イーティーズ・プレイスの星空観測行 -6ページ目

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

金環日食(岩手では食分0.9ほどの部分日食)を4日後に控え、当日まごつかないようにと、観測と撮影の予行練習に出かけました。ほとんど月明かりがないこともあり、これまで撮り損ねていた、夏の星座の星雲や星団の撮影も兼ねましたので、前日の夜から「県民の森」(八幡平市)入りです。日没後からは、雲一つない快晴ながら、強風が南から、そして西から吹きつけています。機材は小型望遠鏡ですので、数mの風で、拡大撮影の場合は鏡筒が揺れて全くお手上げです。

夜半過ぎまで待機しましたが、いっこうに風が止む気配はなく、それどころか徐々に強まっていると感じるほどでした。それにもまして、駐車場脇にある、無人の公衆トイレの照明が、いつの間にやら勝手に点いたり消えたりし始め、何とも薄気味悪くなったこともあって、この場所は諦めて移動しました。

トイレの灯りの件、ツイッターで呟いたら、ある方から「熱感知センサーにより、蜘蛛の巣などに反応しているのでは」とのご教示をいただきました。なるほど、と合点がいった次第です。だいぶ前、大船渡市の穴通磯でも同じことがあり、そういえばその時も風の強い夜だったような気がします。夜光虫な私ですが、結構な怖がりであります。

移動先は焼走り。こちらは風はほとんどない代わりに、上空には雲がいっぱいです。10kmも離れていないはずですが、この違いはもう・・・。「森」の方向からは風のうなり声が聞こえてきています。どんどん風速が増しているのでしょうか。せっかくですので、機材は準備して晴れ間を待ちながら待機。いて座の星団を何枚か撮影しましたが、大気の状態悪く出来は今ひとつ。


薄明開始直前の天文台・岩手山・天の川

そうこうしているうちに東の空はどんどん明るくなり始め、日の出の時間となり、それとともに西から薄い雲がわき始め、空全体に広がり始めました。結局、シミュレーションを切り上げる08:00頃までその状態がずっと続き、練習は「雲いっぱいバージョン」のものとなってしましました。もちろんその可能性もあるわけですので、それはそれで、感度や露出など参考にはなりましたが。


これが今回のフル装備(手持ちの機動カメラが追加ですが)

太陽観測・撮影用のフィルターは、段ボールの手作りフレームで、望遠鏡の鏡筒およびファインダーそしてカメラのレンズに装着します。太陽光を10万分の1くらいに減光して撮影するための装備です。肉眼ではもちろん、メーカー純正の日食眼鏡は欠かせません。


太陽と大小満月の比較

雲が少し薄くなった時に撮影した太陽と、先日のスーパームーン、そして一昨年の最小満月を並べてみました。スーパームーンはやはり大きかったですね。太陽にはしばらく前から多くの黒点が出現していて、この画像にもいくつか写っています。条件次第では肉眼でも見えそうなほどです。

さて、当日の天気はどうなのでしょう。予報監視を初めて4日目ですが、各メディアは日々予報を微妙に変えてきています。今のところは、北東北や北海道はいい方向への変化ですが、蓋を開けてみるまでは何とも。17日現在、当日の降水確率は10%~20%を予報するメディアが多くなりました。ほとんどが晴れベースでの推移を予報していますので、これがすべて外れということはないとは思いますが。
今回は、県外への遠征は考えていませんので、岩手県内で、見られる可能性が最も高そうな所であればどこへでも遠征します。が、できれば近場でお願いします。
亀ヶ森の一本桜(宮古市)で今春の桜も見納め、と思っていたところ、上坊の一本桜(八幡平市)が満開との情報が。予想より1~2日早く、天気がギリギリもつかもしれない。15日以降であれば、天候が下り坂の上に、晴れたとしても月明かりがほとんどない状況ですので、今年は諦めていました。

さっそく22:00頃に出発。この時間には、上空はまだ雲に覆われています。一部の予報では、01:00~03:00頃に晴れ間が広がるようでしたので、それならば、月が昇って、下弦過ぎではありますがなんとか木を照らしてくれるのではないか、との期待が高まります。現地に到着して空を見上げると、雲はどんどん動いています。星が一つ一つ、そして夏の星座がゆっくりと姿を現してきています。このような状況で待機して時間を過ごすのは・・・嫌いではありません。



