第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 本選の感想追記 | 音と言葉と音楽家  ~クラシック音楽コンサート鑑賞記 in 関西~

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クラシック音楽の鑑賞日記や雑記です。
“たまにしか書かないけど日記”というタイトルでしたが、最近毎日のように書いているので変更しました。
敬愛する音楽評論家ロベルト・シューマン、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、吉田秀和の著作や翻訳に因んで名付けています。

2020年8~10月に東京で開催された、第89回日本音楽コンクールのピアノ部門(公式サイトはこちら)。

本日11月12日に、本選の演奏の一部がNHK-FMで放送されたので聴いてみた。

ちなみに、第89回日本音楽コンクールについてのこれまでの記事はこちら。

 

第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 1次予選通過者発表

第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 2次予選通過者発表

第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 3次予選通過者発表

第89回日本音楽コンクール(チェロ部門) 2次予選通過者発表

ピアノ部門 3次予選追記

ヴァイオリン部門 3次予選追記

ホルン部門 2次予選追記

チェロ部門 2次予選追記

声楽部門 2次予選追記

第89回日本音楽コンクール(ピアノ部門) 本選結果発表

第89回日本音楽コンクール(ヴァイオリン部門) 本選結果発表

第89回日本音楽コンクール(声楽部門) 本選結果発表

第89回日本音楽コンクール(チェロ部門) 本選結果発表

第89回日本音楽コンクール(ホルン部門) 本選結果発表

 

 

 

 

 

なお、以下はいずれも渡邉一正指揮、東京フィルハーモニー交響楽団との共演である。

 

 

・荒井玲奈

 

ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11 より 第2楽章(途中から)、第3楽章

 

曲に浸りきるというよりは、少しきりっとしたところのある演奏。

特に第3楽章が良く、アルペッジョや音階の難しい急速パッセージも丁寧にこなしつつ、守りに入ることなく快速テンポを保てている。

これでさらにクラコヴィアク(ポーランドの舞曲)らしい躍動感や協奏曲らしい華麗さが加わればなお良いか。

 

 

・三浦颯太

 

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品22 より 第1、3楽章

 

爽やかな情趣を持つ美しい演奏。

第1楽章、さらりとしているがぶっきらぼうでなく音楽的。

第3楽章も余裕があり、タランテラのリズムにしっかり乗れている。

音楽にクセがなくスマートで、テクニック的にもかなりのものがあり、正統派ピアニストといった印象。

 

 

・山縣美季

 

ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21 より 全曲

 

こちらについては、彼女のピティナ特級ファイナルでの演奏(その記事はこちら)と概ね同じ感想のため、ここでは省略する。

 

 

・望月晶

 

サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番 ト短調 作品22 より 全曲

 

節度ある表現の内に、強い情念の表出を感じる演奏。

特に第1楽章が秀逸で、その情熱的な表現は、サン=サーンスのサロン的イメージを覆すような説得力を持つ。

第2、3楽章はやや真面目過ぎるきらいはあり、もう少し舞曲調の軽快さ、流麗さ、技巧的華麗さが欲しいが、いまいちというほどではない。

 

 

 

 

 

そんなわけで、以上の4人の演奏に、私の中で勝手に順位をつけるとすると

 

1. 三浦颯太

2. 望月晶

3. 荒井玲奈

4. 山縣美季

 

というような感じになる。

ただし、全演奏が放送されたわけではないので、全て聴いていたら印象は違っていたかもしれない。

 

 

なお、実際の結果については先日の記事(その記事はこちら)を参照されたい。

私の順位とはだいぶ違っているが、好みの問題もあるだろう。

4人ともそれぞれ自身の持ち味をしっかり出せていたように思う。

 

 


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