工学部・水柿助教授の逡巡/森博嗣
森さんの自伝風反小説風小説の2巻。
とても好きなシリーズだ。
森夫妻をモデルとした(かも知れない)、水柿助教授と須磨子夫人が主な登場人物だけれど、この二人のやりとりが、とても愛らしくほほえましい。この点がこのシリーズの重心であることは間違いなく、純愛小説と言っても差し支えないほどだ。
反小説風の著者一流のレトリックを、これでもかと書きまぶしてあるのは、技巧の追求と言うよりは、単に照れ隠しだろう。自伝風小説で愛を物語るのは、いわば公開ラブレターの体裁なわけで、そうした点を含めての「逡巡」という事なのだろう。
著者: 森 博嗣
タイトル: 工学部・水柿助教授の逡巡
とても好きなシリーズだ。
森夫妻をモデルとした(かも知れない)、水柿助教授と須磨子夫人が主な登場人物だけれど、この二人のやりとりが、とても愛らしくほほえましい。この点がこのシリーズの重心であることは間違いなく、純愛小説と言っても差し支えないほどだ。
反小説風の著者一流のレトリックを、これでもかと書きまぶしてあるのは、技巧の追求と言うよりは、単に照れ隠しだろう。自伝風小説で愛を物語るのは、いわば公開ラブレターの体裁なわけで、そうした点を含めての「逡巡」という事なのだろう。
著者: 森 博嗣
タイトル: 工学部・水柿助教授の逡巡
氷に刻まれた地球11万年の記憶/R・アレイ
大変お薦めな、ファイ・ベータ・カッパ科学部門賞受賞作。とても面白い。
グリーンランドの氷河・氷床から柱状に抜き取った氷柱を調べる事により、過去11万年の気候変動が手に取るように分かるという。どのようにサンプル採取するのか?どのように分析するのか?結果をどう理解するのか?が、きちんと丁寧に書かれており好感。
普通の人なら、積年の氷柱を分析して過去の気候を推定、といえば、ぼんやりとでも多少はイメージが浮かぶだろう。氷に含まれる微量成分を調べるんだろう、と言った具合だ。しかし、実際の現場での詳細こそが科学の醍醐味であり、この本は、そうした「科学への橋渡し」をきちんとしているので、読んでいて楽しいのだ。また、そうした点が受賞の理由でもあるのだろう。
氷のオーブン効果(?)の話には驚いた。これは過去の気温を推測する手法の話だが、なんと、現在の氷の温度を直接測定する事により過去の気温を推定するというのだ。その原理は、寒い時代を経験した氷は冷たく、暖かい時代の氷は温度が上がっている、というもの。温度分布は当然拡散するが、その拡散の状態を調べれば実用的な推定ができるという。このように過去の気温が直接的に保存されているというのは、なかなか衝撃的だった。
気候の話で、現代の温暖化に触れない訳にはいかない。著者の結論の概要はこうだ。
過去11万年の気候を分析した結果、現在は、過去に類を見ないほど気温が安定している時代の一つだという。つまり、気候・気温は、極めて激しく変動(それも地質学的な期間でなく、数年とか数十年といった人間に身近なスパンでの変動)を繰り返す事の方が普通なのだ。CO2と温暖化の間に横たわるメカニズムは複雑でとても解明されたと言うにはほど遠い状態だから、その理論だけを見て、温暖化する、いやしない、と予測する事は、現在ではまだたいした意味はない。しかし、たまたま精密機械のように極度に安定している現在の気候に、わざわざ波紋を生じさせるような小石を投じれば、極めて不安定な変動しやすい気候本来の状態に簡単に移行してしまう事はあり得ない事ではない。不要なちょっかいは出さない方が身のためだ、という事になる。
非常に同感であって、私も自分の寿命が尽きるぐらいの間は、できれば穏やかな気候のうちに過ごしたいものだと思う。
本書独特の、邦人科学者の書籍にはあまり見られない、ファインマンのようなフランクな比喩や物言いは、好みの分かれるところかも知れないが、私は好きだ。
著者: リチャード・B. アレイ, Richard B. Alley, 山崎淳
タイトル: 氷に刻まれた地球11万年の記憶―温暖化は氷河期を招く
