口外禁止
下村敦史 実業之日本社 2025年3月
パッとしない大学生の元に突然、「プロデュース通りに行動すれば、人生うまくいく。」というメールが届く。 半信半疑で従った結果、彼の日常は急速に好転し始めるが、ある日不可解な事件に巻き込まれて……。
大学生の金崎恵介のもとに、
サッカーの試合結果を三試合言い当てられた訳… なるほど!
お気に入り度⭐⭐⭐⭐
口外禁止
下村敦史 実業之日本社 2025年3月
パッとしない大学生の元に突然、「プロデュース通りに行動すれば、人生うまくいく。」というメールが届く。 半信半疑で従った結果、彼の日常は急速に好転し始めるが、ある日不可解な事件に巻き込まれて……。
サッカーの試合結果を三試合言い当てられた訳… なるほど!
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消えゆく街の秘密の友だち
鯨井あめ PHP研究所 2025年6月
小学校6年生の小晴(こはれ)は、自分の本音がわからず、人付き合いも苦手。
ある日小晴が部屋の掃除をしていると、一枚の紙を見つける。
その紙――消えかけた手書きの地図のようなものを開いた途端、小晴はいつのまにか外にいた。
そこで出会った男の子・ラッタッタは、ここは「ふしぎの街」であること、1人で地図を開いて目をつぶって深呼吸をすると、この街に来れること、そしてラッタッタ自身はこの街の管理人だということを教えてくれる。
他に動物も人もいない、2人きりの街で一緒に遊ぶうちに、ラッタッタに心を開く小晴だが、「大人になるため」には、ラッタッタとさよならしなくてはいけなくて。
鯨井あめさんの児童書。
小学6年生の小晴は中学受験のための塾、ピアノ、英会話、水泳教室と忙しい毎日を過ごしていた。
そのため、友だちがいなくて、話をするのは架空のふしぎの街のラッタツタ。
自分で考えることなく、親の言うとおりに過ごしていた小晴。
修学旅行を一緒に回るのに、声をかけた木山さんと仲良くなる。
ラッタツタから、大人になったらさよならすると言われ、木山さんに相談するが……
小晴が、友だちを得て、意見のあわないこともあるが、それを乗り越え、仲直りする経験をするうち、自分の考えを持てるようになり、親にも意見を言えるようになっていく。
小晴の成長物語。
お気に入り度⭐⭐⭐⭐
嘘つきたちへ
小倉千明 東京創元社 2025年5月
過疎化が進んだ町で小学校時代を過ごした大地は、二十年以上前の卒業以来初めて東京で同級生二人と再会する。虫取りやスイカ割りなどのノスタルジックな思い出話は、自然と五年生の時に起こった事故の話に移っていく。リーダー格の少年・翔貴が沼に落ちて昏睡状態となり、目覚めぬまま最近亡くなった水難事故の真相とは? 第一回創元ミステリ短編賞受賞作「嘘つきたちへ」など、全五編の“嘘つきたちの競演”。注目新人のデビュー短編集。
題名にあるように、嘘つきを見破る短編集。私には到底、無理でした。
このラジオは終わらせない
芸人一ノ瀬のラジオ放送。以前ペアを組んでいた山田が構成作家をしている。リスナーの紹介するお便りコーナーに、山田が選んでないメールが入っていた。
ミステリ好きな男
山道で川が氾濫孤立した人たちがたどり着いた洋館。集まった5人。家主の老婦人と使用人。
クローズドサークルで何か起こりそう。
1話、2話は、話がころころ変わりすぎて、ついていくのがやっとだった。
赤い糸を暴く
隣り合わせた新幹線で、赤い糸が見えるという女性に話しかけられ……
赤い糸の意味がわかれば……
保健室のホームズ
保健室登校する転校生湊斗に学校に慣れさせるため、朔太郎は保健室で一緒に給食を食べる。保健室で学校の様子を話しするうち、ちよっとした謎を湊斗は解いていく。
保健室登校の転校生との友情を描いたほのぼのした話だと思ってたら……
嘘つきたちへ
過疎の村の幼馴染み3人が20年ぶりに集まる。 昔話に盛り上がるが……
嘘つきたちへという題名から、多かれ少なかれみんな嘘をついている。どんな嘘か?見破るれるか?
どれも恐ろしいラストが待ってた。こわ!
