デジタル編集者は今日も夜更かし。 -12ページ目

デジタル編集者は今日も夜更かし。

出版社に在籍していながら、仕事はネット、携帯などデジタル企画のプロデュース。

もし雑誌をやっていたら記事にしたかもしれない様々なネタを、ジャンルにこだわらずコラム風に書いてみる。アナログ志向のデジタル編集者は、相も変わらずジタバタと24時間営業中!


ボクにとって春の訪れを決定づけるのは、沈丁花(ジンチョウゲ)の香りである。

夜遅く、住宅街を足早に帰宅するとき、ふとどこからか甘い香りが漂ってくる。
沈丁花だ。
この香りは不思議なことに、春一番が吹いてしばらくして気温が安定し、本格的な春が訪れると急に強くなる。胸一杯に深く香りを吸い込むと、仕事の疲れを忘れてしまう甘さだ。幸せな気持ちになれる香り。

背の低い沈丁花は、住宅の生け垣や塀のなかに静に佇んでいる。また、花そのものも、華やかなものではない。従って、街灯に頼る深夜の住宅街では、花を目にすることなく香りだけが漂ってくる。視覚に頼らないだけ、春の香りが際だつ。

沈丁花の花芽は、冬のただ中から膨らみ始め、節分の頃にはいまにも開きそうにも見える。しかし、頑固なほどに本格的な春の訪れを静かに待っているのだ。地味な姿形で、決して見た目で惹かれる春の花ではないが、芯の強さを秘めている気がする。

近所では、先週の後半から一斉に沈丁花が香りだした。
古い家、お年寄りも多い地域なので、沈丁花も愛されているのだろう。

愛犬・ソピアと散歩をしていると、街には、季節毎に、時間帯毎に、様々な香りが漂っていることに気が付く。
よく、肉じゃがだったり、カレーだったり、夕げの香りについて、エッセイや小説で街の香りとして表現されることが多い。実際に、夕方の犬の散歩ラッシュ時間には、むせるほどに家庭料理のメニューが匂いで交錯する。家々のたたずまいとともに、そこに暮らす幸せな生活を想像してみたりする。

最近、数ブロックを歩くと、必ず気づかされる匂いがある。その家庭の暮らしをイヤでも想像する匂いである。
それは、消毒薬の匂い。下水道が整備されている現在、嫌な匂いが街に流れ出ることはまずないけれど、清潔に保つための消毒薬は、思いのほか鼻につく。近くに医院もない住宅街に漂う消毒薬の匂いは、確証はないけれど介護の匂いだと推測する。
介護の必要な家族を、清潔で快適に保つための匂い。
それは十分に重たい匂いではあるのだけれど、夕げの香りと同じように、幸せな香りであって欲しい、と思う。年老いた家族を、思いやる家庭から放たれる街の香りであって欲しい、と思う。

沈丁花や、カレーや、洗濯洗剤の香りだけで街が成り立っているワケじゃない。
塀や扉の向こう側には、いろんな生活があるのだろう。
でも、春の期間限定だし、沈丁花がイチバン。幸せがイチバン。
暖かくなってきたから、窓、開けられるね。介護をしている家庭のなかにも、春の香りが流れ込んでいくと良いな。

年上の女性と恋愛する二十歳前後の若い男のコが一人称で語る小説を、立て続けに読んだことになる。
『天使の卵』、続編の『天使の梯子』(村山由佳)、『東京タワー』(江國香織)、そしてこの『人のセックスを笑うな』

主人公の男のコの年代を通り過ぎた男として、もしかしたら、女性たちに“裏切られる”夫やパートナーの立場で読んでいたのかもしれない。

同じような設定だけれど、結局、同じ事を書きたかったのかもしれないけれど、そこから感じとられる印象は、それぞれにまったく異なったものだった。

『天使の卵』や『天使の梯子』の世界は、夢に近い。あくまでも小説の世界。

ひたすら美しく進行していき、あり得そうにない『東京タワー』の恋は、本質的にはじつは世間では普通に繰り広げられている恋愛なのはないか、という気がする。ただし、キャストを俳優に置き換え、舞台を港区の高層マンションに置き換える必要があるけれど。

