2020年8~10月に東京で開催された、第89回日本音楽コンクールの声楽部門(公式サイトはこちら)。
本日11月16日に、本選の演奏の一部がNHK-FMで放送されたので聴いてみた。
ちなみに、第89回日本音楽コンクールについてのこれまでの記事はこちら。
(第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 1次予選通過者発表)
(第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 2次予選通過者発表)
(第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 3次予選通過者発表)
(第89回日本音楽コンクール(チェロ部門) 2次予選通過者発表)
(第89回日本音楽コンクール(ヴァイオリン部門) 本選結果発表)
・秋本悠希(メゾ・ソプラノ) ピアノ 圓谷俊貴
團伊玖磨:舟唄―片戀― (4分00秒)
シェーンベルク:4つの歌曲 作品2から 第1曲 期待 (3分21秒)
シェーンベルク:4つの歌曲 作品2から 第3曲 高揚 (1分00秒)
ローレム:聖エリザベス病院への訪問 (3分31秒)
シックな声質が良いが、高音部での強音がややぐらつくか。
・前川そふぃあ(メゾ・ソプラノ) ピアノ 辻本莉果子
シューマン:歌曲集「女の愛と生涯」作品42から 第1曲 あの人に会ってから (2分29秒)
シューマン:歌曲集「女の愛と生涯」作品42から 第6曲 やさしい君よ、いぶかりの目で (4分39秒)
シューマン:歌曲集「女の愛と生涯」作品42から 第8曲 はじめて悩みを (3分59秒)
こちらも先ほどと同様の印象。
・井上大聞(バリトン) ピアノ 奥村志緒美
ヴォーン・ウィリアムズ:「旅の歌」から 第1曲 放浪者 (3分09秒)
ヴォーン・ウィリアムズ:「旅の歌」から 第3曲 道端の火 (2分20秒)
ヴォーン・ウィリアムズ:「旅の歌」から 第4曲 青春と恋 (3分26秒)
ヴォーン・ウィリアムズ:「旅の歌」から 第6曲 果てしない、輝く天 (2分20秒)
ヴォーン・ウィリアムズ:「旅の歌」から 第8曲 輝かしい言葉の響き (1分53秒)
高音部も比較的安定しているが、かすれた声色が好悪分かれるか。
・照屋篤紀(テノール) ピアノ 子安ゆかり
アリベルト・ライマン:ヘルマンに (9分03秒)
リヒャルト・シュトラウス:愛の賛歌 作品32-3 (2分03秒)
輝かしい声だが、ぶわんと広がる感じで、あまりソリッドではない。
・小林啓倫(バリトン) ピアノ 原田園美
マーラー:「こどもの不思議な角笛」から 死んだ鼓手 (6分57秒)
マーラー:「こどもの不思議な角笛」から 少年鼓手 (6分39秒)
マーラー:「こどもの不思議な角笛」から 原光 (4分50秒)
しっかりと安定した声を持ち、また表現力があってそれぞれの曲の異なる性質を鮮やかに歌い分けることができる。
・谷垣千沙(ソプラノ) ピアノ 吉武優
シューベルト:秘めやかな愛 D.922 (4分12秒)
中田喜直:サルビア (1分56秒)
プフィッツナー:ぼだい樹の下 作品24-1 (3分50秒)
ヴォルフ:悲しみの聖母像の前にたたずむグレートヒェン (6分20秒)
今回の6人の中では最もよく通る声を持ち、声質は明るくて清澄。
私の知る日本人ソプラノ歌手では最も好きかもしれない。
さらにすっきりと研ぎ澄まされた柔和なヴィブラートを手にしたら、私のとりわけ好きなソプラノ歌手たち(その記事はこちらなど)に並びそう。
そんなわけで、以上の6人の演奏に、私の中で勝手に順位をつけるとすると
1. 谷垣千沙(ソプラノ)
2. 小林啓倫(バリトン)
3. 井上大聞(バリトン)
4. 秋本悠希(メゾ・ソプラノ)
5. 前川そふぃあ(メゾ・ソプラノ)
6. 照屋篤紀(テノール)
というような感じになる。
ただし、全演奏が放送されたわけではないので、全て聴いていたら印象は違っていたかもしれない。
なお、実際の結果については先日の記事(その記事はこちら)を参照されたい。
概ね同じ順位となった(ただし私は順位を知ってから聴いており、先入観のせいもあるかも)。
↑ ブログランキングに参加しています。もしよろしければ、クリックお願いいたします。