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geezenstacの森

音楽に映画たまに美術、そして読書三昧のブログです

若 冲

著者:澤田瞳子

出版:文芸春秋社 文春文庫

 

 

 緻密な構図や大胆な題材、新たな手法で京画壇を席巻した天才・伊藤若冲は、なぜ奇妙な絵を生涯描き続けたのか――。 そして、彼の精巧な贋作を作り続けた男とはいったい!? デビュー作でいきなり中山義秀賞、次作で新田次郎賞を射止めた澤田瞳子が伊藤若冲の画業の秘密に迫る入魂の時代長編。 商売にはまったく身が入らず、絵を描くことに打ち込む源左衛門(若き日の若冲)。 一方、義弟・弁蔵は姉をいびり殺した枡源の人々と、そもそも胸の裡をはっきりさせない若冲に憎しみを隠さない。 しかしそれに構わず、若冲は妹の志乃と弁蔵を縁組させ、家を継がせようと言い出す。 それに怒り狂った弁蔵は、若冲が妻を亡くして以来描き続けた絵を見て驚愕するのだった。 以降、絵の道にますます入りこんでいく若冲と、彼を憎むあまり贋作を生み出すようになった弁蔵。 二人の奇妙な関係は若冲の名声が高まるにつれ、より複雑になっていく。 池大雅、与謝蕪村、円山応挙ら当時の京画壇、王政復古が望まれつつあった政治的状況も織り込みつつ、若冲が生み出していった作品の深層にせまった意欲作---データベース---

 

  ご多分にもれず、伊藤若冲の名前を知ったのは、この10年ほどです。今まで江戸時代の画家と言えば、どうしても江戸中心になっていましたが、それを京都にぐっと引き寄せたのが伊藤若冲でした。独特な色彩感覚と構図、そして実にリアルな自然描写、こういう視点が、彼の独自性を際立たせています。

 

 京都は名古屋からも近いこともあり、何度も若冲の足跡を求めて出かけてみたりもしています。当時はほとんど出かける人も少なかった伏見にある若冲晩年の棲家となった石峰寺は、伏見稲荷からほんの少し南に下ったとこにありましたが、ひっそりとした佇まいは晩年の若冲そのままの風情を物語っていました。現在使っている小生の御朱印帳の題字は、この石峰寺で書いていただいたものです。これまでに若冲については下記の記事を書いています。中でも、上田秀人氏の「禁裏付画帳」は深く若冲が絡んでいてこの澤田氏の作品ともリンクする部分がたくさんあります。そして、この小説の文庫版の解説はこの上田氏が書いています。

 

 

 

 

 

 

 

 この小説は、残された若冲の作品と史実、それらの点を繋ぎ創話するフィクションを織り交ぜた著者の筆力が素晴らしいの一言に尽きます。贋作で名高い市川君圭と若冲、どんな仲だったのかは知りませんが実在した人物ですし。若冲に妻がいたと仮説する緊張感に満ちた筋立ては、若冲の作品に潜む影を浮き彫りにしています。事物の生々しいまでの描写や氾濫する色彩の豪華さに目を奪われて気づけなかった若冲の内面性、悔恨や絵への執着はなるほど少なからずあったのだろうと思わせる筆致は、章毎に池大雅や円山応挙などが関わり合って紡がれていく様も差もあり何と思わせてくれます。若冲没後に仇敵を偲ぶ君圭の言葉で、若冲も読者も救われたように思う。清々しく読み終えた一冊です。この小説の章立てです。

 

目次

鳴鶴 
芭蕉の夢 
栗ふたつ 
つくも神 
雨月 
まだら蓮 
鳥獣楽土 
日隠れ 

 

 「鳴鶴」では青果問屋「桝源」を隠居するところから始まりますが、ここで彼に妻があり、クラで首を吊って自殺していたことが描かれます。この意表をつく設定からこの絵師伊藤若冲」は始まります。その妻の死に秘められた苦悩と父の妾の子お志乃に亡き妻の弟が絡んでくるという設定にいささか度肝を抜かれます。まあ、ストーリーは読んでいただいた方が面白いのですが、そこに絵師としての若冲の作品がストーリーごとに関わってきます。小説の中では文字としての作品しか登場しませんが、こちらは実在する作品として視覚的に存在します。そういう展開がこの作品をより引き立てています。この「鳴鶴」に登場するのは《雪中鴛鴦図》鴛鴦は古来、夫婦和合の象徴。普通の鴛鴦が寄り添って描かれるのに比べ、この二羽は完全に水陸相隔てている。夫婦の情愛めいたものは何一つなく、まるでこの世とあの世、異なる世に暮らすかのごとき距離が、彼らの間にあった。木の間を遊ぶ小鳥、咲きしきる山茶花の色が鮮やかであればあるほど、「鴦」に顧みられぬ岩上の「鴛」の悲しみがひしひしと伝わってくる。

 

 

 続く「芭蕉の夢」では池大雅に誘われて禁裏から蟄居を命ぜられて元左小弁浦松光世を訪ねます。そこで見た敗れそそけたつ芭蕉をみて書いた鹿苑寺大書院障壁画《月夜芭蕉図》がイメージされます。

 

 

 「栗ふたつ」では後の円山応挙(丸山左源太)が登場します。そしてストーリーは桝源をついだ長男の死にいたり、葬儀の席で桝源との縁切りを宣言するのです。ここで有名な《動植綵絵》が相国寺に寄進されることになります。