そして『人のセックスを笑うな』は、それをより現実に近づけたらこうなった、というリアルさがある。たとえば、主人公の男のコが夫の留守に初めて彼女の自宅を訪ねるとき、ふたりはたまプラーザの駅で待ち合わせ、スーパーに寄って夕食の買い物をする。ワインやチーズを買うのではなく、白菜、豆腐、プリン、春菊、ネギ、白たき、うどん、鱈! そして、こたつで紅白を見ながら鍋を食べるのだ。
ついて行けます? こんな39歳の女性と19歳の男のコの恋愛を、直視できますか?

でもね、なんとなく分かる気がするんだな。このふたりの気持ちの流れ。
主人公の男のコは、当初「人間関係は常に一対一だ」と思うことで、ダンナのいる39歳の女性と恋にのめり込んでいく。たとえ、夫が居ようが、年の差があろうが、世間がどう思うが、大切なのは、彼女と自分の気持で、それ以外の要素は必要ないんじゃないか、と。
もちろん、そうではないことを、39歳のオトナは知っているワケで、そんな自分の気持ちとの付き合い方も、分かっている。

生活感のある恋愛とリアルな感情の流れが、著者の透明感のある文章で、表層からはうかがい知ることのできない芯のある恋を表現していく。

読み進むうちに、実年齢39歳で、見た目も年相応の女性が、19歳の男のコの目にも、ボクにもいとおしく見えてくる。そう、彼らはお互いを人間として求め合っている。そこが、この小説に描かれた恋愛としてのリアルさだと思う。

Amazonのカスタマーレビューでは、散々に書かれてる。
でも、結論を言えば、面白い。ボクは、このふたりを祝福する。
小説に何を求めるか、恋愛に何を求めるか、によるとは思うけれど、でも、このふたりの恋愛を認めなくてどうする。


この小説を読むまで、ボクは、たぶんこれら小説の恋愛に嫉妬を感じていたのだと思う。
男として過ぎ去った年齢への嫉妬、裏切られる立場からの嫉妬。
そして何よりも、彼女や彼らの恋愛に参加できない嫉妬。
他の小説では分からなかった自分のなかにある嫉妬を、山崎ナオコーラ氏は気づかせてくれた。
神様でもないのに、他人の恋愛をとやかく言うな、人のセックスを笑うな。
そういうことだ。


人のセックスを笑うな/山崎 ナオコーラ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4309016847/ideabowl-22/

人が並ぶのには、理由がある。
美味いもの、限定品、新製品、先着順…
いまもきっと、どこかで誰かが何かに並んでいる。

行列をしている理由は様々だろうけれど、正直、ボクは並んで待つくらいなら他で同等のモノを探すし、諦めてそれ以外に興味を移すようにしている。予約が効くなら積極参加だけど。
だから、とっても残念なことだけれど、並ばなくては快楽が手に入らない東京ディズニーランドにまだ行ったことがないのだ…。きっと大好きになるハズだけど。他に楽しいことはたくさんあるサ、とやせ我慢をしながら。

土曜日、たまたま吉祥寺を訪れたとき目についたいくつかの行列。

まず、写真上、左から順番に。

この行列は、商店街のど真ん中にシステマチックに続き、たぶん吉祥寺でイチバン有名。その先には、松坂牛専門店の肉屋 サトウのメンチカツが待っている。人の通行を邪魔しないよう数メートルごとにガムテープでラインが引かれ、横切るための通路を確保している。昔は安くて美味いお肉屋さんのメンチカツ、だったのだが、いまはメディアで有名な絶品メンチカツになってしまった。ウチでは買い物のついでに、かつ並ばなくて良いタイミングで、さらにメンチカツが食べたい日にたまに購入。そんな風に購入したサトウのメンチカツは、うん、ちゃんと美味しいよ。


