空にピース

藤岡陽子 幻冬舎 2022年2月





 

 


公立小学校の教師になって五年目のひかりは、都内の赴任先で出会った人々に衝撃を受けていた。日本語が話せないベトナム国籍のグエン・ティ・ロン、授業中に教室を出て行く今田真亜紅、不登校気味で給食だけ食べに来る佐内大河、クラス分けに抗議をしにくる児童の母親…。 ひかりの前任者は鬱で休職中。さらに同僚からは「この学校ではなにもしないことです。多くのことを見ないようにしてください」と釘をさされてしまう。 持ち前の負けん気に火がついたひかりは、前向きな性格と行動力で、ひとりひとりの児童に向き合おうとするが……。 虐待、貧困、性暴力――。過酷な環境で生き延びる子らに、悩みながら寄り添うひかりが最後に見た希望とは。



どもたちというより、大人に問題がある 家庭が多い地区の小学校に赴任してきた教師ひかり。

「この学校では何もしないことです。」と言われるが、

子どもたちをほっておけずに、行動にでる。

家庭訪問に行ったり、日本語がわからない外国の子どもには、 日本語を教えたり、インスタントラーメンの作り方を教えたり・・・・


貧困、虐待、小児ポルノ、外国人の不法滞在など、重い内容だ。

とうてい、ひとりでは解決できる問題ではないが、

ひとりひとりに真摯に向き合おうとする勇気あるひかりの姿が良かった。


親を選べない子どもは、苦労も多いと思う。

そんな子どもたちに明るい未来が訪れますように!



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