ぷぷぷ日記

ぷぷぷ日記

旅が好き。建築や町並みを見るのも、歴史も好きです。そこから現代世界を眺めるのも面白い。旅に「山旅」を加えたくてじわじわと高度を上げている。
映画・マンガ・アニメ・小説・歴史・
ツイッターには収まらないことどもの雑記帳。
更新は思いついたとき。

このブログ、開設時は日本語教師をめざし、かつ英語の勉強に励んでいたのですが・・・タイから帰国後しばらくすると、す――っかりやってることが変わってしまいました。
なんだかゆるーい生活を楽しんでおります。もう隠居するのか?

隠居するには先が長すぎるので、9ヶ月ばかりイラン界隈をウロウロしていましたがコロナで帰国。

リセットのため海外へいったわけですが、
自分という人間の軸がいささかズレてしまった気がします。

それもこれもコロナのせい?

with コロナ、がんばっていきましょー



山旅に出るために、道具を軽量化したい。

レインウェアをどうするか。

WEBでの調査と長考の果てに決めた。

「バーサライトジャケットとパンツを買うべし」と。

 

これまで、ワークマンのイナレムレインウェアは冬場によく働いてくれたけど、夏はレインとウインドシェルを兼ねて軽量化しようという目的です。

 

しかし、

なんのことはない、バーサライトジャケットとレイントレッカージャケットを間違えて購入してしまったのでした。

 

ネットでポチリ間違えたのでない。

リアル店舗できりきり舞いのあげくミスった。

そういう話です。

 

いつもなら通販で購入してしまうところだが、レインウェアはサイズが合わないと悲惨なので、出不精な自分を励まし励まし、モンベルのお店に到着。

 

メンズのバーサライトジャケットを着てみました。

私はまっすぐ体型の高身長女なので、ハナからメンズしか見ないつもりだった。

 

まず、メンズLサイズを着用。

お腹周りが余ってる割に、丈が短いような? 袖は長すぎるくらいだけど……

 

なんか変なので、メンズMサイズを着てみる。

ピッタリフィット。私はだいたいメンズMがピッタリすぎるくらいぴったりである。男前にカッコよく着れている。

しかしながら、レインの下にボディバッグを入れ込んだりするには余裕がなさすぎ。

 

駄目もとで、メンズXLを着てみる。

おお? ゆったりしていい感じ。カッコいいとすら思う。

中途半端に大きいLは不格好で、余裕のXLが着こなせるなんてめちゃくちゃ意外だった。ファッションって難しいですね。

 

店員さんがパンツはレディスが良いのではと、女性コーナーから取ってきてくださったりして、パンツはレディスXLに決定。

 

さて、ジャケットのほうはメンズXLで決定かと思ったが、残念な配色ばかりで頭を抱えました。

ダークグレーxジップ部分が赤ライン

イエロー(山吹色みたいな)x赤ライン

ネイビーx黄ライン

ブルーxグレーライン

 

モンベルらしいというか、微妙に残念な、学校を思い出すとうか、そんな色なんですよねえ。しかも、バーサライトジャケットはテカテカペラペラな質感で、さらに安っぽく見えるのです。40年前くらいから続くこの残念さ。

 

40年前は、

日本のメーカーだから和風な色味が入っちゃうのかねえ、しょうかないねくらいに思っていたのだけれど、

 

もはや外国メーカーと差別化のためのモンベルテイストなんだろうか?

 

さて。

メンズXLは全色揃ってるわけでもなく、買う意欲も今ひとつなので、またもや駄目もとでレディスコーナーを見に行くことにした。

すると、きれいなブルーグリーンがあるではないですか!

これはいい! とテンションあがって、試着するとレディスXLがぴったり。よっし、と飛び跳ねたくなったけど、

自制した。レインウェアは下に着込んだり、ボディバッグを隠す余裕が必要ですから、ぴったりではダメなのです。

 

並んでいるハンガーをさらうと、海外サイズのXLが一着だけありました! 

着てみると理想的な大きさです。見た目もなんだか感じがいい。海外版は発色がいいのか?

