イーティーズ・プレイスの星空観測行 -13ページ目

イーティーズ・プレイスの星空観測行

岩手の移動天文台、「イーティーズ・プレイス」による、星空と天体の観測記録。 http://www.justmystage.com/home/etplace/

9日、ISSが岩手県上空を通過。カシオペア座~ぎょしゃ座~ふたご座、を通って、頭上を-2.4等の輝きをもって移動する予定でした。冬の一等星達をはるかにしのぐ明るさで堂々と航行する姿を是非とも激写したい。

天気予報は・・・県内全域曇り・雪がちかぁ。辛うじて沿岸北部が雪は免れそうです。ただし、晴れの確率はかなり低い。それでも、可能性があるのであれば出かけて見る価値はあるのではないか。滅多にない好機なので。

そこで、田野畑村の北山崎へ。通過予報時間は18:30ごろ。駐車場に望遠鏡を出して、ガイド撮影を試みます。18:00ごろには、北の空に晴れ間が見え始め、天頂に向かってそれが広がることを期待しながら待機しましたが、西からは次々と雲が湧いてきます。そして、・・・ついには、月さえも見えなくなるほどの曇天に。観測・撮影は泣く泣く断念です。

翌10日は、関西方面上空通過で、岩手からは南天低く、おおいぬ座の下あたりが見え終わりになる予報です。晴れそうなのはやはり沿岸地域のみ。一旦帰宅して再訪することも考えましたが、ここは思い切って現地滞在を決断。

宮古市に移動して、道の駅「なあど」駐車場で車中泊。夜中過ぎにふと目が覚めると、空は快晴。迷うことなく出発。真崎海岸近くの駐車場にて土星、そして明け方の金星の観測。再び宮古に戻り、周囲をドライブがてらぶらぶらした後、再び道の駅で午後まで昼寝と決め込み、夕方に再び北山崎へ。ほぼ晴れの状態ですが、肝心の南天方向、すなわち展望台から見わたす絶景方向のみに雲が停滞しています。祈りながら雲の動きを見守りますが、結局ISSの航路にはずっと雲が居座ったままでした。


右上(南東方向)からISSの軌跡が雲の中へ

眼視では、0等級の明かりが北山崎上空を通過する様子が一部始終観測できましたので、記憶の中にしっかりとどめておきます。12日には、再びほぼ同じ径路を通過するはずですので、一日休んでしっかりとらえようと決意し、ここは帰宅。そして、・・・11日14:46、M9.0という未曾有の大震災。

沿岸地域へのアクセスは不可能となり、想像を絶する被害が次々と明らかになってきます。内陸も停電が続き、頻繁に起こる余震の中、不安な時間が経過していきます。もし地震発生が一日早かったら、と考えると・・・。


そのような中、前日の雪から一転、内陸部も朝から快晴。沿岸部に暮らす、多くの友人・知人の安否もはっきりしないまま、内陸における災害記録の一部として、あえて撮影に出かけることにしました。網張から雫石方面を望んでみました。12日夕方には、盛岡では中心部から電気が復旧し始めていましたが、雫石市街は18:00ごろまではまだ復旧した様子はなく、車もほとんど走っていません。

18:00過ぎから、少しずつ灯りがつき始めたようです。遠く盛岡方面はだいぶ復旧が進んだ様子が分かりました。18:16、ISSが南西の方向に現れました。0.8等級(予報光度)の光が南天低く通過していきます。途中、カメラのトラブルで42秒間撮影が中断されましたが、総露出132秒の写真です。


18:16.34~18:19.22までの軌跡

久しぶりにISS(国際宇宙ステーション)が好条件で見られます。6日は最大高度25°ということで今ひとつではありますが、7日は北西上空で高度48°、最大光度-1.4等でシリウス並み、とくれば、これは見逃せません。心配なのは天気のみ。

6日は、練習をかねて志波城古代公園へ。北西から北北東に移動する軌跡が見えるはず。ところが、18:00過ぎから全天が雲に覆われ始め、ごく低空だけが辛うじて晴れ間が見えるような状況です。ダメを覚悟しながらも、カメラを設置してシャッターを切り続けていたところ、2~3秒間だけ雲の隙間からその軌跡をとらえることができました。