お気に入り度⭐⭐⭐⭐
天使と歌う
愛野史香 角川春樹事務所 2025年7月
心の琴線にふれる感動&スリリングな音楽小説、ここに誕生
高校三年生の雨宮大夢は、介護福祉士になる進路を考えていた。
近所に住むクロアチア出身の元世界的なチェリスト、ルカ・デリッチ先生を支えるためだ。
身体が不自由なデリッチは、妻の故国日本に隠棲しており、大夢は小学生の頃から、先生の『無伴奏チェロ組曲』に憧れてチェロを習っていた。
そんなある日、クロアチアから「ルカ・デリッチ国際コンクール」を新設したいという話が届く――
異例の音楽コンクールに訳ありの“敗北者”たちが集い、それぞれの想いを懸けて熾烈な戦いを繰り広げる
「あの日の風を描く」
がよかったので、愛野史香さんのこの作品を読んでみた。
今回はチェロの話。
元チェロリストのルカ・デリッチ先生にチェロを教えてもらっている高校生の大夢。
身体が不自由なルカ・デリッチ先生のため、将来は介護の道に進もうと思っていた。
そんな時、ルカ・デリッチ国際コンクールを新設したいという申し出があり、ルカ・デリッチ先生はクロアチアに行ってしまう……
コンクールは年齢に上限を設けるのが多く、低年齢化の傾向にある中、
ルカ・デリッチ国際コンクールは、年齢の上限を設けないというのは、復活するチャンスがあるということで、こういうコンクールはいいなと思う。
ルカ・デリッチ先生のもうひとりの弟子高祖。
高祖は腕はいいが、悪態を つき、同じ弟子でも大夢とは正反対。
昔、何があったのか。
コンクールの場面は、臨場感があり、その緊張感が伝わってくるようだ。
内にこもっていた大夢が、「カレカノ」との出会いやコンクールに参加することにより、成長していく姿がよかった。
お気に入り度⭐⭐⭐⭐⭐
追憶の鑑定人
岩井圭也 角川書店 2025年9月
科学を信じることは、人を信じることじゃないかな?
元科捜研トップの鑑定技術力と知識から「彼に鑑定できない証拠物はない」と称された土門誠。民間鑑定人となった土門のもとに、大学教授の猪狩愛が訪れる。彼女は土門の過去を知る数少ない友人のひとりだが、研究中に起きた大学内での火事で記憶を失ってしまう。そればかりか放火の疑いをかけられ……。旧友を信じたい思いと、科学的事実の間で揺れる土門が導き出した答えとは?
「最後の鑑定人」
「科捜研の砦」
の続編。
交感原理
元夫を殺したと警察署を訪ねた女性がいた。頭の白骨化した死体が見つかる。彼女はストーキングされていたという 形跡を集めてほしいと相田弁護士から依頼をうける。
雑踏に消ゆ
花火大会でも起きたの群衆事故の原因を市役所に頼まれる。
見知らぬ水底
水中死体の男性に薬物の常習の疑いがあるのを調べる依頼をうける。
灰色の追憶
猪狩愛の研究室で火事があり、猪狩は記憶を失う。
土門は、頼まれたわけではないが火事の原因を調べる。
大学時代、同じ研究会にいた猪狩、鳥飼、窪が登場。
大学時代のエピソードも……
《愛想がないけど、冷血漢ではない。他人を思いやり、他人を信じることができる人間だ。》
土門の大学時代の 4人の仲間。
お互いを信じている関係がよい。
科学はうそをつかないと、沈着冷静に真相にせまる土門に変わりがないが、人間味のある一面があることがわかり、よかった。
いつも着ているベージュの服の訳……ふふふ
お気に入り度⭐⭐⭐⭐
13月のカレンダー
宇佐美まこと 集英社 2025年7月
勤めていたバイオ企業を辞職した侑平は、父方の祖父母がかつて住んでいた愛媛県松山市の空き家を訪れていた。両親が離婚し、祖父母が亡くなって以来疎遠だった父から連絡があり実家を売ると言う。身勝手な父に反発を覚えたが、15年ぶりにその家に足を踏み入れた侑平は、祖父の書斎の机に積み上げてあった書類の中から、13月まである不思議なカレンダーと、脳腫瘍で余命いくばくもない祖母の病状を綴った大学ノートを見つける。その中に「寿賀子、『十三月はあったのよ』と言う。」と書かれた一文が。祖母を知る関係者と接するうちに、導かれるように広島の地へと辿り着き、自らのルーツを知ることになり……。
侑平は、大学時代のある出来事 をずっと後悔し、逃げたことを引きずっている。
