イタリアンホラーの帝王、ダリオ・アルジェント監督のサイコサスペンス
「PART2」と銘打っているが日本だけのタイトルである
では行きましょう。。
残暑はホラー!
「サスペリアPART2」
1978年日本公開 / 126分(完全版) / イタリア (原題:Profondo Rosso / 英題:Deep Red)
監督: ダリオ・アルジェント
脚本: ダリオ・アルジェント/ベルナルディーノ・ザッポーニ
製作: クラウディオ・アルジェント
音楽: ジョルジオ・ガスリーニ/ゴブリン
撮影: ルイジ・クヴェイレル
編集: フランコ・フラティチェリ
配給: リッツォーリ映画/東宝東和
キャスト
デヴィッド・ヘミングス/ダリア・ニコロディ/マーシャ・メリル/ガブリエル・ラヴィア/エロス・パーニ/クララ・カラマーイ/ニコレッタ・エルミ他
女予言者が殺されたのを手始めに連続殺人が発生。事件に巻き込まれたピアニストは謎の犯人像に迫るが……。「サスペリア」が日本で大ヒットしたためこの邦題がついたが、製作年度もこちらの方が古く、もちろん関連性も全く無い。ジャンル的にはホラーではなくスリラーである。98年に発売されたビデオは劇場公開版よりも約20分も長い「完全版」。(allcinemaより抜粋)
Wikipedia:サスペリアPART2
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この時期恒例の、残暑はホラーです
今回は少し、懐かしめのを続けていこうかなと思っております
最初は「サスペリア」をやろうかなと思ったのですが
やるなら「サスペリア」の前に撮っている「サスペリア2」をやるべきやろとw
こちらから観ることにしました
ホントなら監督デビュー作の「歓びの毒牙」から順にするのも良かったのですが
まあこちらは追々やっていきましょう
この何故「2」となっているのか
本作の本国イタリアの公開が1975年で、
本作が評価され次作に「サスペリア」を撮るのですが
日本では1977年の「サスペリア」が先に公開され、
これがヒットしたことで監督作の前の作品を「PART2」と銘打ち日本でロードショーされたのです
ホントのタイトルは「Profondo Rosso」(深紅の意味)。英題はそのまま「DEEP RED」
日本公開にはタイトルが弱いとでも感じたのでしょうね
この頃はタイトルや、ポスター、キャッチコピーなどで
いわゆる「釣る」作業に心血を注いででも映画館に客を入れようとしていた時代でもありますのでね
混乱させようがお構いなしだったのでしょうね
では
ストーリーの方もやっていきましょう
※今回もネタバレ必至でございます。ご容赦をば。。
このクールなタイトルに
ゴブリンの高揚感のあるスコアがハマる
このテーマ曲は
有名な「エクソシスト」のテーマである「チューブラー・ベルズ」の冒頭を意識してほしいと監督がゴブリンに注文したと言われている
そこから一度かわいい子供の歌声が聞こえ、
スクリームとナイフを刺す影が映る
その後に血の付いたナイフが転がり、
子供の足が映る
この印象深いプロローグの後に
本編が始まる
アメリカからイタリアにやってきたピアニストのマーク=デヴィッド・ヘミングス
舞台はある会場へ
タイトルの通り本作はこの赤が非常に印象的に使われている
ここではテレパシーの使える女性、ヘルガ=マーシャ・メリルの講演会が開かれていた
会場で彼女が念を飛ばすと
この中に殺人を犯す邪悪な者がいると言う
1人立ち去る者がいたがその場では何事もなく終わる
その夜ヘルガが家にいると
何かの気配を感じる
ココでのカメラワークが最高
目を強調した固定カメラ
一度、廊下を映した後
また同じ構図で目だけ動かす
鍵のかかっている玄関に行くと、ドアをぶち開け黒ずくめの人が入ってくる
彼女はあっさり刃物で背中を何か所も切られ倒れる
画面は変わり、マークのターン
広場を歩くマーク
ここの広場も本作では印象的だ
「Blue Bar」と書かれたダイナーは有名な「ナイトホークス」のオマージュ
本作では全編通して絵画的なニュアンスが、動かない通行人だったりに渦巻いており
それがラストにも関係する絵画へと繋がっていく
広場はトリノのCLN広場
フォンタナ・デル・ポーという噴水の前が下の写真
そこには同じピアニストの男がいる
マークの友だちでいつも飲んだくれている
彼と少し会話し、飲み過ぎだから早く帰ろと告げる
自分も家路に就こうと歩き始めたときに
ふと前のビルの窓に人影が写る
ここの描写のカット割りも素晴らしい