画角左下、数秒の軌跡・奇跡

さて、本番は7日です。天気予報では西から晴れそうです。方角的にも、絵的にも、ここは小岩井の一本桜しかないでしょう。18:00頃から待機しましたが、時間とともに晴れ間が広がり、19:00過ぎには期待どおり(期待以上)の晴れです。


地球照が美しい月齢2.4

西の空には細い月と木星が並んできれいです。少々の明るさが残る中、記念に(?)撮影してみました。この時期の細い月は船のように見え、地球照も鮮やかです。木星もそろそろ見納めでしょうか。19:00過ぎには沈んでしまいます。

そして19:13、いよいよISSが姿を現す時刻です。北西からまっすぐ昇り、カシオペア付近で姿を消すはず。見え始めは3等星並ですが、あっという間に最大光度に達し、桜の木の真上ではかなく消えていきます。飛行高度は362km、北の空へと航行していきました。また会いましょう。


いつの間にか快晴。スキー場のナイター照明が・・・。

全軌跡をとらえるには、このくらいの高度が最適のようです。月明かりがあれば、さらによい画になりそうですが、そこまでの条件がそろうことは、そうそうあることでもなし。とりあえず現時点でのベスト、ということで。
19日は、岩泉で日中の仕事の後、そのまま日没と月の出を待って宇霊羅山の撮影。以前、やや斜めから撮影しましたが、今回は真正面から。少し靄がかかった様子もありましたが、まずまずの出来。


手前は岩泉高校グラウンド

ここから一路向かったのは雫石町の小岩井一本桜。長時間露出の1枚狙いです。先客2名。既に撮影中のご様子。岩手高原スキー場のナイターが22:00までなので、照明が消えるまで待機です。スキー場上空には雲がかかり、なかなか動きません。

さて、照明が落ち、いざ撮影・・・といきたいところでしたが、岩手山の山頂付近には雲がかかり、西から筋状というか、鱗状というか、とにかく雲が次々と湧いてきています。結局2時間以上待ちましたが、山の方向だけどうしても晴れず、今夜もおあずけです。

20日夜。この上ない快晴。向かったのはもちろん雫石方面。ナイタースキーの明かりが煌々と夜空に映えています。消えるまで間があると思い、他の撮影候補地を何ヶ所か回ってみます。雫石スキー場、岩手山南麓、その他。ところが、岩手高原は、22:00消灯と思い込んでいたところ、21:00過ぎに急に照明が落ちます。

日曜日は、ナイターが21:00までなのでしょうか。慌てて一本桜に戻り、撮影を開始。今夜も先客有り。この晩は、最終的に自分を含めて6名が撮影に訪れました。撮影開始21:30、月齢17で、条件的には最高です。バッテリーが切れるまでシャッターを切り続けます。

気温は-6度で、バッテリーの消耗が思いの外速く、120分でダウン。まぁ、とりあえずはOK。のつもりが、帰宅後に確認したところ、80分ほど経過したところで数分間、霧が発生した模様。現地では、車で休憩していた時間帯なので、直接確認していなかったもので、不覚でした。それでも、総露出80分ということで、今シーズン最長です。

霧が消えた後の約40分間は、再びの快晴でしたので、何とも悔やまれる3分間です。この撮影は、1秒以上間隔があくと、星の軌跡がつながらず、ブチブチと切れてしまいますので、泣く泣く40分(80枚)の撮影データはボツということです。


ちょうどカシオペアが沈む時間帯


霧です。目を離した3分間の出来事

一本桜の後、葛根田川に架かる西長橋から岩手山南麓の全景を撮影。バッテリーを替えての撮影でしたが、充電不足だったか、60分程度で電池切れです。


鞍掛山~網張まで一望

次は、御所湖畔のシオンの像です。何度も撮影していますが、これほどの好条件の夜は今までありません。岩手山がくっきりと見えていて、船越保武作のブロンズ像が、月明かりと街灯に照らされていい雰囲気を醸し出しています。