グリーンランドの氷河・氷床から柱状に抜き取った氷柱を調べる事により、過去11万年の気候変動が手に取るように分かるという。どのようにサンプル採取するのか?どのように分析するのか?結果をどう理解するのか?が、きちんと丁寧に書かれており好感。
普通の人なら、積年の氷柱を分析して過去の気候を推定、といえば、ぼんやりとでも多少はイメージが浮かぶだろう。氷に含まれる微量成分を調べるんだろう、と言った具合だ。しかし、実際の現場での詳細こそが科学の醍醐味であり、この本は、そうした「科学への橋渡し」をきちんとしているので、読んでいて楽しいのだ。また、そうした点が受賞の理由でもあるのだろう。
氷のオーブン効果(?)の話には驚いた。これは過去の気温を推測する手法の話だが、なんと、現在の氷の温度を直接測定する事により過去の気温を推定するというのだ。その原理は、寒い時代を経験した氷は冷たく、暖かい時代の氷は温度が上がっている、というもの。温度分布は当然拡散するが、その拡散の状態を調べれば実用的な推定ができるという。このように過去の気温が直接的に保存されているというのは、なかなか衝撃的だった。
気候の話で、現代の温暖化に触れない訳にはいかない。著者の結論の概要はこうだ。
過去11万年の気候を分析した結果、現在は、過去に類を見ないほど気温が安定している時代の一つだという。つまり、気候・気温は、極めて激しく変動(それも地質学的な期間でなく、数年とか数十年といった人間に身近なスパンでの変動)を繰り返す事の方が普通なのだ。CO2と温暖化の間に横たわるメカニズムは複雑でとても解明されたと言うにはほど遠い状態だから、その理論だけを見て、温暖化する、いやしない、と予測する事は、現在ではまだたいした意味はない。しかし、たまたま精密機械のように極度に安定している現在の気候に、わざわざ波紋を生じさせるような小石を投じれば、極めて不安定な変動しやすい気候本来の状態に簡単に移行してしまう事はあり得ない事ではない。不要なちょっかいは出さない方が身のためだ、という事になる。
非常に同感であって、私も自分の寿命が尽きるぐらいの間は、できれば穏やかな気候のうちに過ごしたいものだと思う。
本書独特の、邦人科学者の書籍にはあまり見られない、ファインマンのようなフランクな比喩や物言いは、好みの分かれるところかも知れないが、私は好きだ。
著者: リチャード・B. アレイ, Richard B. Alley, 山崎淳
タイトル: 氷に刻まれた地球11万年の記憶―温暖化は氷河期を招く
全日本「食の方言」地図/野瀬泰申
- 大学時代に、下宿屋に仲間が集まったときなど、お国自慢大会を経験した人も多いだろう。また、そうでなくても、進学や就職、転勤などで新しい街に移り住んだ時、今まで自分の中で常識であったものが、全く通用しない地域がある事を知った、と言う経験は多くの人がしているだろう。
方言、つまり言葉はこうした地域性を語る際のメインパートであるが、食べ物もまた避けては通れない分野である。
例えば、岐阜出身の私が大学に入学し、京都の下宿で一人暮らしを始め、生活必需品を買い集めている時に、どのスーパーを探し回ってもコーミソースが置いてないのが不思議であった。また、どのデパートのフードエリアにも、寿がきや、がないのにも途方に暮れたものだ。食堂には、冷やし中華がなかった。そこには、「冷麺」という耳慣れないメニューがあるだけだった。喫茶店に入って珈琲を注文しても、なぜかウェイターは珈琲だけしか出してくれず、いつまでたってもおつまみを持ってきてはくれなかった。結局、どの店でもおつまみは出なかった。
言葉に地域性があるように、食べ物にも驚くような地域性がある。テレビの時代を迎え言葉の地域性は薄まっていったが、食の地域性に対してはその影響は弱かったようである。こうした地域性を居酒屋ノリで、インターネットを利用して集めた本である。
例えば、
天麩羅にソースをかけるか?