月の出直後に撮影


月が昇ってきたら雲が広がって・・・

ただ、北~西にはかなり大きな雲の広がりが見えていましたので、その前にとりあえず撮影。月が昇ってきたらもう一度撮影、のつもりでした。が、月の出とともに例の雲が一斉に上空に広がり始め、そのまま夜明けまで雲に覆われることになりました。晴れ(快晴)の時間が少なく、辺り一面激しい夜露、おまけに月明かりも心許ない、という悪条件でしたが、曲がりなりにも満開時に撮影できたということで今年は満足。また来年への目標ができたということで、今年の桜紀行は一切終了と致します。


亀ヶ森、為内、上坊

さぁ、ここからは「金環日食」モード。国内の広い地域で「金環」が観測できますが、私は敢えて岩手にこだわり、県内での観測と決定しました。問題は天気ですが、14日から予報が出始めており、当日は東北~北海道はまずまずではないか、というもの。金環帯の天気はどうもはっきりしません。できるだけ多くの地域で観測できて、いろいろな画像や動画を楽しみたいのですが、どうやら今のところ状況は微妙なようです。

2009年7月の部分日食の時も、天気予報には毎日振り回され、結局最終的に判断したのは前日の朝、ということになった経緯があります。あのときも、県内での観測を計画していたものの、雨模様の天気となって、山口県は下関まで、1泊3日(車中泊)の弾丸観測遠征に出かけたわけです。今年はそんなことはないとは思いますし、するつもりも毛頭ありません。

そこで、今回久しぶりに、天気予報の信頼度を判定するために、日食当日までの予報を10メディアにわたってチェック(監視?)していきます。前回、前後の予報も含めて圧倒的に的中率が高く、ぶっちぎりのチャンピオンはIAT(岩手朝日放送)でしたが、今回はどうでしょう。結果は後日、ツイッターとブログにて。

ところで、最近の個人的信頼筋は、IATとGPV予報です。
「小岩井の一本桜」「弘法桜」「為内の一本桜」など、盛岡近郊で見られる桜の大木たちが次々と散って、かろうじて残っているのは、近場では「上坊牧野の一本桜」、やや遠方では「亀ヶ森の一本桜(宮古市)」だけとなりました。天気予報と相談し、思い切って宮古市に遠征してきました。

予報では、日付が変わる頃から、晴れる「可能性」がありそう。念のため(予報が大外れで早い時間から晴れる場合に備え)に、日没ごろには到着できるように出発し、ほぼ予定どおりに到着しましたが、その時間でも、木がある牧草地への出入り口付近には10台近くの車。土曜日ということもあっていつもより多いのでしょうか。

天気は・・・まぁ、予報通りということで。そのまま帰るのも芸がないし、せっかく来たのだから何か撮って帰りたいという気持ちもあり、ここはじっと待機。日が沈み、月もなくあたりは真っ暗闇です。それでも、5台ほどの車が残っています。星景狙いでしょうか、朝撮りのための場所取り(?)なのでしょうか。日中から続く強風は全く衰えてきません。周囲の木々を揺さぶり、草地に抜けて吹きすさぶ状態です。

それでも、時折吹きつける突風の中、遅い時間には星の瞬きが見え始め、夜半には雲量は2~3割程度にまで回復しています。そして、01:00頃になって快晴に近い状況となりました。出かける前の予報では、どのメディアも「快晴(どころか「晴」も)」を打ってはいませんでしたので、ここまでの晴天は予想外です。ただし、風は変わらず。大木の枝も上下左右に大きく揺れています。

まず、晴れた方向から撮影していきます。南天を移動するさそり座がちょうど桜の木に巻きつくようにその体を横たえています。00:00過ぎには月が出始め、ほぼ下弦の灯りをあたりに投げかけ始めました。人工光が全くない場所ですので、わずかな光でも百人力といったところ。


無理に高感度で撮影した結果(木の左にさそり座)