十分な時間撮影できたと思い、確認したところ、なぜかカメラのレンズが曇っていて・・・。使えるコマの露出時間はわずか20分程度。次の予定もあったので、後ろ髪引かれる思いで現地を後にしました。またの機会。


月明かりと人工照明で発色は微妙


なぜこんなことに・・・理由は分からず

今夜の最後は岩山展望台。盛岡市街と岩手山の撮影です。大気が晴れ渡って澄んでいることを期待して、早朝の時間帯に来てみたのですが、遠方、雫石スキー場のあたりの地平付近がどうも靄で霞んでいるようです。それでも、朝に向かって澄み渡ってくれるであろうと思いシャッターを切り続けます。

ふたご座~しし座が沈む時間帯で、ふたご座のカストルとポルックスが岩手山に突き刺さるように並んで沈む様子が描写できています。肝心の大気の状態は・・・完璧とは言えません。ここもまたの機会、何度でも満足できるまで。


雫石方面がぼんやり

21日。ちょっと体調不良。外は今夜も快晴ですが、何となく体がだるくて気力が湧かず。もったいない、という気持ちのまま家に籠もって、それでも画像処理は何とか進めた一日でした。

22日。体調は回復しましたが、月の出が遅くなり、いい明かりをもらえるのは深夜からになります。明日の仕事は、朝が早いこともあり、それに向けた準備も必要なので、夜間の活動は断念。比較明撮影はまた来月です。まだまだ撮影したい場所はたくさん。岩手は広い!
約1ヶ月ぶりに、星空撮影に適した月明かりが戻ってきました。天候もまずまずで、今夜の最大のねらいは「たろし滝(花巻市石鳥谷)」です。11日に太さの測定が行われたばかりで、5.68mだとか。今年の豊作が期待されます。

月が十分な高さまで昇るまで、もう一つの狙い目である、「盛岡駅西口」へ。ちょうど1年前に撮影してはいるのですが、改めて見てみるとどうも今ひとつ。月のない、平日の撮影だったようで、全体の色調が人工的というか、無機的というか。

シリウス(おおいぬ座)が、マリオス上空を通過する時間帯が、星の配置としてはベスト。駐車場からマリオスとアイーナを見上げる構図ですが、日曜日ということもあり、車の出入りは少ないはず、・・・とは思惑外れで、19:00頃から撮り始めたものの、思いの外頻繁に車が駐車場に出たり入ったり。

特に、出庫する車のヘッドライトが正面から当たると、もう昼のような明るさになり、それまでのコマはすべてボツ。また最初からやり直し。カメラは、連続シャッターでずっと撮りっぱなしですが、ライトに遮られてはまた最初から、の繰り返しで、なかなか思うようには・・・。ある程度の枚数が撮れたかな、と思うと今度は雲。西から東に流れる大きな雲が何度も画角を横切り、これもまた最初からやり直し。

そんなこんなで、結局2時間以上シャッターを切り続けたものの、車の明かりもなく雲も出ていない時間はわずか13分。13/140という結果でした。21:30、終了。この時間を過ぎると、シリウスは西に傾き始め、画角から外れてしまいます。次の予定もあるし。


完成判。露出短めですが星座の形がわかりやすい

さて、月が高いうちに、メインのたろし滝へ。撮影は3年ぶりのことで、前回は快晴に恵まれ、氷柱も十分の太さで感動した記憶があります。駐車場から現地まで、仮設の橋を渡り、ロープにしがみつきながら雪(氷?)の道を上ります。


月明かりに浮かび上がる氷柱

上空は快晴。木々の間を南中に向かう星々が軌跡を描きます。月明かりがあるとはいえ、深夜の山中はやはり怖いものがあります。月が傾くまで、約1時間半程度の滞在。思い返してみると、ここは日中に来たことは一度もないわけで・・・そんな場所は県内に何ヶ所となくあります。