 

円山応挙「栗篭図」

 

動植綵絵

 

 「つくも神」では一時はお志乃を介して縁戚となる明石家半次郎との市場問題が勃発します。この話結構有名で、上田秀人氏の「禁裏付画帳」や秋月達郎の「京奉行 長谷川平蔵」でも登場します。ここで登場する人物たちは後のストーリーにも深く関わってきます。こうしてみていくと、若冲が活躍した時代は文化文政期で場所こそ江戸と京都の違いはありますが時代が重なるのが興味深いところです。

 

 

 「雨月」では舞台は石峯寺に移ります。ここでは後に市川君圭の息子を育てることとなります。ここに至る紆余曲折はやはり小説の持つ面白さでしょぅ。

 

山門が特徴的な「石峯寺」

 

若冲の墓

 

 この後、若冲は独自技法を駆使した《白象群獣図》などを制作していきます。小説では晋蔵にマス目塗りの手伝いをさせています。牙、目、口などを褐色で表されている。この升目描きの画は、二重升目という精度の高い技法で、印鑑も押されている若冲の真筆である。3点の枡目描作品のなかでは一番格調が高い。色も形も巧みで、印鑑もしっかり押されている。双眼鏡で見ると、枡のなかにもうひとつ四角形があり、立体的に見える(二重升目という精度の高い技法である)。

 

 

 この若冲の復讐の鬼と化した市川君圭に、若冲は己の生き様を写し鏡のように見てしまいます。ただ己の欲望としての亡き妻「三輪」にたいする贖罪を吐き出すためだけに描くことが、己が生きている唯一の理由とも重なっていました。
このように、己の内側から溢れ出るエネルギーを絵筆にぶつけている若冲の生き様は、純粋に「アーティスト」であるということでしょう。一方の江戸での人気絵師・北斎や、浮世絵の広重などとも根本的に違うのはこの点です。北斎や広重は、今でいう「イラストレーター」と位置付けられます。ビジネスとしての依頼や、大衆が何を欲しているかを考えて描き出す、いわば「商業画家」です。これに対して若冲はそうした周囲からの期待や要望に応えるというよりも、己の罪を吐き出さずにはいられなかったタイプでした。

 

 この頃までの若冲の作風を振り返ると、こうした「己のためだけに描き続ける絵」は、細密で色鮮やかな見た目と同居するように、ある種の孤独さ、寂しさを包含した作風に思えてならなりません。代表作とされる『動植綵絵』なども、スーパーリアリティ且つ最高級顔料による鮮やかな発色で目を引くものの、感情が抑制された鶏の目など、どこか寂しそうな、孤独感を感じてしまいます。主観を排した写実的な作風がかえって強烈な感情の吐露のようにも思えます。

 

 そんな若冲も、天明の大火ののち、伏見の石峰寺に身を寄せていた頃、73歳にしてようやく「生活のために絵を描く」ことになります。

 

 最後の「日隠れ」は若冲死後の物語となっていますが、オールスターが登場し大団円にふさわしい内容になっています。

 

 

 

 

 

音楽を楽しむ会

ウィーンフィル時代のブルーノ・ワルター

 

 

 第二土曜日は恒例の音楽の楽しむ会に参加してきました。今回はブルーノワルターを取り上げていました。それもウィーン・フィル時代のブルーノワルターです。ワルターは1936年から38年までウィーン国立歌劇場の芸術監督を務め、オペラ上演やウィーン・フィルハーモニーとの演奏会をはじめ数々のレコーディングを行っていました。まぁナチスがオーストリアを併合するまでの期間です。ユダヤ人だったワルターはこの後迫害を受け、スイスに逃れさらに1939年には家族とともにアメリカに亡命しています。

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 最初はSPレコードで1936年の録音になるモーツァルトの「アイネクライネナハトムジーク」から第1楽章が取り上げられました。このウィーン時代のワルターはほとんど個人的には知りません。そういうこともあり、今回は興味深く聴くことができました。このアイネクライネは非常に早いテンポで演奏されています。まぁSP録音と言うこともあるのかもしれませんが、若い頃のワルターのテンポを感じることができます。非常に生き生きとした演奏で、その中で音楽のためや強弱を見事に作り上げていました。

 

 

 今回は会場にそのワルターの珍しいレコードが色々と陳列されていました。今回初めて知ったのですが、有名なデッカの録音になるマーラーの「大地の歌」は、セッションとともにその翌日の演奏会のライブ録音のレコードも飾られていました。こういう録音があったとは全く知りませんでした。

 

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展示されていた珍しい録音の数々

 

 2曲目はモーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」序曲ですが、1937年のライブ録音にもかかわらず、これは全曲録音が存在します。この時用いられたのは映画用の35ミリの光学録音機を使って録音されました。確かに生々しい音で録音されています。SP時代の録音ですからバランスはそれほど良くありません。特にホルンなんか結構近接されて録音されています。しかし畳み掛けるような序曲の演奏に続いて第1幕の音楽がすぐに始まる様子は、さすがライブの録音というのを感じることができました。これはザルツブルグ音楽祭でのライブ録音で当時の雰囲気を生々しく感じることができます。こういう録音はドンジョヴァンニも残っていると言うことです。

 

 

