ギフテッド

藤野恵美 光文社 2022年11月





 賢い子どもに生まれたって、強く生きられるわけじゃない。 賢い子どもを産んだって、簡単には育てられない。 高い知能を持つことは、神様からのギフト? それとも試練? 国内トップの大学を卒業し一流企業に就職したものの退職、現在はフリーランスの翻訳者として慎ましく暮らす凛子。姪 の莉緒は、読書と昆虫が大好きで論理的思考が得意だが、融通が利かずコミュニケーションに難がある、危うい小学生だ。 莉緒の中学受験に伴走することになった凛子は、周囲の期待にうまく応えられなった自分の半生を振り返るーー




いということ、T大出身ということは、平凡な私たちにとって、うらやましく感じるが、本人たちは、幸せとは限らない。 賢い者には、賢い者なりの悩みがあるようだ。


落ちこぼれに対し、上にはみ出してしまうのを浮きこぼれというらしい。

頭がいいというのも、普通の小学校では、生活しにくい。


妹の子ども莉緒が中学受験するので、家庭教師をすることになる凜子。

浮きこぼれの莉緒のことを理解できる凜子の存在が、莉緒には頼りになっただろう。


莉緒が、知的障害のある弟のため、オセロを使って新しいゲームを考えていっしょに遊ぶ。

莉緒は、弟思い。聡明さをこのように使えるのが莉緒の魅力だ。


落ちこぼれも浮きこぼれもそれぞれにあった教育が受けられる世の中になったらいいな。

凜子は、自分の進むべき道を見つけられてよかった。


時々挿入される少年とどのように関わってくるのか?

ミステリーっぽいところもあった。


お気に入り度★★★★