子宮下垂=子宮脱と肛門下垂(骨盤臓器脱)の整体治療 | 【大阪】 整体師養成校 ジャパン・ヘルスサイエンス専門学院                      JHSC整体治療室 = 公式ブログ

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子宮下垂=子宮脱と肛門下垂(骨盤臓器脱)の整体治療

腹部膨満解消や子宮を吊り下げている「子宮懸垂装置」を牽引する整体治療・他で子宮脱、肛門下垂を改善した症例の解説です。
患者Nさん=51才-女性-主婦

 

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はじめに・・・子宮懸垂装置とは
・本文でも説明していますが、子宮は子宮円策、仙骨子宮靭帯、膀胱子宮靭帯、膀胱子宮中隔、基靭帯、子宮広間膜などの支持靱帯群で、子宮を膀胱の後方・正中位に位置させ、前掲前屈位を支持しています。子宮脱/下垂は、確かに骨盤底筋群の緊張低下も原因しますが、やはり骨盤底筋のトレーニングだけでは不十分なケースも多々あります。

 

   

子宮を正中に維持する子宮懸垂靱帯群   後屈している子宮画像

 

・今回のNさんの症例も同様でした。婦人科で指導された骨盤体操だけで難しかったようです。またNさんについては体重の急激な増加(半年で14kg増)といった、腹部膨満による圧力増加の影響も推測され、それに対する対応も必要でした。ですから、

子宮を引き上げる整体治療だけでなく、残留便解消による腹部膨満対策も追加で整体治療しました

その意味で少し大変でしたが、運よく善改したので、ここで紹介させていただきます。

 

 

不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それでは、長文ですが、よろしくお読みください。

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① Nさんの病歴・・・

 「子宮が下垂してから来てください」と言われました、、、
患者Nさんは、数か月前から膣口から子宮が時折膣内に落ちてくる事に気づいたそうです。近所の婦人科を受診したところ、その時は子宮は下垂していなかったようで、担当医から「(子宮が)下垂してから来てください」と言われたそうです。また、別の泌尿器科を受診の際も同様のことを言われたそうです。その後子宮は膣口付近に常時留まるようになり、時折膣口から外に飛び出すこともあるそうです(☚特に排便時に飛び出るそうです。また午前中はましなことが多く、午後から出やすくなるそうです。)。病院では骨盤体操の指導だけだったので、その他の治療として鍼灸や漢方・整体・カイロプラクティックなども受けたそうですが効果は無く、今に至っているそうです。

 

 

 

 

② Nさんの診察
・現在のNさんの身長は159cmで体重は53kgだそうです。しかし1年前までの体重は39kgだったそうです。それが半年で14kgも増加して半年前に今の体重に安定したそうです。体重増加の原因はよく分かっていないそうです。
・直近の血液検査や画像検査ではLDL値がやや高めだそうですが、それ以外に特段の異常は無く、血圧は108/71mmHgだそうです。橈骨動脈の脈拍は1分間に67回で、左右差はありませんでした。また、微熱などが出ることも無く、頸部の伸展や回旋による失神様症状などもありませんでした。労作による呼吸困難や不整脈の経験(既往歴)も無いそうです。
・12才のお子さんがおられますが、妊娠-出産に特段の異常は無く、ほぼ安産だったそうです。
・30代の時に子宮内膜症・子宮腺筋症との診断を受けているそうです。今も少し内膜症や腺筋症は残っているそうです。不正性器出血は無いそうです。
・20年ほど前に甲状腺機能低下症の診断を受けたそうですが、今は治癒しているそうです。
・1年前に閉経していますが、それまでは生理痛はかなり強いほうだったそうです。主な生理痛の部位は腰、下腹部、会陰部だったそうです。
・2年前から、臍の左下方に持続性の(軽度の)腹痛が時折生じることがあるそうです。また数か月前から恥骨の直上に横一直線状に(約15cm)チクチクとした痛みが生じることがあったそうです。さらに右の尾骨付近から会陰部~恥骨右縁にかけてピリピリとした神経痛が生じることがあるそうです(☚たまに左側に神経痛が生じることもあったそうです)。
・かなり以前から再発性の膀胱炎だそうですが、今は排尿痛などは無いそうです。しかし頻尿気味で昼間も10回近くトイレに行くそうです。さらに就寝中も頻尿で、ほぼ毎晩尿意で5~6回は目が覚めてトイレに行くそうです。そのほとんどは、尿は少ししか出ないそうです。尿の混濁・血尿などは無いそうです。
・排便は毎日あるそうですが、少し残っている感じがあるそうです。
・甲状腺の腫脹・腫瘤や萎縮はありませんでした。しかし頸部の前後側面の筋肉群に著名な緊張と圧痛がありました。
・頚胸部の聴診上、血管雑音、あるいは心音・呼吸音に異常はありませんでした。また打診上、肺尖部などの濁音もありませんでした。
・腹部聴診上、グル音はやや強めに聴取出来ました。血管雑音はありませんでした。
・腹部触診上、全般的に膨隆傾向で、やや緊満感がありませんでした。肝脾腫や腫瘤感はありませんでしたが、臍部左側と左鼠径部直情に沿って著名な緊張と圧痛がありました。

