■太宰治『逆行』論③ 1読目後

■1読目
 冒頭において、二度自殺未遂をしたとか、一度は心中であったとか、思想の罪人であったとか、現実の太宰治のこれまでと一致している。
 これをもって、本作は太宰の自虐的私小説である、と見る方面があるけれども、もちろん見る目がない。
 私小説しか書けない人は、なんでも私小説と見えるらしい。

 牛頭は、私小説に何の文学的価値も【感じない】
(感じないのだから仕方ない。てめえのナルシズムの暴露なんぞに興味はない。)


 1読目、文章を改行編集しながら、読み落としなく、読んだ上で、
記憶に残ったことをメモにした。

●メモ
 ある若い男の半生であること。

 蝶々が乱れ飛ぶといった女性に対する思い

 東大での修了試験(?)のこと
 学食のこと
 女給のこと

 カフェに呑みに行ったこと
 中年の女給のこと
 5円の呑み代(1万~数万円くらい?)

 預言者
 百姓のとのケンカ

 日本チャリネ?>サーカスのこと
 くろんぼのこと
 太夫のピストル


●考える
 人称が異なる。
 老人。われ。私。少年。
 一人称だったように思える。
 語り手は同じだろうか。
 同じだろう。

 話がわかった?
 >わかってはいない。

 大まかに読んだ結果。
 ある若い男の半生。
 性病かなにかの重い病に伏せた25歳の若者の回想録。
 死ぬ間際の男が、過去を思い返している。

 そういう興味の物語だった。

 2読目:主人公の視点
は、定まった。

 その視点で、2読目を行ってみる。
◆太宰治『逆行』論② 改行編集https://ameblo.jp/gozubonzoku/entry-12538266740.html