道も整備されてはいますが、かなり凍った状態で、注意して歩を進めましたが、行きと帰りに1回ずつ、滑ってスッテンコロリ。しかも、帰りに転んだ時には、ポケットに入れていた懐中電灯を落としたようです。車に戻って気づいたものの、再び山に入る気力は起きず。(燃えない)ゴミを捨てたことになってしまいました。関係者の皆さん、すみません。
2月に入ってここ数日、内陸も晴れの予報が続き、月明かりがない時期ならではの写真をものにせんと、あちこち出かけてはみたものの、どこにいっても「もや~っ」とした空模様。雲も多めで、天気分類上は「晴れ」には違いないのですが、快晴にはほど遠い状況です。

それならば、と海へ。目指すはただ一カ所、陸前高田市の蛇ヶ崎です。そして、期待どおりスッキリと乾燥した快晴に出迎えられました。新月に当たり、夕方の薄明から暗夜に向かい、冬の星座の数々がくっきりと浮かぶ様はいつ見ても爽快です。

こんな日に撮りたかったのは、ガイド撮影と固定撮影を組み合わせて星座の移動の様子を描写する画です。ねらいはもちろんオリオン座。過去何度か挑戦したことはあるのですが、天気、露出時間、絞り、感度、など何かがしっくりこない、何かが足りない、何かが余計、・・・で結局は諦めていた対象です。

今回の作戦は、ガイド撮影(最初のコマと最後のコマ)にはソフトフィルターを使い、長めの露出時間により明るい星は一段と浮き上がらせ、逆に固定撮影では感度を下げて露出時間を短めにする、というもの。その結果、


最初のコマ。ソフト効果がよく出ています 

1時間後の最後のコマ。画角ぎりぎりセーフ

この2コマの間に軌跡を描いて星座の移動を1枚にする、というものです。この晩、オリオン座の南中は20:30頃で、その時間をはさんで撮影時間は約1時間。試し撮りはしたつもりではありましたが、ほとんど一発勝負のような。


こんな感じに

コントラスト調整や、トリミングにより、うるさくなりがちな微光星の軌跡を適度にカットして明るい星々を浮き立たせるようにしてみましたが、結果的には露出時間をもう少し長くしてもよかったかな、というところ。またの機会に再チャレンジです。


北極星中心の構図

もう1枚は、北天の日周運動で、北極星も動いているよ、という写真。天の北極から0.7度程度ずれており、小さな円を描いて動きます。地球は、コマのように首振り運動をしており、その周期は約26000年。その動きに伴い、北極星も変わっていきます。現在から12000年ほど後には、こと座のベガ(織姫)が地球人にとっての北極星となっているはずです。

星(もちろん太陽も)は、銀河系内の宇宙空間を猛烈な速度で動いており、長い年月の間には星座もその形を大きく変えてしまいます。数万年、あるいは数百万年、数億年という時間を隔てた星空はどうなっているのか、この目で確かめてみたいものです。幸い、最新のシミュレーションソフトを使えば、遠い過去や未来の星空を画面上に再現することができますので、原始人や未来人の気分をちょっとだけ味わうことはできそうです。
26日、月齢21。比較明撮影には、月明かりがだいぶ心許なくなりました。撮影を始めてちょうど一年、実は当初からどうしても撮りたい写真がありまして。それは、北の星空(北極星を中心に回る星の軌跡)を長時間(少なくとも4時間)にわたって描写することです。

前景もそれなりのもの、と考えて、候補に挙げているのは、①小岩井の一本桜②早池峰山③高田松原、あたりなのですが、近場で何度も行けるのは小岩井。というわけで、晴れの予報が出ている一本桜まで。


雲が・・・

2時間以上粘りましたが、次々と小さな雲が湧いてきて、その都度撮り直しをする羽目に。いつものことながら、ここは、1時間以上きっちり晴れ(快晴)ということもなかなかない場所。しかも、ある程度の月明かりがないと木も山もきれいに写りません。となると、条件は非常に厳しい。いまだに達成できておりません。いつかきっと。

後ろ髪を引かれる思いで一本桜を後にし、岩山の展望台から盛岡市街の撮影。以前の撮影では、街の上空に靄がかかった感じで山が見えなかったので、今回はどうしても岩手山を入れ込んだ画にしたい。