それはネイビーで、悪い色ではなかったけど、店員さんにブルーグリーンの取り寄せができないか聞いてみた。

 

もう、買う気満々になってました。取り寄せか、ネットで注文するか、レディスのUS版XLで決まり。

戻ってきた店員さんがブルーグリーンは売り切れだと言うので、「じゃ、これ買います!」と跳ね気味にネイビーを買う運びとなったのでした。

 

長々と店員さんにお付き合いいただいて、

うまくぴったりサイズにたどりつき、

なんとか気に入る色があり……

 

高身長まっすぐ体型女としては、なかなかこんな僥倖には出会えない。とても嬉しかったです。

 

さて。

モンベルクラブアプリがスマホに入っておらず、

会員証も携行しておらず、

ちょっと手間取りましたが決済して帰宅。

 

値札と説明のタグをあらためて見ると、おやや……?

 

私が購入したのは

バーサライトパンツと

レイントレッカージャケットでした!

 

バーサライト一択のつもりが、どこで間違えたのか。

よく考えると、

レイントレッカーは隣にあったので紛れていたんですね。

 

テカテカペラペラでなく、発色がよく見えたのも、

バーサライトじゃなかったからでした。

ほとほとアホですね

 

返品? いやレイントレッカーでもいんじゃね?

と悩みつつ検討してみました。

 

1.バーサライトより、レイントレッカーは1100円安い。

2.購入したUS版のレイントレッカーは、日本版バーサライトより1100円高い。(US版バーサライトはさらに4400円も高くて予算オーバーであったし、在庫もなかった)

3.レイントレッカーは、バーサライトより50gほど重い。

4.レイントレッカーは、テカテカなバーサライトより見た目が良く、生地も柔らかいので、雨以外でも活用しやすい。

5.バーサライトはミニマムデザイン、レイントレッカーは重いぶんポケットもある

 

本当は軽量化目的だったので、50gくらい重くなったのは残念ですが、やっぱりバーサライトの見た目にかなり購入意欲がしぼんだのは事実。

レイントレッカーを連れて帰ってしまったのは

なるべくしてなったことかもしれません。

 

いつも買い間違いのないよう通販でじっくりスペックを見て買うのですが、到着したモノにがっかりすることも多いです。それでも、返品せずにたいていはのんでしまいます。値段、スペックで比較検討のうえ決定したことだからと。

 

今日のように実店舗に行くと、舞い上がったり気まぐれを起こしたりして買い間違いもします。

リアルなモノの魔力に魅かれたかもしれない。

後日、後悔がないといいのですが。

うまく活用してやりたいと思います。

 

ともあれ、今回実店舗に行ったおかげで、モンベルはレディスのパンツは一部ロングやショートのバリエーションがあると知りました。値段はそんなに高くないようだし、いいかもしれない。

 

なんだかんだ言って、かっこいい海外スポーツブランドや、こなれたULブランドは値段が高すぎて無理なことが多い。

やっぱり最後は頼れるモンベルなのでした。

中東現代文学のたくさんの抄訳が詰め込まれた分厚い大判の一冊。

扱う地域/言語はイラン、クルドからイスラエルも含めて北アフリカのマグレブと続いて、西サハラに至る。

現代の新しい小説がたっぷりと読めて満足した。

ここには旧宗主国との複雑な関係や、家族のあり方、伝統文化への思いなど、現地語読者に向けて書かれている。欧米語で書かれると薄められてしまう、今の生の感情が頻々と伝わってくる。

 

もとより採算を考えた出版ではなく、科研費を利用した中東文学研究会紀要のような冊子である。

中東はややこしくて大変だ。だからこそもっと読みたい、知りたい。独自の味わいと魅力があることが、広く知られるべきなのにと思う。

 

 

 

 

今日、低層団地の点在する緑の丘を歩いて帰ってきた。

職場から家まで30分、初めて歩く道だった。

グーグルマップを見ながら近道をする。

団地の区画内へ入り込み、建物の脇の小道へ……

えっ、ここ道なの? という感じのけもの道。

 

なだらかな傾斜のある緑をふみつつ団地の裏側へ出た。一階のベランダのすぐ横を通る。

 

 

子供のころの感覚を思い出した。一階の住人がベランダにいたら、ごく近くを通るのである。いなくても住んでいる気配がひんぴんと伝わってくる。それは古い街の路地に住人が植木鉢をごちゃごちゃと置いていたり、物干しが垣間見えたりする感じと似ている。

 

