デジタル編集者は今日も夜更かし。 -5ページ目

デジタル編集者は今日も夜更かし。

出版社に在籍していながら、仕事はネット、携帯などデジタル企画のプロデュース。

もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!

syuzennji

縁側から鯉に餌をあげたりしながら、静かな宿で夏の終わりの3日間をのんびりと過ごした。

いつもならもちろん、休暇はパソコン持たずの丸腰なのだが、今回はワケあってモバイルパソコン持参。当然のことだけれど、仕事が追っかけてきた。
まあ、それでも適当にかわしながらゆったりこなせる旅の空。
メールを読み、露天風呂に浸かって蝉の声と竹の葉の擦れる音を聞きながら作戦を練り、部屋に戻って返事を返す。これを日に三度、四度とのんびりと繰り返す贅沢。

鮎友釣り発祥の川、狩野川の支流・大見川の天然鮎や駿河湾、相模湾から揚がる季節の魚介、地の新鮮な野菜が確かな腕で調理され、茶道作法の仲居さんの摺り足の音とともにタイミング良く供される。
そんな料理を、浴衣姿であぐらをかいて。
仲居さんには、「板長に申し訳ないので、内緒にしてね♪」などと言いつつ、酒を飲まないボクは、家から持参したお気に入りのアイスコーヒー を注いだグラスを脇に置き、鮎のワタにはコーヒーの苦みが思いのほか合うなぁ、などと行儀知らず、気ままに食す。
山間で映りの悪いテレビは消して、パソコンに入れてきた湘南の風“カラス"とかサザンの“BOHBO No.5"を聴きながら。

昨今流行のスノッブ気取りのオトナの雑誌には紹介されない、本当に自由気ままな、オリジナルのオトナの休日。完全に、ボク自身のためのオリジナルプラン。誰も真似できない、誰も真似したくない(^^

不思議なことに、この三日間、新しいアイディアはまったく浮かんでこなかった。
普段なら、あっという間にメモで埋まるメモ用ノートは、わざわざ新しいものを用意したのに、結局一行も書き込まず。
しかし今日から出社して、プロジェクトの問題点やポイントが先週よりはっきり見えていることに気がつく。ミーティングをしていて、自分でも驚くくらい整理ができている。

なるほど。
休みをとるって、こういうことか…。

ayu
hourouheki


江戸時代の古文書ではない。

神戸にいた高校時代に、仲間と創った『放浪癖(ほうろうへき)』という同人誌の創刊号。
当時、ガリ版刷りの同人誌が流行っていて、ボクの通う高校でもロック系の『君の友だち』や哲学する『視考言人』などかなり本格的な同人誌が次々と発刊した。

『放浪癖(ほうろうへき)』は、一応“旅"などをメインテーマにしているけれど、同人誌というよりは、いろんな記事を集めたエンタメ雑誌のような内容。他誌のような確固たるポリシーはなかった。
高校生当時、ボクは雑誌の編集なんぞにそれほどの興味はなく、まして将来、職業として編集者を選ぶことになるなんて考えてもいなかった。とりあえず、遊びの延長で何かやってみたかったという安易な動機だった。

『放浪癖』は他の同人誌と異なり、なんとすべて手書きの雑誌で、つまりこの創刊号はこの世に一冊しか発行されず、つまり現在もボクの手元にしか残っていない。
表紙は、創刊直後に亡くなられた書道教師・准田雲享先生の遺作。A4の紙に、数号分を書いていただいた。原稿は、同人各自が原稿用紙や白紙に万年筆や鉛筆で書いたモノをそのまま使用し、目次やタイトル、編集後記などをボクが書いて編集、挿入し、ホッチキスで綴じて装本している。

一冊しかないので、当然、その一冊を回し読みをする。
手書きにしたのは、ガリ版を作るのが面倒だったから、というのが最大の理由だったのだが、そこからじつはこの『放浪癖』最大の特徴が生まれてくることになる。

