FETアレイ MP4212の出力調整を行うため、デューティ比調整可能な発信器を考えてみました。
回路はいろいろ考える事ができますが、555汎用タイマーIC を使うのが簡単そう。
回路はいろいろ考える事ができますが、555汎用タイマーIC を使うのが簡単そう。
555汎用タイマーは、2個の抵抗と1個のコンデンサを外付けで使うことにより、ワンショットタイマー(単安定動作),発信器(無安定動作),分周回路,PWM回路,パルス位置変調回路などを作る事ができます。
また外付け抵抗とコンデンサの値を選ぶことにより、1MHz位までの発振器から数十秒のタイマーなど、広い周波数に対応できるので、持っていると便利な石です。
お値段も50~60円位で手に入ります。
また外付け抵抗とコンデンサの値を選ぶことにより、1MHz位までの発振器から数十秒のタイマーなど、広い周波数に対応できるので、持っていると便利な石です。
お値段も50~60円位で手に入ります。
555タイマーには、TTLバージョンのLM555やNE555と、CMOSバージョンのLMC555などがあります。
LM555やNE555は、出力電流が200mAと大きいのでLEDなどを直接駆動できる反面、動作電圧が4.5Vなので電池2個では使えません。
一方LMC555は、消費電力が小さく動作電圧も1.5Vから使えるので、Gozu的には便利。出力電流は100mAと少し小さい。
実際、LMC555はいくつか在庫を持っているので、そちらで検討してみます。
◆LMC555のデータシート
http://www.national.com/JPN/ds/LM/LMC555.pdf
LM555やNE555は、出力電流が200mAと大きいのでLEDなどを直接駆動できる反面、動作電圧が4.5Vなので電池2個では使えません。
一方LMC555は、消費電力が小さく動作電圧も1.5Vから使えるので、Gozu的には便利。出力電流は100mAと少し小さい。
実際、LMC555はいくつか在庫を持っているので、そちらで検討してみます。
日本語版のデータシートも存在するし |
http://www.national.com/JPN/ds/LM/LMC555.pdf
今回の目的は「PWM調整=デューティ比の調整」ですが、データシートにある「パルス幅変調回路」を使うわけではありません。
一般に「変調」とは電気的に制御することを意味してまして、今回は外付けの半固定抵抗を使ってデューティ比を変えるだけなので単なる「調整」です。
また、「パルス幅変調回路」の例では、別途発信器も必要ですし。
一般に「変調」とは電気的に制御することを意味してまして、今回は外付けの半固定抵抗を使ってデューティ比を変えるだけなので単なる「調整」です。
また、「パルス幅変調回路」の例では、別途発信器も必要ですし。
と言うことで、参考にするのは、「無安定動作回路」の例です。

555タイマーの動作原理は、以下のURLを参考にしていただくのが、正確だと思います。
◆Seiichi Inoue さんの「趣味の電子回路工作」
http://www.massmind.org/images/www/hobby_elec/ckt4_2.htm

555タイマーの動作原理は、以下のURLを参考にしていただくのが、正確だと思います。
◆Seiichi Inoue さんの「趣味の電子回路工作」
http://www.massmind.org/images/www/hobby_elec/ckt4_2.htm
555タイマーは、内部のコンパレータ,フリップフロップ,放電用トランジスタ(FET)と使って、外付けのコンデンサCに対して、RA+RBを通して充電し、RBのみを通して放電します。これの充放電を繰り返して発振器として動作します。
出力信号がHighとなる時間 t1 ,出力信号がLowとなる時間 t2 は、以下の式で表されます。
t1 = 0.693( RA + RB )C ・・・・(1)
t2 = 0.693・RA・C ・・・・(2)
t1 = 0.693( RA + RB )C ・・・・(1)
t2 = 0.693・RA・C ・・・・(2)
よって周波数 f と 出力がHighであるデューティ比 Dは、以下の式になります。
f = 1/( t1 + t2 ) = 1.44/{( RA + 2RB )C } ・・・(3)
f = 1/( t1 + t2 ) = 1.44/{( RA + 2RB )C } ・・・(3)
D = t1/( t1 + t2 ) = ( RA + RB )/( RA + 2RB ) ・・・(4)
このとき、(3)式(4)式から、RAとRBの比率を変えると以下の様な、fとDになります。
RA << RB の時: D≒50% f ≒ 1.44/( 2RB C )
RA = RB の時 : D≒66% f ≒ 1.44/( 3RA C )
RA >> RB の時: D≒100% f ≒ 1.44/( RA C )
RA << RB の時: D≒50% f ≒ 1.44/( 2RB C )
RA = RB の時 : D≒66% f ≒ 1.44/( 3RA C )
RA >> RB の時: D≒100% f ≒ 1.44/( RA C )
例えば、下の回路図のように、VRを追加し、VRの抵抗値をRAまたはRBに付加する形にすれば、RA と RB の抵抗値を変える事ができ、デューティ比を調整できます。