その隣の行列の先には、小ざさの最中
ココも行列大好き各種メディアで有名で、別格の煉り羊羹は、ほんのり甘さ控えめで、一本580円と格安で、一日150本限定、一人5本まで、毎日、朝8時半から整理券を配布、そのためにまた行列ができる…、と行列の要素がすべて詰まった逸品。常連客も多くて、まだシャッターの閉まっている商店街は、朝早くからお年寄りたちのサロンと化す。
だから、週末の夕方に並ぶ人は羊羹は手に入らない。小ざさの主力商品、最中を買うために並んでいるのだ。サトウの隣。
昔はお遣いものとしてたまに戴いた煉り羊羹だが、最近、とんとお目にかかっていない。


上列右の行列の先には、人気の回転寿司
行列と回転寿司と主婦の万引きが大好物なTV番組、フジテレビの『スーパー特報』の「東京限定!一万人が選ぶ絶品回転寿司ベスト20」(2002年8月1日放送)で1位となった廻転寿司 江戸前『まぐろ人』の吉祥寺店。本店は浅草。5人以上並んでいると後ろには付きたくないボクは当然入ったことはないが、噂では、平日昼間は空いているらしい。当たり前か。


下段左のブレブレ写真の行列は、2月21日に開店したばかりの麺屋武蔵 虎洞
行列が苦手という理由で、いわゆるラーメングルメの方々とは人生観の異なるボクだが、唯一食べたことなある有名店が新宿の麺屋武蔵。その5号店らしい。この店の前では、ボクの他にも携帯で写真を撮っている人たちが男女織り交ぜて数人(^.^)。ブロガーかな。。検索するとブログを中心に500件近くがヒットするが、あの人たちの写真もこの週末にUpされるのかもしれない。ラーメングルメ情報網恐るべし。


下段真ん中の行列の先には、写真右の鯛焼きがある。
ハモニカ横町にある一坪店舗、有職たい菓子本舗・天音(あまね)だ。
昨年11月に、中目黒オーガニックカフェのプロデュースで出店。歴史がウリになることの多い鯛焼き業界(?)にあっては、異端だ。
“たい菓子の焼きごては、東京オリンピックの聖火台を制作した鈴木家の方”
“型、パッケージ、ロゴデザインは、アーティスト井上文太(隆保)氏
人気のオーガニックカフェが仕掛けた和菓子としての鯛焼き、すなわち鯛菓子は、あんこは北海道十勝産小豆と沖縄の波照間島産黒糖のこだわりで、江戸の粋をデザインした型、包み紙だけではなく、味にもキッチュな雰囲気を醸し出す。
商品写真があるのは、決して並んで購入したわけではなく、オープン当初の大行列→売り切れ仕舞が一段落したガラガラ期に試したときに撮っておいた。パリッと薄い皮で小振りの鯛菓子は、黒砂糖のあんこの主張が強く、いったんイメージとしての鯛焼きを払拭しないと正当な評価はできない。美味しい。美味しいのだが、小ざさの煉り羊羹や最中のようなリピーターを獲得できるのか…、プロモーションによるコンセプトの徹底が鍵だと思っていた。久しぶりに覗いてみたら、行列が戻っている。定着し始めたのか、たまたまだったのか。甘いモノ好きとしては、このジャンルの広がりを期待している。


そんなこんなで吉祥寺の行列を眺めつつ、この日の夕食は、だ~れも並んでいない南口の『越南大食堂 MISS SAIGON』で食す。
ライスペーパーに海老、豚耳、香草などを自分で捲いて食べる生春巻、もちもちの食感が美味いハノイ蒸し春巻き、卵を使っていないのにふんわりとして口の中にほのかな生地の甘さが広がるベトナムお好み焼き、絶品の焼きベトナム麺などなどを注文。東南アジアの屋台のような気軽なお店では、カップルやグループや、日本人や外国人がベトナムビール“333/バーバーバー”を飲みながら楽しげにゆったりと過ごしている。
ボクはやっぱり、並んで待つことに時を費やすくらいなら、自分の足と目で“別の方法”を見つけたいな。その方が、快適。

ところで、昨日、土曜日の吉祥寺でイチバン長い行列の、その先にあったモノは?