本文30ページ前後の編集後記の後ろに、ボクは読者名簿(読んだ人名簿)と、感想を自由に書ける白紙を数ページ付けた。
当初は、当然友人の間を手渡しされていた『放浪癖』は、すぐに学年の壁を越える。自分で言うのもなんだが、結構、面白かったのだ。
そして、時々同人の手元に戻ってくるのだが、そのたびに名簿の名前と、感想の書き込みが増えている。楽しみに感想を読むと、これがとても面白いのだ。
すぐに白紙のページが足りなくなり、どこかの誰かが、また数ページを足して綴じてくれる。つまり、戻ってくると、総ページ数が増えているのだ。
そうこうしているうちに、我らが『放浪癖』は、同窓生の兄弟姉妹や友人の手を経て、市内の他校を旅するようになる。『放浪癖』が放浪を始めるのだ。一ヶ月戻ってこないこともしばしば。そのたびに、もはや感想とは言えない、新しい記事、企画、コンテンツが増えている。ページは最初の『放浪癖』の倍にもなり、何倍にも読みでがあって、面白くなっている。知らない高校の会ったこともない人の名が名簿に書かれていたりする。

インターネットはもちろん、パソコンもなかった時代。
これってブログに似ている、と、ふと思う。
それ以上に、この現象をマーケティング的に分析してみると、
・手書きの雑誌&白紙の読者記入欄を設けたこと
→これは、ブログのようなCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)である。
・ここに読者の書き込みがあって、さらに面白い雑誌に育っていく
→これは、まさしくCGM(Consumer Generated Media)、つまり消費者制作メディアなのだ。
・手書きゆえに、人から人へと手渡しをして広がる、
→なんと、これはまさにソーシャル・ネットワーク・システム=SNSではないか!

高校2年の終わりに創刊をして、3年の5月に第二号を出している。第三号の原稿を集めている間に、受験勉強が忙しくなって『放浪癖』は終わった。
3年生の5月の文化祭の時には、仲間と教室を使って同名の喫茶店を開いた。何人もの友だちが手伝ってくれて、ボクたちの知らない間に読者になってくれていた他校の女のコが花束を持ってきてくれたりもした。

昨日、母校の同窓会があった。卒業と同時に神戸から東京に引っ越して、それ以来没交渉だった同窓生から連絡があったのが一月半前 。その後たびたび、当時のことを懐かしく思い出した。そういえば、と探して引っ張り出した『放浪癖』。多くの人の手を経て、ボロボロになって、どこかの誰かがそのたびに修復してくれて、最後にはボクの手元に戻ってきてくれた。
何となく、今の仕事の原点であるような気もする。
何となく過ごしてしまった高校時代、と思っていたけど、やっぱり人生の大切な時期なんだな。。

今回の同窓会には都合がつかず出席できなかったけれど、次のチャンスには『放浪癖』持参で参加しよう。

hourouheki_2

teng&hyottoko

東京も、今日の地震で震度4。最近、ちょっと多いなぁ。
ボクは編集部にはいなかったのだけれど、編集部のあるビルは、耐震構造の癖に結構揺れたらしい。

出社したら、みんながホラホラ!と嬉しそうに天井を指さす。
おお、空調ダクトの送風口と、天井にはめ込まれたパネルの一部が2~3センチずれている。
被害発生じゃ~と、つまりは深刻な被害に遭わなかったので編集部の面々、ニコニコしてる。携帯で記念写真撮ってる輩もいる。ボクも含めて…。被害にあった東北地方の皆さん、ごめんなさい(m_m)。

でも、ちょっと待てよ。
ねえねえ、これってビルの防災センターに連絡した?、とボク。
あ!気がつきませんでした(^^ゞ とバイトの娘。

ダイイチ、パネルには何やら緑のランプが点滅する丸いセンサーがはめ込まれている。
あれは、煙探知器?火災報知器? 何にしても、すぐに点検して直してもらわなきゃ。
すぐにビル管理の天狗さんとひょっとこさんが脚立を片手に来てくれて、ずれたパネルをいったん外して、手早く点検。元通りにしてくれた。

ところで、そのセンサーは何ですか?
これは、照度計なんですよ。
と、思いがけない答えに、一同、???
じつは、室内の照度を関知して、蛍光灯の明るさを自動調節しているのだとか。
いまはお昼ですから、約40%くらいですね。
知らなかったぁ。
さすがにインテリジェントビル、そんなエコなことまでしてたんだ。