紅ショウガの天麩羅を食べるか?
「赤飯」とは甘くて甘納豆が入っているものか?
茶碗蒸しは甘いか?
卵焼きは甘いか?
納豆はよく食べるか?
納豆に砂糖を入れるか?
「肉」といえば、牛肉?それとも豚肉?
「冷やし中華」?それとも「冷麺」?
etc
狭いと思う日本の中だけでも、これだけいろいろな食べ方があり、面白いものだと思う。
著者: 野瀬泰申- タイトル:全日本「食の方言」地図
ザ・ゴール 2/E・ゴールドラット
- 大ヒットビジネス書「ザ・ゴール」の続編。主人公のビジネスマンアレックス・ロゴの活躍を小説風に描く事により、著者が開発したTOC(制約条件の理論)を分かり易く伝導する。
TOC理論の入門書としても、面白い。しかし、その前に、まずお話としてとても面白い。ビジネスなんてやらないし、興味ない、と思っている人でも、単なる企業を舞台にした小説として読んでも、十分に満足できるのでは。
TOCは、前作で生産管理の手法として華々しく登場したが、なにも現場のツールというわけではない。現に、本作ではマーケティングに使用している。第一、TOCはその名が表すとおり、「制約条件」があるところならどこにでも適用可能な、汎用解決理論なのだ。
制約条件のあるところとは、つまり、この世のほとんどすべてのシチュエーションで使えるという事だ。結局、この本を読んでも役に立たない、等という人はいない(ハズだ)。学生であっても、主婦であっても、リタイア組であっても、ちょっと考えればすぐに適用可能な状況を思い描けると思う。
ペーパーバック風で厚く見えるが、面白いので、読むだけならすかすか読める。
もちろんTOCが理解できるか・身に付くか・応用できるか、は別問題だが。
前作から続けて読むと、主人公や登場人物に愛着がわくので特にお薦めだ。 - 著者: エリヤフ ゴールドラット , 三本木 亮
- タイトル: ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス
カラシニコフ/松本仁一
朝日に連載中から熱読していた記事を加筆してまとめた2004年一押しの本。
改めて読み返すと、やはり考えるところが多い。
銃。国家。そして安全。
自分の身は自分で守る、というやり方は効率が悪い。安全は社会で維持していくべきだ。誰にバカにされようと、文句を言われようと、銃も戦争も閉め出した日本は、そのことを十分に誇るべきだ。
逆に、そうしなければ、安全感覚が麻痺してしまう。こんな世界的に見て驚くほど安全な社会を、安全と思えなくなってしまう。自分たちで、安全を維持しているという感覚が無くなってしまう。
著者: 松本 仁一
タイトル: カラシニコフ
改めて読み返すと、やはり考えるところが多い。
銃。国家。そして安全。
自分の身は自分で守る、というやり方は効率が悪い。安全は社会で維持していくべきだ。誰にバカにされようと、文句を言われようと、銃も戦争も閉め出した日本は、そのことを十分に誇るべきだ。
逆に、そうしなければ、安全感覚が麻痺してしまう。こんな世界的に見て驚くほど安全な社会を、安全と思えなくなってしまう。自分たちで、安全を維持しているという感覚が無くなってしまう。
著者: 松本 仁一
タイトル: カラシニコフ
オンエアバトル 熱唱編 チャンピオン大会/NHK総合
途中から観た。
我らがピストルモンキー(ズ)は、残念でした。聴いている時は優勝間違いなしと思っていたのに。
三叉路「君がくれたもの」が胸に響いた。なぜ選ばれない?と一瞬思ったが、思い返してみると、ちょっと単調かも知れない。よくよく考えてみると、詞も変だ。心の叫びではあるけど、ちょっと身勝手な感じが鼻につくかも。
本家熊野屋のお兄ちゃん、いい声してるなあ。
ヤドカリ「ベートーベン」は、最初はぴんと来なかったけど、サビのパワーはあるね。でも、右側の子、結構音外してないかな?ああいう歌い方なのかな?ちょっと低めの音、怪しい感じだった。
スマイルレンジャー「Let's Dancing」後半結構良かった。これでもう少しフレーズの文句が格好良ければいいのに。でも、途中からベース(ギター?)の音がずれてなかったかな?ソロもなんだかちぐはぐな感じだった。