山は見えているものの、上空に雲が・・・


以前の撮影。街の上空がかなり靄というか霞というか

この日はとりあえずここまでとし、帰宅後に画像処理・・・不満。

27日、月齢22の月が出るのは00:30頃。下弦の月が地上風景を照らし出してみせるのは02:00過ぎとなるか?出かけた先は、とりあえず一本桜。今夜は靄と雲。天頂は晴れているのですが。さっさと諦めて近くの御所湖はシオンの像へ。撮影はカメラに任せて車中で休憩している間に雲の塊。結局十数分の露出にしかなりませんでした。


雰囲気だけでも。当然再撮影します

そして、今月最後(になるか?)の比較明撮影は、岩山からの盛岡市街。前の晩のリベンジ。結構しつこいんです。撮影開始は04:00。目を離した隙に雲が出てきたりすることがよくありますので、ここはじっと空を見上げたまま。その甲斐あってかどうか、50分近く、西の低空に少し雲が流れただけで、全体としては上々の仕上がりに。


今年のベストショット(今のところ)

さて、夜明けまでは少し間があるので、久しぶりの金星観測のために再び小岩井へ。時間も考慮して、農場内の路側帯での観測。気温は-11度。問題ないでしょう。シーイングもまずまず、肉眼で見ても、チカチカとした瞬きがなく安定した像です。


まずまずの見え方

金星は、半月状を過ぎて、今後地球からどんどん遠ざかりながら、小さくなり、そして円形状に近づいていきます。まだまだ観測は継続。ただし、日の出が早くなるとともに「明けの明星」の観測は難しくなっていきますが。
冷蔵庫(冷凍庫?)の中にいるような日々が続く中、20日は大寒。しかも仏滅だそうで。内陸は相変わらずの曇り空で、満月も見られるかどうか。ということで、冬晴れの予報が出ている沿岸へ。

予定としては、前回撮れなかった(正確には、「いい画」が撮れなかった)潮吹穴と船越湾がメイン。で、まずは宮古市の崎山へ。予報通り西~南西の風が強く、それなりに潮は吹いている様子で、大沢漁港にて日が沈み月が出るのをじっと待つ。

ただし、時折突風と言えるほどの強風が吹いて、波も荒く、ざんぶざんぶと防波堤を越えてきているほど。あえて堤まで行くか、港の奥から望遠で狙うか・・・。結局、視野の点から、満月が現れ、波が少しおさまってから防波堤に出てカメラをセッティング。


海は大時化、雲の流れも速い

「潮吹穴」で国の天然記念物に指定されているのはここだけ(だったと思うが)ですが、言っても「水しぶき」なわけで、満月の光の中で高感度で撮影してもこんな感じです。もっと条件(風、波、潮、天気)のよい時に再チャレンジすることとし、今回は没。

船越湾に向かう途中、山田湾に立ち寄り撮影。天気はこれまでで最もよかったものの、やはり風が強く、ひょっとしてカメラがわずかにぶれた可能性もあります。こちらは画像未処理。

さて、大槌町の船越湾。ここも何度も来てるなぁ。なかなかいい条件に巡り会わない場所です。今回も、天気は申し分なく、適度に乾燥して遠方までくっきり。ただし、北寄りの風が強い。幸い、リアスシーニックラインにある崎山展望台は林に囲まれていて、防風の役割を果たしてくれています。


海が荒れているが、かえって効果的かも

船越漁港周辺の街明かり、遠方の山頂には航空自衛隊の管制団、海上には(たぶん)密漁監視船の航跡。人間の日々の諸々の営みにはお構いなく、星は、地球は、ただ物理法則に従って猛スピードで宇宙空間を動いている、などと考えながらそれらを撮影している私。

ひょっとして、と思い釜石経由で遠野に抜けると、何と快晴無風。何ヶ所か撮りたい場所はありましたが、ある意味で遠野を代表する風景である、南部曲り家千葉家へ。ナトリウム灯に照らされていますが、月明かりのおかげでオレンジの発色が少し軽減されたようです。