強風で星の軌跡が少しずれています

やがて、月明かりの中で南天には天の川が直立し、北天には北斗七星が沈み始めて、カシオペアが昇ってきます。気がつくと、星景撮影は3人、やはり強風に苦戦しているようです。また、用足しに駐車場所まで戻ってみると、車の数が増えています。明らかに朝ねらいの人たちと思われます。県外ナンバーも見られ、何事にも熱心な人たちはいるものと、改めて感じた次第です。


右上に北斗七星


直立する天の川。近くに月があってかなり影響があります

今頃は、03:00近くになるともう東の空はうっすら明るくなり始めます。日の出が04:20ごろですので、当たり前といえば当たり前ですが。最後に北天の日周運動を、薄明が始まる直前まで撮影して今回の遠征はおしまい。来年もきれいな、立派な花を咲かせて下さい。最後に木のデータを。標高800mの牧草地内、樹齢300年のオオヤマザクラで、樹高6m幹の周囲は3.5m。


東よりの空が明るくなり始め

出かける前には、このような場所で夜間に人がいるとは思っていませんでしたので、思いがけないほどたくさんの撮影者がいて、正直ホッとしました。あんな暗闇の強風の中で、数時間を1人で過ごすのは、やっぱり怖いですので。ただし、人がいるはずもない時間・場所・時期に人に会うことの方がその何倍も怖い思いをします。以前、雪の残る「鵜の巣断崖展望台」で撮影中の深夜、遊歩道の彼方から近づいてくるランプの光で恐怖に凍り付きそうになった経験があります(実は、巡回中の警察官でしたが)。もしあれが自○志願者(飛びおりが多い場所ですので)だったらと思うと・・・もっとも、その時の警官は、私をそのように思った節がありますがw。
岩手県でも、そろそろ桜は見納めの頃となってきました。小岩井の一本桜はだいぶ散ってきて、先週末に満開となった為内の一本桜(八幡平市)も散り始めです。空は・・・雲いっぱい。今年も比較明画像完全版は無理そうです。去年も、快晴となったのは花が終わってすっかり葉桜になってからでしたので、また一年待ちです。


金星とともに

ちょうど金星が沈む通り道だけ、わずかに低空に晴れ間が見えましたので撮影してみました。山際に隠れるまでしばらくありそうで、そのまま比較明撮影としました。夕方から大きな雲の塊が居座って、日没とともに少しずつ拡散し始めたのですが、消えることはなくやがて空全体が雲に覆われることになります。


これが今年の精一杯

ここに来る途中、「上坊の一本桜」に立ち寄ってきましたが、そちらはまだつぼみ状態。満開になるのはたぶん来週半ば頃になりそうです。為内に来た時に、駐車場には練馬ナンバーの車が一台。撮影しているのは女性写真家です。ミニバンのトランクの中は撮影機材などで満杯のようです。見るからに高級なカメラや周辺機器を駆使しながら、見事なカメラワーク。見ていて、思わず「かっこいい!」と呟きたくなるほど。さらに、100mほど離れた田んぼのあぜ道にも撮影者の姿が見えます。

待機してしばらく経つと、もう一台の車が到着。こちらは尾張小牧のナンバー。この方、上坊でも撮影していらっしゃいました。「つぼみですね」と声をかけて、ちょっとだけ会話を交わした方です。撮影が一段落した頃を見計らってまた少し話しをさせていただきました。聞くところでは、前日は山形、この日は岩手を回って翌日まで滞在とか。夜は道の駅にて車中泊ということで、いい写真が撮れて、いい旅を続けられることをお祈りします。

近場の桜も、残すは「上坊」だけとなりました。昨年は、葉桜直前の満月下、強風の中で撮影した記憶があります。今年ははたしてどうなるか。一晩ぐらい晴れてもいいんじゃないでしょうか。ただし、来週になると、下弦を過ぎて月明かりが心許ない状況になりますので、苦戦は必至。なにしろ、人工光の全くない牧草地のど真ん中ですので。


昨年の上坊。条件悪し
連休期間をとおして、悪天候に泣かされた一週間でした。平地の花(桜)はパッと咲いて、一日か二日の間で雨風にさらされて、パッと散った感じ。かろうじて県の北部や高地でわずかに見頃の木が残っている状況でしょうか。条件のよい「晴」の夜は連休最後の5日だけで、それも夜半近くになってからのこと。