 続く。1937年のモーツァルトのレクイエムはなんと開催されたパリ万博でのシャンゼリゼ劇場での録音ということです。ただわれた本人はこの演奏を気に入らなかったと見えて、長らくお蔵入りしていました。1980年代にようやくこの音源が発見されリリースされたということです。

 

 

 ウィーン・フィル最後の年となる1938の録音でワルターの得意とするマーラーの交響曲第9番の録音が残されています。やはりライブですが、この公演は既にナチスによって爆破予告があったと言う話も伝えられています。公演は2日間行われましたが、ここではそういう物騒な雰囲気が伺えないと言うことで騒動が起きなかった日の録音だったのでしょう。マイクは5本使われていたそうですが、結構良い音で残っています。

 

 

 次に取り上げられたのが1947年イギリスはエジンバラ音楽祭でのウィーン・フィルの公演からヨハンシュトラウス2世のウィーンの森の物語がかけられました。これはウォルターが立っての要望でウィーン・フィルをイギリスに呼んだとのことで、この時は得意のシューベルトの未完成、ベートーベンの田園、そして、マーラーの第一の歌などが、演奏されたということです。これらは録音が残っていませんが、ここでかけられたウィンの森の物語は、一般には紹介されてない音源で、日本ワルター協会のみで頒布されたレコードによる演奏を聞くことができました。日本のワルターファンはこういう珍しい音源まで復刻しています。残念ながら音源がありませんでした。

 

 ワルターは下にセッション録音のマーラーの「大地の歌」を録音していますが、ここでコントラルトを歌っているキャサリン・フェリアはこのワルターが見出した歌手でした。通常はムジークフェラインでのセッション録音が演奏されるところですが、今回は1952年5月17日に演奏されたライブがかけられました。このー大地の歌」漢詩をドイツ語訳したものが使われているそうですが、昔サントリーのコマーシャルで聞いた音楽で小生もこの曲に目覚めたのを思い出しました。

 

 

 

 

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後半はステレオ版をかけるのでモノラルカートリッジからステレオ用に取替えです

 

 後半の初めは1935年と言う古い SP録音でワーグナーの「ジークフリート牧歌」の最初の一面を蓄音機で聞くことができました。クラシックをレコードに残そうと思うと、わずか5, 6分の1面をこの曲だけで4面も使うと言うことで、そのつなぎのテクニックは技術者のテクニックがあっての賜物と言いえましょう。

 

 続くブラームスとベートーヴェンは、この日の唯一のステレオ録音によるコロムビア交響楽団のレコードが掛けられました。ただ、使われたレコードは今のソニーから発売されたものでは無く、日本コロムビアが発売していた196年ごろに発売されたレコードでした。アメリカのオリジナル盤もあまり音のいいものはなかったようです。

 

 最後は映像でワルターを楽しみました。 

 

戦後、ベルリンフィルに登場したブルーノ・ワルター 1950

 

 

バンクーバー音楽祭管弦楽団とのリハーサル

 

 

 来年はニューヨークフィル時代を取り上げるそうで、こちらも楽しみです。

イゴール・オジム

ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲

 

曲目/ベートーヴェン

ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.61

1.1st Movt: Allegro Ma Non Troppo 25:49

2.2nd Movt: Larghetto

3.3rd Movt: Rondo (Allegro) 20:58

4.ロマンス第1番ト長調Op.40  7:42

5.ロマンス第2番ヘ長調Op.50  8:41

 

ヴァイオリン/イゴール・オジム

指揮/ミラン・ホルヴァート

演奏/ザグレフ・フィルハーモニー管弦楽団

 

録音/1962

 

Fontana FG-67(原盤TYC−3366、3367)

 

 

 フィリップスのグロリアシリーズの1枚で、1972年に発売されたアルバムです。「栄光の名曲コレクション」と言うグロリアシリーズ第2期のアルバムで、ちょうど1000円盤が1300円に値上げされた頃に発売されました。このアルバムは懐かしいミラン・ホルヴァートの名前があったのでこの5月に捕獲した1枚です。このザグレブフィルとの共演盤は、その昔ターンナバウトから発売されていたショスタコーヴィチの交響曲第9番で知っていた組み合わせですが、あまりメインでは登場しない組み合わせでした。バイオリニストのイーゴル・オジムは全く名前は知りません。こういう録音がフィリップスにあったと言うことも今回初めて知りました。

 

英Fontanaで発売されたジャケット

 

 イゴール・オジムは1931年、スロヴェニア(当時はユーゴスラビア王国の一部)のリュブリャナの生まれ。ロンドンに留学し、1951年にはカール・フレッシュ国際ヴァイオリン・コンクールで優勝。その後、独奏者として広く活躍しつつ、ケルン高等音楽院、ベルン芸術大学、ザルツブルクのモーツァルテウムなどで名教師として名を馳せました。ベルンでの教え子にパトリツィア・コパチンスカヤがいます。1959年に来日したことがあります。

 

 ほとんど情報のないアルバムで、諸外国ではベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲1曲だけで発売されています。この日本盤だけロマンスの2曲がカップリングされています。で、ネットで音源を調べても全くありません。不思議なことに小品としてのロマンスは違う指揮者の演奏でアップされています。モーシェ・アツモンの指揮、ウィーン・オペラ管弦楽団の演奏となっていますが多分この音源でしょう。端正な演奏ですが、これと言った特徴はあまり感じられません。

 

 

 