ケイタク、ギター格好良いね。ボーカルの人、「お」の曖昧発音がイカス。
来期からは毎週やるから、また見よう。
我らがピストルモンキー(ズ)は、残念でした。聴いている時は優勝間違いなしと思っていたのに。
三叉路「君がくれたもの」が胸に響いた。なぜ選ばれない?と一瞬思ったが、思い返してみると、ちょっと単調かも知れない。よくよく考えてみると、詞も変だ。心の叫びではあるけど、ちょっと身勝手な感じが鼻につくかも。
本家熊野屋のお兄ちゃん、いい声してるなあ。
ヤドカリ「ベートーベン」は、最初はぴんと来なかったけど、サビのパワーはあるね。でも、右側の子、結構音外してないかな?ああいう歌い方なのかな?ちょっと低めの音、怪しい感じだった。
スマイルレンジャー「Let's Dancing」後半結構良かった。これでもう少しフレーズの文句が格好良ければいいのに。でも、途中からベース(ギター?)の音がずれてなかったかな?ソロもなんだかちぐはぐな感じだった。
ケイタク、ギター格好良いね。ボーカルの人、「お」の曖昧発音がイカス。
来期からは毎週やるから、また見よう。
サボりました
3月は真っ白だなあ。
大 きな仕事の納期が迫ってきていたので、ついつい、ほったらかしにしてしまった。
それだけではない。
若干面倒にもなってきていた。
誰かが読んでくれるかも、という状況は、張り合いがある反面、どうしても気負ってしまって、まとまった時間がないと書くのが面倒になってしまう。
今後は初心に返って、まめに記録しよう。そう、原点は記録。今日は○○を読んだ、面白かった。だけでも良いではないか。何にも書かないよりかはましだろう。
奇特にも読者になってくれた(身内以外の)方には申し訳ないが、もとよりそういう方針のブログなので諦めてもらおう。
大 きな仕事の納期が迫ってきていたので、ついつい、ほったらかしにしてしまった。
それだけではない。
若干面倒にもなってきていた。
誰かが読んでくれるかも、という状況は、張り合いがある反面、どうしても気負ってしまって、まとまった時間がないと書くのが面倒になってしまう。
今後は初心に返って、まめに記録しよう。そう、原点は記録。今日は○○を読んだ、面白かった。だけでも良いではないか。何にも書かないよりかはましだろう。
奇特にも読者になってくれた(身内以外の)方には申し訳ないが、もとよりそういう方針のブログなので諦めてもらおう。
サラダ野菜の植物史/大場秀
サラダ全盛の現在ではあまり意識しないが、サラダは日本では新しい食べ物だ。最近では温野菜なども復権しつつあるが、昔は野菜は火を通して食するのが普通だった。消化吸収をよくするという点に加え、寄生虫からの防衛が重要だったからだ。栽培技術の向上とアクが少ないなど生食に適する品種の改良が現在のサラダ文化を支えている。
この本では、こうしたサラダに使う野菜を、博物学の観点から分類や来歴などについて語った本である。
読み終えて強く心に残るのは、美味しい野菜を求める人間の欲求の強さ。歴史認識に対する先入観の強さ。そして、日本の均質化する貧弱な食品環境だ。
現在日本の大型スーパーには、世界中のありとあらゆる野菜が並んでいる。しかし、元々野菜というのは、固有の地域にのみ繁茂していた原種を現地の人間が発見し改良を行ってきた植物である。そして、交易路に乗って徐々に広まっていったわけだが、こうした事は、案外忘れがちだ。
例えば、インドの歴史映画を撮るとしよう。タージマハルよりやや古い時代、マハラジャたちの覇権闘争を描く傍らで、トウガラシのたっぷり入ったカレーを食べる民が出てきたら、それはおかしい。古代ローマ帝国で、トマトスパゲティを食べていたら、それはおかしい。中世ドイツの修道院で、修道女がジャガイモの皮をむいていたら、それはおかしい。
唐辛子・トマト・ジャガイモは、すべてコロンブスの大航海時代以降にアメリカからもたらされた植物だからである。驚く事にわずか500年前である。朝鮮半島を訪ねた古代の日本人は、キムチは食べられなかったのだ。
