木星と天王星は、その間隔約34分(1度の半分)。満月1個分ぐらいの離角で、低倍率の同一視野に入る程度です。木星の衛星と天王星はほぼ同じ明るさで、宇宙空間に、衛星を引き連れた木星と、青緑色の天王星がぽっかり浮かぶ姿は必見。

木星の衛星イオは本体にくっついて見えている
さて、金星と水星は夜明け前の東天で輝くはずですので、キャンプ用のテーブルを出して、冬の星座を見上げながら、波の音を肴に1人で宴会。気温は-4度、全く問題なし。ほろ酔い状態で寝袋で車中泊。
03:00、スッキリ目覚めて水平線方向を見やれば・・・金星が真っ赤です。朝焼けと同じ原理で、大気を通った光が輝いて見えています。あまりの美しさに、そのまま肉眼でしばらくぼ~っと眺めます。

-4.4等の金星に照らされた太平洋
2時間もすると高度も十分、やっと望遠鏡での観測です。既に高い位置まで昇っている土星とあわせて撮影。金星は半月状を過ぎて、今後円形に近づいていきます。その分、徐々に小さくなっていきます。
05:15、いよいよ水星の出現。0等級ではありますが、水平線に近いため、見えづらいことを予想していましたが、一目でそれと分かるほどの輝きでした。金星と同様、出始めは赤く光っています。既に、東天はぼんやりと白み始めていますので、まさに時間との戦い。少しでもそれらしい姿を撮影したいところです。

金星(上矢印)と水星(下矢印)。05:47、既に明るい。
西方最大離角とはいえ、水星の高度は20度にも満たないほどで、ギリギリまで待ってもその形をはっきりとらえることは非常に困難。雰囲気だけに終わった感も。あの偉大な天文学者であるコペルニクスも、一度も水星を見ることなしに生涯を閉じたと言われていますので、とりあえず「見られた」ということでよしとします。

この夜に見られた惑星達。水星はピントがちょっと怪しいかも
今年は、これといった天文イベントも見あたらず、どうにも寂しい一年になりそうですが、惑星・流星群・彗星など、定常観測中心に地道な活動となるでしょう。
「比較明合成写真による岩手の星空」(長いので「比合岩」、略してHGI大作戦と勝手に命名)を撮り始めてちょうど一年、140景まできましたが、知っている・心当たりがある場所はほぼカバーできたので、これからしばらくは再撮影中心に県内あちこちに出没することになりそうです。