監督 モーガン・マシューズ
出演  エイサ・バターフィールド  サリー・ホーキンス レイフ・スポール エディ・マーサン

大好きだった父を事故で亡くし、母親や周囲に心を閉ざしてしまった少年ネイサンは、
他人とのコミュニケーションが苦手な反面、数学の理解力に関しては飛び抜けた才能を持っていた。
母親ジュリーは、普通の学校に適応できない息子の才能を伸ばそうと、数学教師マーティンに個人指導を依頼し、
ネイサンは国際数学オリンピックのイギリス代表チームの一員に選ばれるまでになる。
代表チームの台北合宿に参加したネイサンは、そこでライバルの中国チームの少女チャン・メイと出会う。
彼女と共に学ぶ日々は、数学一色だったネイサンの人生をカラフルに変えていく。
そして、数学オリンピック当日、ネイサンは人生最大の選択を迫られる…


自閉症のネイサン。好きなのは数学。苦手なことは、他人とのコミュニケーション。

優れた才能を持つネイサンは、国際数学オリンピックに参加することに・・・・・・・・
代表チームの合宿に参加。
そこには、自分より優秀な“変人“が、たくさんいた。

はじめてことに戸惑うネイサン。
そして、少女チャン・メイの存在が気になるようになる。


数学しか興味がなかったネイサンが、他のことにも心を開いていく。
そのネイサンの成長がよかった。

母親目線で、思うこと。
ネイサンの才能を伸ばすように、数学の個人指導をお願いしたり、
ネイサンのこだわりの食事の用意をしたりと
ネイサンのためにいろいろしているのに、
ネイサンからは、距離をおかれているような・・・・・・・・
夫を突然亡くし、ひとりで自閉症の子を育てるのは、たいへんだったろうな。

お気に入り度★★★★

監督 アシュリング・ウォルシュ
出演 サリー・ホーキンス イーサン・ホーク

 

 

カナダの小さな港町で叔母と暮らすモードは、絵を描くことと自由を愛していた。ある日モードは、魚の行商を営むエベレットが家政婦募集中と知り、自立のため、住み込みの家政婦になろうと決意する。
幼い頃から重いリウマチを患い厄介者扱いされてきたモードと、孤児院育ちで学もなく、生きるのに精一杯のエベレット。はみ出し者同士の同居生活はトラブル続きだったが、徐々に2人は心を通わせ、やがて結婚。
一方、モードの絵を一目見て才能を見抜いたエベレットの顧客サンドラは、彼女に絵の創作を依頼。モードは期待に応えようと、夢中で筆を動かし始める。そんな彼女を不器用に応援するエベレット。いつしかモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領からも依頼が来て……。



モードは、エベレットの家政婦募集の求人の張り紙を取り外して
他の人の目にふれないようにし、家政婦に応募。
モードば、家を出たかった。
そのために、どうしても、雇ってほしいと思ったのだろう。

しぶしぶって感じだったけど、エベレットはモードを雇うことに・・・・・・・・

無骨なエベレットとリウマチのモードとの関係は、
エベレットが暴力を振るうなど、ギスギスしていたけど、
モードが壁に描いた絵を許すなど、
次第に、相手を思いやるようになっていく。


電気も水道もない小さな家で、絵を描き続けるモード。
それを見守るエベレット。
何年も同じ生活が続いたんだな。
本当の幸せって、夫婦の愛情ってなになのかを感じる映画だった。

モードの絵は、自然や動物を描いていて、色彩豊かで素朴な感じがいいなあ。

お気に入り度★★★★★




窪美澄
角川書店 2019年6月

 

 

夫と二人の快適な生活に満足していた知佳。しかし妹の出産を機に、彼の様子が変わってきて…「1DKとメロンパン」。妊活を始めて4カ月が過ぎた。時間がないとあせる妻に対し、夫の睦生は…「無花果のレジデンス」。独身OLの茂斗子は、単身者しか入居していないはずのマンションで子どもの泣き声を聞いて…「私は子どもが大嫌い」。子どもがいてもいなくても…毎日を懸命に生きるすべての人へ、そっと手を差し伸べてくれる、5つの物語。


どもに関係した話を集めた短編集。

子どもがほしいけれどできない。子どもを亡くして喪失感に悩まされている。子どもがきらい。・・・・・・・・
それぞれが、悩みを持っている。
けど、毎日を懸命に生きている姿がよかった。

最初の話でおいしいメロンパンを買う話が出てくるが、最後、メロンパン売るお店の話で、つながっていた。



お気に入り度★★★★
監督 アレハンドロ・アメナーバル
出演 イーサン・ホーク エマ・ワトソン デヴィッド・シューリス

 

