僕のお気に入り映画BEST200(洋画編)も21位まで発表させていただいたいたのですが、
ランキング外でもこれは外せないでしょという作品がたくさんあります。
僕のお気に入り映画BEST200
- 21位~30位
- 31位~40位
- 41位~50位
- 51位~60位
- 61位~70位
- 71位~80位
- 81位~90位
- 91位~100位
- 101位~110位
- 111位~120位
- 121位~130位
- 131位~140位
- 141位~150位
- 151位~160位
- 161位~170位
- 171位~180位
- 181位~190位
- 191位~200位
そんな作品をご紹介したいなということで、
今回は『シェーン』(1953)のご紹介。
西部劇と言えば脊髄反射的にこの作品を思い出す方も多いのではないでしょうか。
ラストシーンのジョーイ少年のセリフ、
「シェーン!! カムバック!!」は作品を鑑賞したことのない人でも知っている人が多いかもしれませんね。
ワイオミングの草原。
山の彼方から馬に乗って一人の男がやって来る。
土地の既得権を主張し農民に圧力をかけて追い出そうとしている牧畜業者のライカ―の嫌がらせかもと思ったこの土地の主人ジョー・スターレットだったが、嫌がらせにやって来たライカ―一味をジョーと一緒に追い払ったことから、
ジョーはシェーンを信頼する。
ジョーには美しい妻マリアンと一人息子ジョーイがいて、
特にこの息子ジョーイは静かながら力強さを持っているようなシェーンに憧れるようになる。
シェーンはスターレット家族に食事をごちそうになったために、
この家族のために仕事を手伝い、雇われることにする。
そうこうしているうちにもライカ―一味の農民たちへの嫌がらせは続き、
ある日、街に買い出しに出かけたシェーンもライカ―一味から侮辱を受ける。
シェーンが嫌がらせに我慢したのは、
ジョーからライカ―一味から嫌がらせを受けても反発するなと言われていたからである。
が、噂が広まるのは早く、
スターレット家に雇われているシェーンは臆病者だと言われてしまう。
そんな中、
スターレットの仲間の農民の一人がライカ―の雇った殺し屋の挑発に乗って射殺されてしまう。
それまでも農地を荒らされたりして散々な嫌がらせを受けていた農民たちは、
この事件におののいてこの土地を出ようとする。
それを止めるためにジョーはライカ―との一対一の話し合いをするために酒場に出向こうとするが、
実はそれは提案したライカ―の罠だと聞かされたシェーンはジョーを叩きのめして、
自らライカ―との対決に向かう。
そこには、ライカ―に雇われシャイアンからやってきた殺し屋ウィルソンがいたのだが・・・
主役のシェーンを演じたアラン・ラッドの0.5秒と言われる早撃ちが見事です。
そんなに大柄ではない体格でのガン・アクションがカッコいいです。
このカッコよさは絶対に観ないとわからない!
そしてジョーイがシェーンに射撃を教わっているところを見て、
不安気な表情を浮かべるマリオンもいいですね。
ジョーイに、
「シェーンを好きになったらだめよ。あの人は帰ってこない人だから」と諭すシーンは、
自らもシェーンを好きになったからなのか複雑な感情を醸し出してますね。
このシェーンというヒーローは完全にフィクションで作られた人物ですが、
西部劇における史実である、
開拓者vs入植者という事実を知ってから観た方が面白いかもしれないです。
悪役のボスであるライカ―は、
シェーンのヒロイズムを強調するためにかなり悪い方にデフォルメされているが、
西部を開拓したのは私たちだという自負は作品で描かれていた以上に本人にとっては正義だったのだと思われるから。
実際に史実として開拓者が入植者を殺戮したジョンソン郡戦争というのがあります。
マイケル・チミノ監督は『天国の門』でこの事件を正面から取り上げて総バッシングを喰らいましたが、
『シェーン』にもその影が透けて見えますね。
シェーンというヒーローを登場させることによってアメリカ歴史の恥部にオブラートをかけているんでしょうね。
現在にも続くアメリカの銃批判にこじつけることもできますが、
そこは神経質になることはないかな。
銃は正義の国民性は日本人には理解できませんから。
ワイオミングの風景が美しく、
第26回アカデミー賞では撮影賞を受賞しています。
少々理屈っぽくなってしまいましたが、
西部劇の傑作であることには間違いありません。
ジョン・フォード監督も顔負けの酒場の乱闘シーンや7月4日にスターレットの結婚記念日を祝う場面など、
名場面の連続!
おススメしますよ!
『シェーン』(1953)Shane
ジョージ・スティーヴンス監督 118分