こんばんは。

ご覧頂きありがとうございます😊

 

本日も想像力と発掘良品の発掘⑰というテーマで

 

マチネー
土曜の午後はキッスで始まる(1993)

(原題:MATINEE)

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

 

★発掘良品の発掘とは?

発掘良品とは、惜しまれながらも2022年3月に終了を迎えた、TSUTAYAさんによる新作・旧作、有名・無名、公開・未公開ではなく「面白い」を基準に作品をセレクトし、毎月紹介してくれている映画ファンたのための素晴らしいシリーズ。

本シリーズは、そんな発掘良品の全作品を5~6年かけてご紹介させて頂こうという超長期目標のシリーズとなっております😄

 

 

 

 

世界崩壊の1962年!

 

本作は1993年に公開された1962年を舞台にしたアメリカ映画。

 

歴史に詳しい方はピンと来るのではないかと思いますが1962年と言えば、アメリカとロシアが核戦争一歩手前の状態となったキューバ危機のあった年!!

 

 

本作は、そんな不安がいっぱいのキューバ危機の最中に、商魂たくましく少年少女にパニックホラー映画を売り込もうとるB級映画のプロモーターを描いた、核戦争&B級パニック&青春映画が混ぜ合わさったような豪華作品なのです😅

 

学校が終わって帰ろうとすると

僕たちの街は最前線になってました…汗

 

 

 

アバウトなストーリー 

 

「キネマ旬報社」さんのデータベースによれば本作の解説は以下の通り。

 

1962年のアメリカ、フロリダ州キーウェストを舞台に、土曜日の午後の映画館で巻き起こる騒動を描くパニック・コメディ。
監督は「グレムリン2 新・種・誕・生」のジョー・ダンテ。

劇中に登場するB級ホラー映画「MANT」も、約20分の独立した作品としてダンテが35ミリフィルムで撮影した。
製作は「メイフィールドの怪人たち」のマイケル・フィネル。
脚本は「テックス」のチャールズ・S・ハース。
撮影は「ジャイアント・ベビー」のジョン・ホラ。
音楽は「わんぱくデニス」のジェリー・ゴールドスミスが担当。
出演は「バートン・フィンク」のジョン・グットマン、「パワー・オブ・ワン」のサイモン・フェントン、「ダイナウォーズ 恐竜王国への大冒険」のオムリ・カッツ、「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」のケリー・マーティン、「マンボ・キングス わが心のマリア」のキャシー・モリアーティ、「ランブリング・ローズ」のリサ・ジャクブなど。

 

 

むむむ。

 

解説文に挙げられている「テックス (1982)」「わんぱくデニス (1993)」「ダイナウォーズ 恐竜王国への大冒険 (1990)」「ジャンピン・ジャック・フラッシュ (1986)」などの作品は未DVD化作品ですねあせるあせる

 

こちら1982年の「テックス」!

80年代の作品の多くは、

今、日本で観れない状態なのです…

 

 

ですがそんな中「グレムリン2 新・種・誕・生」を作ったジョー・ダンテ監督(「グレムリン」も監督されています)は、皆さんご存知だと思います😆

 

ジョー・ダンテ監督が好んで描くのは、映画の世界と現実世界がごちゃ混ぜになったカオスな世界!!

 

現実と映画がごちゃ混ぜの「グレムリン2」!

 

「白雪姫」を楽しむグレムリンに混じって

耳の大きなネズミの姿まで!!!

 

 

 

本作に登場する映画作家ウールジーは、自分が監督したパニック映画を見に来た観客に、劇場内でリアルな衝撃を与えようと画策するジョー・ダンテ監督の分身のような存在!!

 

彼の最新作である「MANT」は、核実験の影響で人間がアリ化して「ANT」と「MAN」が合体した「MANT」になるという、どこかで聞いた事があるようなパニック映画!!

 

自作の予告編に出演する際に

某監督みたいなポーズのウールジー!!

 

 

ですが、そんな「MANT」がフロリダ州のキーウェストで上映される直前、ソビエト連邦がキューバに運び込もうとしていた核ミサイルを巡ってアメリカと核戦争となるかもしれないという緊迫した状況になってしまったのです!!

 

TVで突然、ケネディ大統領の緊急放送!!

ええっ、核戦争になるの!?

 

 

 

…という事は、核実験をテーマにした「MANT」は、人々の恐怖心を煽る作品だから上映中止?

