剣持麗子のワンナイト推理

新川帆立 宝島社 2022年4月





 

 亡くなった町弁のクライアントを引き継ぐことになってしまった剣持麗子。 都内の大手法律事務所で忙しく働くかたわら、業務の合間(主に深夜)に一般民事の相談にも乗る羽目になり……。 次々に舞い込む難題を、麗子は朝までに解決できるのか! ? 法律相談に運動会(?)に、剣持麗子は今日も眠れない! 

第一話 家守の理由 不動産屋の主人が何者かに殺害された。麗子は「武田信玄」と名乗る第一発見者の男に呼び出されるが、男は本名も住所も明かそうとせず……。 

第二話 手練手管を使う者は バーでホストの「信長」が殺された。状況からすると店で寝ていたという「光秀」が怪しいが、彼は無実を訴えて麗子に助けを求めてくる。 

第三話 何を思うか胸のうち 事務所の先輩弁護士の急死。しかしその状況は一度倒れてから蘇り、その後再び亡くなったかのような奇妙なものだった。 

第四話 お月様のいるところ 認知症を患っているらしいおばあさんを家まで送った麗子は、そこで男の首つり死体を発見する。しかもおばあさんは警察署から忽然と姿を消し……。 

第五話 ピースのつなげかた 三隣亡の日に瓦の張替えを行ったA家の近隣で、不幸が相次いでいるという。法律でAさんを訴えられないかという相談に、麗子は頭を抱えるが――。



TVドラマで「元彼の遺言状」を見たので、

剣持麗子=綾瀬はるかとしか思えない。


深夜に民事の相談に奔走する様子は、お金とは、縁遠い依頼だ。

剣持麗子、少し丸くなった?


短編集でありながら、話が繋がっていた。

ホストの黒丑君がキーパーソン。


お気に入り度★★★

監督 三宅喜重

出演 玉森裕太(Kis-My-Ft2), 西内まりや, 森カンナ, 阿部丈二, 山崎樹範




 

 きっかけは伸が高校時代に好きだった「忘れられない本」。 そこから「レインツリーの国」というブログの管理人であるひとみとメールで繋がり、会ったこともない彼女に惹かれていく――。 「直接会いたい」という伸。「会えない」というひとみ。頑なに直接会うことを拒む彼女には、言い出せない「秘密」があった・・・。 「秘密=感音性難聴」を抱え、自分の殻に閉じこもっていたひとみ。 パソコンの中に作ったブログ「レインツリーの国」は、唯一、耳のことを負担に思わずに、自由にのびのびとふるまえる場所。 そこに伸が現われ、ひとみに変化がおとずれる。想い合うあまり、傷つき迷うふたり。 伸とひとみの奇蹟の出会いが、本当の"障害"を乗り越えたとき、現実の世界にふたりの「レインツリーの国=ときめきの国」を見つけることができるのか――。



有川浩のレインツリーの国 の映画化。


本はとても好きな作品。


感音性難聴の人とどう接すればいいのか?

健常者の伸とひとみとの関係の中で戸惑うことも多い。


心の痛みは、その人しかわからないのかもしれない。

それでも、衝突しながらも相手を理解しようとするふたり・・・・


ふたりのこれからも気になるところ。


お気に入り度★★★★

看守の信念
城山真一 宝島社 2022年3月

「悩み抜いてたどりついたのは、乗り越えるのでも、逃げるのでもなく、結局、ただ抱えて生きていくしかないという思いでした」 第一話「しゃくぜん」 釈放前の更生プログラムに参加した模範囚が、外出先で姿を消した。発見されるまでの「空白の30分」で何が起きたのか? 第二話「甘シャリ」 刑務所内で行われた運動会の翌日、集団食中毒事件が発生。果たして故意の犯行なのか。炊事係の受刑者が容疑者に浮上するが……。 第三話「赤犬」 古い備品保管庫で原因不明の火災が起きた。火の気もなく、人の出入りもなかったはずの密室でいったいどうして? 第四話「がて」 窃盗の常習犯である受刑者の心の拠り所は、あるジャズシンガーとの文通。しかし、その女性は実在していなかった――。 第五話「チンコロ」 「また殺される」と書かれた匿名の投書が刑務所に届く。差出人は元受刑者か。そして、投書に隠された意味とは?