日本においても、当然、近代になってから入ってきた野菜はたくさんある。上記の野菜はもちろん、胡瓜などもそうだ。
日本の代表的な家庭料理、母の味、肉じゃが!と言っても、牛肉もジャガイモも、明治以降の話なのだ。
それだけ、美味しい食べ物は、広まり、定着する、と言う事だ。
少しでも美味しい野菜を食べたい、という需要に応えるために、野菜は様々な品種改良が続けられてきた。多種多様な品種が作られてきた。
しかし、現代の日本の食生活を支えるスーパーでは、あまり品種の表示がされず、ただ「にんじん」の表示しかないことに著者は警鐘をならす。
著者: 大場 秀章
タイトル: サラダ野菜の植物史 新潮選書
この本では、こうしたサラダに使う野菜を、博物学の観点から分類や来歴などについて語った本である。
読み終えて強く心に残るのは、美味しい野菜を求める人間の欲求の強さ。歴史認識に対する先入観の強さ。そして、日本の均質化する貧弱な食品環境だ。
現在日本の大型スーパーには、世界中のありとあらゆる野菜が並んでいる。しかし、元々野菜というのは、固有の地域にのみ繁茂していた原種を現地の人間が発見し改良を行ってきた植物である。そして、交易路に乗って徐々に広まっていったわけだが、こうした事は、案外忘れがちだ。
例えば、インドの歴史映画を撮るとしよう。タージマハルよりやや古い時代、マハラジャたちの覇権闘争を描く傍らで、トウガラシのたっぷり入ったカレーを食べる民が出てきたら、それはおかしい。古代ローマ帝国で、トマトスパゲティを食べていたら、それはおかしい。中世ドイツの修道院で、修道女がジャガイモの皮をむいていたら、それはおかしい。
唐辛子・トマト・ジャガイモは、すべてコロンブスの大航海時代以降にアメリカからもたらされた植物だからである。驚く事にわずか500年前である。朝鮮半島を訪ねた古代の日本人は、キムチは食べられなかったのだ。
日本においても、当然、近代になってから入ってきた野菜はたくさんある。上記の野菜はもちろん、胡瓜などもそうだ。
日本の代表的な家庭料理、母の味、肉じゃが!と言っても、牛肉もジャガイモも、明治以降の話なのだ。
それだけ、美味しい食べ物は、広まり、定着する、と言う事だ。
少しでも美味しい野菜を食べたい、という需要に応えるために、野菜は様々な品種改良が続けられてきた。多種多様な品種が作られてきた。
しかし、現代の日本の食生活を支えるスーパーでは、あまり品種の表示がされず、ただ「にんじん」の表示しかないことに著者は警鐘をならす。
著者: 大場 秀章
タイトル: サラダ野菜の植物史 新潮選書
富豪刑事/ABC
第8回
今回は、狙撃がテーマ。ネットの掲示板に熱血市議を狙撃してくれた人に1000万円提供!との情報がかきこまれた!本気にするヤツはいないと渋々警護に当たる鎌倉警部。しかし実際に狙撃事件が発生。あわてる警部。しかし、こそこそと逃げ回るのを潔しとしない市議は、次の演説会にも出席すると譲らない。狙撃犯から市議を守るにはどうしたらいいのか…。という筋。
操作会議で市議のプロフィールを述べる時に、学生時代に射撃を行っていた、ともう少しさりげなく言った方が良かったかな。
賞金1億円の射的大会にしては、参加者が少なすぎる。狙撃犯がネットで狙撃依頼を得たと考えるなら、射的大会の情報もネットで流さないと意味がないし、その場合の影響はもう少し甚大な物だろう。北海道の牛肉返金事件を思い返すまでもない。
コルク栓の射的で、ライフルの射撃の腕を測る、と言う点については、ま、何も言うまい。
内容は、普通程度に面白かった。しかし、それよりびっくりした点が2つある。
1つ目は、市議の妻役(殺害される)で、さりげなく濱田マリが出ていた点。あんまりさりげなかったので、エンディングロールまで気付かなかった。普段ドラマやバラエティはあまり見ないので、久しぶりに見た感じ。検索してみると、結構ドラマ出演もしているようだ。ちなみにモダチョキのCDはまだ全部持っている。
2つ目は、次回の予告編。珈琲を吹きそうになった。詳しくは分からないけど、なんと、ラグビー物らしい。で、悪っぽい役で松村雄基も出ていた!さらに、ラグビー部員に胴上げされる山下真司!!