何もない竹藪だったところを切り拓いたわが町は、歴史のないニュータウンである。それでも土地の記憶はある。このけもの道の感じや、山をそのまま残したような傾斜にうねるような公園、50年以上前に作られた大きな滑り台などに。素敵な枝ぶりの良い姿になった木々はこの街にも続く営みがあると思わせてくれる。

 

不覚にもじんと来て目が潤んだ。正確にはこの区画は私にとって隣町である。わが町は一歩早く住宅の建て替えが進んで、プレハブ住宅群の面影を失っている。低層団地はすでに取り壊され、マンションに変わった。

 

うちの近くへ帰ってくると、2階建て住宅がゆるやかな坂道に沿って並ぶ屋根の向こうにマンションが見える。

14階建てのマンションは近くを通る人に配慮して、ボリュームが控えめに見える外観になっている。しかし、というかだから余計に、遠くから見ると驚いてしまう。大きな壁が街を囲んでいるかのように見えて、進撃の巨人かよと思うのだ。

 

昔を思わせるあらゆるものがなくなったら……

百坪の敷地に建つ小さなプレハブ住宅たち

空地空間がものすごく大きくて緑の多い低層団地

開発前の池や竹藪や小山を残した自然の公園

 

わたしがここに住む理由はなくなるのではないだろうか。

土地の記憶はなくなってしまうのだろうか。

 

 

 

 

インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 を視聴した。

リアルタイムで大好きだったインディ・ジョーンズなのだが、

評価はいい点をつけるわけにはいかない。

久々にTVでのながら視聴だったんだが、

国や人種に対する偏見や差別を植え付けるシーンが満載。

これまで自分がそのことを意識していなかったことに衝撃を受けた。


インドの、明らかに実在の地域(パンジャブだろう)や

宗教や民族をモデルにした人々が悪の組織として出てくる物語で、

窮地に陥った主人公を助けるためにイギリス陸軍が颯爽と駆けつけ、

インド人たちを銃撃戦でやっつけちゃうのですよ。

このシーンにはギョッとした。

インド人が見たら気を悪くするよ!


映画のなかでは、やられたインド人たちは悪の組織だからやっつけるべきだし、囚われた子どもたちを解放するためということになってるけど……

 

イギリス軍を常識ある正義の人たちとして植民政策を正当化し、インド文化をなんちゃってなイカモノに貶めてしまっている。


なんてこった。

私も若い頃は英国軍かっこいいと思ってたし、公開当時、植民地舞台においてイギリス軍は正義という文脈になんの不思議も覚えませんでした。数々の欧米製の映画やドラマなどの影響で、そういう認識だったんだと思います。もちろんイギリス植民政策がひどいとは思っていたものの、やっぱり欧米の立場から世界を見る習慣にどっぷり浸かってしまってた。


今後そのような誤った認識をみんなに広めないよう、このような映画は不用意に放送すべきではない。放送するなら重々解説をつけなくてはいけない、と苦々しく思った。

 

厳しすぎると思いますか?

でも、今、あちこちの旧植民地で名士扱いされていた欧米人の銅像を引き倒したり、侵略者の名前を冠した地名を変えたりといったことが起こってますよね。侵略者と植民者を讃えるような映画は徹底してなくしていかないと。

 

たとえば西部劇はジョン・ウェイン リスペクトはいまだにあるものの、インディアン=野蛮で悪い、というステレオタイプの作品はずいぶん前に消えましたよね。そして、インディアンをリスペクトする映画が作られた。ダンス・ウィズ・ウルブズとか。

 

過去の植民地政策の悪はもっと描かれるべきだと思うけど、リアルタイムでイスラム教の国や人々を悪者に仕立てて物語をつくるのは本当にやめてほしい。イスラモフォビアをどんだけ助長するんだよ とイライラします。

そういうキャラ設定は安易で、無知まるだしです。ターバン巻いてて髭が濃かったらイスラムというわけでもない。イスラムの国や地域なんて広大で多様で一概にステレオタイプ化できないはず。でも、人は映画なんかからイメージの刷り込みを受ける。

そして悪いイメージは実際の世界に悪影響を及ぼします。

ほんまに。

普段ニコ動なんて見ないんだが

たまたま見てツボにハマった。


 


エイシンフラッシュウマ娘かわいい

デビルマンかわいい


ウマ娘知らんかったし

展開速すぎてほとんどなんのことか

わからなかったんだが


今までウザいと思ってた

コメントの嵐が飛ぶのを見ながら

めちゃめちゃ笑って暖かい気持ちに

なったのだった


なにコレ楽しい? なんでだろ

心が病んでるせいなのか?