幸いこの夜は、今年最大の満月が見られる日で、明け方にはみずがめ座流星群も出現する可能性がありました。早い時間から晴れそうなのは北部でしたので、月の出(17:39)から昇る様子を微速度撮影の予定で、最初は九戸村の折爪岳山頂へ。しかしここは強風で、雲も厚い。二戸市街方面に晴れ間が出始めたのを確認して、馬仙峡展望台へ移動。残念ながらここも、東の空には雲が流れ、月の出をとらえることはできませんでした。

次いで、八幡平市の「為内(いない)の一本桜」へ。小岩井の一本桜が満開となっており、こちらもそろそろかと思って出かけてみましたが、期待通りの満開。月明かりは十分すぎるほどですが、雲量もまた十分。ここは、南西方向を向いたアングルがベストですが、雲は絶え間なくその方向に湧いては北へ、東へ、南へと流れます。快晴は5分と続きません。相当な時間待機しましたが、結局比較明撮影は諦め、満月との記念撮影としました。


改めて見ると、月って実に小さい(見かけが)

すでに時刻は6日の01:00過ぎ。肝心の満月の撮影がまだです。その「瞬間」は6日の12:35ですので、厳密には最大の時から10時間以上も前のことではありますが、肉眼でずっと見ていても確かに大きいし明るい。ここ数年、最大・最小の満月は何度か見たり撮影したりはしてきましたが、年に一度のことですので、しっかりと記録を残しておかねば。焼走りに移動。天文台の敷地内で天体観測、ってなんだかそれらしくなった気がするものでして。それにしても、「銀河ステーション天文台」は、こんな時期になってもいまだ閉館中とは、いやはや・・・。


ほぼ同じ条件での撮影

残りの2時間弱、朝の薄明が始まるまでは、あわよくば流星群の一つでも、と思いながら比較明撮影です。北の空を背景にした天文台の星景ですが、明け方近くには霧が出てしまい、予定よりも短時間露出となりました。以前撮った南西方向、岩手山背景の星景とともに。





6日03:00頃、救急車の音が近づいてきました。近くに民家は全くない場所ですので、「?」と思っていたところ、天文台のある国際交流村の敷地に入ってきました。連休最後ということもあり、家族連れなどでキャンプ(バンガロー)をしているグループが何組かある模様。その建物の前にしばらくの間赤色灯を回しながら停まっていました。何があったのでしょう。大事に至らなければ、と願うばかりです。上の画像でドームなどが赤く輝いているのは、脇を通過した救急車によるものです。

流星群ですか?今年も相性はよくないようです。
今週は、ほぼ毎日ISSの通過が好条件で見られます。が、天気は悪条件。特に、仰角82度で真上を通過する予定の26日、最大仰角50度近くとなる27日は両日とも雨の予報。24日も仰角45度で北の空に見えるはずでしたが、あいにくの曇り。雫石町、小岩井の一本桜に出かけましたが、ついにその姿はチラリとも見えませんでした。西空低く、沈む三日月はきれいに見えていましたが。

そのような中、25日は朝から青空が広がり、21:00頃までは天気がもちそうな予報でした。ISSは、最大仰角27度、最大光度-0.5等と、最良の条件ではないものの、場所を選べばまずまずの見え方になりそうでしたので、渋民公園(盛岡市玉山区)に出かけました。折よく、月と金星が並んで沈む様子も観測できそうです。ISSの通過は、石川啄木記念館敷地内の「旧渋民尋常小学校」を前景として、北から東の空に航行する光跡を撮影してみました。


近くの北方にあるスーパーの照明で空が明るい


この夜二回目の通過:渋民公園にて

19:20の通過から約90分後、20:53には二度目の通過が見られました。こちらは仰角23度、光度0.5等でしたが、暗い空でそれなりの見栄えでした。一度目の通過を見送ってから、渋民公園に移動して、19:30頃から21:30頃までの2時間、沈み行く月と金星を観測・撮影しました。月が沈みかけたあたりから雲が広がり始め、22:00頃には完全な曇りの状態となり、○○庁の予報が珍しく(失礼!)ピタリと当たった次第です。