雪化粧し、風情ある佇まい


月明かりがないとこんな感じ・・・。

気温は-13度、バッテリーの消耗が予想以上に早く、予定した露出時間よりだいぶ短くはなりましたが、見た目に近い画にもなり、まずまずとしておきます。

さらにひょっとして、と思いながら盛岡に帰ってきましたが、そううまくはいかないもので。大迫からこっちはずっと「立派な曇り」。典型的な冬型の気候とはいえ、こうもはっきり、線を引いたような天気区分。まだしばらく続きそうです。
月齢10、やっと比較明撮影できそうな月明かりが1ヶ月ぶりに戻ってきました。ただし、天気は例によって内陸は曇り、沿岸が晴れ。先月あたりから再撮影が中心となってはいますが、いまだ撮影できていないところも何ヶ所かあります。

そのうちの一つが、宮古市の日出島。名前のとおり、港から真東の方向に島が見え、太陽が昇ってくる場所です。何度か訪れてはいますが、西からの雲が上空にたまりやすい場所でもあり、なかなかに苦労しているところです。


やっと撮影完了。結局、今夜の完成品はこの1枚だけ

月がほぼ南中した時間、おおいぬ座のシリウスが出始め、構図としてはまずまずの1枚を撮影完了です。同じ場所からは潮吹穴を臨むこともできますが、この日はあいにく南西の風。一滴も吹くことなく、画にならず。適度な月明かり、快晴、そして北東の風、という条件が必要なので、難物です。


全く潮を吹く気配なし

次に向かったのは山田湾。何度か撮影はしてはいるものの、ここもいつも小さな雲に悩まされているところです。今夜も・・・。


海の状態は申し分ないものの、あそこにどうしても雲が湧き続けるもので・・・

しばらく待機の後、移動。向かった先は大槌町。リアスシーニックライン、岬の突端にある崎山展望台。ここから見下ろす船越湾と野島、そして対岸のタブの大島や船越漁港など、美しい景観を楽しむことができる場所です。


海も空もぼぅ~っとかすんで

気温-5度、海から靄が出始め、全体が霞んで見える状態です。天頂方向は澄んだ快晴ですが、地平・水平方向はご覧のとおり。またの機会ということで今回は断念。

宮古に戻って、道の駅から重茂半島(月山)を狙いましたが、ここも既に海面はモヤモヤした感じで、月もぼんやり霞み始めています。雪景色の半島もスッキリ晴れてくれれば、相当に綺麗なんですが。


感度を上げてもこんな感じ

明け方の金星観測も考えましたが、大気の状態から見て、無理をすることもないと判断し帰路に。途中、区界高原では01:00時点で-17度!戯れに車を停めて外に出てみましたが・・・きょ~れつ。盛岡市内も-10度くらいと、こちらもも~れつ。洗面所の水道管ついに凍結・・・。
2日、木星と天王星が最接近。そして、9日には金星と水星が同時に西方最大離角を迎え、それぞれ観望の好機です。天気の都合により数日前後しての観測です。内陸は相変わらず毎日曇りや雪の予報ゆえ、沿岸への観測行。

木星と天王星は、その間隔約34分(1度の半分)。満月1個分ぐらいの離角で、低倍率の同一視野に入る程度です。木星の衛星と天王星はほぼ同じ明るさで、宇宙空間に、衛星を引き連れた木星と、青緑色の天王星がぽっかり浮かぶ姿は必見。


木星の衛星イオは本体にくっついて見えている

さて、金星と水星は夜明け前の東天で輝くはずですので、キャンプ用のテーブルを出して、冬の星座を見上げながら、波の音を肴に1人で宴会。気温は-4度、全く問題なし。ほろ酔い状態で寝袋で車中泊。

03:00、スッキリ目覚めて水平線方向を見やれば・・・金星が真っ赤です。朝焼けと同じ原理で、大気を通った光が輝いて見えています。あまりの美しさに、そのまま肉眼でしばらくぼ~っと眺めます。


-4.4等の金星に照らされた太平洋

2時間もすると高度も十分、やっと望遠鏡での観測です。既に高い位置まで昇っている土星とあわせて撮影。金星は半月状を過ぎて、今後円形に近づいていきます。その分、徐々に小さくなっていきます。