誰かと同じもの見ながら

ゴチャゴチャ言う体験


そう コロナでこれが不足してるに違いない!


あと米軍新兵器動画もおもろかったよー

コメントが。

一年半のブランクを経て、普通に通勤する仕事を始めた。

最初の頃、通勤途上や昼休みはスマホを見るのに忙しかった。

そういうのが不毛な気がして、

やっぱり紙の本――文庫本を持ち歩くことにした。

 

政治と歴史を含む評論本を読み終わったので、

昨日は普通の小説をかばんに入れて行った。

 

綿矢りさの『かわいそうだね?』

父が有無を言わさずよこす、いらなくなった本。

スキマ時間に読むには最適。

疲れない。

存外、面白かったので、本日、家で続きを読んで読了。

 

ああこういう読書があったなと思い出した感じ。

一日中家にいて、少々読みにくい本を

ゴリゴリ読むのとは全く違った読書感だ。

 

普通の人の読書ってこうなんだろうと思う。

頭を使う本を、わざわざ時間を作って読むのでなく

空いた時間にちょこっと読む……

 

流行作家とは、そういうのに適した人たちなんだな

なるほど

読みやすくて、ほどほどに面白い。

世間の人の気持ちがようやくわかった気がしたのです。

 

2ヶ月遅れであるが、芥川賞選評を改めて読んでみた。

 

審査員の大作家の先生方が一人ずつ、

各作品についてと全体の振り返りを書いている。

 

まず、顔ぶれを確認すると、

小川洋子

奥泉光

川上弘美

島田雅彦

平野啓一郎

堀江敏幸

松浦寿輝

山田詠美

吉田修一

 

このうち、二人のことをよく知らなかったので、ウィキペディアを見た。

松浦寿輝 博士(学術)   東京大学大学院仏文科

堀江敏幸 修士(文学)  東京大学大学院人文科学研究科フランス文学専攻博士課程単位取得退学

二人とも東大系のフランス文学者で年齢は10歳違い。

なんか、経歴の似た人がいると、意見が偏ってしまうのでは、と気になった。

 

この人たちに限らず、全体に選評がつまらなかった。

「文学的に優れた作品を選ぶために評価した」経緯が書いてあり、

「これをぜひ推したかった!」という熱意は毛ほども感じられない。

揺さぶってくる作品がなかったということなのか。

全体にレベルが上がっているというのが総意のようだが、

新人らしい荒削りだが突き抜けた作品 という新人賞らしいものが待たれているのかもしれない。

 

それにしても。

同時代性 ということに言及されているが、それは

・コロナ禍について

・少女を扱う作品がほとんどだったこと

この2点であって、砂川文次「小隊」が平和ボケと言われる日本で

戦闘をシュミレーションしてみせた意義について述べた人はいなくて、

私としては大変残念だった。

 

やはり文学者の文学の読み方は、一般人の読み方とは違うのだなと痛感した。

戦争になったらという警告……みたいな観点は俗なのか?

文学者は浮世離れしているのが偉い と言ってる気がして腹立たしい

 

のは私だけか と思うが、なんか悔しい。

 

 

 

 

 

 

議論の概要がわかるくらいは勉強しようか

憲法9条、それと 憲法改正問題。
現在、誰が何を根拠にどういう主張をしてるか、
流行にうとすぎて知らないので
まずいと思っていた。
 
ちょっと本でも読もうと思いました。
図書館でまず三冊借り、読み始めました。
アタリの本を一冊選んで買うのは難しそうなので、
図書館であれこれたくさん借りるのが良さそう。
 

イデオロギーのからむ本は、選書が困難

憲法 で検索し、片っ端から借りるには数が多すぎると思う。
さて、どれを選ぶ?
悩みますね。
教科書的な本でなく、
今世間で流布されている主張を知りたいわけなので、
表紙で著者が腕組みしているような、
キャッチーな題字の踊る(トンデモ本によくある装丁)
の本が多くなる。
 
とりあえず、トンデモ本を恐れず読まなくては、という結論に達する。
憲法9条問題では、高名な学者こそがおかしな状況を護持している
ということを聞き、ますます警戒度が上がる。
偉い学者さんが書いてるからっ……
と鵜呑みにしてはイカンらしい。
 