釈放前の更生プログラムで外出した時に模範囚がいなくなる
食中毒は故意の犯行か?
備品保管庫での火災の原因は?
受刑者の文通相手先に会いに行くが・・・・
匿名の投書は、元受刑者を雇い入れてくれる協力雇用主の専務のイジメがひどいというものだった

どの短編もひとひねりあり、ミステリーとしておもしろい。

看守たちは、刑務所内にいる時だけでなく、出所後のことも考えてくれている。
受刑者の思いやここで働く看守の思いも心に残る。


そして、最後・・・・
またしても、だまされた!

火石がこの仕事を選んだ理由、信念を引き継ぐことができてよかった。

お気に入り度★★★★★
看守の流儀
城山真一 2019年12月




刑務所、そこはシャバ以上に濃厚な人間関係が渦巻く、更生の最後の砦――。 石川県の加賀刑務所を舞台に、刑務官と受刑者たちの織り成す五つの事件。 仮出所した模範囚の失踪(「ヨンピン」)、暴力団から足を洗う“Gとれ"中に起きた入試問題流出事件(「Gとれ」)、受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムの消失(「レッドゾーン」)など、刑務官たちの矜持と葛藤がぶつかり合う連作ミステリー。


刑務所内で起きた5つの事件
模範囚の失踪、入試問題流失、健康診断記録の消失、ガンで倒れた受刑者の刑の執行停止、再犯リスクのある出所者の監視・・・・

     事件をどのように解決したのか、
そこには、警備指導官の火石司による火石マジックと言われる適切な指導があった。

それにしても、火石の顔の傷、インパクトある。
いったい何があったのだろう?

挿入されているプリズンダイアリーがどう関係してくるのか。

すい臓がんの貝原の話では、
約束を守り抜こうとする貝原、そして、家族の話には、泣けた。

第一話で登場した刑務官の西門。
悩んでいたが、進む道が見つかってよかった。


ミステリーであるが、 受刑者を社会復帰させようとする刑務官達の熱い思いが感じられた。



最後には、えっと思う事実が明かされ、びっくり。

三上の歌、聞いてみたい。



次は「看守の信念」だ。

気に入り度★★★★★






監督 末次成人

出演 奈緒 平山浩行 村上淳 笹野高史 村上真希 長谷川景 岡田健太 郎勝又諒平 小棹成子 八木景子


小山はるか(奈緒)は心に触れてこない日々のなかで、デパートの展示でふと目にした大皿に強く惹かれ備前焼を知った。仕事中も休日も気付けば備前焼のことばかり考えていたはるかは、言葉にできない感動を胸に岡山県備前市へ。意気揚々と大皿の作者を訪ねるも、目の前に現れたのは頑固でぶっきらぼう、職人気質な修(平山浩行)だった。しかし、ただ一人でロクロに向かう修を見て備前焼への興味はより強くなり・・・。

勢いのままに弟子入りを志願するも相手にしてもらいないはるかだったが、見兼ねた人間国宝の陶人(笹野高史)が間を取り持ち“修行見習い”の日々がスタートする。そんな気鋭の作家として陶芸に向き合う修には亡き父との約束があった——。



昨年、岡山への行って、備前焼見てきたので、親近感がわいた。


はるかは、デパート展示の大皿に惹かれて、大皿の作者に会いに備前に~。

そして、人間国宝の陶人の口添えで弟子となる。


人と関わりを持たず、頑固な職人気質の修だったが、はるかと関わることで、変わっていく様がよい。


はるか、頑張ってたな。


火を絶やさない窯焚きは、重労働。

ひとりではできない。

多くの人の手を借りて成り立っている。


ひとつとして同じものがないところも備前焼の魅力なのだろう。


陶人の存在がいい感じ。


お気に入り度★★★★


を掬う

町田そのこ 中央公論新社 2021年10月





 

 小学1年の時の夏休み、母と二人で旅をした。 その後、私は、母に捨てられた――。 ラジオ番組の賞金ほしさに、ある夏の思い出を投稿した千鶴。 それを聞いて連絡してきたのは、自分を捨てた母の「娘」だと名乗る恵真だった。 この後、母・聖子と再会し同居することになった千鶴だが、記憶と全く違う母の姿を見ることになって――。