赤い軌跡は、中央がアルデバラン、右がベテルギウス


コマ送り比較明

動画は、微速度通常・比較明・コマ送り比較明とてんこ盛り

次のISS通過が見られそうなのは28日。仰角37度、光度-1.0等とまずまずの条件です。西北西→南の航行ですので、狙いは焼走りの岩手山。月齢7.2で、月明かりに山が映えていい画になるはず。
しばらく早朝の通過が続いていたISSですが、先週からは宵の空に見えるようになりました。ただし、北の低空通過が多く、仰角30度以上でマイナス等級という好条件で見られるのは、週に一回あるかないかというところ。一晩に二度見るチャンスも何度かありますが、もちろん天気次第。前回書いた、高松の池を含み、この一週間で4度の観測・撮影を試みました。

4月12日、盛岡での最大仰角は54度の予報で悪くはないのですが、県南まで遠征すれば60度を超えてきます。すぐに頭に浮かんだのは、陸前高田市の一本松です。長径路ですので、2台のカメラを別方向にセットして、南から昇る画と東に沈み行く構図の2枚組にしてみることを計画しました。天気もまずまずの予報が出ていて、現地に向かう途中の、花巻~遠野~住田と快晴の青空が広がっています。

ところが、陸前高田では、日没とともに雲が広がり始め、ISS通過の時間には空一面やや厚い雲に覆われてしまいました。-4.5等の金星が辛うじて見える程度の状況です。天頂付近にあるはずの火星も見えません。ダメ元で撮影を開始したところ、予報光度-2.0等のISSは、見え始めと見え終わりをかすかにとらえることができました。条件のよい時に改めてチャレンジしてみます。


右から昇って左に沈みました

この日は、一度目の通過が南西→北東を18:38~18:42、二度目が北西→北を20:14~20:17です。二回とも一本松を予定していましたが、天気が許してくれそうにありません。そこで、急遽遠野市へ移動し、前景として選んだのは宮守町の「めがね橋」です。低空、橋のすぐ上のあたりを通過するのが見えるはずでした。が、遠野も分厚い雲で、星一つ見えないという状況。今通過したんだな、と想像することしかできません。


月明かりもないので空が灰色

翌13日は、西→北東を34度の高度で通過します。予報は晴れ。撮影地は雫石町の、岩手山の南麓が広く見渡せる、田んぼの中の路上です。日没直後に薄い雲が広がりましたが、ISS通過時には晴れ渡り、宵の空の微妙な色合いとともに、その見え終わりまでの光跡を描写することができました。


紫がかった空の色

この後、小岩井の一本桜の前をとおって帰る時に、ふと思いついたのが「複数箇所同時撮影」です。長い径路で通過する時には、魚眼レンズででもなければ、その全光跡を写すことはできません。それならば、間隔を開けて少しずつ違う方向から撮影すれば、見え始めから見え終わりまで描写できるのではないか。使えるカメラは3台ありますので、鬼越池(滝沢村)、一本桜(雫石町)、そして南麓を見渡すこの場所、の3カ所に仕掛ければ、岩手山とISSを余すところなく撮影できそうです。

そして15日。通過時の最大仰角は22度と、どの場所からでも画角におさまりそうな好条件。ただし、光度は0.9等で、明るさの残る空ではたしてどうか、というところ。カメラを設置、自動シャッターにして移動しなければなりませんので、絞りと露出はほとんどカンによる設定です。露出が足りなければ光をとらえられず、過多だと空の明るさに紛れてしまって、いずれにしても写ることはないでしょう。


ほぼ同じ緯度上を、上~下で西に移動

写る時間が早かった、鬼越池(上)と一本桜(中)は最初の数コマがやや露出過多でしたので、やむなくカットして比較明合成してみました。思いつきでの初の試みで、修正・改善点は分かりましたので、次の機会に再度試してみたいと考えています。問題はカメラで、今使っている3台はすべてYオークションで落とした代物で、レリーズと三脚(こちらもオークション)をあわせても、新品1台より安上がりです。だいぶ酷使してきましたので、液晶やらCCDやらつまみやら、それぞれが相当疲労してきており、はたしていつまで持ってくれるか・・・。

