カプチーノ・コースト

片瀬チヲル 講談社 2022年12月





 

 

しんどいときほど、周りに頼れない。 早柚(さゆ)は、会社を休職中の26歳。 ふとしたことから、地元の海岸のゴミ拾いを始めた。 自分を見つめ直す、ひと月の物語。



早柚は、2ヶ月の休職期間中に近くの海に行く。

腕時計を海に落とし探しているうち、ゴミを見つけ拾ったことから、ゴミ拾いに没頭するようになる。


早柚は、海でさまざまな人と出会う。


何の仕事をしているか聞いてくる人。

なんでゴミ拾っているのか、たずねる人。

ゴミ拾いの仲間が集まり焚き火を囲んでいる集団。

ゴミ拾いから絆が生まれると、ありがとうと言いながらゴミ拾いする人。

バーベキューのゴミを海で拾ったゴミといっしょにして置いて行く人。

早柚の友達の灯理。


その時の早柚の気持ちが書かれている。

仕事のこと、自分のこと、過去のこと、さまざまなことに考えをめぐらす。

間違っていると指摘できない早柚の性格は、変わっていない。

それでも、この休職中、早柚にとって何かが変わったと思う。



ゴミ拾いはお金にならない。

でも、早柚の仕事より、世の中の役にたっている!?


世の中にある仕事は、どれも誰かの役に立っているものだと思っていた頃があった。実際は、誰の役にも立たない仕事の方がずっと多い。役に立たない仕事につくなら、せめて誰かを喜ばせる業務ならよかった。搾取したり、追い詰めたりするのではなく。>


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