いつもは見上げたことのない天井を、みんながこぞって見上げている。セキュリティシステムと連動した赤外線センサーが不気味に監視をしていた。
まぁ、エコもセキュリティも大切だけど、地震で天井落ちないだろうな…、とふとニュース映像で見た新築プールを思い出す。
必ず、いつか、くるんだよね、大きな地震。その時、どこにいるんだろう。自宅か、会社か、それとも出先か。
リスク回避のためにも、想像力とシミュレーション、大切だな。

TOKYO DOLL

小説家は、言葉の魔法使いであって欲しい。
みんなが日常的に使う日本語を、
キーボードで打ち出すいつもの言葉を、
親指が交わす会話を、
魔法のように紡いで、新しい物語を生み出して欲しい。
たとえその舞台が見慣れた街でも、そこには、魔法の世界を創り出して欲しい。
時代の気配やニーズを盛り込むことも、それはそれで大切だとは思うけれど、それだけの小説には魅力はない。
小説家は、マーケッターではないのだ。

“4年ぶり、長編恋愛小説"とあるが、何を指すのだろう? もしかしたら、2001年の『娼年』のことか。だとしたら、ボクは、圧倒的に『娼年』のエロティックな世界を支持する。同じゲーム業界の話なら、『アキハバラ@DEEP』の方が楽しめた。

スゴク楽しみにしていた作家の新作だったのだが、ブログやAmazonなどの書評子の評価は、はっきりと二分している。
ワイヤーフレームの張りぼての世界には興味はないし、フィギュアな女のコには魅力を感じないボクには、ちょっと平坦過ぎたかな。
同じく講談社からは、10月に『てのひらの迷路』、来年1月に『40』と続けて出版されるらしい。ボクは、次作以降に期待する。

■東京DOLL / 石田衣良■


white

たまたまなのだけれど、今年のボクは、白がマイブーム。
ボクは黒を着ることが多くて、夏でも黒のジャケットやパンツがベース。シャツやカットソーも黒が多い。
そこで、どこかに色を使うのだけれど、今年は、白がポイント。
特に白い革製品をチラチラ見かけるので、気に入ったものを購入している。

たとえば左上のお財布は、皮革職人・井戸崇史氏のハンドメイドでクリエイティブディレクター・佐藤可士和氏デザインの確か50個くらいの限定商品。白い革に赤い糸でステッチが入り、内側の革もすべて真っ赤。ネットのデザインショップで企画を見つけて受付と同時にクリック! 当然、すぐに売り切れた。無事に予約できたが、注文から納品まで、数ヶ月待って入手。
腕時計も300個だけのlimited editionで、シド・ミードのデザイン。シリアルナンバーも入っていて、普通、マニアはケースに入れて飾っておくネ(^^ゞ
netWALKMANのヘッドフォンも、白の革製のネックハンガー式。いつもクビからぶら下げて、MINMI、PUSHIM、サザンなど夏っぽい曲を聴いている。
身につけるモノではないけれど、インテリアも白を取り入れていて、この壁掛けの時計は、Ross McBrideデザインのグリッド・クロック 。白い壁に掛けると、グリッドにできる立体的な影の造形がとっても良い。

そんな時、CMで知った"ほっとけない世界の貧しさキャンペーン”のホワイトバンド。

貧困が原因で亡くなっている子どもが、3秒に1人。ほっておけないよね? だから、みんなで声をあげよう!という世界的なキャンペーンだ。
このキャンペーンのすごいことは、目的が寄付を集めるチャリティではなく、意識を変えていこうという点。事務局の言葉を借りれば、啓発活動の結果として「貧困をなくす政策をみんなで選択する」、ということ。世界の貧しさは、たとえ寄付が集まっても根本的な解決にはならないほど深刻で、まずは一人一人の意識改革をしよう、と訴えている。
だから一本300円の、このバンドの売り上げの一部も、直接貧しい子どもたちを救う医薬品や食料になるのではなく、各国の政府に働きかけていくための活動資金になるのだ。意図や運動については、キャンペーンサイトに詳しい。なるほど、と納得して、早速ボクも参加。
ネット経由、書店、タワレコ、Francfrancなどで販売しているのだが、品切れの店が多く、ボクは数軒を回ったり問い合わせたりして、紀伊國屋書店新宿南口店でようやく見つけた。
各国でデザインが異なるらしいが、日本のホワイトバンドには、3つのアスタリスク***が刻印されている。3秒に1人ずつ消えていく小さな命を象徴し、これからはその小さな命がかならず花開くように。

