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インタラクティブな表札☆

吉原A友人から、「イッセイさん、友人の新築のお祝いに何か作ってくださいませんか?」というご依頼が年に一度ぐらいあります。

そのときはきまって「表札はどう?」と提案して作ってあげます。

吉原さんのお家にお贈りした表札は、インタラクティブな表札で、左側の3つの木の面、4面を使って、家族間、友人間で決まりを作って情報を伝達できるよう考えました。

【1】祝日は日の丸を揚げる。最近無くなってきたこの日本の習慣を絶やさないよう、カタチを変えて提案しました。



吉原B【2】ほかの面にはいろいろな孔を繰って、その位置や数によって、家族の誰かが誰かに意思を伝えるときに使っていただこうと考えました。

子供の友達が遊びに来たときも、2段目の丸が一つのときは「出かけています。」とか、丸が2つのときは「今遊べるよ。」とか、訪れた友達が自転車から降りてインターホンを鳴らさなくてもわかってしまえばいいかな?と。

情報は携帯電話。というのが今は当たり前ですが、こんなアナログな情報伝達もおもしろいのでは?と思い、作ってみました。
吉原


アルミの10㎜厚の板をフライス盤で外周カットと角穴加工し、アルマイト加工。 文字はカッティングシートではなく、エッチングして色入れ後、炉に入れて焼付け。

また、木の素材は紫檀を使い、こちらもNCフライス加工で仕上げています。

もちろん取り付けもボク自身がします。あせる




※記事の下に、加工などについての広告が表示される場合がありますが、
これは大浦イッセイとは一切関係のない業者さんです。

ゴルフ用サングラス(-。-;)偏光レンズで芝目を読む?

富士18いよいよゴルフシーズン到来!来週はマスターズトーナメントもあり、今年も眠い目をこすりながらのTV観戦、世界のトッププロに刺激されての練習場通い、山通いとワクワクしますね。


この時期はグリーンにも目土が入り、パッティングに神経を使います。予想のつかない転がりをすると、頭の中が真っ白になって、短い距離も不安になり4パットしてしまうことも…((>д<))


さて「偏光サングラスで芝目が見える」という情報がありますが、これは間違った“コピペ情報”ですむかっ


市販の偏光サングラスは偏光軸を水平に使っているので、水面の反射や地面の照り返しをカットするのがその機能。反面、芝芽というのはグリーンに反射する光によって緑の濃い薄いで順目逆目を判断します。よって偏光レンズで芝芽が見えるというのは間違った情報なのです。

偏光レンズでグリーンを読むときは、まず偏光サングラスを外して芝芽の向きを確認し、掛けてラインを読む。というのがレンズ機能通りの使い方です。

「偏光サングラスはグリーンの照り返しの光をカットするので、ラインが読みやすい」というのが正しい情報です。

白球が読み通りのラインに軌跡を描いてカップインする快感は、OBしてグレーな気分も一気に晴らしてくれます。


インテリジェント・デザイン☆Intelligent Design☆

桜インテリジェントデザインとは、生命や宇宙そのものは知性を持った設計者によってつくられた(設計された)とされる思想で、“神が創造した世界”という宗教的な表現を受け入れることができない人々のために、生命や宇宙を創造したのは「神」ではなく「偉大なる知性」と解いた考え。

しかし、道徳教育の違い、宗教、文化の違いで、武士道精神をアイデンティティとする日本人には「神の創造」といったこと自体なじみのない言葉であり、「そんなこと考えたこともない」という人がほとんどではないでしょうか。

「神」にせよ「偉大なる知性」にせよ、この世界が“デザインされた世界”という発想は、自然に対しての見方が変わり、より興味深く、より楽しくさせてくれます。

雑誌PENでオズニス・スクエアが紹介されました☆

PEN415今日発売の雑誌PENにボクのデザインしたozniS Square 9ball(オズニス・スクエア ナインボール)が紹介されています。

とりあげていただいた記事の全文を下記に紹介させていただきます。

⇒偏光レンズのパイオニア「TALEX」と偏光サングラスの専門ブランド「ozniS」が手を携え、レンズの性能を最大限に活かすサングラスを生んだ。

とかくファッション性を優先して選びがちなサングラスだが、「目の健康」という観点から考えれば、使用しているレンズの性能にこそこだわりたい。ならば紫外線はもちろん、反射光もカットする機能を持つ偏光レンズを使ったサングラスなら合格、と言いたいところだが、残念ながら必ずしもそうとは限らない。

