ひまわりと銃弾
麻宮好 小学館 2026年1月
関東大震災後の浅草。
太平洋戦争に向かいつつある世情。
それぞれ重い過去を背負って生きている冴子・ハジメ・卓三の三人は細々と演劇で口を糊している。
芸術芸能に対して、警察や軍部による検閲、大衆の冷たい視線がますます厳しくなる中、卓三が兵役に取られた上に、東京大空襲に巻き込まれるふたり。
戦後、奇跡的に生き残ったふたりは、卓三不在のまま、舞台の幕を上げられるのか?
そして、GHQの嫌がらせに、どう抗うのか?
感動の戦争小説。
矯正院を出たハジメは伯父からも、浮浪児になりかけたとき拾ってくれた堂島にも冷たくあしらわれる。
ハジメは、親切に声をかけてくれた牛飯屋で働き始める。そこに客と して来た卓三と知り合い、演劇を始める。富美、冴子が加わり、「 一三座」を作り、野球ネタをするが……
戦争の色が濃くなる。
世間からは、冷たい 目で見られ、検閲も厳しくなる。兵役にとられたり、慰問を迫られたりと演劇を続けることがむつかしくなる。
そんな中で、
「大事な我が家」だと「一三座」を守ろうとしたハジメの強い思いに心うたれる。
それぞれが重い過去を背負っていたからこそ、 この居場所を大切にしたかったのだと思う。
必ず戻ってこいというハジメから卓三への言葉。
卓三と倉田のキャッチボールの約束。
それは果たせるのか?
胸が熱くなった。
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