 イゴール・オジムの録音はあまり多くありませんし、これは掘り出し物と言ってもいい一枚です。前掲のショスタコーヴィチでもホルバーとはなかなかいい仕事をしていましたが、ここでもがっしりとしたベートーヴェンを構築しています。そして、その伴奏に乗ってイゴール・オジムのヴァイオリンも実に雄大なベートーヴェンを披露しています。演奏時間を見てもわかるように第1楽章は25分代後半とかなり遅いテンポをとっています。これは多分ホルバートのテンポだと思いますが、このテンポでじっくりとしたベートーヴェン像を描いています。実に堂々としたスケールです。なかなかこの25分代で演奏している演奏はみあたりませんが、小生の手持ちではシェリングの旧盤、ツィマーマン、チョン・キョンファ、ムターのマズアとの録音ぐらいしかありません。そんなことで何の先入観も持たないで聴き始めて、たちまち聴き入ってしまいました。原盤はフィリップスですから音が悪うはずはありません。1962年の録音ですが、並のレコードメーカーの音よりしっかりしています。言っちゃなんですが、下に貼り付けてあるコンサートホールの録音よりははるかにマシです。

 

 第1楽章はホルバートの十全な歌い回しで、序奏だけでその世界観を形成しています。弦楽器の刻みやホルンの扱いなど随所に室内管弦楽団らしい細やかな表情付けがあります。お膳立てが揃ったところでソロヴァイオリンの登場です。自信に満ち溢れたオズマのヴァイオリンはさすがに気負いが全くなく、流麗でくせのない歌いまわしに好感が持てます。骨太のその響きは重厚でこの部分だけで大家の風格を感じさせます。カデンツァは当時としては一般的なクライスラーのでものを使用していますが、流麗に弾き切っています。

 

 第2楽章でもこの線の太い響きをを生かしてヴィヴラートをたっぷりかけて楽器そのものの響きが鳴るように自然と歌わせます。オーケストラの伴奏も寄り添うようなカンタービレで応えます。ホルバートといえばこれ以前にはコロムビアのダイヤモンド1000シリーズでティボール・ボルガを独奏者としたアルバムを出していました。こちらはドイツの「Musica Et Litera」というレーベルの音源でMS-1015として発売されていました。この頃のダイヤモンド1000シリーズはレコ芸では全く見向きもされていなくてどういう演奏かさっぱりわからなかったので手を出しませんでしたが、風の頼りにライブ音源を使ったものということでこうにュゥを見送っていました。今なら比較の意味で是非とも聴き比べをしてみたいものです。あ繁く中古レコード店を回って見つけ出したいものです。

 

 第3楽章もかなり遅いテンポです。ベートーヴェンの確かな構成力で堅牢な響きが構築されているのが分かります。オジムはやや、冷めた感覚でこの楽章と対峙しています。丁寧な演奏で着実にコーダに向かって音楽を進めていきます。多分日本ではほとんど評価されない演奏だったのでしょうが、今改めて耳を傾けてみるとこんな骨太の録音が残っていたことに喝采を送りたいと思います。後半からコーダにかけてのカデンツァを含む部分はさすがと唸らせる充実した響きで最後もきっちりと纏めています。

 

 このヴァイオリン協奏曲はいくら探しても音源は見つかりませんでした。代わりにベートーヴェンのトリプル協奏曲を貼り付けておきます。ハインツ・ワルベルクの指揮するウィーンのオーケストラは得体のしれない名前になってますが、これはウィーン・トーンキュストラ管弦楽団のことです。レーベルの関係で名乗れなかったようです。こちらはヴァイオリンがオジム、ピアノがクラウド・ヘルファー、チェロがオーロラ・ナトラというメンバーでコンサートホールから1965年に発売されています。

 

 

 2022年にオジムの協奏曲ばかりを集めたライブ盤が発売されましたが、そこでも、ベートーヴェンは収録されていませんでした。多分CDかもされていないと思いますのでさらにこの録音は貴重といえます。

 

 

 

エルマー・バーンスタイン

A Man and His Movies

 

曲目/

1. Rat Race(ネズミの戦争)-1960  2:14
2. Three Time Blueser  3:15
3. Radio Hysteria(突然の恐怖)-1952  2:13
4. Theme - Anna Lucasta-1959  3:55
5. Hop, Skip, But Jump  3:25
6. Big Top  2:06
7. Sweet Smell Of Success(成功の甘き香り)-1957  3:26
8. The Man With The Golden Arm(黄金の腕)-1955  2:56
9. Jubilation  4:28
10. Walk On The Wild Side(荒野を歩け)-1962  3:47
11. Birdman Of Alcatraz(終身犯)-1962  2:30
12. Tree Treasure - To Kill A Mockingbird(アラバマ物語)-1962  3:54
13. Main Title Theme - Baby The Rain Must Fall(ハイウェイ)-1965  2:31
14. Main Title Theme - To Kill A Mockingbird  2:28
 

指揮/エルマー・バーンスタイン

編曲/ Jack Hayes, Leo Shuken, Ruby Raksin
tp:ピート・カンドリ、ドン・ファーガキスト
ds:シェリー・マン
p:ラス・フリーマン
b:ジョー・モンドラゴン
sax:ボブ・クーパー、テッド・ナッシュ、バド・シャンク
tb:ミルト・バーンハート、Dick Nash, Dick Noel , George Roberts
g:Bob Bain
 
