こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日想像力と貴女(きみ)の名はというテーマで

 

ミス・ブロディの青春(1968)

(原題:THE PRIME OF MISS JEAN BRODIE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

★想像力と貴女(きみ)の名は、とは?

 

男性名の映画に比べ、女性の名を冠した作品の数はほぼ無限!!

 

ですが、あまりにも多すぎる事が災いして、近年では女性の名のついた作品名を言っても「誰それ?」と言われてしまう事も少なくありませんので、本シリーズでは過去の様々な女性名の映画をご紹介しながら「女性が活躍する映画って、こんなに沢山あったんだ」と認知して頂ければと思っております😊

 

 

 

 

想像力と貴女(きみ)の名はブロディ

 

本作に登場する貴女の名前はジーン・ブロディ

 

ミス・ブロディは第一次世界大戦後のスコットランドで学生たちに絶大な人気を誇っていた女性教師!

 

 

「ミス・ブロディの青春」という邦題は、そんなブロディ先生のキラキラした青春を描いた作品というイメージではないかと思います😊

 

です本作で描かれているブロディの先生の「青春」は、彼女の周囲の人たちに多大な迷惑をかけるものだったのです…

 

先生らしくないオシャレなミス・ブロディ!

果たして彼女の青春とは?

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。

 

イギリスの女流作家ミリュエル・スパークの同名小説を、ジェイ・プレッソン・アレンが、まず舞台劇にし、それをさらに映画用に脚色した。

監督は「泥棒貴族」のロナルド・ニーム。

撮影はテッド・ムーア、音楽は「ジョアンナ」のロッド・マッキンが担当した。

出演は「三人の女性への招待状」のマギー・スミス、彼女の夫君で舞台世身のロバート・スティーブンス、「華麗なる悪」のパメラ・フランクリンほか。

製作はロバート・フライヤー。

 

 

 

 

解説にある通り本作は、イギリスで舞台劇となった作品!

 

ご存知の方も多いと思いますが、イギリスの舞台劇と言えば「シニカルな人間劇」を描いた一筋縄ではいかない作品が多く、本作もまた、楽しそうに始まった後、次第にゾッとするような展開になってゆくシリアスな作品!!

 

 

 

生徒たちに歴史を教えているミス・ブロディは、地味な他の先生とは異なるオシャレで陽気な先生!!

 

ですが彼女の勤めている学校では、そんな派手な服装をしている先生はブロディだけ。

 

学校が大切にしているのは普遍的な道徳観であり、生徒に対しては規律やモラルや教養を身に着けさせるような教育を実践しており、ブロディはブロディはそんな学校の古臭い方針を否定し、独自の教育を実践していたのです。

 

 

そんなブロディのモットーは「青春のような刺激に満ちた人生を一生涯送り続けよう!」という革新的なもの。

 

ブロディの担当教科は歴史ですが、彼女は教科書などを使わずに、自分の体験を基にした歴史観で授業を行います!

 

教科書を使わず、先生の想いを聞く

ブロディ流の歴史の授業!

 

そんなブロディの授業内容は感情的でとてもロマンティック!!

 

ブロディが若い頃に結婚を約束していた青年が、第一次世界大戦で戦死してしまった逸話を聞いた生徒の中には涙する者まで現れるのです!!

 

ブロディ先生の悲恋に涙する生徒!

みれが本当の歴史の授業よ!!

 

 

…ここまでの解説だと、型にはまらない自由な教育を実践しているブロディ先生の姿は、とても魅力的に見えませんか?

 

ですがそんなブロディ先生に心酔した一人の女性徒は、ブロディのアドバイスに従って行動した事で、想像を絶する人生を送る事になってしまうのです。

 

他の生徒たちが食堂で昼食中ですが…

 

ブロディ先生はお気に入りの生徒たちと

庭で楽しいランチタイム!

「これが青春よ!!」

 

 
【私の感想】青春が永遠に続くなら

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は「青春時代」をずっと続けるとどのような人格になっていくのてかを描いた、ちょっと怖い作品!!

 

一見すると理想主義者のようなブロディ先生ですが、彼女の行動を仔細に観察してゆくと、彼女は大人としての思考を持っておらず、学生のように感情に流されやすく、虚言を呈し、反省をせず、自己陶酔に耽っている「子供の人格のまま大人になった人」だという事が分かって来ます。

 

 

そう。

 

「青春」は失敗や挫折を体験する機会であって、やがては卒業して次の世代の人々を善導する存在へと成長してゆく過程のようなもの!

 

 

映画の冒頭キラキラと輝いていたブロディ先生は、子供ような浅慮によって自らを追い詰めてゆくのです…

 

妻子ある美術教師に言い寄られて

まんざらでもない様子のミス・ブロディ!

 

ですがこのようなふるまいは

まだ社会に疎いティーンの行動では?

こんな先生に学んで大丈夫?

 

 

私見ですがそんな本作は解説にある通り永遠の青春を謳歌しようとするブロディ先生の姿を描いたアイロニーのような作品として観る事もできると同時に現代にも多数存在する、いつまでも理想を追い続け子供のような言動で周囲を困らせ続ける「好きな事だけをして生きていきたい症候群の人」が、結果的に社会でどうなってゆくのかを理解するために観る価値のある作品ではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

ミス・ブロディが尊敬するのは

ファシスト党のムッソリーニ!

 

後の歴史を観れば、彼を推すのは

賢い発言ではありませんが

青春まっただ中にイタリア旅行で見た

ムッソリーニの雄姿を観て

感動したブロディ先生は

その体験を生徒に話し続けます。

 

社会人となれば分かる事が

まったく理解できないブロディは

中二病のような先生!

 

尚、現代においても

ブロディのような発言をして

学生を惑わせる先生は

存在していると思われます…

 

 

 

 

 

という訳で次回は

 

貴女(きみ)の名はティングル

 

というテーマで

 

鬼教師ミセス・ティングル

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たいスペイン内戦下を描いた作品

「ブルージャスミン」

 

青春時代に卒業させておくべき

感情の一つに「責任転嫁」があります。

 

「私は何にも悪くないのよ!」

何をやっても他者を悪者にする大人は

最後には肉親からも見放されるのです…