なくてはならなくなるその時初めて娘は父の物差しでものを見ることをやめ自分なりの歩幅で歩くことを選ぶたとえ父に認められなくても父を超えられなくても自分なりの価値基準でそして母の葛藤を理解できるようになるそれまであまりにも外(父)に向きすぎていた意識が初めて女である「自分」に戻ってくる父(社会)に比べくだらない存在だと思っていた母にも葛藤があり苦しみがあり知恵があった父の枠組みから出ることで娘は初めてそんなことに気づくこのドラマでは美容外科医の対立を軸にしながらも父の枠組みから自由になり自分の人生を手に入れる娘たちが力強く描かれているどんな業界だろうがどんなポジションだろうがその人を動かしている根底の原動力は実はあまりにもシンプルだったりする誰かに認められたい愛されたいあまりにも極端で不可能で甘美な欲求その幻想を超えた時人は本当の意味で自分の望みを知ることができるのかもしれない