関係記事

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 その1(政府を決して信用してはならない)‐

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 その2(デマ拡散と大衆の「民度」)‐

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 その3(目玉や鼻をえぐり、腸や胎児を引きずり出す)‐

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 その4(「天皇制」サイコパス国家への批判)‐

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 その5(なぜ政府は『虐殺』を画策したのか)‐

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 その6(体制維持の「生命の道具化」と「隠蔽工作」)‐

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 その7(極度の「情報統制下」にあった朝鮮半島)‐

 

‐シリーズ・関東大震災と朝鮮人虐殺の全貌 最終回(なおざりにされる『教訓』と『生きづらさ』)‐

 

 

・布施辰治とは どんな人物だったのか

 

‐韓国テレビ番組『非首脳会談』(海外の「植民地問題」)‐

 

 

『日本人弁護士 布施辰治』

 

https://www.youtube.com/watch?v=vxzxxjzwZn0

 

以前、韓国のテレビ番組で布施辰治先生のお話が挙がっておりましたが、前の『関東大震災の朝鮮人虐殺事件』で、その「真相究明」に当たった気鋭の弁護士として、今回あらたなシリーズで書かせていただこうと思います。

 

‐シリーズ・朝鮮近代史を振り返る その29(関東大震災と朝鮮人虐殺)‐

 

虐殺問題以外にも、番組へご出演される日本人論客大木さんが、動画10分20秒において、日本人弁護士でありながら、初めて「韓国(朝鮮)の独立運動家たちを弁護した」ことに触れ、2004年日本人初『韓国建国勲章』を授与される功績についてもお話されました。

 

今回は、その「実像」へ迫っていく過程として、氏が創設者の一人として立ち上げた『自由法曹団』について、参考図書を紐解きながら迫っていきたいと思います。

 

 

6 布施辰治弁護士と在日朝鮮人

 

━忘れえぬ人権擁護の日本法曹人闘士・布施辰治

 

自由法曹団の誕生

 

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その1(ライフル魔と呼ばれた男)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その2(社会的分断がもたらしたもの)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その3(責任感・徳のない国の末路)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 その4(在日コリアンは人質である)‐

 

‐在日朝鮮人『金嬉老事件(김희로사건)』の全容 最終回(排撃の歴史を乗り越えて・・・)‐

 

今春(一九六八年)、静岡の「金嬉老ライフル事件」を契機に、朝鮮人への「差別と偏見」問題に論議が沸騰したのは周知のこと。この金被告の背後には“民族差別の壁を破ろうとする”信念型の弁護士二六名が「金嬉老裁判弁護団」を構成している。

 

このうち権逸<1911-2001。在日本大韓民国居留民団(現在日本大韓民国民団)中央団長。在日本大韓民国居留民団顧問。満州国裁判官、日本の弁護士、韓国の国会議員>、金判巌、長塚安幸を除くと、あとのほとんどは自由法曹団系の人々である。

 

弁護団長の戒能通孝氏が語るように「今度の裁判は単なる“ビジネス”として考えれば実に簡単な裁判」である。つまり、やぐざの内輪もめから生じた殺人と鉄砲不法所持その他を含む犯罪をさばく裁判となり、懲役が決まって終わりとなる、世間にざらにある事件にすぎない。

 

‐韓国メディアの朝鮮学校特集 その8 KBS③‐

 

‐韓国メディアが語る在日コリアンの国籍問題 その1‐

 

‐韓国メディアが語る在日コリアンの国籍問題 その2‐

 

‐韓国メディアが語る在日コリアンの国籍問題 その3‐

 

しかし単に“ビジネス”として処理される事件ではなく「今度の事件の本質は、外国人であるが他の外国人としがって国籍をもっていない在日朝鮮人に属する一人の人間が犯した犯罪であるという点にあるから・・・・・・この点についての確認を最初の前提として、あくまで裁判所に迫る」が「今度の裁判は、一般的に検事・裁判所・弁護士の間で、ことが決定されていい事件ではなく、それを越えたところで裁かねばならぬ事件」である。

 

したがって、「事件の真相をあきらかにする点に主眼を置く」と言っている(『偏見と差別』第一号より)。

 

また最近のできごとで、係争中のものには「同和信用組合蹂りん事件」と「柳禎烈退去強制令書事件」がある。前者には弁護士一三一名による同和信用組合弾圧事件弁護団が構成されて“抗議声明”を出している。後者の件では一四九名による 柳禎烈行政起訴事件弁護団がつくられている。

 

この二件ともに、自由法曹団が直接に担当し調査にあたっている。それだけに、ここには日本に在住する朝鮮人への基本課題が介在しているといってよい。

 

さて、以上の二件の、生命や調査資料を一読して気づくことは、思想上の左右を問わず日本政府の朝鮮人に対する人権・生活圏への蹂りんと、排他意識の露呈であった。

 

と同時に、この事件の担当者、つまり全国に四百数十名の弁護士を擁する「自由法曹団」の、民族を超えた法的役割とか、民族意識にささえられた正義感や、また、真のアジア連帯意識に、強い感銘を受けたことであった。

 

そして、一朝鮮人として敬意と感謝を抱かずにはいられない。

 

この機会に、在日朝鮮人が「自由法曹団」の人々から、どんな法的擁護を受けたとか、恩恵を蒙ったかを一考するのも当然な責務と思われる。むろん、門外漢の私の狭い見聞ではその一端にしか触れられないだろうが、筆者の限られた管見を、お許し願いたい。

 

※<>は筆者註

 

『日朝関係の視角 歴史の確認と発見』 金一勉著 ダイヤモンド社 107~109頁より

 

 

・社会的に「弱い立場」にされる人々の『味方』であった

 

 

筆者よりも、はるか知的に劣る私としては、本書を読み進めていく過程で、布施氏『義人弁護士』として、明治・大正・昭和の三代にかけ「貧者」と「弱者」のために、その弁護士人生を捧げた人物であったということです。

 

近代から戦後の現代史に至るまで、このように活躍された日本人有識者の存在は、とても稀有で、氏の卓越した正義感をみても、多くの教訓に満ちた方であったことは言うまでもありません。

 

理不尽なる悪しき強者に対しては、ある種の「法廷闘争の鬼」と化し、悩める人には優しく慰めの奏者となりて、そうしたスタンスを途中で曲げることなく、殊に『人権なき大日本帝国の時代』において、これを貫き通したことが、信じがたいような奇跡であるようにも思われる。

 

まさに“時代を超えた巨人”であり、次回に続いてシリーズをお送りしていきます。

 

 

<参考資料>

 

・『日朝関係の視角 歴史の確認と発見』 金一勉著 ダイヤモンド社

 

 

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