録音/1962/07   United Recording Studios 、Hollywood California
P:Jackie Mills, Tommy Wolf
E:Bones Howe
Mainstream Records – MDCD 601
 

 

 

 もともとこのレコードは1962年に発売されています。さも新しいようにリメイクされていますが、ジャケットのバーンスタインの若さがそれを物語っているでしょぅ。元々のタイトルは「ELMER BERNSTEIN Movie And TV Themes」で、初出時のアルバムはこんなデザインでした。

 

 

 そんなことで初出のレコードは10曲しか収録されていません。それも分類上は映画・ドラマ作品集でありながらジャズアレンジの一枚となっています。まあ、一般の人はエルマー・バーンスタインと言えば1963年のスティーヴ・マックィーン主演の「大脱走」でしょう。このアルバムは1962年発売ということでその代表作は含まれていません。そこがこのアルバムの評価の分かれるところでしょう。ただ、小生としては1955年公開の「黄金の腕」がこのアルバムでは1番の注目でした。黄金の腕を持つカードディーラーが麻薬を断ちドラマーとして再起するというネルソン・アルグレンの小説を映画化した作品でした。。なにしろ、その1960年代のシート時代にはこの曲をいろいろな演奏で聴いてはいましたが元々が時代的にモノラル時代の作品ということでレコードもモノラルしかなかつたのです。それがこのアルバムでは作曲者自身の指揮でステレオでしかもジャズのスタイルで演奏されているからです。主題曲の『黄金の腕』はエルマー・バーンスタインの作曲で、当時の映画では珍しくモダンジャズを取り入れ、新鮮な感覚のタイトルバックとともに大きな反響を引き起こしました。映画でシナトラのドラムスを指導したのは名ドラマーのシェリー・マンで、彼自身も映画に出演しています。そして、このアルバムでもドラムスはそのシェリー・マンが演奏しています。まあ、聴いてみてくださいな。

 

 

 

 バーンステインといえば、セシル・B・デミル監督の「十戒」(1956)の音楽も書いていますし、「荒野の七人」(1960)や、「続・荒野の七人」(1966)などでも知られていますが、それらの曲はやはりちょっとジャズ向きの作品とはいえません。1962年という年代と共にジャジーな作品がピックアップされていると言ってもいいでしょう。アルバムのトップは「ネズミの戦争」という作品で、女はそれを我慢できない』などで知られる劇作家ガーソン・カニンが自身の戯曲を映画用に脚色。監督は、テレビ映画の監督としてスタートし、映画にも進出し始めた頃のロバート・マリガン。ニューヨークに夢を求めてやってきたミュージシャンと共同生活をすることになった女性とのトラブルの数々があって…と粋な都会の男女のちょっとしたドラマになっています。コミカルでムードたっぷり、パンチの効いたビッグバンド・ナンバーのメインタイトルになっています。

 

 

 

 

 2曲目は1958年のテレビ作品で「TAKE FIVE」という作品の中の挿入曲です。ただし、作品はパイロットとして制作されただけでほとんど知られていません。スローなバラードナンバーですが、なかなか洒落た曲です。

 

 

 

 3曲目は1952年のRKO映画「突然の恐怖」の挿入曲です。なかなかサスペンスフルな作品です。

 

 

 

 まあ、こういうナンバーが収録されています。7曲目の「成功の甘き香り」は雰囲気的に「黄金の腕」によく似ています。

 

 

 

 「アラバマ物語」からは2曲収録されていますが、最後のメインタイトルはリラックスしたピアノコンポの形で演奏されています。グレゴリー・ペック主演の映画は人種差別を描いた傑作でしたが、冒頭のピアノソロをうまくアレンジしています。11曲目から14曲目は別のアルバムから持ってきているのでちょっと雰囲気が違っているのも無おもしろいところです。

 

 