VRの抵抗値を、RA,RBより十分に大きなものにしておけば、RA << RB やRA >> RBの状況を作り出せるわけです。

VRの抵抗値を、RA,RBより十分に大きなものにしておけば、RA << RB やRA >> RBの状況を作り出せるわけです。
この回路では、デューティ比を50%から100%の間でしか調整できません。
また、周波数も一定ではありません。VRを用いた回路では、f は 1.44/( 2VR・C )~1.44/( VR・C )の範囲で変わります。
また、周波数も一定ではありません。VRを用いた回路では、f は 1.44/( 2VR・C )~1.44/( VR・C )の範囲で変わります。
がしかし。今回の目的は、船外モータが壊れないように印可する電圧を多少制限したいだけなので、上記のような特性で全く問題がありません。というかピッタリでしょう。
ちなみに。RAないしはRBをゼロに近づけるほど、Dを50% 100%に近づけることができるのですが、放電はDisch(Dis Charge)端子内の放電トランジスタ(FET)を通して行われるので、ゼロにはできません。
LMC555の IDisch の絶対最大定格は、100mAです。
LMC555の IDisch の絶対最大定格は、100mAです。
よって、RAとRBの値は、1KΩ位が適当でしょうか(6mA@VS=6V)。
そうすると。VRの値は 一桁以上大きな 10KΩもしくは100KΩが適当になります。
最後に求めるのは、Cの値。
周波数は変動するものの、だいたい f = 1/(VR・C)なので、C = 1/( VR ・ f)で決めることができます。
モーターの無負荷回転数は数千から1万数千rpmのオーダー。水中では桁違いに回転数が低下するのでしょうが、まぁ6000rpmとしても100Hz。
この回転数よりは高い周波数を使いたいので、だいたい1KHzくらいが妥当ですかね。
周波数は変動するものの、だいたい f = 1/(VR・C)なので、C = 1/( VR ・ f)で決めることができます。
モーターの無負荷回転数は数千から1万数千rpmのオーダー。水中では桁違いに回転数が低下するのでしょうが、まぁ6000rpmとしても100Hz。
この回転数よりは高い周波数を使いたいので、だいたい1KHzくらいが妥当ですかね。
よって VR = 10KΩの場合、Cの値は
C = 1/( VR・f )
= 1/( 10×10^3 × 1×10^3)
= 1×10^-7
= 0.1uF
VR=100KΩの場合なら C=0.01uF。
C = 1/( VR・f )
= 1/( 10×10^3 × 1×10^3)
= 1×10^-7
= 0.1uF
VR=100KΩの場合なら C=0.01uF。
なるべくなら。できるだけ。RA、RBは小さく、VRは大きくしたいですね。デューティ比を100%に近づけらますから。いちおうフルパワーは出したい。2桁差くらいは欲しいなぁ。
でも現実には、数少ないVRとCの在庫状態でパーツ選ぶので、どうなるかわかりません。
でも現実には、数少ないVRとCの在庫状態でパーツ選ぶので、どうなるかわかりません。
いちいち通販で買ってると、要らない在庫ばかりが増えるので(笑) |