小説家は、言葉の魔法使いであって欲しい。
みんなが日常的に使う日本語を、
キーボードで打ち出すいつもの言葉を、
親指が交わす会話を、
魔法のように紡いで、新しい物語を生み出して欲しい。
たとえその舞台が見慣れた街でも、そこには、魔法の世界を創り出して欲しい。
時代の気配やニーズを盛り込むことも、それはそれで大切だとは思うけれど、それだけの小説には魅力はない。
小説家は、マーケッターではないのだ。
“4年ぶり、長編恋愛小説"とあるが、何を指すのだろう? もしかしたら、2001年の『娼年』のことか。だとしたら、ボクは、圧倒的に『娼年』のエロティックな世界を支持する。同じゲーム業界の話なら、『アキハバラ@DEEP』の方が楽しめた。
スゴク楽しみにしていた作家の新作だったのだが、ブログやAmazonなどの書評子の評価は、はっきりと二分している。
ワイヤーフレームの張りぼての世界には興味はないし、フィギュアな女のコには魅力を感じないボクには、ちょっと平坦過ぎたかな。
同じく講談社からは、10月に『てのひらの迷路』、来年1月に『40』と続けて出版されるらしい。ボクは、次作以降に期待する。
■東京DOLL / 石田衣良■