エルマー・バーンステインが手がけた作品には下記のものがありますが、これで全てではありません。下線の弾引いてある作品が収録されている作品です。


「(未公開)Saturday's Hero」(1951)
「(未公開)Boots Malone」(1952)
「(未公開)奥さまは新兵さん(Never Wave at a WAC)」(1952)
突然の恐怖(Sudden Fear)」(1952)
「真紅の騎兵隊(Battles of Chief Pontiac)」(1952)
「(未公開)A Communications Primer」(1953)
「(未公開)ロボット・モンスター(Robot Monster)」(1953)
「(未公開)月のキャット・ウーマン(Cat-Women of the Moon)」(1953)
「(未公開)S-73」(1954)
「(未公開)Miss Robin Crusoe」(1954)
「(未公開)蛇のような男(Make Haste to Live)」(1954)
「(未公開)Silent Raiders」(1954)
「(未公開)House: After Five Years of Living」(1955)
「レイテ沖海空戦/永遠の海原(The Eternal Sea)」(1955)
「(未公開)さらばポンペイ(The View from Pompey's Head)」(1955)
黄金の腕(The Man with the Golden Arm)」(1955)
「(未公開)大雪原の死闘(Storm Fear)」(1955)
「(未公開)It's a Dog's Life」(1955)
「(未公開)The Naked Eye」(1956)
「(未公開)Eames Lounge Chair」(1956)
「十戒(The Ten Commandments)」(1956)
「(未公開)The Information Machine」(1957)
「最前線(Men in War)」(1957)
「栄光の旅路(Fear Strikes Out)」(1957)
「成功の甘き香り(Sweet Smell of Success)」(1957)
「(未公開)地獄の拍車(Drango)」(1957)
「胸に輝く星(The Tin Star)」(1957)
「(未公開)The True Story of the Civil War」(1957)
「楡の木蔭の欲望(Desire Under the Elms)」(1958)
「西部の旅がらす(Saddle the Wind)」(1958)
「最后の接吻(Kings Go Forth)」(1958)
「真昼の欲情(God's Little Acre)」(1958)
「(未公開/TV)General Electric Theater - Battle for a Soul」(1958)
「大海賊(The Buccaneer)」(1958)
「走り来る人々(Some Came Running)」(1958)
「(未公開/TV)The Race for Space」(1959)
「(未公開)Glimpses of the USA」(1959)
「(未公開)Anna Lucasta」(1959)
「(未公開)Toccata for Toy Trains」(1959)
「奇蹟(The Miracle)」(1959)
「(未公開)The Story on Page One」(1959)
「(未公開/TV)Johnny Staccato」(1959~1960)
「(未公開/TV)Riverboat」(1959~1960)
「(未公開)Introduction to Feedback」(1960)
「(未公開)The Fabulous Fifties」(1960)
「ねずみの競争(The Rat Race)」(1960)
「孤独な関係(From the Terrace)」(1960)
「荒野の七人(The Magnificent Seven)」(1960)
「(未公開/TV)Hollywood: The Golden Years」(1961)
「(未公開)IBM Mathematics Peep Show」(1961)
「(未公開)愛するゆえに(By Love Possessed)」(1961)
「(未公開)若き医師たち(The Young Doctors)」(1961)
「コマンチェロ(The Comancheros)」(1961)
「肉体のすきま風(Summer and Smoke)」(1961)
「(未公開)San Francisco Fire」(1962)
「(未公開/TV)The Beachcomber」(1962)
「荒野を歩け(Walk on the Wild Side)」(1962)
「(未公開/TV)The Dick Powell Show - Savage Sunday」(1962)
「(未公開/TV)D-Day June 6, 1944」(1962)
「終身犯(Birdman of Alcatraz)」(1962)
「(未公開/TV)Hollywood: The Fabulous Era」(1962)
アラバマ物語(To Kill a Mockingbird)」(1962)
「(未公開)忘れえぬ慕情(A Girl Named Tamiko)」(1962)
「(未公開/TV)Hollywood: The Great Stars」(1963)
「ハッド(Hud)」(1963)
「大脱走(The Great Escape)」(1963)
「(未公開)The Caretakers」(1963)
「ランページ(Rampage)」(1963)
「(未公開/TV)Project: Man in Space」(1963)
「太陽の帝王(Kings of the Sun)」(1963)
「マンハッタン物語(Love with the Proper Stranger)」(1963)
「(未公開)The Making of the President 1960」(1963)
「(未公開/TV)Hollywood and the Stars」(1963~1964)
「(未公開)House of Science」(1964)
「(未公開/TV)A Thousand Days: A Tribute to John Fitzgerald Kennedy」(1964)
「マリアンの友だち(The World of Henry Orient)」(1964)
「大いなる野望(The Carpetbaggers)」(1964)
「(未公開)Four Days in November」(1964)
「(未公開/TV)Time-Life Specials: The March of Time」(1965)
「(未公開)The Smithsonian Institute」(1965)
「(未公開)Sherlock Holmes in the Singular Case of the Plural Green Mustache」(1965)
「(未公開)Westinghouse in Alphabetical Order」(1965)
「(未公開)IBM at the Fair」(1965)
「(未公開)IBM Puppet Shows」(1965)
「(未公開)View from the People Wall」(1965)
「ハイウェイ(Baby the Rain Must Fall)」(1965)
「ビッグトレイル(The Hallelujah Trail)」(1965)
「エルダー兄弟(The Sons of Katie Elder)」(1965)
「(未公開/TV)France: Conquest to Liberation」(1965)
「メキシコで死ね(The Reward)」(1965)
「(未公開/TV)In Search of Man」(1965)
「荒野の女たち(7 Women)」(1966)
「(未公開/TV)National Geographic Specials - Voyage of the Brigantine Yankee」(1966)
「サイレンサー/沈黙部隊(The Silencers)」(1966)
「巨大なる戦場(Cast a Giant Shadow)」(1966)
「ハワイ(Hawaii)」(1966)
「続・荒野の七人(Return of the Seven)」(1966)
「モダン・ミリー(Thoroughly Modern Millie)」(1967)
「(TV)バークレー牧場(The Big Valley)」(1967~1968)
「(未公開)A Rough Sketch for a Proposed Film Dealing with the Powers of Ten and the Relative Size of Things in the Universe」(1968)
「(未公開)A Computer Glossary」(1968)
「(TV)ジュリア(Julia)」(1968~1970)
「インディアン狩り(The Scalphunters)」(1968)
「太ももに蝶(I Love You, Alice B. Toklas!)」(1968)
「(未公開)Tops」(1969)
「(未公開)Where's Jack?」(1969)
「強奪超特急(Midas Run)」(1969)
「勇気ある追跡(True Grit)」(1969)
「レマゲン鉄橋(The Bridge at Remagen)」(1969)
「新・荒野の七人/馬上の決闘(Guns of the Magnificent Seven)」(1969)
「さすらいの大空(The Gypsy Moths)」(1969)
「宇宙からの脱出(Marooned)」(1969)
「(未公開)Kifaru... The Black Rhino」(1970)
「(未公開/TV)The Unfinished Journey of Robert Kennedy」(1970)
「L・B・ジョーンズの解放(The Liberation of L.B. Jones)」(1970)
「春の雨の中を(A Walk in the Spring Rain)」(1970)
「コンドルの砦(Cannon for Cordoba)」(1970)
「(未公開)Computer Landscape」(1971)
「(未公開/TV)Appointment with Destiny: The Last Days of John Dillinger」(1971)
「(未公開)The Tell-Tale Heart」(1971)
「(未公開)Doctors' Wives」(1971)
「100万ドルの血斗(Big Jake)」(1971)
「見えない恐怖(Blind Terror)」(1971)