 

1990年、アメリカ・ミネソタ。刑事のブルース・ケナー(イーサン・ホーク)は、父親の虐待を告発
した少女アンジェラ・グレイ(エマ・ワトソン)の事件を取り調べる。驚くべきことに、訴えられた
父は、記憶がないにも関わらず罪を認め、ケナー刑事は著名な心理学者(デヴィッド・シューリス)
の協力を仰ぐことに。アンジェラの記憶をたどりながら事件の真実を追うケナー刑事は、やがてこの
町に秘められた恐るべき巨大な闇に迫っていく。


アンジェラの父親は、記憶がないのに、なぜ、罪を認めたのか?

この町で行われている゛儀式゛は、おそろしい。
この映画は、゛事実に基づいて゛とあるが、こんなことが、実際に行われていたのかと思うとぞっとした。



アンジェラの言葉を信じて、妄想に惑わされ、憔悴していく様をイーサンホークは、見事に演じていたと思う。

父親の娘への虐待の話から、オカルト映画に発展。
しかし、着地点は、ミステリーとしての答があるところがよかった。


お気に入り度★★★
窪美澄 新潮社 2019年3月

 

 

50年前、出版社で出会った三人が人生を賭けて求めたものとは―昭和・平成から未来へと繋ぐ希望を描き切る。


妙子の葬儀で鈴子と登紀子が再開。鈴子の孫の奈帆が、登紀子に話を聞くという形で物語は進んでいく。

潮汐ライズで知りあった三人。ライターの登紀子、イラストレーターの妙子、事務員だった鈴子。
この三人の生い立ちから始まり、生きざまが語られる。


登紀子と妙子は、女性の社会進出がそれほど認められていない時代の中で、働く女性として、どのように生きたのか。
恋愛、結婚、育児、仕事。その両立の難しさ。苦悩。
一筋縄ではいかない人生を送ったのだと思った。

普通のOLをして寿退社をし、専業主婦だった鈴子も、この時代を必死に生きてきたのだと思う。


挫折をし、自信をなくしていた奈帆が、立ち直れそうで良かった。

お気に入り度★★★★★

監督 リテーシュ・バトラ

出演

 トニー・ウェブスター:ジム・ブロードベント

マーガレット・ウェブスター:ハリエット・ウォルター
スージー・ウェブスター:ミシェル・ドッカリー
セーラ・フォード:エミリー・モーティマー
ベロニカ・フォード:シャーロット・ランプリング
若き日のトニー:ビリー・ハウル
エイドリアン・フィン:ジョー・アルウィン
若き日のベロニカ:フレイア・メーバー

<映像特典>

 



ロンドン。穏やかに引退生活を送るトニー。
ある日、見知らぬ弁護士から手紙が届く。
あなたに日記を遺した女性がいると。
その女性とは40年も前の初恋の人ベロニカの母親。
遺品の日記は学生時代の親友エイドリアンのものだった。
なぜ彼女の元にその日記があったのか?そこには一体何が書かれているのか?
長い間忘れていた青春時代の記憶、若くして自殺した親友、そして初恋の秘密―。
ついにベロニカとの再会を果たすトニーだったが、思いもかけず自身の記憶は大きく揺らぎ始めるのだった…。


トニーの弁護士から、、昔の恋人ベロニカの母が、親友エイドリアンの日記を遺したいという手紙をもらう。
トニーは、ベロニカに会おうとするが・・・・・・・・


カメラ店を営むトニーは、離婚した元妻と今も連絡を取り合っている。
娘は、妊娠していて、もうすぐ、子どもが生まれそうだ。

そんな現在とベロニカに恋した学生時代のことが、交互に描かれる。




人は、自分の都合のいいように記憶を変えてしまうのだろうな。

最後には、意外な事実が・・・・・・・・




お気に入り度★★★★


伊与原新 新潮社 2018年12月

 

 

「月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ」。死に場所を探してタクシーに乗った男を、運転手は山奥へと誘う。―月まで三キロ。「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」。妻を亡くした男が営む食堂で毎夜定食を頼む女性が、小学生の娘に伝えたかったこと。―エイリアンの食堂。「僕ら火山学者は、できるだけ細かく、山を刻むんです」。姑の誕生日に家を出て、ひとりで山に登った主婦。出会った研究者に触発され、ある決意をする―。―山を刻む。折れそうな心に寄り添う六つの物語。



自殺を考えている男とタクシー運転手。
来年40歳になる独身女性と気象庁勤務の青年。
塾に行けなくなった小学生と博物館の元館長。
家業を継いだ次男とその兄とおっちゃん。
不眠症の小学生の娘を持つ食堂の店主と客。
家族のために尽くしてきた主婦と火山研究者。