レンズの間にごく薄いフィルターを挟み込んだ偏光レンズは、合わないフレームに無理矢理はめるとひずみが生じ、本来の性能を発揮できず、疲れ目さえ招いてしまう。だが、ほとんどのサングラスは、はじめにデザインありきなため、無理にレンズを組み込んで作られているというのが現状である。

PEN415nakaそこでozniSが「ザ・レンズTALEX」の機能を活かすために開発した専用フレームが「ozniSスクエア」だ。

上の写真を見ればわかるように、上下に分かれたフレームでレンズを包むような構造で、レンズに負担をかけず、性能を最大限に引き出すことに成功した。

さらに、智(ヨロイ)の部分にボールジョイントを採用し、ノーズパッドも3種類を用意。顔の大きさや鼻の高さ、耳の位置や骨格の形など、さまざまな個性に対応する、ミリ単位のフィッティング機能をもったフレームが誕生した。

智の部分を曲げて顔に合わせるのが通常のフィッティングだが、それだとレンズにもひずみが出てしまう。レンズに負担をかけないフィッティングを可能にしたという意味でも、画期的なフレームといえよう。

オーダーメイド感覚で、誰もが確実なフィット感を得られる「ozniSスクエア」は、偏光レンズの性能を最大限に活かすという機能も兼ね備えた、究極のサングラスなのだ。(ここまで)

~ozniSスクエアができるまで~ のデザイン秘話は、また次の機会にお話しさせていただきます。

オズニスのオフィシャルサイトはこちら >>Click!



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目を守ることを最優先に考えたドライビングサングラス

mm01モーターマガジン創刊50周年を記念し、モータージャーナリストの方々の意見をお聞きして、ボクがカタチにしたドライビングサングラスがあります。

一般的にサングラスは似合うか似合わないかが一番の選択肢ですが、これはドライビングにはプライオリティの低い要素です。真のドライビングサングラスとは何か?“安全性の高いサングラス”がつくれないものか?というところからこのプロジェクトはスタートしました。

ドライバーの目を守るサングラスは、視界を広くする工夫や、見え心地、掛け心地の良さなどを追求してゆく前に、クルマづくりと同じく、万が一の事故の場合を想定しなければならないと考えました。

正面衝突事故でエアバッグが開いたときにエアバッグの衝撃や、ハンドルに顔をぶつけた衝撃で、メガネのレンズが割れて顔を負傷してしまうケースがあると聞き、この不測の事態から目を守る事を真っ先に考え、これをこのドライビングサングラスのデザインの要としました。

mm00たとえレンズが割れなくても、レンズのエッジで顔を切ってしまうので、レンズがむき出しのリムレスのサングラスはダメ。フルリムでレンズの周囲をフレームが覆っているものも前からの衝撃でレンズが外れてしまうのでダメ。現状のどのサングラスも前からの衝撃が与えられると、レンズのエッジで顔を切ってしまうことは免れないことに気づきました…

そこで考えたのが「レンズの内側にフレーム」という新しいカタチ。
これなら万が一の事故の場合も、レンズが外れてレンズのエッジ部分で顔を傷つけることがありません。

もちろん、レンズは割れない素材CACCHUを使い、セーフティドライブの要となる“良質な見え方”は万全の仕様としました。
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「メガネはもちろん、サングラスも運転のときにしか掛けません。」といった、メガネやサングラスにあまり縁のない方々のために、実際の軽さに加えて、ふわっと“軽い掛け心地”のサングラスを掛けていただこうと思い、テンプル(ツルの部分)をデザインしました。

ポイントはテンプルをダブルにしている点で、縦方向の力を支える上側のテンプルに横方向のバネ性を持たせ包み込むフィット感を出し、下側の直接耳に掛かる部分をφ2の丸形状にしたことで、耳に掛かる不快感を解消、優しいフィット感を実現しています。

また、テンプルをダブルにしたもう一つの理由が、メガネのフィッティングの知識をお持ちでない方々にも簡単に調整できる機構。

人それぞれ左右の耳の高さに微妙な違いがあり、サングラスが斜めに掛かってしまったり、傾斜がきつすぎてフィット感が悪かったりといったことはよくあります。通常市販のサングラスではこの調整が容易に出来ず、通販などで買った場合などはたいてい買ったままの状態で掛けておられるのがそのほとんどですが、これを工具を使わないで容易に調整できるのがこの機構です。

※図の団子状の部分が上部のテンプル内に入り、高さの調整を可能にしています。鏡を見ながら、「右側を少し下げて」といった感じで自身で調整ができ、調整後は飛び出した団子状の部分をニッパーや爪切りなどで切り落としていただければ完成です。

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あとは、「レンズにまつ毛が当たる」「フレームが頬骨に当たる」「レンズと目の距離(頂点間距離)が近くてレンズが曇る」といった不具合もノーズパッドのサイズ交換(S,M,L)で調整できるようにしています。

mm033年経った今も、永久定番のドライビングサングラスとして、多くのモータリストの方々にご愛用いただいています。
>>Click!

