天才望遠鏡
額賀澪 文藝春秋 2025年7月
才能を持った人間なんて、実はたくさんいる。でも、天才は違う。天才は、才能を見つけた連中が、一方的にそう名づけるんだ」
デビュー10年。爆発的に売れることはないけれど、きちんと締め切りを守り、編集者に無理難題を押し付けずに着実に仕事をこなす作家・星原イチタカ。一方、同期デビューの釘宮志津馬は偏屈で横暴であることを自覚しながらも、大人気作家であることから周囲に丁重に扱われることに対し憤りを感じている。イチタカの才能を軽んじる向きもある中、釘宮だけが彼の「天才」性を”観測”していた。
藤井聡太七冠の記録を塗り替え、史上最年少でプロ入りした中学生棋士、タピオカミルクティーの味もマカロンの味も知らない、かつての「氷上の妖精」、気がつかぬままに抜群の歌声を持ち、オーディションを駆け上がる天才中学生……。
描かれるのは5人の天才たち。彼らと、彼らを観測し続けた人々の姿が紡がれる連作短編集。
将棋のプロ棋士、フィギュアスケーター、歌手、陸上の選手、作家。
天才と呼ばれた人たちの悲喜こもごもを描く。
最初、天才と騒がれても、その能力をずっと維持することができる人はまれだし、いつかは引退の時期が来る。
才能があっても、家庭の環境から、その道をあきらめなければならない人もいる。
それを乗り越えられるのか。
競馬に関するこれらの本、
を読んで、その感動がまだ残っている今、競馬に関することはよくわかり、「カケルの蹄音」は共感できた。
馬の力って偉大。
一瞬を見逃さないカメラマンの多々良。
ボランティアで勉強を教えているナナオ。
怒りっぽくて社会性はないけれど、イチタカが唯一の友である人気作家の釘宮。
彼らが印象に残った。
作家にしても、プロ将棋にしても、ずっとその世界に居続けることが偉大なことなのかも。
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