吉64・花小金井駅(西武バス)のバス停でした。チャンチャン♪

一時期、ベンチャー企業の若い経営者やスタッフとよく遊んでもらっていた。お互いに忙しくなって最近はなかなか会えないが、MLやメール、ネットニュースなんかで消息を聞いたり見たりする。いま話題のあの企業の記者会見なんかに当時の遊び仲間が出ていたり。

ある飲み会で、会社を立ち上げたとき備品として必要なものは何か、という話題になったことがある。パソコンはもちろんだが、何よりもみんなが共通して“絶対必要なもの!”としてあげたのが『ホワイトボード』だった。

何はなくとも、ホワイトボード! ボクも、ホワイトボードは大好物だ。

会社の通常の会議では、事前に用意をしたレジュメを配布し、出席者はその紙に視線を落としながらひたすらプレゼンターの説明を聞く。

しかしボクたちのプロジェクトでは、プレゼンに限らず日常のミーティングでも、若いスタッフや、ネット系ビジネスに携わるコラボ企業の参加者が、普通に、気楽に、しょっちゅう席を立ってマーカー片手に熱弁を振るう。異論、疑問があるときは、その人間が立ち上がって、別のカラーマーカーでラインを引き、コメントをつける。
気が付くと、誰もテーブルについておらず、全員がボードの周辺に集まっていることもある。

そんな会議の結果は、概して成功の予感がするものだ。

プロジェクトのイメージを共有していくために、コンセプトを明確にしていくためには、なるべくあやふやな思いこみを排除していく必要があるのだ。ホワイトボードを使った会議を経ると、それぞれの役割分担に応じて、各自が責任を持って現場でブレのないジャッジが速やかに下せることになる。ビジョンを共有し、スケジュールを確認し、スピーディーな仕事に繋がる。

考えてみると、あうんの呼吸、とか、上司の意を汲む、とか、そんな時代ではないのだ。
社員旅行に出かけたり、終業後に揃って縄のれんをくぐったり、上役の引っ越しを手伝ったりして親睦を深める…。日本の企業は、日本という国はそうやって発展をしてきた。

先週の『サンデープロジェクト』で、ライブドアの堀江さんが田原総一朗氏のインタビューを受けていたが、その傍らにはホワイトボードが用意してあった。途中、堀江さんは田原氏に一言断って、ボードに企業経営者の責務について分かりやすく図を書き始めた。なるほど…といいつつ、田原氏もマーカーを手にして、堀江さんの図に、自らの理解が正しいかどうかを確認する意味で、さらにラインを引いていた。そういうことなんですよ、と堀江さん。そこで、初めて世代格差のあるふたりに共通の認識が生まれた。

時代の変化を象徴するシーンだな、とボクは思った。

選択肢も少なくあうん、で通じた世代と、帰国子女や外国人や異なる宗教や登校拒否や飛び級や、とにかく様々な個性に囲まれて育った世代の違いは大きい。7チャンネルしかなかった世代と、100チャンネルから番組を選べる世代の差だ。つまり、彼らには、フツーは、の普通は存在しないし、当然みんなは、の当然も、ない。そのことを知っているから、共通の概念を確認するためにも、ホワイトボードは必須なのだ。