たった300円のシリコン製のバンドだけど、たまに街で見かけると、ちょっと嬉しくなる。服やアクセサリーで他人とかぶるのはイヤだけど、ホワイトバンドは特別。
キャンペーンサイトを見て、そして賛同できると思ったら、ホワイトバンドを身につけてみよう。半袖の夏、もっともっと多くのホワイトバンドに出会いたい。

ほっとけない 世界のまずしさ

Southbound

いいなぁ、楽しいなぁ。
こんな小説に出会えるから、次から次へと新しい本に手を出すことになる。

主人公は、小学生の男のコ。元過激派のグータラな父を持つ姉と妹、そして優しい母という家族を物語の中心に置きながら、日本の小説では希有と言っていいほどのスケールの大きさを感じてしまう。
ハリウッド的大作というわけではなく、心が自由気ままに解放されていく精神的な壮大さ。夏にふさわしい南風吹く、爽快な小説である。
“21世紀を代表する新たなるビルドゥングスロマン(Bildungsroman=人間形成の物語)、誕生!"と大げさな惹句を付けられているが、それも手放しで認めてしまおう。

500頁を超える2部構成の長編小説なのだけれど、誰でも一気読み必至。
ボクは、「おもしろい本、ない?」と聞かれることが時々あるのだけれど、その人の趣味とか、生き方とか、これまでの読書体験とかの情報がなければ、そう簡単にオススメなんかできるワケはない。ボク自身の趣味を押しつけて、がっかりされるのも悲しいし。
でも、これからは『サウスバウンド』は読んだ?とまず聞いてみようと思う。もしまだなら、ゼッタイこれね。小学生だろうが、リタイアした方だろうが、男も女も、既婚者も独身も、政治家も宗教家も、とにかく日本語が読める人すべてにオススメなのである。

本当はいつものように感じたこと、思うことを饒舌に語りたいところなのだが、この『サウスバウンド』に限っては、そんなことはまあいいや。
とにかく、おもしろい小説だったのだから。

奥田英朗を、直木賞受賞作『空中ブランコ』や『イン・ザ・プール』で読んだ人、それに『邪魔』や『最悪』でファンになった人、いろいろいると思うけど、『東京物語』や『マドンナ』、処女作の『ウランバーナの森』も素敵で、とにかく多才な作家だと思う。2年ぶりの長編となった本作もまたまた新境地を拓いて、もうボクは次作を楽しみにしている。


■サウスバウンド / 奥田英朗■


anego

オトナの女性たちが、男性について、恋愛について、本当のところどう思っているのか、それはボクたちにとって、大いなる関心事である。

身勝手な勘違いで分かったような気になっていた20代の思い上がった一時期を除いて、ずっと女のコの気持ちは謎だらけなのだから仕方がないのだけれど、25歳以上のいわゆるオトナの女性たちは、経験を積んだだけさらに謎が深まる。
恋愛に限らず日常の付き合いにおいても、自分自身もそれなりにオトナになって相手のことをおもんぱかる重要性が分かってくると、逆に中学生のように自信をなくし、根拠なく反省と後悔を繰り返すことになる。

たとえば、良かれと思って発したひと言に対する女性の反応に、思わず慌てることがある。いつでも、傷つけたくない、怒らせたくはない、と心から思っているのだから、不機嫌になって急に口数が少なくなったり、眉根に少しでもシワが寄ったりする否定的な反応には敏感なのである。時として、え?何で?どうして?何がいけなかったの?と本当に戸惑うが、そんなときにオトナの女性は、オトナの男に詳細を説明してはくれない。

『anego』は、“キャリア女性の恋愛バイブル”と銘打たれている。
本の帯によれば、丸の内OL(このカテゴリーがよく分からないが…)に大いに支持されたらしいこの小説には、つまり女性の気持ちが描かれているに違いない、と読み始めた。
すべての女性を十把一絡げにするつもりはサラサラないけれど、異性を理解するための一助となるのなら、努力を惜しまないのがオトナの男なのだ。