歩き出すマークの先にカメラが上に上がると窓が見え、
瞬間に窓のアップが映る
先ほどの襲われていたヘルガだ
次のカットでは彼女目線のマークが映る
そして後ろから襲われ、割れたガラスが首に刺さり死亡
この横たわる死体の顔のアップは
アルジェントのこだわるところだろう
主要人物の死亡時には必ず横たわる顔のアップが写し出される
もしかすると、ヒッチコックの「サイコ」のアレのオマージュかもしれないが
同じ作品で何回もすることでも無いようにも感じるので
他に何か意図があるのかもしれない
襲われるのを見た瞬間
マークはヘルガの部屋へと急ぐが
犯人はもういなかった
そして窓から広場へ向かう黒ずくめの人影を見る
そのヘルガの部屋
最初の段階で廊下の不気味な絵画が映され
1つの違和感を摺り込みさせられるが
あれは何だったんだろう程度の違和感で物語は進行されていく
マークとヘルガは他人であったが
同じビル内にマークは住んでおり
面識はあったようだ
夜が明け、警察と鑑識がやってきて
マークが発見者と言うことで取り調べを受ける
そこで女性新聞記者のジャンナと出会う
ジャンナはダリア・ニコロディ
本作を機にアルジェント監督と交際が始まり、同年1975年に愛娘アーシアを出産している
マークは警察で取り調べがあったあと、
噴水の前でまた酔っ払いの彼に会う
酔っ払いの彼はカルロ=ガブリエレ・ラヴィア
同じ同業者でありながら成功者のマークと
飲んだくれているカルロ。
この対照的な二人のこれからの展開を知っていると
ここでのこの画角が印象に残る
違う境遇で違う道を進む2人
バックボーンとしてこの広場には
2つの教会がある広場として地元では知られているそうだ
この日以来、カルロは連絡が途絶えてしまう
マークはカルロの母に会い、
カルロの母を演じるのはクララ・カラマイ
イタリアの往年の大女優で約8年ぶりのスクリーン復帰
本作でも元女優の母を演じる
そして友人のところへたどり着く
カルロはゲイだった
友人はこのままだと彼は酒で死んでしまうと心配している
カルロを連れて帰るマーク
マークはカルロにあの殺人の夜何か見なかったかと聞くと
あの事件に首を突っ込むなと言われる
しかし、テレビでは目撃者は犯人の顔を見たとの誤報があり
その夜、家でマークは襲われかける
否応にも犯人捜しを始めるが、
同じく、事件に関心ある物や関係のある人物が
第2、第3の被害に遭ってしまう
有名な人形のシーンはここで登場
マークはある屋敷にたどりつき、
屋敷の隠し部屋にある死体を発見するも
何者かに殴られ気を失い、屋敷は焼かれてしまう
火事の中から救い出してくれたのは
女性新聞記者のジャンナだった
本作はこのジャンナが良いアクセントとしてこの作品に
色を添えている
時にはミステリアスに、そして時にはキュートに魅せる
真相の手がかりが消えたと思ったが
学校に子供の書いた
とある絵があることに気づき
その絵を探す
ジャンナはここで刺され、病院へ搬送
マークは絵を見つけ
書いた子の名前を見つけ、犯人が判る
犯人はカルロだった
しかし呼んでいた警察から逃げる途中に
車に頭部を轢かれ死亡
なかなかのインパクト
しかし、
これで終わりではなかった
またマークは噴水の前にあることに気づく
犯人はもう一人いることに
最初の被害者で、マークが目撃したヘルガの部屋へ行き
最初に気になっていた違和感のある場所へ
映画的トリック
絵と思っていた額縁は鏡で
最初に来た時にマークは犯人の顔をすでに目撃していたのだった
カルロはその犯人をずっと庇い隠し通してきた
幼い頃に目撃した殺人
それが彼にとってずっとトラウマとなり
それから逃げるように酒をあおっていたのかもしれない
マークと犯人は乱闘の末、
犯人の首のネックレスがエレベーターに引っかかり
犯人も死んでしまう
溜まった深紅の血に映る、歪んだマークの顔に
エンドロールが流れる
本作は、本国でも当時あまり評判は芳しくなかったらしい
正直、最初の殺人の演出と最後のどんでん返し、他の殺人シーンの演出はよいが
中盤のダラダラ感は何ともしがたい
色々伏線を入れ込み過ぎて、とりとめがなくなっている感じもするが
初見のインパクトは
「サスペリア」より好きだった
何度か観返すとね
色々アラも見えてきますが
それでも高水準のミステリーであり、高水準の演出ではございます
この次回作が
「サスペリア」になるわけですね
んなわけで
次回は本家サスペリアで行きましょう
では。
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