好きな作品がたくさんあって、優劣つけがたく、順位をつけるのが難しい!
107作品中
1.赤と青のエスキース 青山美智子
カプチーノ・コースト
片瀬チヲル 講談社 2022年12月
しんどいときほど、周りに頼れない。 早柚(さゆ)は、会社を休職中の26歳。 ふとしたことから、地元の海岸のゴミ拾いを始めた。 自分を見つめ直す、ひと月の物語。
早柚は、2ヶ月の休職期間中に近くの海に行く。
腕時計を海に落とし探しているうち、ゴミを見つけ拾ったことから、ゴミ拾いに没頭するようになる。
早柚は、海でさまざまな人と出会う。
何の仕事をしているか聞いてくる人。
なんでゴミ拾っているのか、たずねる人。
ゴミ拾いの仲間が集まり焚き火を囲んでいる集団。
ゴミ拾いから絆が生まれると、ありがとうと言いながらゴミ拾いする人。
バーベキューのゴミを海で拾ったゴミといっしょにして置いて行く人。
早柚の友達の灯理。
その時の早柚の気持ちが書かれている。
仕事のこと、自分のこと、過去のこと、さまざまなことに考えをめぐらす。
間違っていると指摘できない早柚の性格は、変わっていない。
それでも、この休職中、早柚にとって何かが変わったと思う。
ゴミ拾いはお金にならない。
でも、早柚の仕事より、世の中の役にたっている!?
<世の中にある仕事は、どれも誰かの役に立っているものだと思っていた頃があった。実際は、誰の役にも立たない仕事の方がずっと多い。役に立たない仕事につくなら、せめて誰かを喜ばせる業務ならよかった。搾取したり、追い詰めたりするのではなく。>
お気に入り度★★★★
監督 石立太一
出演 石川由依, 浪川大輔
代筆業に従事する彼女の名は、〈ヴァイオレット・エヴァーガーデン〉。 幼い頃から兵士として戦い、心を育む機会が与えられなかった彼女は、大切な上官〈ギルベルト・ブーゲンビリア〉が残した言葉が理解できなかった。 ──心から、愛してる。 人々に深い傷を負わせた戦争が終結して数年。 新しい技術の開発によって生活は変わり、人々は前を向いて進んでいこうとしていた。 しかし、ヴァイオレットはどこかでギルベルトが生きていることを信じ、ただ彼を想う日々を過ごす。 ──親愛なるギルベルト少佐。また今日も少佐のことを思い出してしまいました。 ヴァイオレットの強い願いは、静かに夜の闇に溶けていく。 ギルベルトの母親の月命日に、ヴァイオレットは彼の代わりを担うかのように花を手向けていた。ある日、彼の兄・ディートフリート大佐と鉢合わせる。ディートフリートは、ギルベルトのことはもう忘れるべきだと訴えるが、ヴァイオレットはまっすぐ答えるだけだった。「忘れることは、できません」と。 そんな折、ヴァイオレットへ依頼の電話がかかってくる。依頼人はユリスという少年。 一方、郵便社の倉庫で一通の宛先不明の手紙が見つかり……。"
ヴァイオレットは、戦場で兵士として育ち、「愛してる」という意味がわからない。
大切な上官ギルベルトは行方知れずだった。
ヴァイオレットは、戦場で手を失ったが、今は、偽手で、手紙の代行する仕事をしている。
余命いくばくもない少年ユリスの依頼を受けることになる。
両親のことも、弟も、友達も、みんな大切に思っているのに素直になれないユリス。
その思いを手紙に託す。ユリスの思いに、もう、涙が止まらなかった。
そして、戦後、離ればなれになってしまったギルベルト。
彼は、生きているのか?
彼にヴァイオレットは、気持ちを伝えられるのか?