・子宮底の触診は出来ませんでした。

 

前傾前屈している正常位の子宮

子宮円索が前方に牽引している

 

 

 

➂ 治療目標と整体治療…残留便の減少と子宮懸垂装置の回復 !!
     ⑴ 残留便の排泄を促し、子宮-膣への過剰負荷を軽減する
     ⑵ 子宮を上方へ引き上げる
     ⑶ 子宮を前傾前屈状態に回復させる
     ⑷ 骨盤内の動静脈血流を回復し子宮懸垂装置及びその周辺組織の自然治癒力を回復させ、子宮を前掲前屈位に安定化する
     ⑸ 直腸・肛門の癒着を解放して安定化を図る

・平滑筋テクニック
・腸骨はがしテクニック
・子宮円索テクニック
・子宮底屈曲テクニック
・子宮-膣動脈解放テクニック
・直腸・肛門解放テクニック (☚11診目来院時より追加)

 

子宮底を前方に牽引している子宮円索(点線部分)

 

 

 

④ 経過と結果・・・11診目で緩解、13診目で安定 !!
・2診目来院時、

子宮の下垂状況に変わりはありませんでした。しかし治療直後、「子宮が上がって膣の異物感がありません!!」とビックリされていました。


・3診目来院時、

「(2診目の治療当日)家に帰って排尿すると子宮が落ちてきました」と仰っていました。


・その後子宮の下垂状況は、施術によって上に挙がったりその後下に落ちたりを繰り返しながら次第に上方に安定化するようになり、7診目来院時には「(前回の治療から)この一週間は全然下に落ちてきませんでした」と仰っていました。


・しかし、お子さんの受験によるストレスやご主人の手術の介護などで、心身ともにストレス状態が続き、8診目、9診目来院時には若干子宮が落ちています、との事でした。


・しかしその後の治療が功を奏して、11診目治療時には子宮はほぼ定位置にまで上昇して前掲前屈状態に改善していました。ただ、Nさんに改めてお聞きすると少しだけ「肛門下垂」もあるようなので、直腸-肛門の整体治療も追加しました。


・13診目来院時、

子宮はここのところずっと(約4週間)落ちることなく安定した位置にあり、「肛門もあの時(☚11診目治療時)だけでした」と仰ってましたので、今回の治療を終了する事にしました。

 

 

 

 