編集部には小さくてAVルーム兼用の会議室があるのだが、スペースもなくていままでボードがなかった。だがホワイトボードになるマグネットシートを見つけて、アスクルで購入した。今日、若いスタッフとふたりだけで新しいコンテンツビジネスについての企画会議でシート型のホワイトボードはデビューした。ようやく一人前の会議室になったのだ。

いままでこの会議室では、まずテーブルに模造紙を広げてテープで留め、それをボード代わりに使っていた。この方法は、シリコンバレー華やかなりしころ、ネットビジネス創世記の当地で大活躍をした“ガズーバ!”の大橋禅太郎さんにヒントをもらった。
会議中、3色のサインペンを使い分けて、ボード代わりにどんどんとメモをとり、図を描いていく。向かいに座るスタッフも、自分のボールペンで、そこに反対側から書き込む。初出、初耳の言葉は、文字で書くことで思い込みがなくなる。プロジェクトのフローは、より分かりやすく、よりシンプルにまとまっていく。
この模造紙法の良いところは、会議終了後に、必要な部分を千切って持ち帰れること。
電話番号や、アドレスなどもチョコチョコとメモして、ビリッと相手に渡せる。

今日のミーティングで、また新しいコンテンツアイディアの卵が生まれた。
もしかしたら、大きく育つヒット企画になるかもしれない。
若いスタッフは、ボードに書かれた内容の一部を模造紙に書き写し、グワッシとテーブルからはがしてそのまま持ち帰った。
きっと、週末にはそれを自宅で広げて、さらにアイディアを膨らませ、具体化してきてくれるだろう。


ガズーバ!―奈落と絶頂のシリコンバレー創業記/大橋禅太郎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4844313967/ideabowl-22/


ひな祭りの菱餅(ひしもち)は“割ってお食べ”という。
端午の節句の粽(ちまき)は、“剥(む)いてお食べ”という。

昔の人々は子どものころからこうして、女のコと男のコ、それぞれのお祭りに、性器に似た形状の菓子で性についてそれとなく教えていた、という…。

おい、おい、ホンマかいな。
これは確か、中学か高校生のころにラジオでこっそり聴いた艶笑落語の枕で初めて知ったように記憶している。この話には言わずもがなの「だから白酒は、まるで…」という上品とは言えない続きがある。

今日はニュースで、京の古い雛壇に鍵の付いた寝所が備えられていて女のコに男女の機微を教えたと伝えていたし、まんざら根拠がないとは言い切れないが、いまだ確かな出典を見つけることができないでいる。

桃の花には、鬼をも祓う魔力があるとされる。これは、桃太郎の名の由来でもある。
菱餅の三色にも、縁起の良い紅白に厄を祓い造血作用のある薬草のヨモギ餅を重ねた、とか、紅の色は解毒作用のあるクチナシで染めたので、これも厄を祓い縁起がよいとか。

何だか縁起を担いでばかりいるようだが、ボクはなんとなく、雪の白→萌える草の緑→桃の花のピンクの三色、が素敵な解釈のような気もする。
休日でもないし女のコのいる家庭以外では、素通りしがちな桃の節句。でも、カラフルで華やぐ春を告げるお祭りだ。今晩は雪が降るみたいだけど。

*今日の写真は、菱餅と桃の花に、京都 夷川“豆政”の「京のさくらだんご」。柔らかなお団子に桜の葉が刻み込んであり、頬張ると口いっぱいに春の香りが広がる。黒蜜が添付されているが、それはお好みで。


飯島夏樹さんが、亡くなった。
最後の時を家族と過ごしたハワイで家族に見守られながら。享年38歳。


2回のドキュメンタリーと、一冊の著作、そして、ネットで連載されてきたエッセイ『今日も生かされてます』を通してしか彼を知らないが、本当に素敵な生き方を見せていただいた。