劇場版のこの映画だけ見て、いいとこ取りみたいな感じだけど、
「愛してる」の意味がわからなかったヴァイオレットが、さまざまな人と出会い、日常を過ごし、代筆の仕事をするうち、成長していく様子やギルベルトの生存を信じている様子に心うたれた。
お気に入り度★★★★★
こりずにわるい食べもの
千早茜 集英社 2022年11月
果てなき欲望の海原を 食って食らって突き進め! 偏屈な食いしん坊作家・千早茜による、 「体にいい」の呪縛を解く異色の食エッセイ。 シリーズ第3弾となる本作では、京都を離れ、初の東京ひとり暮らしへ……。 “知らないこの街で、これから好きなものを探していける。 食の海を渡るための、はっきりした好き嫌いの羅針盤も持ちあわせている。 さあ、どこまで自由になれるだろう。”(本文より) 【収録内容】 ・40年ずっと嫌厭してきたIHと仲良くなれるのか?……「コンロのT-1000」 ・緊急事態宣言下の連休で果実食に挑戦してみたが……「先祖返り」 ・投げやりだった20代の頃、白昼夢のような海の記憶…「海老の頭」 ・横浜中華街で、肉汁過多の極北に出会った…「中華街の粉仕事」 ・10代の息苦しさから救ってくれた、雨とココアとビスケット……「雨と神様の物語」 ほか、 山形へ旅した「山形編」、アフリカ時代の鮮烈な記憶を描く「川の底」など書き下ろし4編も収録。多彩な味わいの全30話。
食エッセイ第3弾。
1も2も読んでないけど、 作者は、食べることが、ほんとに好きなのが伝わって来た。
好きなものを食べれるって幸せなことなんだと思う。
笑ったり、共感したり、つっこみ入れたりと楽しい読者。
個々の食の好みにマイノリティもマジョリティもないという考え方に同感した。
コロナの時代、開いてる店も減り・・・・
コロナワクチン接種後のの療養食、その量に絶句。
最後の方、私生活に触れてある。
東京ひとり暮らしの理由がわかった。
ひとりの食も充分楽しい。
けれど、親しい誰かとの食事も大切にしたいという。
作者に共感。
お気に入り度★★★★
ギフテッド
藤野恵美 光文社 2022年11月
賢い子どもに生まれたって、強く生きられるわけじゃない。 賢い子どもを産んだって、簡単には育てられない。 高い知能を持つことは、神様からのギフト? それとも試練? 国内トップの大学を卒業し一流企業に就職したものの退職、現在はフリーランスの翻訳者として慎ましく暮らす凛子。姪 の莉緒は、読書と昆虫が大好きで論理的思考が得意だが、融通が利かずコミュニケーションに難がある、危うい小学生だ。 莉緒の中学受験に伴走することになった凛子は、周囲の期待にうまく応えられなった自分の半生を振り返るーー
賢いということ、T大出身ということは、平凡な私たちにとって、うらやましく感じるが、本人たちは、幸せとは限らない。 賢い者には、賢い者なりの悩みがあるようだ。
落ちこぼれに対し、上にはみ出してしまうのを浮きこぼれというらしい。
頭がいいというのも、普通の小学校では、生活しにくい。
妹の子ども莉緒が中学受験するので、家庭教師をすることになる凜子。
浮きこぼれの莉緒のことを理解できる凜子の存在が、莉緒には頼りになっただろう。
莉緒が、知的障害のある弟のため、オセロを使って新しいゲームを考えていっしょに遊ぶ。
莉緒は、弟思い。聡明さをこのように使えるのが莉緒の魅力だ。
落ちこぼれも浮きこぼれもそれぞれにあった教育が受けられる世の中になったらいいな。
凜子は、自分の進むべき道を見つけられてよかった。
時々挿入される少年とどのように関わってくるのか?
ミステリーっぽいところもあった。
お気に入り度★★★★
空にピース
藤岡陽子 幻冬舎 2022年2月
公立小学校の教師になって五年目のひかりは、都内の赴任先で出会った人々に衝撃を受けていた。日本語が話せないベトナム国籍のグエン・ティ・ロン、授業中に教室を出て行く今田真亜紅、不登校気味で給食だけ食べに来る佐内大河、クラス分けに抗議をしにくる児童の母親…。 ひかりの前任者は鬱で休職中。さらに同僚からは「この学校ではなにもしないことです。多くのことを見ないようにしてください」と釘をさされてしまう。 持ち前の負けん気に火がついたひかりは、前向きな性格と行動力で、ひとりひとりの児童に向き合おうとするが……。 虐待、貧困、性暴力――。過酷な環境で生き延びる子らに、悩みながら寄り添うひかりが最後に見た希望とは。
子どもたちというより、大人に問題がある 家庭が多い地区の小学校に赴任してきた教師ひかり。
「この学校では何もしないことです。」と言われるが、
子どもたちをほっておけずに、行動にでる。
家庭訪問に行ったり、日本語がわからない外国の子どもには、 日本語を教えたり、インスタントラーメンの作り方を教えたり・・・・
貧困、虐待、小児ポルノ、外国人の不法滞在など、重い内容だ。
とうてい、ひとりでは解決できる問題ではないが、
ひとりひとりに真摯に向き合おうとする勇気あるひかりの姿が良かった。
親を選べない子どもは、苦労も多いと思う。
そんな子どもたちに明るい未来が訪れますように!
お気に入り度★★★★