またこの年、このサングラスがグッドデザイン賞の金賞にノミネート! >>Click!

なんと、カルロス・ゴーン氏もご愛用!?いただいています。



※記事の下にチタン加工についての広告が表示される場合がありますが、これは大浦イッセイとは一切関係のない業者さんです。

シンプルな遊びこそイマジネーションが働く

堺さん001ボクがいつも木製品の加工をお願いしている堺さんが、兵庫県立原田の森ギャラリーでワークショップのイベントをされていましたので、この日おじゃましてきました。

幅18ミリ、長さ220ミリ、厚み6ミリに加工した木片(護摩木サイズ)を7万5千本会場に山積みにして、会場に訪れた人に自由にこの木で遊んでいただこうというもの。

時間を忘れて半日没頭する人や、会期中毎日来ている人もいて大盛況でした。

やはり基本は単に積み重ねてゆく遊びで、最初は軽い気持ちで積み重ねてゆく人も、高さが自分の背丈ほどになってくると徐々に表情も真剣。走り回る子供に注意し始めていました。(・・;)



堺さん002
三角形を互い違いにダビデの星の形に積んでゆく人、時間をかけて六角形で積んでゆく人とさまざま。圧倒的に多いのは上から見たら四角形になる薪組みの形で、大人で天井の高さ(4メートル)まで積み上げた人がいたようです。最初は子供の手伝いをしていたお父さんが、徐々にヒートアップしてしまいタッチ交代、ついに天井まで積み上げられたそうです。

小学生の記録は301センチで、ボクが伺ったときにちょうどこの記録に挑戦している小学生がいて、ボクも傍で応援していました。

彼の最終的な記録は300センチで記録更新にはあと2センチ足りませんでした…

最終とは最後に測った記録で、測定後崩壊してしまいまったのです… 記録とは限界値でほんとうに僅差なものです。

これは身長級別にして競技にするのも楽しいと思いました。

複雑につくりこまれたゲームも確かに楽しいのですが、ただ同じ形の木片を重ねるだけの単純な遊びこそ、イマジネーションが働き、そこから新しい文化が生まれるようにも思います。


ゴルフ用サングラス(><)ミスショットする原因

ゴルフ用サングラス片山プロゴルフ用のサングラスとしてはオークリーが有名ですが、オークリーのようなスポーツサングラスと呼ばれるサングラスを掛けてゴルフをすると「ミスショットする」という方がいます。

これは、フレームのカーブや左右のレンズがおりなす角度が、顔のカーブに合っていないことが原因のひとつ。

そして最大の原因は、レンズカーブがきつくなることや、レンズの厚みによって起きる、レンズ素材の屈折の問題。試しに、お持ちのサングラスを掛けて、柱や何かの角など縦にまっすぐなものの前に立ち、サングラスを両手で外して、サングラス越しにそのまっすぐな縦のラインを見ていただき、左のレンズの位置を変えずに右のレンズを手前にもってくる(サングラスだけがテークバックしている感じ)と、サングラスの中に見える縦のラインが左に寄って見えるはず。

ようは、テークバックのとき、徐々に横目を使うことになるため、レンズの中心から視界が外れ、ただでさえ目とボールの距離が離れてしまうのに、サングラス越しのボールは余計に遠くに見えてしまい、それがダウンスイングに入って顔の位置が戻ると同時に、一気にレンズの中心にボールが戻ってくるので、タイミングが狂ってしまうのです。

また、下を向いたときは地面が近く見えるので、それだけでもミスショットしてしまう敏感な人もいます。

理屈や理論上は眼球カーブにあったレンズカーブが望ましいとされていますが、ゴルフに限って言えばこれは正しい理論では無いようです。

ちなみに近視の度付きメガネの場合、テークバックで逆にボールが内側に入ってきて、しかもボールが小さく見えるのですが、普段から掛けているのでこれにタイミングを合わせて打っています。カーブのきついサングラスも普段の練習や、何度も掛けてラウンドすることでタイミングが合ってきます。

また、ゴルファーには感覚でスイングしている人と、視覚の情報でスイングしている人がいますが、視覚の情報でスイングしている人の多くは「サングラスを掛けたいけど、掛けるとミスショットする」ということになってしまいます。

「そんな情報知らなかった」と言われるのも当然で、こんなこと言ってしまえば「スコアアップにつながります」という謳い文句に疑問が生じ、ファッションやイメージが先行しているサングラスが売れなくなってしまいますからね…

ではどんなサングラスがゴルフ用なのか?