ところで、12日の一本松でのことですが、撮影開始直前、一台の車がやって来て目の前に停車しました。そのドアを見ると「岩手県立高田病院」の文字が。何事かと思ったら、降りてきた二人は一本松の前でなんと、どう見ても「記念撮影」です。「すみません、その方向を撮影するのですが」と声をかけたところ、「もう1枚」と言って、撮影を続けます。ここは、一般車立ち入り禁止区域です。夜間であっても決まり事は守ってもらわないと困ります。しかも、公用車で堂々と入ってくるなんて。私の目には、「私用」としか映りませんでしたが・・・。何らかの「公用」だったのであれば、誤解ということで、相済みません。こちらも、「通報」するほど野暮でもなし。
9日(月)のISS通過をすっかり忘れていて見逃してしまいました。20:00頃はまだ雲が多く、たぶん出かけていても曇りで見えなかった「はず」、と自分に言い聞かせ、月が昇り晴れ渡った深夜に、改めて比較明撮影のために盛岡市内へ。一旦自転車で出かけたものの、寒さに負けて、引き返して車で再出発。星空は春満開ですが、下界は冷え冷えです。

最初に向かったのは「盛岡市子ども科学館」。たまたま休館日でしたが、深夜ですので全く関係ありません。自宅の近くなのですが、記憶では二度しか訪れたことがなく、プラネタリウムは一度も見たことはありません。地元、近場というものはそういうものなんですよねぇ。知り合いもいて、いつでも行けるんですが・・・。


青フィルターを適用

試し撮りをしたところ、空が茶色っぽく写り、やや不気味な色合いに。月も出ていて、快晴のはずなのになんか変です。確かに、月はわずかにぼう~っとした感じではありますが、それほど気になるほどでもなし。春霞かしら、と思いながら撮影を続けます。やはり低空、特に市街地方向は霞が強く、ようやくにして、「黄砂!」と思い至った次第。天気はチェックしていましたが、黄砂情報は全く意識にありませんでした。

画像処理では、合成により少しは茶が薄れてはいましたが、それでもなお美しさに欠けるものを感じ、フィルター処理を施してやっとどうにか見られる画になった気がします。ただ、人工処理ですので、自然光・色とはやはり少々違ったものとなりました。

次は、「旧盛岡銀行本店」。明治の洋風建築で、開業以来ずっと銀行(現岩手銀行中の橋支店)として使用されており、国指定の重要文化財です。だいぶ前に一度撮影した場所ですが、市街地中心部の交差点に位置し、深夜・早朝でも比較的交通量の多い場所。どうしても車のライトが当たりなかなかうまく描写できません。そこで、思い切って建物の下半分は捨てて、車が通る線より上だけを切り取ってみることにしました。ライトの反射光は仕方ないものと割り切って。


BEFORE:行き交う車のライトだらけ


AFTER:ライトの反射光は防げない

これで、車のライトだらけになることは避けられましたが、撮影の真っ最中に、予想もしなかった方向からトラックが現れ目の前を通過。大型車の荷台の照明が画角に入ってしまいました。荷台の表示を見ると「A新聞」と。02:30頃のことで、この時間にはもう配送車が出動するんですね。

同日夜。天気さえよければ、低空ながら、ISSの通過を二度見ることができます。一度目は南→東、二度目は西です。天気は・・・晴れてはいますが、黄砂が抜けきっていない模様。まずは18:53~18:58の通過を撮影のために志波城跡(古代公園)へ。最大仰角25度、最大光度は-0.9等の予報です。これだけの明るさであれば、少々の霞は問題なさそうです。


明るさの残る中での通過(まずまず)

ここで、二度目の通過をとらえるべく移動。岩山展望台まで数kmですが、途中何度か渋滞に捕まりながらも、時間的には十分余裕をもって到着。しかし・・・市街地上空が強烈な靄・霞・黄砂に包まれてボンヤリしています。低空は、肉眼では金星が見えるだけ、シリウスさえも見えないという最悪の状況。高い位置でも1等星がポツリポツリと見えているだけです。