⑤  今回の症例の概説、、、閉経後の急激な体重増加が遠因か ?!
◆ 子宮が下垂した主因は…

・患者Nさんは子宮脱を主訴として来院されましたが、その他に耳鳴り・難聴や下肢-肩甲骨間の冷え性、外陰部痛、腹痛、乳房痛、前失神所見、頭痛、眼の周囲の違和感、、、と様々な愁訴があり、ほぼ全身的な整体治療が必要な状況でした。また現症だけでなく既往歴的にも子宮内膜症や腺筋症、あるいはそれらに起因すると思われる生理痛、LDL値の微増、再発性膀胱炎、閉経後の急激な体重増加など、色々と考えさせられる所見が山積みでした。
 

ですからこの子宮脱についてだけ語ることは難しく、Nさんの心身に生じている所見全てを俯瞰して診ていく必要があります。とは言え、紙数の関係からもこの子宮脱に特化して考えていくと、その直接的な原因は「閉経後の急激な体重増加」にあったのでは、と推定します。なんとその増加体重は半年で14kg増(39k➡53kg…これは妊娠時の母体の体重増加率を軽く上回ります)ですから、その重みによってかなり子宮懸垂装置(下記注1参照)に負担が加わっているのでは、と思われます。それも(失礼な言い方ですが申し訳ありませんが)その子宮懸垂装置は50年と経年劣化しているのですから、子宮懸垂装置への捻挫様の障害は急激に生じたのでは、と思われます。
 

 

◆ 子宮を懸垂する靱帯-子宮円索が引き延ばされた ?!

・その結果子宮を定位置で支える機能に破綻が生じて子宮が下垂していったのでは、と思われます(☚「数か月前から恥骨の直上に横一直線状に(約15cm)チクチクとした痛みが生じる」といった所見は子宮懸垂装置の一つである基靭帯が引き延ばされている時の痛みであったかもしれません=基靭帯の慢性捻挫?=)。
 

・元々Nさんの骨盤内臓は子宮内膜症や腺筋症、再発性膀胱炎、原意不明の腹痛などで軽度の骨盤内炎症症候群的な下地があっても不思議ではない状況でしたから、これらによって子宮懸垂装置への炎症の波及や癒着あるいは血流障害などによる化学的な負荷がかかっていた可能性があります。また39才での初産による物理的負荷などにより物理的な負荷も子宮懸垂装置加わっていたとも思われます。
 

・この様な要因によって慢性的・持続的に物理化学的な負荷が加わっていた子宮懸垂装置に、半年間で14kg増といった急激な体重増加が加わると、子宮懸垂装置が急激に破綻状態に至っても不思議ではなく、その結果子宮下垂が生じたのでは、と思われます。
 

 

◆ 子宮を引き上げる整体法…

・上記のことから
    
⑴ 残留便の排泄を促し、子宮-膣への過剰負荷を軽減する
     ⑵ 子宮を上方へ引き上げる
     ⑶ 子宮を前傾前屈状態に回復させる
     ⑷ 骨盤内の動静脈血流を回復し子宮懸垂装置及びその周辺組織の自然治癒力を回復させ、子宮を前掲前屈位に安定化する

の治療方針を立て、
     ・平滑筋テクニック
     ・腸骨はがしテクニック
     ・子宮円索テクニック
     ・子宮底屈曲テクニック
     ・子宮-膣動脈解放テクニック

の各整体テクニックを施術しました。これが結果的に奏功したので、上記の仮説が概ね妥当であったのでは、と考えます。

 

 

 

 

注1) 子宮懸垂装置とは・・・
子宮を上側方から支持する為に骨盤内の四方から伸びる靭帯群で、それらにより膀胱の後方・正中に位置させ、前掲前屈位で固定化する支持靭帯群。子宮円策、仙骨子宮靭帯、膀胱子宮靭帯、膀胱子宮中隔、基靭帯、子宮広間膜などがある。

 

 

 

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上記解説文で不明な点やご質問は当院お問い合わせHPか、お電話 (06-6180-6880) にてご相談ください。
それではお大事にしてください。

 

 

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