思いのほか、小説としておもしろかった。
三十三歳独身の主人公は、ファッションや体型にも気を抜かない見目麗しき一流商社勤務のOL。後輩からは姉御と慕われ、男性にもちゃんとモテる。
それでも心のどこかでゴールは結婚と信じている、いわゆる“負け犬”予備軍である。酒井順子氏の『負け犬の遠吠え』を読んでもさっぱり分からなかった女性のホンネが、より赤裸々に書かれているような気がする。
細かなエピソード毎に、おお!そんな風に考えるのか、とか、その行動にはそんな理由があったのね!とか、その言葉の意味はつまりそういうことだったのか…とか、とにかく、何となく分かった気になる男性諸氏のための“女性心理バイブル”のように思えてくる。

だがしかし、オトナの男は小心にして慎重なのだ。
それらを鵜呑みにはしない。林真理子を全面的には信用しない。なにせ、思春期突入以来、数々のマニュアルで勉強してきたにも関わらず、心ならずも傷つけ、怒られ、ヘソを曲げられてきたのだから。
女性は、この小説をどう読んだのだろう。未見だがドラマにもなった理由は、本当に“共感”だったのだろうか。信用して良いのだろうか、と疑心暗鬼になっているのもまた事実なのだ。

帯にはまた、“まさに、恋愛ホラーとも言うべき新ジャンルを確立した衝撃の長編小説。”とある。このキャッチを書いたのは、女性? “背筋まで凍り付くような…”とまで書いている。
どこがホラーなのか。もしかしたら、映画『危険な情事』を想像してる? 確かに恋愛経験としては、思わず(→o←)ゞあちゃーと叫びたくなるであろう「痛い体験」エピソード満載ではあるけれど、決してホラーなんかじゃない。確かにギョッとするラストではあるけれど、それは、純粋な恋愛の証のようにボクには思えた。もし、この恋愛の結末がホラーなのだとしたら、ボクはまだまだ女性の心理は分からないということ。素敵な恋愛小説として読んだボクは、間違ってますか?

■anego / 林真理子■

desk

夏休みを取る人が多くて、たまたま編集部にはボク独りになった時に、自分のデスクの写真を撮ってみた。ちょっと、説明。(写真は携帯写真を2枚連結。クリックして見てください)

1.会社で用意される書類ケースには、色気も何もないので、自前で購入。未決済の請求書や契約書の素案などが入っている。ビデオデッキは中古屋で購入。映像資料やテスト映像を確認するために使う。PCに繋がっていて、映像を取り込むこともできる。

2.PCの上には、これも自分で選んだペン立てやセロファンテープホルダー、海外の時間もベゼルを回せば一発表示する時計など。GMT(グリニッジ標準時)を指している。ネットで仕事をしていると、GMTは結構使う。

3.目の届くところに時計がないので、これも自分で購入。秒針が長いリボンになっていて、揺れながらグルグル回るのがかわいい 。丸いのは、凸面鏡。東急ハンズで素材を買って少しだけ加工した。編集室の入り口が背後にあり、また、上司の席も斜め後ろなので、仕事中に襲われないように設置(^^ゞ その下にあるチェキの写真は、ハワイ・ノースショアにある“サーファー横断中”の交通標識。お気に入りで異動をしても、いつもデスク前に飾っている。

4.メインで使っているPCは、編集者としてはちょっとオーバースペック気味のVAIO。プレゼンテーション用にデスクでチャチャッと映像編集をしたり、大量のMOVIEチェックをする必要があるのだ。もちろん高速専用線でネットに繋がっていて、メッセンジャーで社内外の友人とお喋りしてたりもする。コーヒーは、もちろんLサイズね。

5.珍しくExcelが開いてたりするが、これは下期の予算を作っているから。イチバン使うソフトは、メールを除けば、PowerPoint。画面の裏側で、NASA-TVのウィンドが開いてたりする。

6.メモはもっぱらメモ帳で。PDAや電子機器はほとんど使わない。そこはアナログ編集者。ボクは電車のなかや、時には歩いていても、思いついたらすぐにメモをとる。あとで読み返すとほとんどがボツだけど、たまに新しい企画に繋がるアイディアがあったりする。

7.日常的に使っているのはDoCoMoの携帯だけど、EZ-WEBでもコンテンツを作っているのでauの携帯を置いている。じつはボクのプロデュースするコンテンツが、EZの着ムービーカテゴリーで今週2位を記録。ムチャクチャに嬉しい。 スタッフ、パートナーたちに大感謝!