いまも、涙が止まらない。
それでも、彼が苦しむ姿を見てきたので、少しだけ、ホッとしている。
半端な闘病生活じゃなかった。

もしかしたら奇跡が起こるのではないか、とありもしない期待も持っていた。
奇跡を、願っていた。

寛子さん、お疲れさまでした。
子供たち、寂しさに耐えてください。素敵なお父さんの子に生まれて、キミたちは幸せでしたね。

ボクたちより少しだけ先に天国に行った飯島夏樹さんは、その生き様で多くの人に道を示してくれた。

ご冥福をお祈り申し上げます。

2月12日記事『天国で君に逢えたら/飯島 夏樹』

ネットショッピングをよく利用する。
本や家電だけではなく、ウインドウショッピングをするように、雑貨やステーショナリーを探しながら衝動買いすることも多くなった。
東京に住んでいるのだし、直接店をのぞくのも楽しいのだけれど、それだけでは出会えないものも多いのがネットの世界。

最近購入した写真の2点。
なんだか分かりますか?

左は、ゴミ箱。右は、スツール。

ゴミ箱“Bin Bin”は日本では楽天市場のブラウデザインでしか買えないらしい。
材質はポリプロピレンで、500個のミニチュアの模型を作って実際に手でつぶし、最も美しくつぶれた紙の模型を3次元スキャンしたCGから制作されたという。ゴミ箱らしいといえば、ゴミ箱らしい形で、でも、スゴク美しい。もったいなくて、まだ、何も捨ててない。
このゴミ箱は、残念ながらあっという間に売り切れ。時々サイトを覗くか、登録をしておかないとなかなか買えない。
製品はesseyというデンマークのメーカーで、デザインはJohn Brauer。

スツール【PRINCE AHA/小物入れ付きスツール】はフィリップ・スタルクのデザインで、イタリアのカルテル社の製品。これもポリプロピレン製だ。パステル調のグリーンやクリーム、ラベンダーなどの各色があるけれど、このホワイトは人気でいつも入荷待ちの状態。
スタルクデザインの時計や雑貨が充実しているNUTS(同じく楽天市場)で衝動買い。
43センチの高さはちょっと腰を下ろすのに便利だし、ソファの脇に置けばコーヒーカップを置いたりするのにもちょうど良い。

ゴミ箱は、6,800円、スツールは7,800円。安くはないけれど、リビングに置いたときの楽しさを考えると決して高価ではない。と、衝動買いを正当化(^^ゞ

*フィリップ・スタルクはフランスのインダストリアルデザイナーで、浅草のアサヒビール本社屋上に燦然と輝く金色ウンコ(“フラムドール”という)のデザインで有名な巨匠。彼がデザインした時計が好きで、これも何個か衝動買いしてしまった。
*携帯撮影の限界かな。製品の魅力は、それぞれリンクの写真を見てください。
*日溜まりで猫のように寝そべっているのは、愛犬ソピア。2月11日で満12歳になったおばあちゃん。とはいっても遊ぶのが大好きで、この時は「伏せ!」と命令をして撮影に協力してもらった。ガマンしてポーズをとっている。だから、よく見ると後ろ足は半立ちで、いつでも遊べるように構えている。可愛いい!


春になると、外遊びの虫がうずく。

キックボードにのりたい!

一時期大ブームになって、子どものおもちゃとしてかろうじて生き残っているキックスケーターではない。
スノーボードなどのメーカーであるK2が、「雪上の楽しさをアスファルトでも!」と、あのブーム以前に発売した三輪スティック付きのスケボーだ。キックスケーターと異なり、横乗りをして、スノボのような体重移動でカーブをする。