また、祖父母が好きで、少年の頃、祖父母の家で過ごしたのに、両親が離婚したとはいえ、病気の時見舞いにも行かなかったこと、後悔している。
さよならの保険金
額賀澪 角川書店 2025年10月
就活の最終面接の日、青森で漁師をしている父の船が遭難したという連絡が入った。家族と就職先を一度に失った桐ケ谷麻海は、東京で暮らす叔父・響介のもとに転がり込むことに。
居候としてなにか仕事をさせてほしいという麻海に、響介がかけた言葉は「掃除も洗濯も料理も別にやらなくていいから、俺の仕事をちょっと手伝って」。
響介の職業は、保険調査員。保険会社から依頼を受け、保険金を支払うにあたって不正や問題点がないか調べる仕事だ。
麻海は見習い調査員として詐欺が疑われる事案の調査をするなかで、生と死、お金にまつわる様々な家族の思いにふれていく。
保険金が支払われのに不正や問題点会社ないかを調べる保険調査員の話。
保険金詐欺というような大きな犯罪ではないけれど、保険金がもらえるならと、魔がさして不正してしまう人はいるのだろう。
警察官でもない彼らがどのように調べていくのか、興味深かった。
麻海の父は海で遭難して遺体が上がらないから、死を受け入れることはむつかしいだろう。
しかし、叔父の響介のもとで、保険調査員の仕事を手伝ううち、生と死、お金について考えをめぐらせ、父の死と向き合おうとする、成長した麻海の姿があった。
さよならの保険金とは生命保険のこと。
《損失の代償》
{生活をリスタートさせるための金》
重みのある言葉だ。
大切に使わないとと思う。
お気に入り度⭐⭐⭐⭐
死んだ山田と教室
金子玲介 講談社 2024年5月
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。二学期初日の教室。悲しみに沈むクラスを元気づけようと担任の花浦が席替えを提案したタイミングで教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきたーー。教室は騒然となった。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。〈俺、二年E組が大好きなんで〉。声だけになった山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまったーー。
死んだ山田が声だけになって教室に帰ってきた。
最初、戸惑うも、山田カフェを開いたり、山田に誕生日プレゼントを送ったりと、声だけになった山田を受け入れ、楽しくやっていた二年E組の生徒たち。
しかし、
卒業して、新しい道を進んでいく級友たちの中で、教室から動けない山田は、取り残されたまま。
話をしに来てくれる人もまばら。
山田の孤独を感じた。
けれど、和久津だけは違う。
そこまでして、山田のいる教室に戻ってこようとする想いに心うたれた。
最初、男子高校生たちの話に、ばかやってんなあと思って読んでいたのに、ラストは涙してた。
お気に入り度⭐⭐⭐⭐⭐
ありか
瀬尾まいこ 水鈴社 2025年4月
母親との関係に悩みながらも、一人娘のひかりを慈しみ育てる、シングルマザーの美空。
義弟で同性のことが好きな颯斗は、兄と美空が離婚した後も、何かと二人の世話を焼こうとするがーー。
「子育てをしながら自分が受けた恩を思い知って、親に感謝していくのだと思っていた。それが親になった途端、さっぱりわからなくなった。この日々のどこに恩を感じさせるべきところがあるのだろう」
(本文より)
永遠猫の祝福
清水晴木 実業之日本社 2025年9 月
生きるのに、誰かの許可なんて必要ない」
――400年を生きる猫が導く、令和最愛のおとぎ話。
人の間に生き、なによりも深く人を愛した猫は、今日も誰かの心に「生きる意味」を問う……。
愛情への渇望に揺れる、母と二人暮らしの中学生・景奈がある日出会ったのは、尻尾の長い、ベージュと黒のマーブル模様の猫だった。
エルと名乗る「彼」は、舐めて瞬時に傷を癒やし、人語を操る不思議な力を持っていた。
「私はもう四〇〇年 生きている」
なぜか老いもせず、病に倒れることもなく。
永遠にも似た時間を生きるエルが、母や友との向き合い方に悩む景奈に問いかけた言葉とは――。