鹿児島の親の会の立ち上げからのメンバーであるぽれぽれさんが3年前に書かれた「明るいおうち生活のススメ」の再転載です。
起立性調節障害だった長男さんは現在大学3年生です。
「明るいおうち生活のススメ」は①から⑬までのシリーズです。
 ※先にこちらから
 明るいおうち生活のススメ①~まえがき~
             明るいおうち生活のススメ②~病気の理解~
            明るいおうち生活のススメ③~二次的弊害を防ぐために
            明るいおうち生活のススメ④~思春期の子どもの心~
            明るいおうち生活のススメ⑤~ありのままに~
                    
起立性調節障害 明るいおうち生活のススメ⑥~子ども自身が決める~

思春期の子どもたちは,大人から見れば,まだまだ未熟です。
でも,未熟なりにしっかり考えています。
起立性調節障害で自宅療養中の子どもはなおさらです。
普通とは違う生活を送る中で,考える時間はたっぷりあります。

学校のこと,病院のこと,治療のこと,
進路のこと,生活そのもののことなど,
子ども自身が自分で考え,決めることが大事だと思います。

自分で決めたことなら,子どもは後悔しません。
自分で決めたことなら,がんばれます。

でも,経験も情報も少ない子どもには,
親のアドバイスは必要です。
社会人としても目線も大事です。
私はこう思うんだけど・・・と話をし,
一緒に考えることが大事です。
「自分で決めるということには,責任が出てくるんだよ。
 しっかり考えるんだよ。」
と,話をしたこともあります。

この時期の子どもたちと話をするのは,難しいことかもしれません。
わが家では,置き手紙を置いていました。
返事がない時は,しっかり考えているということでもあります。

ありのままでいいと存在を認められた子どもは,
きちんと考え,悪い選択はしません。

やってみて,違ったかなと思っても,
気づいた時に,いくらでもやり直しはできます。

医師であり,臨床心理士の田中茂樹先生が書かれた
『子どもを信じること』には,このように書かれてあります。

『子どもを信じるということは,都合よく考えて放任することでないのはもちろん,見守っていれば失敗しないだろうと信じるものでもありません。そうではなく,失敗するかもしれないけれど,失敗してもまた立ち上がる強さを持っていると信じるのです。自分の子どもは信じるに値する子だ,大事にするのに値する子だと信じるのです。親から信じてもらえることこそが,子どもにとって決定的に大切な勇気の源になります。』

『この本で,私は,「本来子どもが持っている力を信じる」ということを中心に据えて,子どもを育てるときに親が気を付けるとよいと私が考えていることを書きました。
ここで,「親が気をつけると良い」と言う場合の「良い」とは,子どもが,親の言うことをよく聞くようになるとか,勉強が好きになるとか,不登校の子が学校に通い始めるとか,そういったような,何か親が望むような結果が得られるということではありません。そうではなく,子ども自身が,自分が幸せになるために,何をどうするのがもっとも望ましいのかを,自分で感じ,考え,そのこととしっかり向き合えるようになる,ということです。』

『子どもが家庭で楽しく過ごせること。子どもが自分を好きになること。親も子どもと過ごす時間を楽しめること。子ども時代をそのように過ごすことは,生きることを好きになるために,とても大切なことだと思います。』

『親が手出しをしなくても,子どもは自分が幸せになるためにとるべき行動を,自分からとるようになります。そのことを信じて,子どもと向き合うのです』


子どもを信じること/大隅書店



¥2,940
Amazon.co.jp

子どもに任せて,黙っているということは,
とてもむずかしいことです。
心配だし,不安だし。
親だからこそ,心配するんだけど,
子どもからしたら,心配されることは信じてもらえていないと,
否定されたように感じてしまいます。
ありのままに受け入れられていないことと,
同じように感じてしまいます。

とてもむずかしいことだけど,
意識しておくだけでもいいと思います。
少しずつ少しずつでも,大丈夫ですよ。

  ぽれぽれさんのブログ 鹿児島起立性調節障害親の会~ぽれぽれなるままに~