05:15、いよいよ水星の出現。0等級ではありますが、水平線に近いため、見えづらいことを予想していましたが、一目でそれと分かるほどの輝きでした。金星と同様、出始めは赤く光っています。既に、東天はぼんやりと白み始めていますので、まさに時間との戦い。少しでもそれらしい姿を撮影したいところです。


金星(上矢印)と水星(下矢印)。05:47、既に明るい。

西方最大離角とはいえ、水星の高度は20度にも満たないほどで、ギリギリまで待ってもその形をはっきりとらえることは非常に困難。雰囲気だけに終わった感も。あの偉大な天文学者であるコペルニクスも、一度も水星を見ることなしに生涯を閉じたと言われていますので、とりあえず「見られた」ということでよしとします。


この夜に見られた惑星達。水星はピントがちょっと怪しいかも

今年は、これといった天文イベントも見あたらず、どうにも寂しい一年になりそうですが、惑星・流星群・彗星など、定常観測中心に地道な活動となるでしょう。

「比較明合成写真による岩手の星空」(長いので「比合岩」、略してHGI大作戦と勝手に命名)を撮り始めてちょうど一年、140景まできましたが、知っている・心当たりがある場所はほぼカバーできたので、これからしばらくは再撮影中心に県内あちこちに出没することになりそうです。
毎年恒例の、天体観測事始めは「しぶんぎ座流星群」。今年の極大予報は4日10:00。この群は、極大の日時を外すとほとんど出現しない故に、なかなかの難物。今年は、月明かりもなく、条件的には最高の部類で、夜明けに向かって流星の数がどんどん増えていくのではないか、との予報。

内陸はずっと曇りや雪の予報だったので、沿岸に遠征するしかない。地上風景も入れることを考えれば、浄土ヶ浜がベストでしょう。

ということで、22:00発、00:00着。ところが!駐車場から浜に下りる道路が何と通行止め(立ち入り禁止)。これは想定外のことで、しかも全天厚い雲に覆われ、歩いて浜にたどり着いても、天候によっては無駄足になる可能性大。

北?南?結論は、GO SOUTH。時間的なことも考えつつ、いつもの蛇ヶ崎(陸前高田市)も頭をよぎったが、釜石市あたりで快晴の状況だったので、大観音を遠望する海辺の岩壁へ。無風で湿度が激高。カイロを忘れてきたので、なかなかに厳しいかも。

03:00過ぎ頃から、ポツリポツリと、それらしい流星が散見されたものの、いずれも「小」で、写りそうにもない程度のものばかり。一部の「予報」では、04:00過ぎから出現が増え、05:00台には1時間当たり数十個の流星が見られるであろう、となっていたので、じっと我慢の時間。

カメラのレンズは、恐れていたとおり、十分ぐらいで曇り始め、車の暖房で暖めながらの撮影が続きました。アイドリングストップが常ではありますが、今夜ばかりはしょうがない。

06:00頃まで粘ってはみましたが、画角を大きくはずれた、長い径路の「中」が2個だけという寂しい結果に。そんな中で、流星ではないが、「火球」を思わせるほどの人工天体が偶然にも画角内に。「ひょっとして国際宇宙ステーション(ISS)か」とも思いましたが、帰宅後の調査ではそうではないらしい。他の人工衛星と思われます。


北斗七星と人工天体。写真判定では、-1~-2等級程度と思われる

常に全天を見ていたわけではないが、予報を遙かに下回る出現状況で、がっくり疲れて帰ってきた次第。十年ほど前、静岡まで遠征して観測した際、富士山に突き刺さるような大火球を目撃・撮影したが、その時のネガ(およびプリント)がどうしても見つからない。引っ越しなどのドサクサに紛れて行方不明です。いい写真だったのだが。

昨年に引き続き、今年も流星群には嫌われそうな予感がしてならない。もっとも、今後の流星群は、大物はいずれも月明かりなどで条件的にはあまりよろしくないものばかりのようです。

気持ちを切り替えて、次のターゲットは「水星」。9日(日)早朝、金星と水星がそろって西方最大離角(最も高度が高くなる)を迎えます。水星は、望遠鏡では何度か見てはいるものの、撮影はまだなし。条件がよければ、半月状に欠けた姿を激写できるかも。