画角中央を通過した「はず」です

一応シャッターを切り続けましたが、画像処理したものを見ると、金星の光も、光度を下げるにつれて霞の中に徐々に吸い込まれています。ISSの予報最大光度は+0.4等でしたので、全くその姿を拝むことはかないませんでした。-4.5等(金星)でさえもこの程度にしか見えませんでしたので、しょうがないといえばしょうがない。ISSの二度見はなかなかに手強いです。

まぁ、宇宙空間から見れば、こちらが「虫」のごとく地べたを這うようにして数kmを進んだ間に、ISSは秒速8kmで地球を一周して4万kmを航行したことになる、と考えただけでも、改めてワクワクするではありませんか。ところで、展望台にいる1時間程度の間に、数人(数グループ)が夜景を見に来ていましたが、その中の若い女性二人連れがあれこれ話しながら喫煙。10分ぐらいで立ち去りましたが、それから20分ぐらいして、こちらも店じまいして帰ろうとその二人が立っていたあたりを通ったところ、そこには吸い殻が二本。困ったもんですねぇ。私ですか?もちろん吸い殻をつまみ上げて、ゴミ箱に捨てました。今日も一日一善。どんと晴れ。

ISS病が完全再発です。見られるもの、撮れるものは片っ端から、の感覚になってきました。街中などの明るい場所で撮影したものは、1コマの露出が短いので、ISS通過の前後もあわせて動画にするとそれなりの趣になりそう、なんてまた新しいことに手をつけたりして。1つの企画(?)が終わりそうになると、決まって何らかの次のアイディアが「ポッ」と頭をよぎるんです。そうすると試してみないと気が済まず、の繰り返しで、はや・・・何年だろう?

8日のISSは、関西~東海上空の通過で、盛岡では最大仰角28°で別に問題はないのですが、できればさらに好条件(もっと高い位置の通過)で見たい。ということで、天気予報も確認して、大船渡遠征を予定しておりました。04:00過ぎの見え始めでしたので、少し寝て、22:00起きでの出発と決定。そして・・・無事目覚めて時計に目をやると22:00。完璧・・・あらっ・・・ちょっと待った・・・これは・・・02:00かい?

ここで慌てないのがプロ(?)。大急ぎで近場を頭の中で検索して、見える方角や前景の善し悪し、もちろん天気も考慮して、結論は盛岡市内の高松の池。まだ白鳥が残っているはずですし、南方が開けて見えます。街灯りもあって、月明かりとはいい具合に溶け合うはず。この日は、満月を過ぎたばかりの月と土星と、おとめ座のスピカがゆる~い感じで集合する図も見られます。


間隔は8~9°といったところ


低空には雲が残りましたがまずまずの趣

池のほとりに歩を進めると、白鳥が足元に寄ってきます。沈み行く月をしばらく撮影した後、ISS通過の30分ほど前から、アングルを変えて再スタート。白鳥たちをISSとの記念写真に収めるべく、食べ物を与えるわけにはまいりませんので、「じっとしててよ」と囁きかけてはみたものの・・・。2分間でしたが、だいぶ動きました。かえって動画の方が面白いかも。


ISS、月、さそり座、白鳥、雲、池、人工光


水面の白鳥たちと上空のさそり座

何よりも、天気がまずまずだったことが幸いして、まぁ、怪我の功名ということにしておきましょう。撮影を終えて、駐車場に戻ったまさにその時、池の向こう側から1台のパトカーがこちら側にやってくるのが見えました。深夜(早朝)のパトロールのようで、私はどう見ても怪しいはず。「職質」が頭をよぎりました。「やだなぁ」と、久しぶりで「わくわく」の2つの感情入り交じり。ところが、カメラバッグを肩にかけ、三脚を持っている姿を見て、「ふつ~」に写真を撮りに来たものと判断されたのでしょうか、ちょっとスピードを落としただけで、停まることもなく走り去りました。そうなると、「ねぇ、職質してよ」などと不謹慎なことを考えた私でした。

