をんごく

北沢陶 角川書店 2023年11月



 

 

さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ――

大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻・倭子の死を受け入れられずにいた。
未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。
巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。
倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。
エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、
倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。
壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。

家に、死んだはずの妻がいる。
この世に留めるのは、未練か、呪いか。




骨を喰む真珠

が印象に残る作品だったので、他の北沢陶さんの作品を読んでみた。


霊の話で、この暑い夏には、ぴったりな作品かも。


壮一郎は、亡くなった妻の倭子のことが忘れないでいる。 


霊として戻って来てくれたとしたら、うれしい気持ちがある。

全く、違うものになったとは、受け入れられない気持ちもある。


壮一郎は、巫女の紹介で、霊を喰って生きているというエリマキと会う。


壮一郎は、このエリマキと実家の秘密について調べる。


霊を喰って生きているというエリマキを、最初は恐ろしいと思ったけど、だんだん印象が変わり、やさしい存在に思えた。


大正時代、大阪の商人の風習やしきたりなど、その時代の様子 が目にうかぶ。


霊とエリマキが絡む場面は迫力十分だった。


ぞっとするホラーでありながら、切なさの感じられる作品だ。


お気に入り度⭐⭐⭐⭐⭐