出版元を意識するのも大切。
各社、立場があるから一社に偏らないようにしないとね。

何冊か読んだら、必ず異なる立場の本を読むべし

第一弾、3冊借りてみた。
正直、一冊目の途中でたくさん読まないとダメだなと実感している。
 
この本は、読みやすい大衆向け? の対談本で、
わかりやすく、いろいろなトピックをひきつつ
主張を裏付けていく感じ。
 
おっ これ知らなかった、というトピックもあり、
他の主張に対し賛否が書いてあってわかりやすい。
それは良いが、
各トピックは、ちょっと触れてあるだけで、まとまったものではない。
薄っすらいろいろ解るのはよいが、
あとで別の本で全容を押さえないとね。
 
これ一冊を読みっぱなしにするのはダメだろう。
 
 
さらにこのあと、
ここでこき下ろされてる人物が書いた本を
読まねばなるまい。反対意見を知るために。
 
 

なんでウェブじゃなく、本なのか?

やっぱり法律ですからね。
きちんと読むには、ウェブに転がってる情報だけでは
なかなか理解できない。
きちんと書いた記事がネットにあったとしても、
私の読み方がいい加減になりがち。
 
まとまった情報が整理されて書いてあるので、
勉強には本が良い。
 
そういうわけで本を読む。
たくさん借りて、トンデモ本はさっと読み流し。
これだけでかなりわかる と思う。
手元に置きたくなった本は、購入します。
がんばろう。
 
ーー追記ーーーーーーーーーーーーーー
本の合間にふとYoutube検索してみた。
この動画は
憲法改正に関するこれまでの経過をわかりやすく解説。
集団的自衛権がなんでOKになったか、
その怪しげな経過にも触れてて、興味深かった。
テレビ番組よりぶっちゃけてて、時短で良いかも。
いろんな主義主張を知る以前のおさらい。
 

●【憲法改正②】第9条の本質に中田が切り込む! 動画28分

 
動画の内容は池上彰の本をベースにしてるらしい。
 

芥川賞勝手に選考会

という会に参加させていただいたので、

私の評と点数のコピーをここに残す。

(点数は5点が満点の相対評価)

これは単なる自分の評価でなく、受賞予想をするものです。

 

他の参加者の評を見ると、

最も高い評価は受賞した『推し、燃ゆ』が多かった。

当たりです。お目が高い。

私は、ちょっと弱いかと思っていた。

綿矢りさっぽいけど、「蹴りたい背中」ほど面白くないかな、と。

しかし、若くて伸びしろの大きい人なので、賞の趣旨にあっているかな。

 

意外に『旅の練習』を推す人が多くて驚いた。

私には良さがわからない……。

2月あたまの文藝春秋に、実際の選者の評が載るので

それを見るのが楽しみです。

 

私の推しは『小隊』で、受賞予想は『コンジュジ』でした。

 

『小隊』はリアルな話だと思うけど、どのくらい身近に感じる人がいたんだろう?

もっと切実に読まれてもいいと思うんだけど、どうでしょう。

 

審査を終えてみて

公正な評価って、本当にできるのかな? 結局は好みに合わないのはダメよね?

と思ったりしました。

『コンジュジ』木崎みつ子 239枚 【5点】第44回すばる⽂学賞

小学生のせれなは父から性的虐待を受け、そのときからロックスター・リアンと幻想の世界に生きる。17歳のとき父は死に、大人になったせれなはリアンと東京で暮らす。27歳の肥満女になったせれなはリアンの素顔に幻滅する。その後リアンも父に性的虐待を受けていたと知る。幻想の父に悩まされるせれなは、リアンと和解し彼の墓で共に眠ることにする。現実のせれなは明朝また出勤するのだろうけれど。

  • l   バンドの来歴と幼いせれなの日常は読んでいて退屈だったが、あとの展開の準備として必要な記述と理解した。性的虐待の始まりとともにリアンとの幻想の生活に入っていき、見事に面白くなった。作家の都合でなく、せれなはに幻想に逃げるしかなかったと思わせる書き方が素晴らしい。違和感なく幻想に入っていけた。
  • l   父の死で物語は終わりかと思ったがそうでなく、虐待を受けた子供の末路とでもいうものを丁寧に粘り強く追い、この問題に取り組む作者の大きな力量を感じた。
  • l   リアンとの生活、喧嘩、浮気、和解などを経験し、せれなの人間性が深みを増す。現実世界で得るべき成長を、せれなはあくまでの幻想の中で経験していくのが面白く、せつなく、またアイデアに感心した。
  • l   ハッピーエンドではないが、ひとつの旅が終わった感じの、良い区切りで終わったと思う。美しく、読後感は良かった。