執拗につきまとう 元夫に悩む千鶴。

その夫から逃れるため、いっしょに暮らすことになった「さざめきハイツ」には、自分を捨てた母、

母をママと慕う恵真、娘に捨てられた聖子がいた。


元夫におびえ、外出できない千鶴の様子は読んでいてつらい。


自分の不幸を母のせいにして、恨んでいる。

でも、再会したことで、甘えたい気持ちもある。

そんな千鶴の葛藤が読み取れた。


それに、恵真や聖子にもつらい過去がある。

この4人の共同性格の 向かう先は・・・・


気持ちが沈んでいく内容だった。


不幸を人のせいにするのは、簡単なことかもしれないけど、

それは自分勝手なことであり、それでは、前に進むことはできないのだと思う。


最後には、希望がもてる展開になっていてよかった。


お気に入り度★★★★

監督 大九明子

出演 優希美青, 大九明子, 足立梨花, 白羽ゆり, 須賀健太, 安蘭けい


 

 

―2人の女性の30年の時を超えた、恋と友情の物語― 1980年、岡山―。 東京から岡山に転校してきたたばかりの佐々岡鮎子(優希美青)はクラスに友達がいなかった。標準語を話す鮎子はクラスメートにからかわれっぱなし。 岡山弁で「ものすごい」を意味する「でーれー」という言葉が耳に残った鮎子は、クラスに溶け込もうと「でーれー」をなにかにつけて使ってみる。 ついたあだ名は「でーれー佐々岡」。そんな鮎子の心の支えはかっこよくてギターもうまい大学生の彼、ヒデホくん。 鮎子は密かに2人を主人公に、恋愛マンガを描いていた。ところがある日、その漫画をクラスでも目立つ、大人っぽく美人の秋本武美(足立梨花)に見られてしまう。 武美は鮎子にとって憧れの存在。そんな武美が、物語の続きを読みたがったのだ。武美は鮎子のマンガの最初の読者で、ファンとなっていく。 次第に仲を深める2人だったが・・・クリスマスイブ、ある事件がきっかけで決定的な仲違いをしてしまう。 不器用だった鮎子、意地っ張りだった武美、2人は仲違いをしたままそれぞれの道を歩んだのだった・・・。 現在―。 大人になり、漫画家になった鮎子(白羽ゆり)は、母校で講演会をするため30年ぶりに岡山へやってきた。 鮎子はそこで、思いがけず武美(安蘭けい)と再会し、再び物語が動き始める。 「2人が信じたもの」「2人が失ったもの」「2人が大切にしたかったもの」そのすべてが浮き彫りになった時、最後に待ち受ける意外な結末とは? 


 


原田マハの原作「でーれーガールズ」 を以前に読んだけど、内容忘れてる!!
映画見て、だんだん思い出してきた。

友達として大切に思っているのに、本心を話せない。
すれ違ってしまう。
そんな高校生の時のモヤモヤ。

30年後、
鮎子は、母校の講演会で、友情の大切さを講演する。

高校生の時、本心を言えないまま別れてしまった鮎子と武美。
30年ぶりに会えてよかった!

でも、武美のことは、悲しすぎる。

気に入り度★★★

残された人が編む物語

桂望実 2022年6月





 

 消えてしまったあなたへ―― 突然の失踪。動機は不明。音信は不通。 足取りを追って見えてきた、失踪人たちの秘められた人生。 喪失を抱えて立ちすくむ人々が、あらたな一歩を踏み出す物語。 「知っている人がいて欲しい」 主婦の上田亜矢子は、疎遠だった弟・和也が消えていたと知り驚愕する。 行方不明者捜索協会に依頼して、担当になった西山静香と、和也の行方を追うことに。 和也と時間を共にした人たちから聞かされる話は、亜矢子が知っていた弟とは違っていて……(「第一話 弟と詩集」)。 行方不明者捜索協会を訪れる依頼人と、そこで働く西山静香。 消えた人の人生を「物語」と呼ぶには、ある事情があって――。 捜索のはてに、彼らがみつけたものとは。感涙の連作集。




行方不明になった人を探す短編集。

その探すお手伝いをする業者がいて、依頼人に付き添ってくれる。


母が亡くなり、音信不通だった弟に連絡をとるが、弟の住所に、弟はいなかった。


バンドを組んでいた仲間のひとりから、愛の告白されて、逃げてしまった。


お金を借りた以前働いていた社長にお金を返すために社長に連絡するが・・・・


最後は、 行方不明者捜索協会で働く西川静香の物語。

父の再婚。弟が生まれ、自分は余計者だと思い込み、家を出てから、連絡をとらなかった。

行方不明者となっていた母。弟やママ母と向き合うことになる。


行方不明者を探すこと、その人が、どんな人生を歩んでいたのかを知ることは、これから、生きていくために納得いくようにできるから。


今まで知らなかった一面を知り、しみじみと心あたたまる話が多い中「最高のデート」だけは違った。

いつか夫は帰ってくると信じ待ち続ける妻・・・・といえば殊勝な話に思えるが、夫の行動を知ってからの妻の行動が大胆。過去に踏ん切りをつけ、新しい道を歩み始める。

どちらにしても、行方不明者の人生を知ることは、いい結果になると思った。



お気に入り度★★★★


終活の準備はお済みですか

桂望実 KADOKAWA 2021年5月





 