8.社内はオフィスの基準通りには明るいのだが、手元に影ができるのがイヤでスタンドも自分で用意している。夜、帰宅するときに忘れがちなサングラス 掛けにもなっている。

9.社内LANに繋がっている会社支給の業務用パソコン。経理や諸届けなどはこちらを使わなくてはいけない。インターネットにも繋がるのだが、セキュリティの関係上、ボクの手がける映像コンテンツなどは見られない…。ほとんどの人がこのPCしか使っていないので、つまりボクの作るコンテンツは社内では見られていない。トホホ。

10.鍵の束。取材先やモデル、タレントさんたちの個人情報や契約書などは、鍵のかかるロッカーに。また、プリントアウトした企画書やその他書類もデスクに入れて施錠する。そんなこんなで、いつの間にか複数の鍵を持ち歩くことに。。キーホルダーは、泥棒さん

11.カレンダーは、年末にたくさんいただくけど、やっぱり自分で選んで買ったものを使っている。これは省スペースで見やすくシンプルなので、自宅の書斎でも使用。月齢がイラストで書かれていて、そこが気に入っている。ちなみに今日は、ほぼ半月。

あまりにも編集者らしくないデスク。
なんと言っても、書籍資料や、紙の書類、原稿がまったくない。ボクだって、かつては崩れそうな原稿や資料の山に囲まれて、わずかなスペースで仕事をしていたけれど、ここ数年で自然にこんな感じになってきた。社内でも、こんなデスクはあまりないかも。

サラリーマンは、結構な時間を会社で過ごすことになる。だから会社のデスクは、より効率的に、より快適に。ホントは、机も椅子も変えたいし、電話機にも色気はないし、できれば熱帯魚の水槽でも置きたいなどと夢想するのだけれど、そこはまあ、周囲との調和も考えなくては、ね。
来週、編集部はビルを引っ越しする。自分の部屋ではないから、模様替えとはいかないけれど、新しい場所にデスクが設置されたら、また少し雰囲気を変えてみますか。

kosyuku no hito

この小説を読んでいるあいだ中、年相応の大人びた諦観と青臭い正義感が、アタマの中で喧嘩をしていた。いろんなことを考えた。考えさせられた。

だから、様々な書評で“泣ける!"とか“感動巨篇"とあっても、ボクはそういう小説ではないと思いながら読み進んでいった。
でも…、最後の最後で、泣かされてしまった。地下鉄の中で読んでいたのだけれど、ブワーッと涙が溢れてきて、慌ててサングラスを取り出して涙を隠した。

讃岐の小藩(丸亀藩がモデルだが架空の藩)に、大罪を犯した幕府要人が流されてくる。
これは妖怪と言われた幕臣鳥居耀蔵がモデルなのだが、共に史実とは関係なく自由な物語が展開する。
幕府の都合で押しつけられた形の厄介者はあまりの大罪ゆえに悪霊となり、小藩に人知を超えた災厄をもたらすとの噂が先走る。
実際に、流行病(はやりやまい)、天災などの不幸に見舞われるが、それを利用しようとする勢力もいて、為政者たちの様々な思惑が悪霊の名を借り、時に昔からその地を守る神様の名を借りて、日々を懸命に生きる子役人、町方、庶民たち、子どもたちを巻き込んでいく。

個々人の都合では回避できない政治の流れがある。現代ですらそうなのだから、江戸の時代、地方の小藩に生きる者にとって、その流れを変えることは不可能に近い。
それでも正義を貫くのか、真実を求めるのか。
宮部みゆきは、本来交わることのない庶民の階層と為政者側の人々を出会わせることで、人間的な繋がりを描き、官僚的な政治の“都合"を単純に“悪"と決めつけていない。
たくさんのエピソード、人の繋がりが語られているが、勧善懲悪の関係はひとつとしてないのだ。だから、悩みながら読んだ。だから、考えさせられた。