こりゃ完全にスクールウォーズのパロディーだな。非常に楽しみ。
今回は、狙撃がテーマ。ネットの掲示板に熱血市議を狙撃してくれた人に1000万円提供!との情報がかきこまれた!本気にするヤツはいないと渋々警護に当たる鎌倉警部。しかし実際に狙撃事件が発生。あわてる警部。しかし、こそこそと逃げ回るのを潔しとしない市議は、次の演説会にも出席すると譲らない。狙撃犯から市議を守るにはどうしたらいいのか…。という筋。
操作会議で市議のプロフィールを述べる時に、学生時代に射撃を行っていた、ともう少しさりげなく言った方が良かったかな。
賞金1億円の射的大会にしては、参加者が少なすぎる。狙撃犯がネットで狙撃依頼を得たと考えるなら、射的大会の情報もネットで流さないと意味がないし、その場合の影響はもう少し甚大な物だろう。北海道の牛肉返金事件を思い返すまでもない。
コルク栓の射的で、ライフルの射撃の腕を測る、と言う点については、ま、何も言うまい。
内容は、普通程度に面白かった。しかし、それよりびっくりした点が2つある。
1つ目は、市議の妻役(殺害される)で、さりげなく濱田マリが出ていた点。あんまりさりげなかったので、エンディングロールまで気付かなかった。普段ドラマやバラエティはあまり見ないので、久しぶりに見た感じ。検索してみると、結構ドラマ出演もしているようだ。ちなみにモダチョキのCDはまだ全部持っている。
2つ目は、次回の予告編。珈琲を吹きそうになった。詳しくは分からないけど、なんと、ラグビー物らしい。で、悪っぽい役で松村雄基も出ていた!さらに、ラグビー部員に胴上げされる山下真司!!
こりゃ完全にスクールウォーズのパロディーだな。非常に楽しみ。
人間はどこまで耐えられるのか/F・アッシュクロフト
人間は弱く脆い存在だ。そして強い存在でもある。
誰でも耳にしたり口にしたり、分かったような分からないような常套句。
この本は、人間は動物としてどの程度の能力を持っているのか教えてくれる、大変面白い本だ。
日本では昔から精神性が重視されている事もあり、心頭を滅却すれば火もまた涼しの伝で、為せばなる、気合いで何とかする、といった風潮が根強い。また、特に子供向けのアニメや漫画に、人間の肉体の限界を超えた、無茶な表現が多い。逆に、ホラー系の作品では、肉体が極端に脆い物体として描かれる嫌いがあると思う。
長い人生、自分の肉体はどれほどの無茶が利くのか、きちんと把握しておけば何かと役に立つだろう。特に、物理的な知識とともに覚えておく事をお薦めする。
特に興味深かったのは、体温についてだ。恒温動物である人間は、体温を一定に保っており、体温が上がりすぎても下がりすぎても生命を維持できない。その上限が摂氏42度である事は誰でも知っているだろうが、では下は?
