心臓、血糖値、肌のためのスーパーフード

栄養豊富な植物であるローゼルは、さまざまな食品やサプリメントによく使われている。ローゼルには、がんや心血管疾患の予防、血糖値の低下、アルツハイマー病の症状の改善など、健康面で大きなメリットがある可能性があることが、研究が進むにつれて実証されている。
ポリフェノール、食物繊維、有機酸を豊富に含むローゼルは、健康全般に貢献する。これらの化合物は、酸化ストレスからの保護、皮膚の健康促進、体重管理のサポート、体力の強化に役立つ。

心血管疾患予防

ローゼルは、心血管疾患のリスク軽減に役立つ可能性がある。ローゼルに含まれるフラボノイドの一種であるアントシアニンが、低比重リポタンパク質コレステロール（一般に「悪玉」コレステロールとして知られる）の酸化を抑制し、動脈壁にプラークが蓄積する動脈硬化の発症を予防することが研究で示されている。
2022年にNutrition Reviews誌に掲載されたメタ分析によると、ローゼルはベースラインと比較して収縮期血圧を7.92％、拡張期血圧を6.84％有意に低下させた。
平均して、ローゼルは収縮期血圧を8.8mmHg低下させた。収縮期血圧が2mmHgまたは5mmHg低下するごとに、冠動脈性心疾患の死亡リスクはそれぞれ4％または9％低下すると推定される。これらの知見は、ローゼルが心血管系疾患のリスクを軽減する貴重な手段である可能性を示唆している。

血圧と脂質の低下

2021年にJournal of Human Hypertension誌に発表された臨床試験では、ローゼルの薬効が調査された。研究者らは、心血管や腎臓に合併症のない219人の高血圧患者を集め、6ヶ月間追跡調査した。その結果、ローゼルの錠剤または煎じ薬の服用は、降圧剤カプトプリルの服用と同等の血圧降下効果があることが示された。

ローゼルは糖尿病マウスのコレステロール値とLDLコレステロール値の上昇をそれぞれ29％と40％減少させることがわかった。これらの効果は、コレステロール低下剤ロバスタチンに匹敵するものであった。
研究者らによれば、ローゼルの摂取は心血管系疾患リスクのマーカーを減少させ、心血管系疾患を発症する可能性を低下させる可能性があるという。研究者らは、慢性高血圧の患者には、ローゼルを食事に取り入れることを検討するよう勧めた。

糖尿病管理

無作為化臨床試験のメタ分析によると、ローゼルティーを飲むと空腹時血糖値が3.67mg/dL「有意に」低下することが示唆された。空腹時血糖値の正常値は、通常70～99mg/dLだ。
2022年のレビューによると、ローゼルには、炭水化物の分解に関与する酵素であるαアミラーゼの活性を阻害する作用があり、それによって糖の消化吸収を抑え、糖尿病のリスクを低下させる可能性があることがわかった。

この研究では、ローゼルは糖尿病とその合併症（網膜症、腎臓病、神経障害、潰瘍、炎症など）の予防や管理のために、単独で、あるいは従来の治療法と組み合わせて使用することができると指摘している。

ガン細胞の抑制

ローゼルの薬効には、さまざまな種類のがんと闘う能力が含まれる。ある研究では、ローゼルには抗酸化作用と抗腫瘍作用で知られるポリフェノールが豊富に含まれていることがわかった。この研究では、ローゼル抽出物が胃がん細胞のアポトーシス（細胞死）を誘導することが示唆された。別の研究では、ローゼル抽出物が試験管内のメラノーマ細胞の増殖を効果的に阻害することが発見された。

他の研究では、ローゼル抽出物が2種類の乳がん細胞に対して抗腫瘍効果を示し、浸潤と遊走を効果的に阻害することが発見されている。in vitroとin vivoの両方の研究で、ローゼルの葉からの抽出物が前立腺がん細胞のアポトーシスを誘導することが示されている。

メンタルヘルスと体重管理

ローゼルの美肌効果は、抗酸化作用と抗炎症作用を持つアントシアニンなどのポリフェノール化合物に起因する。ある臨床試験では、健康な成人が毎日200mlのローゼル飲料を6ヶ月間飲み続けたところ、フェノール含有量と抗酸化力が増加し、顔の肌の潤いが改善し、赤みが軽減したことが示された。

また、18歳から65歳の過体重の36人を対象に12週間にわたって行われた別の臨床試験では、ローゼルエキスを摂取することで、体重、体脂肪、腹部脂肪が減少し、脂肪肝も改善された。研究者らは、ローゼルエキスは肥満や非アルコール性脂肪性肝疾患を予防するための補完療法として利用できると指摘している。

アルツハイマー病への効果

ローゼルに含まれるフラボノイドの一種であるゴシペチンは、脳の主要な免疫細胞であるミクログリアを活性化することが示されている。ゴシペチンは、損傷したり死滅したりしたニューロンやベータアミロイド斑を脳から除去するのを助け、アルツハイマー病の症状緩和に貢献する可能性がある。
Alzheimer's Research & Therapy誌に発表された2022年の研究では、ゴシペチンの投与により、脳内のβアミロイド斑が減少し、アルツハイマー病のマウスの空間学習と記憶能力が改善したことが示された。

ローゼルの薬用および料理への利用

中国伝統医学（中医学）では、「食は薬なり」という考え方がある。ローゼルは薬としても食事療法としても利用できると、台湾信義堂心療医院の呉國萍院長はThe Epoch Timesのインタビューに答えている。ローゼルの花、根、種子には薬用効果がある。萼、葉、茎は食用にもなる。
ローゼルは様々な美味しいスナック菓子に利用できる。例えば、酢漬けにすると、甘くてピリッとした味になり、爽やかなだけでなく、血を養うと信じられている。ローゼルティーを淹れるだけでなく、砂糖漬けのローゼルを発酵させてワインを作ることもできる。未熟な子房はビネガーのベースとして、または野菜として調理することができ、柔らかい葉は生でも調理しても食べることができる。

摂取上の注意

ローゼルには多くの健康効果があるが、摂取する際にはいくつかの注意点があると呉氏は言う：

ローゼルには消化を助ける有機酸が多く含まれている。ただし、胃酸過多の人はほどほどに。また、空腹時にローゼルティーを飲むのは避けたほうがよい。ハチミツを少し加えると、消化の不快感を和らげることができる。
免疫力が低下している人は、ローゼルの過剰摂取を避けるべきである。
女性は月経中、妊娠中、産後は控えること。
低血圧の人は、血圧を下げる可能性があるため、ローゼルの摂取を制限すべきである。
腎臓の機能が低下している人は、それぞれの状態に応じて、ローゼルの摂取を控えめにしてください。
薬を服用している人やその他の健康問題を抱えている人は、ローゼルを摂取する前に医師に相談すること。

ご参考まで。

感謝を込めて。