 

 

 

いいえ。

 

核戦争が起こるかもしれないと聞いてウルージーは、観客が核戦争を不安に感じている今こそ本作が話題はずだと歓んで、劇場のに様々な仕掛けを用意し、観客のド肝を抜こうと画策したのです!!

 

椅子の下を繰り抜いて機械を設置し、

映画のタイミングに併せて電流を流せば

観客はビックリするぞ!!

 

 

 

… … … 😨

 

 

 

さて、ウルージーのリアル・パニック映画を体験したキーウェストの観客は、果たしてどのような反応を示したのでしょう?

 

それは是非、皆さん自身の目でご覧になって頂ければと思います。

 

MANTがヒロインを触ったタイミングで

観客の椅子の電流をオン!!

やったぞ!この方法は話題になるぞ!!!

 

 

 

【私の感想】 ジョー・ダンテ版ニュー・シネマ・パラダイス

 

皆様がご覧になる楽しみを奪わないよう、これ以上詳細を書く事は差し控えさせて頂きますが、前述した通り本作は、キューバ危機と、ジーン少年の初恋物語、60年代っぽい「MANT」というホラー映画、そしてウルージーのトリッキーな映画上映が描かれたボリューム満点の贅沢な作品!

 

これらすべてを解説すると膨大になってしまいますので、本作ではウルージーのパートだけ言及させて頂きますが、客席に仕掛けを作ると言うマンガのようなウルージーはジョー・ダンテ監督が想像した架空の人物のように思えますが、ウルージーは実在したウィリアム・キャッスルという名のB級映画監督がモデル!!

 

実際に劇場にギミックを仕掛けていた

ウィリアム・キャッスル監督!

「私の映画には観てショック死した方の

 ロイズの死亡保険が付いてます!」

 

 

“ギミック映画の帝王”と呼ばれたウィリアム・クラインは、映画の上映中に劇中の怪物に扮した役者を舞台の袖から登場させたり、天井から幽霊の人形を飛ばしたりして映画館内をワンダーランド化し、当時少年だったジョー・ダンテ監督を熱狂的な映画館ファンへと育てあげてくれたのです😉

 

 

 

そう。

 

三つ子の魂百までも。

 

 

 

幼い頃に創造力豊かな発想に耽溺していた子供は、大きくなる過程でクリエイティブな才能を開花させてゆくもの!!

 

本作は、そんなジョー・ダンテ監督の子供時代の映画館での楽しい思い出と、創造力の原点を綴ったような「ジョー・ダンテ版のニュー・シネマ・パラダイス」のような作品となっているのです😄

 

映画の中のMANTが劇場に!!!

これはキャッスルの考案した

「イマーゴ」というシステムです😅

 

ジョー・ダンテ監督が「グレムリン2」で

突然ハルク・ホーガン氏を登場させたのも

「イマーゴ」のオマージュだと考えられます!

 

本稿に際しては映画評論家である

なかざわ ひでゆき氏のホームページの

ウィリアム・キャッスルの項を

参考とさせて頂きました。

 

大変詳しいサイトですので、

ご興味ある方は是非!!

 

 

 

 

私見ですがそんな本作は、1962年のアメリカ、フロリダ州キーウェストを舞台に、土曜日の午後の映画館で巻き起こる騒動を描くパニック・コメディであると同時に子供時代に映画館で楽しい思い出を作る事が、将来の映画ファンやクリエイティブな映画監督を育成するための糧になる事を劇場関係者に思い出して頂く為の作品としても鑑賞できるのではないかと思うのですが、皆様はどう思われるでしょうか?

 

映画を観ている観客の子供たちが

劇場で恐怖体験したとしても

劇場から出た時に平和な日常があれば

恐怖体験も楽しい思い出に…

 

映画館における恐怖とは

子供たちに平和な日常の大切さを

改めて感じてもらえる

キッカケになるのかもしれません!

 

 

 

 

という訳で次回は

 

日本人の知らない事件

 

というテーマで

 

クー嶺街少年殺人事件

 

という映画を解説してみたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします😘

 

 

 

ではまた(*゜▽゜ノノ゛☆

 

★おまけ★

併せて観たい発掘良品のロマ民族作品!
「13ゴースト(1960年版)

ウィリアム・キャッスル監督の

作品である本作はオープニングで

「13体のゴーストが出ます」

と宣言している幽霊屋敷映画!

手狭なアパートで
家族と暮らしていたサイラスは
亡くなった叔父の
豪華な屋敷を相続しますが
そこには、生前叔父が捕獲していた
12体の幽霊たちが

跋扈していたのです!

 さて、13体目のゴーストになるのは?