これが楽しいんだ!
一時期、自宅→駅、駅→会社をこのキックボードで通勤をしていた。電車のなかで迷惑をかけないように、専用ケースも自作した。
内緒だけれど、時々、高輪台から五反田へ片側4車線の国道1号線(桜田通り)の坂をイッキにスラロームするのが楽しみだった。もちろん深夜限定だけれど、頂上の赤信号で、クルマが停止したすきにシャーっと五反田駅前(交番から見えない当たりまで)までぐいぐい滑るのだ。
坂道だけではない。平らなアスファルトの道路でも、快適に滑る(走る)。わざわざゲレンデに行かなくても、あの滑降の楽しさを街で味わえる。いまでも、滑らかな路面、適度な坂道を見るとキックボードで走ってみたくなる。
愛犬ソピアが若かった頃は、散歩もこのキックボードででかけて、犬ぞりのように一緒になって走った。ソピアも、グングンと引っ張って走るのが大好きだった。

ボクは学生時代にスキー同好会に所属していたのだけれど、どうやら横乗り系が好きなのだ。
キックボードの隣にあるのが、ストウボード。3つに折りたたむことのできる横乗り系で、基本的にはスケボーみたいなもの。

最近、どちらも遊んでない。
ブームになってしまい、それが去ってしまうとどうにも時代遅れのような印象がして、気後れがする。それよりも、大のオトナは普通、街でこんなものに乗っていないものだ、ということにボクは気が付いてしまったのだ。

最近、オトナ雑誌の創刊が相次ぎ、遊べ、遊べと喧しいが、そんな雑誌にはキックボードはもちろん、スケボーすら登場しない。
キックボードは、すり減ったホイールを何回か換え、ベアリングもセラミックの良く回るタイプに交換、デッキの滑り止めも自作して、スプリングは強力なタイプにした。ハーレーダビッドソンはオトナの趣味といわれるのに、なぜスポーツ系の遊びはガキンチョ限定なのか。。

しばらく乗っていないうちに、K2はどうやらキックボードを手放したようだ。ホームページは、いまは後発のキックスケーターのメーカーのページになっていた。日本では、もう正規に扱っている店もないようだ。ストウボードも、日本ではもう手に入りそうにない。

専用ゲレンデがあるわけでもなく、スケボーやインラインスケートに混じってパークで遊ぶほど認知されておらず。
放置自転車のように迷惑をかけないし、コントロールもしやすくて街乗りには最適なんだけどね。

春だし、勇気を出して、また街に滑りだそうかな。
やめておいた方がいい?

・Kickboard
http://www.kickboard.com/
・STOWBOARD.com
http://www.stowboard.com/

ボクは水分のほとんどをコーヒーで摂取している(^.^)

朝は、機会があれば紹介したい探し続けてようやく出会えた巨大なマグカップ(だいたい普通のカップ6~7杯分)に、ペーパーフィルターで煎れたコーヒーを飲む。
出社途中に、ドトールでLサイズのホットコーヒーを買い、打ち合わせや食後もコーヒー、帰宅してからもとにかくコーヒー。

だから、安くて美味しい豆を大量に常備していなくてはならない。
いろいろ試して、ここ数年の購入先は楽天市場のコーヒー屋さんに落ち着いている。

会議中のVOLVIC以外、清涼飲料水やお茶の類はほぼ飲まず、常にコーヒーなので自宅でも一々煎れるのは面倒だったりもする。いわゆるこだわりのマニアではないのだ。
それで、夏はもちろん、冬でもアイスコーヒーを日常の飲料としている。リキッドコーヒーが便利なのだが、残念ながら、コンビニや大量市販のアイスコーヒーで気に入ったものが見つかっていない。
じつは、楽天市場の“コーヒー屋さん”で豆を購入する決め手のなったのが、同店で販売をしているリキッドコーヒーが絶品だったからなのだ。

コロンビアスプレモをベースにブレンドされた豆を2分間の蒸らしを経て、1リットルあたり80グラムを使って丁寧にネルドリップされているという。
とにかく味に透明感があり、ほのかな酸味が深入り豆の苦さとちょうど良いバランスを醸しだす。たくさん飲んでも飽きがこないし刺激も少ない。すーっとした後味が喉の渇きをいやしてくれるのだ。夏はもちろんだけれど、冬場の乾燥した室内にいると、同じように喉は渇く。

