こんばんは。
ご覧頂きありがとうございます😊
本日も想像力と貴女(きみ)の名はというテーマで
マイラ(1970)
(原題:MYRA BRECKINRIDGE)
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。
★想像力と貴女(きみ)の名は、とは?
男性名の映画に比べ、女性の名を冠した作品の数はほぼ無限!!
ですが、あまりにも多すぎる事が災いして、近年では女性の名のついた作品名を言っても「誰それ?」と言われてしまう事も少なくありませんので、本シリーズでは過去の様々な女性名の映画をご紹介しながら「女性が活躍する映画って、こんなに沢山あったんだ」と認知して頂ければと思っております😊
本作に登場する貴女の名前はマイラ・ブレッキンリッジ。
前回ご紹介させて頂いた「ジョアンナ」のマイケル・サーン監督によって作られたアメリの映画。
ん?
「ジョアンナ」はイギリス映画ですよね?
はい。
「ジョアンナ」において終焉に向かいつつあったスウィンギング・ロンドンの晩秋を描いたマイケル・サーン監督が次のテーマに選んだのは、カウンターカルチャーと呼ばれていたアメリカの若者革命の行く末!!
スウィンギング・ロンドンの終焉を描いた
「ジョアンナ」は1969年の作品!
では「マイラ」から1年後の
アメリカのカウンター・カルチャー界は
どうなっていたのでしょう?
そんな本作は「20世紀最高のグラマー」と呼ばれ60年代映画の売れっ子女優だったラクウェル・ウェルチが主役のマイラを演じアメリカのカウンター・カルチャーの末路を暗示したような"描いてはいけない映画"だったのです…
注意!本作は過激なシーンや表現を
多用している作品ですので
ご覧になる際には、その事をご留意下さい!
「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば、本作の解説は以下の通り。
ええっ??
皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、本作は画面上で描かれている事が事実とは限らない作品!
映画の冒頭の手術シーンも現実にはあり得ない状況ですし、マイロとなったマイロンが二人で一緒に行動するシーンも度々描かれていますので、本作でマイロンが本当にマイロになったのかどうかも疑わしく、本作で描かれている事はすべてマイロンの妄想ではないかと思われます。
ホモセクシャルのマイロンの心の中には
女の子になりたいという思いがあったから?
そんなマイロンの脳内では
自分がラクウェル・ウェルチそっくりに
変身出来たと思っていたのでは…
そう。
現実の世界に絶望した人は、妄想の中に理想の居場所を求めるものかもしれないのです…
マイロンとマイロの会話シーン。
ちなみにマイロンは映画マニアの青年。
…ひょっとしてマイロンは
大好きなラクウェル・ウェルチになれた
自分の妄想を観ているだけでは?
1960年代は世界各国で若者文化が勃興しますが、彼らの目指した若者革命はどれも成就せず、若者たちは激しい挫折感に襲われたり、一転してビジネスマンや権力者としての成功を目指したりする事になるのですが、そんな中、ひたすら現実から逃避し、絶対に成就しない自己実現を夢想し続けるバッドムービーを観続けるような人生を送る人たちも現れたのだと思います。
ホモセクシャルのマイロンが
もしラクウェル・ウェルチみたいになったら…
そう、俳優志望の男の子に命令して
裸にさせちゃうわ(…という妄想)
私見ですがそんな本作は解説のような男から女へ性転換をして世間をアッといわせた男の変わったロマンス劇として観る事ができるのと同時に若者革命の夢が破れた青年たちが集っていたハリウッドで一体何が起きていたのかを虚実を交えて描いたブラック・コメディとしても観る事ができるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?
俳優学校の女学生と親密になるマイロ。
けれどマイロと女学生が
ベッドで寝ようとする横には
ホモセクシャルのマイロンの姿も!
ん?
という事はマイロンは
ホモセクシャルではなくバイセクシャル?
このような自分にとって都合の良い
妄想で現実を語るハリウッドの人たちを
嘲笑的に描いた本作は酷評され
マイケル・サーン監督は
アメリカ映画界から追放される事に!
ですが近年のウォーク系の方々は
まるでマイロ(マイロン)のような妄想で
かつてのアニメの名作や
スーパーヒーローたちの姿を…
おっと、これ以上書く事は
控えさせて頂ければと思います😅
という訳で次回は
貴女(きみ)の名はナンサ
というテーマで
天空の草原のナンサ
という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘
ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆
★おまけ★
併せて観たい業界の裏側を描いた作品
「ポリー・マグーお前は誰だ」
本作はカメラマンである
ウィリアム・クラインが監督した
1960年代のコメディ映画!!
アメリカからパリにやって来た
モデルのポリー・マグーを好きになった
TVディレクターのグレゴワールは、
彼女の本質に迫った番組を作ろうとして
「真実の姿」を映し出そうと試行錯誤します。
ですがまだ20歳にもなっていない
ポリー・マグーに人生とは何かを
無理矢理答えさせようとする行為こそ、
グレゴワールの思いあがった思想に
他ならなかったのです!
あっさりと終わる本作の
エンディング・メッセージには
身勝手なエンタメ業界の秘密が
描かれています。
ナ」(想像力と貴女(きみ)の名は その10)