 

『小隊』砂川文次 210枚 【4点】

北海道に上陸したロシア軍と膠着状態が続く。主人公は釧路から中標津方面の旅団における新米の小隊長の安達。以下全員戦闘の経験がない。旅団全体で圧倒的に戦力が少なく、援軍はない。安達は交戦の恐怖、敵の射殺、部下の戦死を経験し、パニックになりながらも役割を遂行し続ける自分を発見する。交戦一日目が終わってやや後方へ移動。敵の第二波はさらに兵力を増し、旅団は本部を失い、安達の小隊も部下一人を残し壊滅する。

  • l   実際に日本で戦闘が起きた状況、そこでの人間の反応を詳細にシミュレーションし、リアリティを追求し書き上げた力作だと思う。絵空事でなく起こりうることと感じさせる。
  • l   専門用語・略語が多く、そちらの理解に頭を使う。読みやすさの配慮が欲しかった。
  • l   訓練を重ねた人間の持つ身体的な強さ、義務感で任務を遂行する精神の強さを描く一方、それが一瞬で崩れ去る危うさも常に付き纏うことを一貫して描いている。
  • l   戦闘の終盤、小隊全体を脱出させるため援護射撃させた若手三人を死なせてしまう展開、信頼していた小熊への失望と置き去り。この流れがとても良い。人は役割を背負って判断し動くことと、役割を捨てた人間は別人のようになることなどを明確に描いている。
  • l   個人的には受賞となれば戦場での人間について、防衛体制についてなどインタビューがあり議論が巻き起こって面白いだろうと期待。しかし、『コンジュジ』のほうが文学的に上と思われるので4点。

 

『推し、燃ゆ』宇佐美りん 150枚 【3点】20年⽂藝秋季号

推し活動だけに生きるあたしの日々。何にも集中できないあたしだが、推し活動にだけは有能さを発揮する。引退発表があり、推しは大人になって抑圧された自分を破壊したのだと思いあたる。あたしも自分を破壊したくなり、綿棒を投げつける。

  • l   歯切れのよい真っ直ぐな文章で勢いがあり、推しを推すようになった経緯を語る情熱に驚くほど引き込まれた。ただし、その後は少々だれると感じた。
  • l   ADHDなのか婦人科系の病気も抱えているのか、主人公の問題は明示されない。しかし、日々に消耗し、推し活動だけが生きるよすがという限界の状況が内側から描かれ、普遍性を持ち共感させる。
  • l   自分を破壊しきれず、片付けやすい綿棒で終わるラストは着地点として良いと思う。自分の小ささを自覚し、ひとつ大人になった。しかし、山場からラストがあっけなく、拍子抜けした。まっすぐな書きっぷりは好感が持てる。

 

『母影(おもかげ)』尾崎世界観 150枚 【2点】

小学生の娘から見たカーテン越しの母の影。少し「おくれている」母は変タイマッサージの仕事をするようになり、私はお母さんの「変」の正体を探しながら大人になっていく。

  • l   少女の視点で書き、子供のときの感覚を呼び起こすような描写が優れている。冒頭、普通のマッサージをする母がお客さんの体に接触するのを見て不穏な感覚を持つ場面が良かった。
  • l   母の気遣いに喜ぶフリをし、我慢もする。やるせない子供の気持ちに、リアリティを感じた。
  • l   カーテン越しに変タイ行為を繰り返し見る展開が単調に感じられた。隣のベッドに子供を置いておく状況が不自然。
  • l   お金持ちの女子が仲間はずれになったこと、いじめてくる男子の家庭、ごはんが喉を通らないことなど、良いエピソード。
  • l   影を見て母の真実を探るとき、母の「変」が自分に入り込まないように防ぐとき、カーテン越しに母と繋がる瞬間など、随所にカーテンの存在が効いている。しかし、ずっと低いトーンで変化なく終わった印象。物足りなさが残った。

 

 

