インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説 を視聴した。
リアルタイムで大好きだったインディ・ジョーンズなのだが、
評価はいい点をつけるわけにはいかない。
久々にTVでのながら視聴だったんだが、
国や人種に対する偏見や差別を植え付けるシーンが満載。
これまで自分がそのことを意識していなかったことに衝撃を受けた。
インドの、明らかに実在の地域(パンジャブだろう)や
宗教や民族をモデルにした人々が悪の組織として出てくる物語で、
窮地に陥った主人公を助けるためにイギリス陸軍が颯爽と駆けつけ、
インド人たちを銃撃戦でやっつけちゃうのですよ。
このシーンにはギョッとした。
インド人が見たら気を悪くするよ!
映画のなかでは、やられたインド人たちは悪の組織だからやっつけるべきだし、囚われた子どもたちを解放するためということになってるけど……
イギリス軍を常識ある正義の人たちとして植民政策を正当化し、インド文化をなんちゃってなイカモノに貶めてしまっている。
なんてこった。
私も若い頃は英国軍かっこいいと思ってたし、公開当時、植民地舞台においてイギリス軍は正義という文脈になんの不思議も覚えませんでした。数々の欧米製の映画やドラマなどの影響で、そういう認識だったんだと思います。もちろんイギリス植民政策がひどいとは思っていたものの、やっぱり欧米の立場から世界を見る習慣にどっぷり浸かってしまってた。
今後そのような誤った認識をみんなに広めないよう、このような映画は不用意に放送すべきではない。放送するなら重々解説をつけなくてはいけない、と苦々しく思った。
厳しすぎると思いますか?
でも、今、あちこちの旧植民地で名士扱いされていた欧米人の銅像を引き倒したり、侵略者の名前を冠した地名を変えたりといったことが起こってますよね。侵略者と植民者を讃えるような映画は徹底してなくしていかないと。
たとえば西部劇はジョン・ウェイン リスペクトはいまだにあるものの、インディアン=野蛮で悪い、というステレオタイプの作品はずいぶん前に消えましたよね。そして、インディアンをリスペクトする映画が作られた。ダンス・ウィズ・ウルブズとか。
過去の植民地政策の悪はもっと描かれるべきだと思うけど、リアルタイムでイスラム教の国や人々を悪者に仕立てて物語をつくるのは本当にやめてほしい。イスラモフォビアをどんだけ助長するんだよ とイライラします。
そういうキャラ設定は安易で、無知まるだしです。ターバン巻いてて髭が濃かったらイスラムというわけでもない。イスラムの国や地域なんて広大で多様で一概にステレオタイプ化できないはず。でも、人は映画なんかからイメージの刷り込みを受ける。
そして悪いイメージは実際の世界に悪影響を及ぼします。
ほんまに。