しかし、やはり“コーヒー屋さん”でも製造販売は夏季限定。最終販売の連絡をいただき、ギリギリのタイミングで無糖12本入り8ケース=96本を購入したのだが、そろそろ半年の賞味期限が切れる。家のstock本数はどうにか足りそうだけれど、あとは賞味期限との戦い。購入後半年が近づいて、少しだけ味が変わったような気がする。表示の期限も3月初旬で切れる。

たぶん6月くらいまでは、美味いリキッドコーヒーは手に入らないのだ。
どうしよう…。
どなたか、冬でも手に入る、美味いリキッドコーヒーを知りませんか?

東京タワーは、単なる電波塔でも観光スポットでもない。
ボクにとっては、特別の存在だ。

47年も前に建造されたのだから、新鮮さが薄れた333mの目立つ存在は、キッチュな扱いを受けた時代もあった。
のれんや、文鎮などおよそ実用的ではないものに図案化され、東京在住者には縁のない“東京みやげ”として浅草仲見世などで晒されていたものだ。

しかし、1989年1月1日、照明設計の第一人者、石井幹子氏のデザインでライトアップを開始して、一転、ボクたちにとっては特別な存在になった。
特に冬季のオレンジ色の暖かなライトアップは、ドライブやデートの借景として欠かせない小道具となったのだ。だからボクにとって、『東京タワー』と名付けられた恋愛小説には、特別な期待が膨らむのだ。映画化をきっかけに、読んでみた。

しかし残念ながら、だれか、ボクたちのために別の『東京タワー』を書いてくれないかな…、というのがこの小説を読んだ正直な感想。小説のタイトルは、商標登録はできない。

そういえばボクは、江國香織の小説を最後まで読み切ったことが、ほとんどない。魅力的なタイトルや描かれているテーマ、舞台は、大好物を予想させるものばかりなので、思わず購入してしまう。『きらきらひかる』『落下する夕方』『すいかの匂い』『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』など数十ページから数ページを読んだだけで積まれたままになっている江國作品は多々ある。読了したのはこの『東京タワー』の他には、直木賞受賞作の『号泣する準備はできていた』と『つめたい夜に』(ともに短編集)くらいだろうか。

人気のある作家だ。ドラマ化も多数。
いくつかの評判の良い作品を試してみても読み切れないというのは、やっぱり、肌に合う、合わないということがあるのかもしれない。

一生懸命に、この作品の魅力を探す。
夢、かな。
もしかしたら、ある種の女性たちの理想なのかもしれない。
もしかしたら、ある種の若い男性たちにとっても理想なのかもしれない。
彼らの間でだけ成立する“恋の極み”(宣伝惹起)…。
“いまのボク”にとっては、まるで羨ましくない関係性。だから、分からないのかもしれない。

とにかく、主人公の男のコと“いまのボク”は、友だちになれない。彼らを好きになれない。女性たちよ、若くて、ある部分でイノセントで、でも、無気力で覇気がない、こんな人形みたいに、活かされている少年たちを好きになってどうする。それじゃぁ、女子高生好きのオヤジと同じじゃないか…。せめて、男のコのリスペクトできる部分に女性たちが惚れてくれていれば、と思う。

オススメの本だけを紹介しようと思ったのに、『東京タワー』だったから…。
江國ファンの皆さま、ごめんなさい。もう、手を出しません。

東京タワー/江國香織
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4838713177/ideabowl-22/

*blogや映画評を見ていると、あまり江國的ではない寺島しのぶさんの評判が良いですね。
*夜景と本の組み合わせを携帯で撮影するのは、難しい…。自動販売機の灯りを背に撮ってみました。この撮影場所からみるタワーはとっても素敵です。そばを通りかかったパトカーが怪しげに徐行したけど。