中居さん事件の報道でとある日本語の意味が変容した件 | ぷぷぷ日記

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更新は思いついたとき。

「起用し続ける」

 

この言葉が誤用され、大々的に流布してしまったようだ。

多くの日本人がこの報道によって「起用する」を誤った意味で覚えたのではないか?

事件の内容より、この「起用し続ける」のフレーズが気になって仕方ない。

 

たとえば、

「……中居正広氏を起用し続けたフジテレビ社長に現役社員が抱く“強烈な違和感”」

 

 

 

これは、VIPな経済人が読んでいそうなプレジデントonlineの記事の見出し。(1/19分)

他にもざっと検索しただけで、

毎日新聞、スポニチアネックス、テレ朝ニュースなどのwebサイトで同様の使い方が確認できた。

 

さて、何が問題なのかを知るために、辞書を見てみましょう。

 

 

「起用する」の意味は、goo辞書によると(一部表記を変更しています)

・今まで用いられていなかった人を取り立てて用いること。

 例:「新人を主役に—する」

 類語:登用 挙用 抜擢

つまり、「起用する」はひとつの役や仕事につき、一回だけ発生する出来事です。

 

 

「起用し続けた」ということは、

次々と新たな番組が企画され、そこに中居氏をしばしば起用し続けたという意味になります。

その意味なら、この使い方は正しい。

実際、中居氏は問題発覚後も特番などに多々起用されていたそうなので、それについて言うなら間違っておりません。

 

 

しかし、1/17の記者会見で大きなポイントになったことに、

なぜ中居氏を降ろさず、レギュラー番組に出演させ続けたのか

という問題についての釈明があります。記事の大事な要素がこれだとすると、見出しは「レギュラー番組の継続」に連動するのが適切でしょう。

 

以前からレギュラー出演している番組について言うとき、

x「レギュラー番組に起用し続ける」などとは言えない。この用法は誤りです。

 

○「レギュラー番組に出演させ続けた/降板させなかった」

○「レギュラー番組の契約を継続した/解消しなかった」

とか、正しい言い方はいくらでもある。

 

「起用」と「継続」の両方について言及するなら「フジテレビの番組に出演させ続けた」とか普通に言えばよいでしょう。

 

なのに、なぜ報道は「起用し続ける」「起用継続」など、「起用」の言葉をやたらと使ってしまうのか?

 

私の推測では、理由はふたつ。

 

1.フジの社長の釈明に、中居氏をレギュラーに起用した番組が始まったばかりだった……という内容があった。ここで「起用」という言葉が登場。カッコいい言葉だと思ったか(?)記事を書く時にぜひ使いたくなった。

2.どこのメディアが最初に書いたか知らないが、他社も「起用し続ける」を問題の核心として

コピペ的に記事を書いてしまい、あちこちで「起用」と言うように。この流れで続報も「起用」と言い続けている。

 

といったところでしょうか。

 

起用起用とあちこちで言ってるおかげで、私は初めて一連の報道に接した時、

問題はフジが「新番組に次々に起用し続けたこと」だと受け取りました。

 

しかし、記事の内容を読むと、フジの会見がしどろもどろで「視聴率を気にして、レギュラー番組を終わらせたくなかったのでは」という疑惑がかえって強くなったことに報道の力点があったようです。

レギュラー番組継続の釈明が、最も重要なポイントだったんですよね。

 

 

 

曖昧な言葉の使い方のせいで、最重要ポイントがわからなくなってしまう記事って最悪です。

いろいろな記事を見直して、何がいちばん問題なのかますます確信が持てなくなりました。

 

お粗末な報道はやめてほしいと思います。

明確に意味がわかる日本語で書いてほしい。

 

ほんまに。