『旅する練習』乗代雄介 240枚 【1点】

私は姪の亜美と徒歩で鹿島へ行く旅へ出る。私は亜美がリフティングの練習をする間、風景描写など文章の練習をする。亜美は旅の間にいろいろなことを知り、考え、みどりさんという女性との出会いもあり、成長していく。

  • l   活動的な亜美との旅を描くパートと、文学的パートが、動と静の振幅が大きすぎて非常に読みづらく、苦痛であった。内容が重複しているところもある。
  • l   亜美にいろいろなことを教える様は教養小説のよう。文学的な描写や逸話は啓蒙の意図を感じ、素直に楽しめなかった。旅の流れがたびたび中断され、邪魔に感じた。
  • l   みどりさんの性格や気持ちの動きは理解できるものの、事情の詳細までは不要ではないかと思った。
  • l   ラスト、なぜ亜美が死ぬ結末になるのか理解できない。死ぬ意味や影響が十分に書かれておらず、放り出された印象。これで大きく減点した。

アニメ vs 実写、どっちが上か?

配信で実写を見た後、アニメを映画館で鑑賞した。

結論から言うと、個人的には実写の映画が好みでした。

大人向きの映画です。

 

しかし、今、制作するなら実写版の表現と物語は

いろいろ問題があり

若い人にすすめるならアニメのほうかなあ。

アニメもなかなか良かったです。

実写版の良いところ アレなところ

主人公のジョゼは脚の悪い
二十代前半の女の子。池脇千鶴。
相手役は妻夫木聡で大学生。
女関係の多いチャラ男である。
 
時代は制作年2003年より昔の設定なのでしょう。
バブルっぽいです。
 
ジョゼは祖母と貧しい二人暮らし。
祖母は身障者のジョゼを「こわれもの」と言い、
人目に触れてはいけないと言って、外へ出さない。
 
身障者は家に閉じこもってるのが普通。
働くとか、性的なことに興味を持つとかあり得ない。
そのような常識がまだあって、
普通の生活を否定されていた時代です。
 
そういう背景を踏まえて
ジョゼの青春をきちんと描いたのが実写版。
いろんなことを諦めなくてはいけない厳しい現実、
それに対するジョゼの生きる態度
といったものが描かれていました。
鑑賞後は、ほろ苦いものが残ります。
 
思えば、障害者のノーマライゼーションが
叫ばれ始めた頃なんですよね。
ジョゼはその最先端をいってたのかもしれない。
 
しかし、これを今の時代に
同じものを作ったら絶対に叩かれますね。
 
「こわれもの」って……あんまりじゃないですか。
身障者って外に出たらいけないの?
学校にも行けない、絶対 働けるわけがない
 ってどういうこと?
異性に興味を持つのも
ぜんぶ無理なの?
 
という感じで、
現代の繊細な若い人は
ドン引きするんじゃないでしょうか。
当事者が見たら傷つくし、
そうでない人にも偏見を植え付けかねない
そんな批判が出るような気がします。
 
今はかなり制度が改善されてます。
それでも現実は厳しいので、
実写で描かれている酷さを、
あっけらかんと「昔話」として
見ることは難しいかと思います。
 

アニメ版は人を励ます物語

アニメ版は全然異なる物語になってます。
ジョゼも、彼も辛い目に合い、
挫折しそうになるけれど
がんばって前向きになるお話。
一緒に見に行った人は
きれい事すぎる/うまく行き過ぎ/
性的要素も抜け落ちてる
という評でした。
たしかに、そうかも……。
 
でも、今の状況なら可能な範囲だったので、
(ネタバレは控えますが)
絵空事ではないと思えます。
 
今はつらいことが多い時代なので、
人ががんばる姿にみんなが励まされる、
そんな映画の需要に応えるものになってます。
 
私も、うまくいきすぎかなー と思いつつ、
作中に出てくる絵本がとても素敵で
ウルウルと不覚にも感動してしまったので、
良いお話であったと思います。
 

暗い時代には明るい映画

今の時代、
本当に若い人がしんどそう と思います。
酷い扱いに耐性のある昭和人間に比べると、
みんな繊細なので、
余計しんどいだろうという気がします。
 
実生活がしんどいとき、
みんなが見たいのは明るい映画。
 
私はハードボイルドが好きなので、
明るい映画ばかりだと
つまんないんですけどね。
 
明るい時代になってほしい。