4740番:女の一生(187)
女の一生(187)Une vie (187)Guy de Maupassant———————【187】—————————— Il salua de loin, prut un airsouriant, salua de nouveau quandil fut à trois pas et s'écria : « Ehbien, madame la Baronne, commentallons-nous ? » C'était le curé dupays. Petite mère, née dans le siècledes philosophes, élevée par un pèrepeu croyant, aux jours, de la Révo-lution, ne fréquentait guère l'église,bien qu'elle aimât les prêtres parune sorte d'instinct religieux defemme. ————————(訳)——————————— 遠くから司祭は笑顔の呈で挨拶しました.さらに3歩ほど進んでから大きな声で「やあ男爵の奥さま、あなたさまもお元気でいらっしゃいますか.」この人はこの地区の主任司祭なのでした.啓蒙思想の世紀に生まれ、革命迫る日々、信仰心の薄い父に育てられた母君は教会参りがほとんど出来なかったのであるが、女性特有の一種の宗教的本能によって司祭たちには敬愛を抱いていた. ———————⦅語句⦆———————————prut:(直単過/3単) < prendreprendre un air souriant:笑顔の呈を奏する、 笑顔を見せる comment allons-nous ? :「私たちは元気ですか?」 ではおかしいので、「お元気ですか?」の 変わりバージョンなのでしょう.意図する ところは「私は元気だが、あなたも元気で すか? お元気なら私たちは元気といえる よね? curé:(m) 主任司祭siècle des philosophes:啓蒙思想の世紀(18世紀)petite mère:petite はここでは身体の小柄とい う意味ではなく「母」を親しみをもって 呼ぶ一種の縮小辞と見ます.「お母さん」 「かあちゃん」「母君」 日本語に「小京都」という言葉があり ますが、その場合の「小」はちょっと した~、と言う意味で使っていますし、 「小春日和」と言えば、ちょっとした 春気分ほどの意味でしょうか.「小」 もpetit も実際の大小ではなく、「っぽい」 とか「ちょっとした~」になることが あるようです.bien que + 接続法:~にもかかわらず、 ~ではあるが 本文訳は逆にしてしまいましたが、 語義に沿うと、「司祭たちには敬愛を抱 いていたにもかかわらず、教会参りは ほとんど出来なかった.」 religieux, se:(形) 宗教上の、信心深い