まず、ゴルフにサングラスを掛ける理由を大きく分けて
1、相手に目を見せたくないので掛ける。
2、眩しいから掛ける。

とくにプロは「相手に目を見られたくない」の理由が多く、自分の世界に入ってコースと自分とで勝負するタイプのプロがサングラスを一つの味方としています。そのために先ほど説明したレンズの屈折も、練習のときも掛けるなどしてプロ魂で克服されているのです。

それともう一つの理由が「眩しいから掛ける。」これは分かりやすい理由ですが冒頭にも書いたように「サングラスを掛けたいけど掛けるとミスショットする…」というゴルファーが大半…サングラス契約しているプロでさえ帽子のつばの上に掛けてプレーしています(><)

じつは、紫外線が疲労の原因と気づいている意識の高いプロゴルファーもいます。年に何度か疲れるためにゴルフに行っているゴルファーにはさほど必要ありませんが、毎日のようにゴルフをされる方や、成績(スコア)を意識されるアスリートゴルファーは、紫外線を防止されると健康面に効果が表れ、その結果が成績(スコア)に反映されるのです。

ちなみに、片山プロの新聞記事は、昨年の日本ゴルフツアー選手権(日本のメジャートーナメントの一つ)で、ボクのデザインした“ゴルフ用サングラス”を4日間掛けてプレーされて国内メジャー4冠を達成されたときの記事!

片山プロはとくに意識の高いプロで「このサングラスしかゴルフには使えない。」と言って紫外線の強いときはボクのサングラスを掛けてプレーされています。キラキラ喜

片山プロが掛けているゴルフ用サングラス“GreenJacket”の情報はこちら>>http://www.sunglass.co.jp/golf/

ゴルフ用サングラス☆

本文を3/29のブログに書き直しましたので3/29のブログをご覧ください。

商品化されずに消えてゆくデザイン▽

070914デザインしたものが晴れて商品化されるのは、じつはごく一部で、提案の半分以上はボツになって消えてゆきます…

そんな消え行くデザインの中には、特許出願や意匠登録まで済ませたものもあり、とても切ない思いをすることがあります。

デザインは作品ではなく、商品ですので、物だけが突出して良くても、依頼主のマーケティングや流通に合わなければ良いデザインとは言えません。

メガヒットする商品はヒットするように戦略をたて、量産できる態勢を整えて一気にマーケティングをしてゆきます。たまたまメガヒットしてしまって供給が追いつかない商品は戦略的には失敗なのです。企業のカラーに合った、需要と供給のバランスのいい商品こそが、出来の良いデザインと言えるのです。

ホンモノの火鍋子(ホーコーズ)☆

ホーコーズ今日は銅版を叩き出して手づくりした火鍋子(ホーコーズ)の紹介をします。

ボクがいつも手づくりの作品をつくるときに手伝っていただいてる職人さんの作品です。

市販されているしゃぶしゃぶ鍋にはこの形を真似て作られているものがありますので、煙突のある鍋はご存知かと思いますが、市販されている鍋はすべてコンロなど下から火で焚くしくみの鍋になっています。
じつはこの鍋、煙突の中に炭を入れて熱源にするのが正式な方法で、日本でも格式の高い料亭などではしゃぶしゃぶ鍋として知られています。本来は中国の宮廷料理に使われた鍋でその歴史はたいへん古いものです。今では市販されているところはなく、ネットで検索しても出てこないので、探しておられる方もいらっしゃるのではないかと思います。
火鍋子

【1】熱伝導の良い銅版を素材に使っているところ
【2】備長炭を入れる煙突の絶妙なサイズ
【3】煙突の底から空気を送るしくみ
【4】灰が鍋に入らないで火が消えない煙突の長さ

百年単位で使っても陳腐化しない調理器具。今の電化製品にはありえない究極のデザインと言えます。

“便利に暮らす”とは逆に、“情緒をもって暮らす”といった、人生にゆとりのある方々にはぜひ使っていただきたい逸品だと思います。

※ちなみに受注生産となります。