ここで語られる、気象、アンモナイト、海の堆積物、素粒子、火山といった理系の専門的な内容が面白く興味深い。

そして、これらの人と関わることで、日常で悩んでいる人たちが、自分なりの道を見いだしていく。
こころ温まるお話だった。

山登りしていた主婦の決断。いいなあ。うらやましい。

お気に入り度★★★★★
監督 ジェイソン・ライトマン
出演 シャーリーズ・セロン マッケンジー・ディヴィス

  

 

「わたし、ひとに頼れないの」──仕事に家事に育児と、何ごとも完璧にこなしてきたマーロだが、3人目の子供が生まれて、ついに心が折れてしまう。
そんな彼女のもとに、夜だけのベビーシッターがやって来る。彼女の名前はタリー、年上のマーロにタメグチで、ファッションやメイクもイマドキ女子だが、仕事ぶりはパーフェクト。
荒れ放題だった家はたちまち片付き、何よりマーロが笑顔と元気を取り戻し、夫のドリューも大満足だ。さらにタリーは、マーロが一人で抱え続けてきた悩みの相談にのり、見事に解決してくれる。
だが、タリーは何があっても夜明け前に姿を消し、自分の身の上は決して語らない。
果たして彼女は、昼間は何をしているのか?
マーロの前に現れた本当の目的とは──?

出産、育児。
誰かの手助けが必要。

マーロの夫は、家庭のことは、非協力的。
子どもの面倒をみるどころか、寝室でゲームしている。
これには、腹がたった。

深夜だけタリーという若い女性が手伝いに来てくれる。
タリーは、家事を完璧にこなすし、
マーロの相談相手にもなる。
このタリーとは、どんな女性なのか?


タリーが、マーロの夫婦関係にまで入り込んで、
えっと思ったけど、
そういうことだったのか。


シャーリーズ・セロンが、太った体を披露。
この映画のために、体重を増やした!?
その役者根性に脱帽。


お気に入り度★★★★
歌野晶午 双葉社 2019年11月

 

 

小学三年生の詩穂と首江子は親友同士だったが、紗江子の母の再婚相手である若い義父と詩穂の母が失踪した。その日から紗江子の母の精神状態は普通ではなくなる。詩穂も父親から暴力を受けるようになり、児童養護施設に入れられてしまう。その後、二人は悪夢のような人生を送ることになるのだが、実は驚くべき真実が隠されていた。著者最恐のホラー・ミステリー。


紗江子の母の壊れっぷりが異常。
母から離れられない紗江子の人生も異常。

負の連鎖、どこまで続くのだろう。

世間とは逸脱した残酷な世界。
気持ち悪くて、恐ろしくて・・・・・・・・
それでも、先を読まずにはいられない。




今まで起きた出来事が、最後には、収束される。
そういうことだったのかと。
さすがだ。

おぞましい!

お気に入り度★★★★
監督:  サイモン・バーホーベン
出演 センタ・バーガー ハイナー・ラウターバッハ フロリアン・ダーヴィト・フィッツ

 

 

ミュンヘンの閑静な住宅地に暮らすハートマン家のディナーの席で、母アンゲリカは難民の受け入れ
を宣言。教師を引退して生き甲斐を見失った彼女は、夫リヒャルトの反対を押し切って、ナイジェリ
アから来た難民の青年ディアロを自宅に住まわせる。家族ははじめてのおもてなしに張り切るが、大
騒動が起きてしまう。さらに、ディアロの亡命申請も却下に。果たして、崩壊寸前の家族と天涯孤独
の青年は、平和な明日を手に入れることが出来るのか──?


難民を受け入れた家族の物語。
というと、しんみりとした話を思い浮かべるが、コメディタッチで面白く描かれている。

ハートマン家のリヒャルトは、引退することなく医師を続けているが、無理があり、若いものには、ついていけてない。
娘は、30歳を過ぎても、自分探しのため、まだ大学に通っている。
息子は、仕事人間で、子供の面倒もほったらかし。
妻のアンゲリカは、難民問題に精通しているわけではないけれど、生き甲斐を求めて、難民受け入れを決める。

受け入れた難民のディアロ、素朴な青年で、思ったことをそのまま口にする。
ドキッとすることもあるけれど、彼の素直さが、家族を変えていく。


さまざまな騒動、ちょっと大げさで、どうなるのかと思ったが、
バラバラだった家族が、それぞれの道を見つけ出していくストーリーは、好感が持てた。

お気に入り度★★★★