立候補 | シネマド館

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世界の映画を見ていると世界を旅しているように感じる・・・というブログではなく単なる「映画」と「おでかけ・旅行」をメインにしたブログです。とは言いながらも結構他のことも書いてます・・。

クレイジーでクレバーな男。


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立候補

(2012年/日本/100分)


監督:藤岡利充


【紹介】

落選15回で日本記録の羽柴誠三秀吉、政見放送がYouTubeで150万回再生された外山恒一、会員数ゼロの政治団体・スマイル党総裁のマック赤坂ら、泡沫候補として知られる立候補者たちの独自の戦いを追ったドキュメンタリー。300万円の供託金が没収される結末になってもなお、なぜ立候補するのか。世間からは首をかしげられる彼らが選挙に立つ目的とその原動力に迫る。(映画.comさんより)


【かんそう】

私がマック赤坂さんを知ったのは多分2011年の府知事選挙。



ポスターがふざけていた。



政見放送がふざけていた。



でも私が政見放送を、他の立候補者のものまで観たのはこの時が初めてだった。



それまでもちょこちょこ観てはいたが、でも、それ以来、選挙があれば時間がある限り意識して政見放送は観るようにしている。




マック赤坂さんのおかげやね。




そして街頭演説にも出くわしたことがあるがふざけていた。


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タンバリン鳴らしながら「北の国から」というドラマを引用して何か訴えていたように思う。





全てがふざけてるわーと思っていたけど・・・・



この映画を観ている限りそうでもないのねぇ・・・・と思った。

ちゃんと彼らなりに信念持ってるんだな、と。



そりゃ、何も好き好んでお金払って遊びで立候補なんてせんわな。




泡沫候補と呼ばれる人々。


泡沫候補・・・という言葉もこの映画で知った。



そしてあの府知事選挙でなんでこの人立候補したんやろうなーと思う人が数人いたのだが、この映画はその人たちにもちゃんとスポットをあてて話を聞いていた。



なるほどなるほど!

すっごい納得!!!



政見放送見ても「なんかこの人わからんわ・・・」という人がいたのだが、インタビュー聞いて納得。


そりゃあなたの訴えは私らの心には響いてきませんわ。



だからと言ってマック赤坂さんの主張が心に響くかっちゅうとそうでもないんですけどね。

笑わせてはもらいましたけど。さすがスマイル党!



マックさんて、京都大学農学部出身で伊藤忠商事で働いていて、レアーメタルの輸入業で財をなしたという、学歴経歴だけ見てたらとってもエリートなお方。


そこにまずびっくり☆



もひとつびっくりしたのが息子さんがいたことと、その息子さんがマックさんの立ち上げた会社を引き継いで経営しており、この息子さんがマックさんと違ってとってもクールだったこと。



最初、あまりのテンションの違いに笑ってしまったほど。




でも、最後のシーン(自民党の応援者との対決)ではちょっとこの息子さんに泣かされてしまうんですけどね。




・・・息子さんがいるってことは奥さんもいるってことだよね?!

いた・・の過去形かもしれんけど。




そしてずーっとマックさんの運転手・秘書(?)としてくっついている桜井さん。

彼の、どうしてマックさんにつくことになったか、というきっかけも笑える。



職安あるあるかも。




でも、マックさんて、やっぱりただものではない、というか頭いいよな、と思うのは公職選挙法をちゃんと理解してそれを楯にしていること。


ナレーション代わりにテロップが時折流れるのだが、彼は本当に公職選挙法に守られていた。



京都(選挙区外)で演説をしたときも京都府警を黙らせた。




何もそんなところで選挙活動せんでもええのに・・・汗







そして選挙活動最終日には維新の会の演説会場に乗りこんで行き、自分自身も演説を始める。


また東京でも自民党の演説会場に乗りこんで行き、これまた自分自身の演説を始めようとする。




当然、維新の会の応援者や自民党の応援者たちは、自分の応援する人たちの演説を聞きに来ているのに、突然侵入者がやってきたら「おいおいおーい!」となるよね。


当然の流れとして罵声をあびせる。

まぁ、応援者(有権者)が怒るのも無理はないかな、とは思ったけど、その罵声はどうなん??

集団心理て恐ろしいわ・・・とも思ったよ。



しかーっし!!


マックさんひるまない。




維新の会も仕方なくマックさんに少しだけ時間を与える。


マックさん演説。

10度!20度!30度!スマイルー!



そのあとマックさんはおとなしく黙るのだ。



常識なさそうでその辺はちゃんとわきまえてるのねー。

・・・て乗りこんできて邪魔すること自体わきまえてないのかも?ですがね。


ただ、それも多分選挙法では何も規定されておらず、単に人としてのマナー的なところで候補者達が譲り合って、話しあって、場所と時間を決めているだけなのかしら?とも思う。



その辺は先日観た『選挙2』を観てて感じた。

この時の山さんは遠慮しすぎな感じがあったので二人足して2で割ればちょうどええんかも。



この『立候補』すごく笑ったし、最後はちょっと泣けたりして、これまたドキュメンタリーなのにエンターテイメントとして最後まで飽きさせない映画になっていた。


合間合間に出てくるテロップも非常に効果的で笑えたし、編集がいいのかしら?とも思ったりした。

私は素人なのであまり専門的なことはよくわからないのだが。



でも泡沫候補をメインにした題材も非常におもしろかったし、想田監督の観察映画同様、ドキュメンタリー苦手だな、という人もきっとすんなり観ることができるのではないだろうか。


連日多くの人が観に来ている、というのもわかるなぁ。





最近マック赤坂さんが政治活動からの引退を表明されたそうだ。


とっても残念だわー




クラッカーくうこのおまけクラッカー


外山恒一さんにもインタビューをされていた。

その時彼は「(国民は)消費者になってしまっている。政治家に何かをしてもらってそれを自分たちが消費する、という形になってしまっている」というようなことをおっしゃっていた。


これ・・・先日NHK日曜討論に出演された想田監督(『選挙2』の監督さんね)も全く同じようなことをおっしゃっていたのだ。


想田監督はこれを「消費者民主主義」と呼んでおられたかな。


政治は本来民衆が作り上げて行くものなのだが、今は政治家に何かをしてもらってそれを消費する、この人ならこんなことをしてもらえる、という依存するような形になっているというのだ。



これ聞いて「ハッ!」としたよ。


ほんとそうかも・・・って・・・


投票だけはちゃんと行っているけど・・・

なんか見透かされたような言葉だったわ・・・




・ある立候補者のお子様の「お父さんこの前550票やったし・・・」という一言に申し訳ないが笑ってしまった。

父である立候補者は慌てて「今度は大阪府全体の選挙やからもうちょっと入る」ってフォローしててそれにもまた笑ってしまった。

候補者ではあるが、この場面は父と子供としてのほのぼのしたやりとりだった。






うりぼう4つ:うり坊 うり坊 うり坊 うり坊



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ありがとうございました☆