これが驚くほど幅が狭く、およそ摂氏35度なのだ。もちろんこれは体表温度ではなく体の中枢温度である訳なのだが、それにしても幅が狭い。体温がたった2度、下がるだけで人は死ぬのだ。だから、低体温症は怖い。
事故などで、ライフジャケットを着て冬の海に投げ出されても、岸が見えていれば泳げば何とかなるんじゃないか?と思っている人はいないだろうか?水中で体を動かす事は、もっとも効率的に体の熱を放散する方法であるとこの本では丁寧に説明してくれる。岸が遠ければ、自分の周りにできた暖まった水の層を壊さず、できるだけじっと救助を待つ事が最善の方法なのだ。もちろん長くは待てないが、泳げばさらにその時間が短くなってしまう。
逆に熱射病になった場合には、水風呂につかるのではなく、意外にもぬるま湯で手足を拭く事がもっとも効率的に体温を下げる方法である事も教えてくれる。冷水の熱浴への伝導より、気化熱として奪われた方がエネルギー移動量が多く、より早く気化させるには冷水よりぬるま湯の方が効率が良いからだ。
さらに応用として、風呂で速く健康的に暖まりたいなら、肩まで浸かって手を外に出すより、胸まで浸かって手先を沈めた方が良い。
最近は海外旅行も珍しくもないが、そのとき誰でも経験する上空3万フィートの世界をご存じだろうか。3万フィート=約地上10kmだから、成層圏の下端である。エベレストより遙かに上空である。何の訓練もしていない人間が、突然そんな低温低圧の世界に放り出されたら、寒さや恐怖を感じる間もなく、数秒で意識を失う。そしてその後、そう長くない内に凍死するだろう。そういえば、数年前にジェット機の車輪にしがみついて入国しようとした密航者が凍死した事件があった。
このように、ジェット機に乗って一旦高々度に達したら、窓ガラスが割れるなどの事故が起こっても決して苦しむ事はないと言う事をこの本は教えてくれる。非常に安心だ。
真空の宇宙空間と海底では、どちらが過酷な環境かぱっとイメージできるだろうか。
多分、多くの人は宇宙を挙げるだろう。しかし、こと圧力に関しては、断然海底である。なぜなら、地上は1気圧だから、宇宙との気圧差は1気圧なのに対し、1万mの深海底では、1000気圧にも達するからだ。現に、短時間真空中にさらされる事は、短時間水深10mにさらされるのと圧力の陰陽を除いては同等の環境なのである。昔ガンダムで簡単なスーツのままの生身で、宇宙空間に浮かぶMSからMSへ移動するシーンがあった事を覚えている人はいないだろうか。
ところが、300気圧という深海で働く飽和潜水・加圧ダイバーという仕事があるのだ。300気圧というと、地表に比べ、大体1cm平方毎に300kgの力が余計に加わる。掌が10cm×10cmとすれば、そこに働く圧力は30tだ。そんな恐ろしい水中を泳ぐダイバーはどんな重装備をしているかご存じだろうか?鎧のような重装備?丈夫な鉄球のほとんど潜水艇のような装備?ところが実は、普通のウェットスーツとほとんど変わらないような軽装なのだ。なぜ?と思われた方はぜひ本書を読まれたい。飽和潜水には、体温や窒素酔い、酸素が溶け込んだ呼吸液体など、面白い話題がたくさんある。
人間は、そして生命は、強い。そして脆い。
人間の肉体は、精神力に従うのではなく、単に物理法則に従うのだ。
人間が出てくる小説や映像作品などを作成しようと思っている人は、こういう本を読んでおいて損はないと思う。
著者: フランセス アッシュクロフト, Frances Ashcroft, 矢羽野 薫
タイトル: 人間はどこまで耐えられるのか
誰でも耳にしたり口にしたり、分かったような分からないような常套句。
この本は、人間は動物としてどの程度の能力を持っているのか教えてくれる、大変面白い本だ。
日本では昔から精神性が重視されている事もあり、心頭を滅却すれば火もまた涼しの伝で、為せばなる、気合いで何とかする、といった風潮が根強い。また、特に子供向けのアニメや漫画に、人間の肉体の限界を超えた、無茶な表現が多い。逆に、ホラー系の作品では、肉体が極端に脆い物体として描かれる嫌いがあると思う。
長い人生、自分の肉体はどれほどの無茶が利くのか、きちんと把握しておけば何かと役に立つだろう。特に、物理的な知識とともに覚えておく事をお薦めする。
特に興味深かったのは、体温についてだ。恒温動物である人間は、体温を一定に保っており、体温が上がりすぎても下がりすぎても生命を維持できない。その上限が摂氏42度である事は誰でも知っているだろうが、では下は?