「(未公開/TV)Owen Marshall: Counselor at Law - Eulogy for a Wide Receiver」(1971)
「(未公開/TV)Appointment with Destiny」(1971~1973)
「(未公開)SX-70」(1972)
「(未公開)Computer Perspective」(1972)
「(TV)スタジアム乱射事件(The Rookies)」(1972)
「荒野の七人/真昼の決闘(The Magnificent Seven Ride!)」(1972)
「(TV)ガンスモーク(Gunsmoke - Hostage!)」(1972)
「(未公開)The Amazing Mr. Blunden」(1972)
「(TV)命がけの青春/ザ・ルーキーズ(The Rookies - Judgement, - Concrete Valley, Neon Sky)」(1972~1974)
「(未公開)恐怖のハネムーン(Nightmare Honeymoon)」(1973)
「(未公開/TV)The Crucifixion of Jesus」(1973)
「(未公開)Copernicus」(1973)
「(TV)検事(Incident on a Dark Street)」(1973)
「ビッグケーヒル(Cahill U.S. Marshal)」(1973)
「マックQ(McQ)」(1974)
「(未公開/TV)Men of the Dragon」(1974)
「ゴールド(Gold)」(1974)
「(未公開)The Trial of Billy Jack」(1974)
「(未公開)Metropolitan Overview」(1975)
「(未公開)ニューヨーク麻薬捜査線(Report to the Commissioner)」(1975)
「(TV)エラリー・クイーン(Ellery Queen)」(1975)
「(未公開)The Old Curiosity Shop」(1975)
「(未公開)The Look of America」(1976)
「(TV)アウトロー刑事・セルピコ(Serpico)」(1976)
「(TV)新セルピコ/孤独刑事最後の挑戦(Serpico - The Deadly Game)」(1976)
「ラスト・シューティスト(The Shootist)」(1976)
「正午から3時まで(From Noon Till Three)」(1976)
「(未公開/TV)Captains and the Kings」(1976)
「(未公開)The Incredible Sarah」(1976)
「スラップ・ショット(Slap Shot)」(1977)
「(未公開)The Worlds of Franklin and Jefferson」(1977)
「(未公開)Polavision」(1977)
「(未公開)Daumier: Paris and the Spectator」(1977)
「(未公開)Powers of Ten」(1977)
「(未公開/TV)Seventh Avenue」(1977)
「(未公開)Billy Jack Goes to Washington」(1977)
「(TV)デス・チェイス5000キロ/爆走!大陸横断大追跡(The 3,000 Mile Chase)」(1977)
「(未公開)Macbeth」(1978)
「(未公開)Degas in the Metropolitan」(1978)
「(未公開)Masks」(1978)
「(未公開/V)Art Game」(1978)
「(未公開)Cezanne」(1978)
「アニマル・ハウス(Animal House)」(1978)
「(未公開)愛の断層(Bloodbrothers)」(1978)
「(TV)若草物語(Little Women)」(1978)
「(未公開)A Report on the IBM Exhibition Center」(1979)
「(未公開/TV)Charleston」(1979)
「(未公開/TV)Delta House」(1979)
「(未公開/TV)The Chisholms」(1979)
「(未公開)ズールー戦争/野望の大陸(Zulu Dawn)」(1979)
「ミートボール(Meatballs)」(1979)
「パパ(The Great Santini)」(1979)
「スペース・サタン(Saturn 3)」(1980)
「(TV)ガイアナ人民寺院の惨劇(Guyana Tragedy: The Story of Jim Jones)」(1980)
「(未公開/TV)This Year's Blonde」(1980)
「フライングハイ(Airplane!)」(1980)
「(未公開)Going Ape!」(1981)
「パラダイス・アーミー(Stripes)」(1981)
「ヘビー・メタル(Heavy Metal)」(1981)
「(未公開)フロリダ・ハチャメチャ・ハイウェイ(Honky Tonk Freeway)」(1981)
「狼男アメリカン(An American Werewolf in London)」(1981)
「(未公開)The Chosen」(1981)
「(未公開/TV)Today's F.B.I.」(1981)
「(未公開)ジェノサイド ナチスの虐殺 ホロコーストの真実(Genocide)」(1982)
「氷壁の女(Five Days One Summer)」(1982)
「フライングハイ2/危険がいっぱい月への旅(Airplane II: The Sequel)」(1982)
「スペースハンター(Spacehunter: Adventures in the Forbidden Zone)」(1983)
「大逆転(Trading Places)」(1983)
「恋のスクランブル(Class)」(1983)
「(未公開)ボレロ/愛欲の日々(Bolero)」(1984)
「ゴーストバスターズ(Ghost Busters)」(1984)
「(TV)脱走大陸/自由への国境は雪原の彼方(Gulag)」(1985)
「(未公開)マリー・ワード(Marie Ward - Zwischen Galgen und Glorie)」(1985)
「コルドロン(The Black Cauldron)」(1985)
「スパイ・ライク・アス(Spies Like Us)」(1985)
「(未公開)Prince Jack」(1985)
「夜霧のマンハッタン(Legal Eagles)」(1986)
「サボテン・ブラザース!(Three Amigos!)」(1986)
「サイレント・ボイス/愛を虹にのせて(Amazing Grace and Chuck)」(1987)
「(未公開)ビル・コスビーのそれ行けレオナルド(Leonard Part 6)」(1987)
「ジミー/さよならのキスもしてくれない(A Night in the Life of Jimmy Reardon)」(1988)
「(未公開)Da」(1988)
「(未公開)ファニー・ファーム/勝手にユートピア(Funny Farm)」(1988)
「(未公開)情熱の代償(The Good Mother)」(1988)
「風の惑星/スリップストリーム(Slipstream)」(1989)
「マイ・レフトフット(My Left Foot: The Story of Christy Brown)」(1989)
「(未公開)One Day in Dallas」(1990)
「(未公開)ザ・フィールド(The Field)」(1990)
「グリフターズ/詐欺師たち(The Grifters)」(1990)
「ケープ・フィアー(Cape Fear)」(1991)
「オスカー(Oscar)」(1991)
「レイジ・イン・ハーレム(A Rage in Harlem)」(1991)
「ランブリング・ローズ(Rambling Rose)」(1991)
「夢を生きた男/ザ・ベーブ(The Babe)」(1992)
「(未公開/TV)The Bogie Man」(1992)
「(未公開)セメタリークラブ(The Cemetery Club)」(1993)
「恋に落ちたら…(Mad Dog and Glory)」(1993)
「(未公開)ニール・サイモンのヨンカーズ物語(Lost in Yonkers)」(1993)
「エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事(The Age of Innocence)」(1993)
「危険な遊び(The Good Son)」(1993)
「ジョン・キャンディの大進撃(Canadian Bacon)」(1995)
「(未公開)最高のルームメイト(Roommates)」(1995)
「(TV)完全犯罪(Perfect Crimes)」(1995)
「サーチ&デストロイ(Search and Destroy)」(1995)
「(未公開/TV)A Personal Journey with Martin Scorsese Through American Movies」(1995)
「フランキー・スターライト/世界で一番素敵な恋(Frankie Starlight)」(1995)
「青いドレスの女(Devil in a Blue Dress)」(1995)
「(未公開)ダーティ・ボーイズ(Bulletproof)」(1996)
「(未公開)バディ(Buddy)」(1997)
「(未公開)奴らに深き眠りを(Hoodlum)」(1997)
「レインメーカー(The Rainmaker)」(1997)
「(未公開)トワイライト 葬られた過去(Twilight)」(1998)
「(未公開)Puppies for Sale」(1998)
「(TV)荒野の七人(The Magnificent Seven)」(1998~2000)
「ディープエンド・オブ・オーシャン(The Deep End of the Ocean)」(1999)
「ワイルド・ワイルド・ウエスト(Wild Wild West)」(1999)
「(TV)アカデミー 栄光と悲劇(Introducing Dorothy Dandridge)」(1999)
「救命士(Bringing Out the Dead)」(1999)
「(VG)Wild, Wild West: The Steel Assassin」(1999)
「ある夏の日(A Storm in Summer)」(2000)
「僕たちのアナ・バナナ(Keeping the Faith)」(2000)
「(未公開)Chinese Coffee」(2000)
「(未公開)Taking the Wheel」(2002)
「エデンより彼方に(Far from Heaven)」(2002)
「(未公開)The Rising of the Moon」(2002)
「(未公開)Cecil B. DeMille: American Epic」(2004)