一気に読むことはできるけど、どっぷりと本格的な歴史小説に浸かってタイムスリップを楽しみながら、そして、宮部みゆき一流の優しいディテール描写を逐一イメージして、ゆっくりと時間を掛けて読んだ。
ボクには、ページの彼方にずっと瀬戸内の海が見えていた。
いろいろと考えさせられたけれど、
愛すべき人々がたくさん登場する、悲しくて、暖かくて、とっても素敵な小説。
架空の小藩、讃岐の丸海藩の今を訪ね、登場人物たちの墓参りをしながら、その後の町と海を見たくなった。郷土資料館には、庶民の歴史も残っているだろうか。

■孤宿の人(上・下) / 宮部みゆき■

Discovery

ボクの部屋には、さっきからずっと船外活動をしている野口 聡一宇宙飛行士とロビンソン宇宙飛行士とNASAの無線による映像と音声がLIVEで流れている。

ちょうど良いところで、画面をキャプチャしようと待っている間に、暗い夜のエリアから昼間のエリアに出てきた。宇宙ステーションは約90分で地球を一周しているので、短時間で昼夜が変わる。
キャプチャした写真は、ちょうどメキシコから北米上空を飛んでいるところだとヒューストンの管制官が言っている。影になって見えにくいけど、写真中央下の方に、横になって貼りついているのが飛行士。(クリックして大きくすると見やすいかも)
このあと、飛行士はペイロード(貨物コンテナ)から離れて、シャトルに移動した。

これを書いている間にも、野口さんたちはずっと作業を続けている。
昔、ニュース映像でみた宇宙遊泳のイメージは、ほとんどスローモーションのようだったのに、実際にはスゴク忙しそうに動き回っている。彼らは実際、宇宙ステーション(ISS)に仕事をしに行っているんだ…と、今さらながらに驚く。

もちろんすべて英語なので、断片的にしか理解できないのが残念なのだが、野口さんたちは7時間近い船外作業をほぼ終えて、いまちょうど用具を片付けているところ。ロープで繋がれている用具をひとつひとつ慎重に外して、ハッチから中に入れているようだ。なかなか細かい作業だ。

どうやら野口さんのヘルメットにもカメラが付いていて、忙しい作業の手元や宙に浮かぶロビンソン宇宙飛行士の姿も映し出される。また、宇宙ステーション側からなどいくつかのカメラを切り替えながら、作業の様子は克明に中継されている。見ているだけで緊張するので、時折、背後に映し出される地球の青さと雲の白さにホッとする。

NASAは打ち上げ準備の段階から、インターネットで映像を公開していて、日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)からリンクが貼られている。
JAXAのページには中継の番組表もあり、分刻みの作業予定、中継予定が分かる。
また、ミッションの詳細も報告されていて、たとえば、野口さんの今夜の夕食の献立が、照り焼きチキン、カレー、ご飯、トルティーヤ、タピオカプリン、パイナップル・ドリンク、スイートグリーンティーと、かなり無茶苦茶な組み合わせ、なんてことも分かって楽しい。

テレビのニュースでちらりと紹介される断片的な映像では、このLIVE中継の臨場感は伝わってこない。宇宙飛行士たちの、地球向けのサービスメッセージだけがクローズアップされるけれど、こっちの方がはるかに面白い。

あ、いまステーションに戻ってきた二人は宇宙服を脱ごうとしてる!

このあと、クルーは午前4時39分(日本時間)に就寝開始。
明日は、午後5時14分(同)から2回目の船外活動が予定されている。ディスカバリー号とISS間で物資輸送とか、故障しているコントロール・モーメント・ジャイロの交換とか、見どころ満載で午後11時44分までの予定。
帰還予定の8月7日まで、しばらくこの中継に釘付けになりそうな予感。

■NASA TVライブ中継 - JAXA
http://sts-114.jaxa.jp/live/index.html

■STS-114ミッションのページ
http://sts-114.jaxa.jp/index.html

■NASA - Return to Flight
http://www.nasa.gov/returntoflight/main/index.html

※中継は、NASA&Yahoo!米国経由の方がきれいでした! 音声もクリア。
●NASA - NASA TV Landing Page
http://www.nasa.gov/multimedia/nasatv/index.html