 

後悔せずに死ねますか? 終活サロン――そこは、人生最後の駆け込み寺。 『県庁の星』の著者が贈る、超高齢化時代に必読の¨エンディング¨小説! 


◆終わりに直面した人々の、それぞれの「終活」

1.鷹野亮子 五十五歳……独身・子無し・仕事一筋で生きてきたキャリアウーマンの「終活」

2.森本喜三夫 六十八歳……憧れの長兄が認知症になった後期高齢者三兄弟の三男の「終活」

 3.神田 美紀 三十二歳……仕事と育児に母親の介護が重なり絶望するシングルマザーの「終活」 

4.原優吾 三十三歳……突然のガン宣告で人生が一変した若き天才シェフの「終活」

 5.三崎清 五十三歳……七十歳で貯金ゼロの未来予想図を突き付けられた終活相談員の「終活」





1 キャリアウーマン、うまくいかない会社を止め、新しい会社で働くのか?

どんな答えを出すのか、考え時・・・・


2 認知症になった兄も連れての三兄弟の旅行、なんてステキな兄弟なんだろう。


3 働きながらの育児に介護。

こんなに簡単に変われるとは思えないけど、気持ちに余裕ができたのだと思う。


4ガン宣告・・・・これはつらい。

これから産まれる我が子への思い。文章で残すことに意味がある。


5 今まで人たちに関わってきた終活相談員も、自分のことを見直す。


終活というと死のことを考えるという、負の印象があるけど、そうではなくて、今までの人生を見つめ直し、これからの人生を考えるという前向きなことなのだ。


これまで出会った人たちのことを思い出し、感謝の気持ちを今のうちに伝えようという気持ちになるかもしれないし、自分サイズの幸せ探しにつながるかもしれない。


何度も人生の見直しは、必要何だと思った。


お気に入り度★★★★


空をこえて七星のかなた
加納朋子 集英社 2022年5月




 

 

大丈夫。昼間だって、見えないけれど星はそこにちゃんとあるから。 南の島で、山奥のホテルで、田舎町の高校で。 星を愛し星に導かれた人々が紡ぐ七つのミステリー。 「南の島へ行くぞ」突然のパパの言葉で石垣島へ旅することに。正直言って、あんまり気は進まない。家族旅行といえばママも一緒だったのだ、去年までは――(「南の十字に会いに行く」) 小学四年生の九月のこと、同級生の過失で私の右目は取り返しのつかない怪我を負った。世界はぼやけて頼りない姿に変わり果ててしまった。星降る夜に大事な友達と交わした約束も――(「星は、すばる」) 廃部寸前のオカルト研究会、天文部、文芸部。生徒会に必死で部の存続を訴えると、「じゃあ、スぺミス部ってことで」と、とんでもない提案が――(「箱庭に降る星は」) 読み終えたら世界が変わる! 〈日常の謎〉の名手が贈る、驚きと爽快な余韻に満ちた全七話。




星に関係した短編集。


パパとふたりでママのいない旅行に石垣島に行く七星。

右目を怪我し、ぼやけてしか見えなくなった美星。美星に怪我をさせたコータが目の代わりに付き添ってくれる。

オカルト研究会、天文部、文芸部は、生徒会室に呼びだされ、廃部になりそうになる。

木星荘に彗っちのお兄ちゃんが入居する。その部屋には、以前、モデルの金江さんが入居していた。

巨大宇宙船の中にいた海斗は少女ルナを部屋へ連れて行こうとした時、宇宙で接触事故が起き、海斗はコールドスリープ装置に乗せられ射出された。

中高一貫の女子高に入会した私は、大スター星合真吾の娘水輝と同じクラスになる。



やさしい気持ちになる内容だが、
そこにちょっとした謎が隠されていて、どの話もおもしろい。


全然関係がないように思える話。
それが、ラストにすべての話がつながった。
見事!

お気に入り度★★★★★