これが驚くほど幅が狭く、およそ摂氏35度なのだ。もちろんこれは体表温度ではなく体の中枢温度である訳なのだが、それにしても幅が狭い。体温がたった2度、下がるだけで人は死ぬのだ。だから、低体温症は怖い。
事故などで、ライフジャケットを着て冬の海に投げ出されても、岸が見えていれば泳げば何とかなるんじゃないか?と思っている人はいないだろうか?水中で体を動かす事は、もっとも効率的に体の熱を放散する方法であるとこの本では丁寧に説明してくれる。岸が遠ければ、自分の周りにできた暖まった水の層を壊さず、できるだけじっと救助を待つ事が最善の方法なのだ。もちろん長くは待てないが、泳げばさらにその時間が短くなってしまう。
逆に熱射病になった場合には、水風呂につかるのではなく、意外にもぬるま湯で手足を拭く事がもっとも効率的に体温を下げる方法である事も教えてくれる。冷水の熱浴への伝導より、気化熱として奪われた方がエネルギー移動量が多く、より早く気化させるには冷水よりぬるま湯の方が効率が良いからだ。
さらに応用として、風呂で速く健康的に暖まりたいなら、肩まで浸かって手を外に出すより、胸まで浸かって手先を沈めた方が良い。
最近は海外旅行も珍しくもないが、そのとき誰でも経験する上空3万フィートの世界をご存じだろうか。3万フィート=約地上10kmだから、成層圏の下端である。エベレストより遙かに上空である。何の訓練もしていない人間が、突然そんな低温低圧の世界に放り出されたら、寒さや恐怖を感じる間もなく、数秒で意識を失う。そしてその後、そう長くない内に凍死するだろう。そういえば、数年前にジェット機の車輪にしがみついて入国しようとした密航者が凍死した事件があった。
このように、ジェット機に乗って一旦高々度に達したら、窓ガラスが割れるなどの事故が起こっても決して苦しむ事はないと言う事をこの本は教えてくれる。非常に安心だ。
真空の宇宙空間と海底では、どちらが過酷な環境かぱっとイメージできるだろうか。
多分、多くの人は宇宙を挙げるだろう。しかし、こと圧力に関しては、断然海底である。なぜなら、地上は1気圧だから、宇宙との気圧差は1気圧なのに対し、1万mの深海底では、1000気圧にも達するからだ。現に、短時間真空中にさらされる事は、短時間水深10mにさらされるのと圧力の陰陽を除いては同等の環境なのである。昔ガンダムで簡単なスーツのままの生身で、宇宙空間に浮かぶMSからMSへ移動するシーンがあった事を覚えている人はいないだろうか。
ところが、300気圧という深海で働く飽和潜水・加圧ダイバーという仕事があるのだ。300気圧というと、地表に比べ、大体1cm平方毎に300kgの力が余計に加わる。掌が10cm×10cmとすれば、そこに働く圧力は30tだ。そんな恐ろしい水中を泳ぐダイバーはどんな重装備をしているかご存じだろうか?鎧のような重装備?丈夫な鉄球のほとんど潜水艇のような装備?ところが実は、普通のウェットスーツとほとんど変わらないような軽装なのだ。なぜ?と思われた方はぜひ本書を読まれたい。飽和潜水には、体温や窒素酔い、酸素が溶け込んだ呼吸液体など、面白い話題がたくさんある。
人間は、そして生命は、強い。そして脆い。
人間の肉体は、精神力に従うのではなく、単に物理法則に従うのだ。
人間が出てくる小説や映像作品などを作成しようと思っている人は、こういう本を読んでおいて損はないと思う。
著者: フランセス アッシュクロフト, Frances Ashcroft, 矢羽野 薫
タイトル: 人間はどこまで耐えられるのか