吉田篤弘 角川春樹事務所 2021年7月
もういちど会いたいです 都会のはずれのガケの上にある古いアパート。 その屋根裏にひっそり暮らしている元オーボエ奏者のサユリ。 唯一の友だちは、頭の中にいる小さなチェリー。 「流星新聞」の太郎、定食屋〈あおい〉の娘のミユキさん、鯨オーケストラの元メンバーたち…… と個性的で魅力的な登場人物が織りなす待望の長編小説――。 『流星シネマ』と響き合う、愛おしい小さな奇跡の物語。
「流星シネマ 」は、流星新聞編集長の羽深太郎の視点で、この屋根裏のチェリーは、オーボエ奏者の岡サユリの視点で、ほとんど同時期のことが書かれている。
鯨坂と呼ばれているガケの上の古いアパートで暮らすサユリ。
以前は、オーケストラにオーボエ奏者として参加していたが、今は、何もせずに、父から譲り受けたアパートの家賃収入で、ひとりで暮らしていた。
話相手は頭の中にいるチェリー。
ある日、流 星新聞の羽柴太郎から電話があり、今は活動していないのに、「オーケストラの練習場所が見つかった。」と連絡があり・・・・
知り合いも友だちもいなくて、家の中に閉じこもっていたサユリが、太郎やミユキをはじめとした町の人々と関わることで、勇気を持って動きだす。
どこからか、優しい音楽が聞こえてきそうだ。
じんわりあたたかい物語。
流星シネマ 」と共に読むと、この話の良さをが倍増!
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