等があります。

 

 

 

 

大河「べらぼう」巡回展

 

 

 現在放送中のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」巡回展が9月6日から15日まで、愛知県名古屋市内のNHK名古屋放送センタービル1階で行われていますので出かけてきました。今回の目玉は伝説の花魁・花の井役で小芝風花(28)が着用した衣装。関係者によると「レプリカではなく撮影で本当に使ったものを展示するのは珍しい」ということです。

 

 

 このほか、オフショットなどのメイキング写真、「黄表紙」「身請け証文」など撮影小道具の展示、綾瀬はるかさん演じる「九郎助稲荷(くろすけいなり)」のフォトスポット、来場者が出演者や番組などに宛てたメッセージを書いてつるす「メッセージツリー」などが設置されています。

 

 

 

 

セットの蔦屋の店先

 

ベストセラーとなった本はレプリカでしょう。

 

スマホを覗き込むオフショット

 

 

 

 

 

お定と歌麿のオフショット

 

九郎助稲荷

 

語りの綾瀬はるかの花魁姿

 

吉原のイメージスケッチ

 

五十間道のスケッチ

 

吉原の蔦屋のパース図

 

昔は「ビードロを吹く女」と言われていました

 

北斎の描いた蔦谷耕書堂

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 下は喜多川歌麿が描いた虫の絵がカラーで描かれた「画本虫撰」の全ページが紹介されています。

 

 

 そうそう会場ではスタンプで完成させる浮世絵もあります。