金星とすばるが最接近(金星がプレアデス姉妹の一員となるほど)したのが3日のことで、全国の天気を見ると、西日本方面でしかじっくりとは見られなかったようです。これほどの接近は、数年~十年に一回ほどの現象のはずですので、一日ぐらい後でも十分楽しめる眺めです。なにしろ、-4.4等級の金星と、3等級~5等級の星が集まるプレアデス星団との競演ということですから。

岩手県内は、3日から4日にかけては強力な低気圧の影響で大荒れ。雨は降るは雪は降るは暴風吹き荒れるはで、外に出てみたら自転車は倒れてるし、壁に立てかけてあったスコップはあっちに飛んでるし、どこから来たのか木の枝が車にまとわりついているし。そして、4日になっても、内陸は遅い時間にならないと晴れ間が広がらない予報。風が止む気配もありません。

時間はあったので、思い切って沿岸北部の普代村黒崎まで足を伸ばしました。目的は3つ。①接近した金星とすばるの画像と動画撮影②普代村~野田村にて比較明撮影③5日早朝のISS通過の撮影、です。方角の確認と撮影場所の選定のため、早めの到着。風は・・・強烈です。拡大しての連続撮影は無理そうです。風が弱まった数秒の間に何コマか撮って、望遠鏡は早々と格納。とりあえず三脚を据えて動画用の撮影を開始しました。


500mm望遠鏡の直接焦点撮影


1000mmでの直接焦点(上の画像の一部拡大版)

開始して30分、この夜最大の突風。横からきた風で、ちょっとツルがゆるんでいた眼鏡が吹き飛ばされました。「見えない、見えない」で、地面を這うように探す、まるで「横山やすし状態」です。と、これは笑い話で済みますが、この風の凄まじさたるや。重しをつけて撮影していた三脚をも動かしてしまいました。やむなく、アングルと焦点距離を変えて再撮影です。風速20m、ひょっとすると30m近くあったかもしれません。

途中、雪雲が押し寄せてきて一時小雪が混じるなど、大荒れでしたが、21:00を過ぎる頃には少し風も弱くなってきてホッとしたら、もう金星は沈みかけです。まぁ、天候の記録も記録の内、仕事の内、と割り切ってまずは今夜も怪我なく済んでめでたしめでたし。

いよいよ快晴ということもあって、すぐ近くの「アンモ浦展望台」に下りてみました。ここは、快晴にお目にかかったことのない場所です。今夜こその思いでシャッターを押す指にも力が入り。その甲斐あってか、1時間以上、雲一つ流れず、南天は快晴が続きました。ただし、南・北・東の三方向からは海風が直撃するところですので、これだけの時間を強風にさらされていると、体力も奪われ気力も萎えてしまいます。


月明かりがちょっと強めです

目の前の急な階段を一段ずつ踏みしめながら登り、何とか車にたどり着いて一服。冷えた体を温めようと寝袋に入ると・・・寝ちゃうんです。それでも3時間ほどで目が覚め、節々の痛みをほぐしながら、これもすぐ近くの黒崎灯台にてISSを待ちます。南からだいぶ雲が広がってきていましたが、北の方角は快晴のままです。ISSは、北西(北斗七星の下)に見え始め、カシオペアの上をとおって、東の空に吸い込まれていきます。


北緯40度の灯台に導かれるように

帰り道、前日の夕方は吹雪だった国道455号線岩泉街道は朝の冷え込み(早坂~外山は、6時頃で-4度から-6度)で20km以上にわたってアイスバーンです。吹きだまりも何ヶ所か。融氷剤が撒かれた形跡はありましたが、ここは慎重にも慎重な運転で。4月だというのに。

帰宅後、画像処理やアップロード作業を行いましたが、PCの調子なのか何なのか、動作がいつにもまして遅く感じる場面がしばしば。YouTubeもそう、HPビルダーもそう、ツイッターもそう、・・・う~ん。最近(に限ったことではないのですが)、各ソフトやアプリがあれこれと機能を拡張していて、これは必ずしも便利と等価ではないわけで、反応や動作の完了が少々遅いのはしょうがないか、と思わせて、実は裏で何かあるんじゃないのか、何て勘ぐりたくもなり。コンピューターを使っているつもりでも、本当は、背後にいる正体不明の大勢にいいように利用されている、などと考えるのは被害妄想なのかもしれませんが。