カリフォルニアの建築家日記 -63ページ目

【バッチングの話】〜時間を生み出す方法 前編

「わぁ~。久しぶり! 本当。何年振りかねぇ。」

そんな会話から始まったランチ。

古典・水墨画のような景色が見えるレストランで
優雅なランチを経験できるのに、彼の携帯は次々となり続ける。

「今日はちょっと携帯お休みしてみれば?。」

「おっと。そうだったねぇ。 Dは携帯否定型だったか。。」


「いやいやぁ。そんなことはないよ。ただ使い方は個人個人だからねぇ。。」





【2005年 ロサンジェルス 夏】

朝起きると直ぐにメールチェック。

綺麗な「メールチェック中」のロゴが表示されたと思うと
着信98通。

「。。。。」


早朝から一通一通丁寧に返信する。


午前中、精一杯使って返信したメールは
ランチを食べ終わった頃には返信メールの嵐。


「毎日トレーニングすれば。。」


メール返信内容も効率よくなってくる。

“Good Morning“の挨拶もないまま、
ポイントだけを返信。。

「僕は社長だからいいかぁ。。」



“良い事柄も、悪い事柄も、
      集中したことのみ上達する”




「今日の返信は3時間でできたなぁ。。」

「今日は2時間半。。。」


返信をすることに集中すれば、どんどん早くなっていく。

効率がどんどん上がっていく。

効率が上がれば上がるほど
世界の渦巻きに吸い込まれていく。


90通が100通へ、

150通が200通へ。。



「おぉ。今日は204通。 ラッキー日か?!」


返信をすれば、また返信が戻ってくる。


社会はそんな僕を“仕事が出来る奴”と言っていたし、
自分でも“仕事量”をこなす奴が
“仕事が出来る人”と思っていたような気がするんだぁ。



「一日の間にどれくらいの仕事を積み込めるか?」

自分は“積み込みゲーム”のプロだった。

会議、電話、電子メール。

沢山の会議をこなし、電話を左腕から話さないようにして、
世界中のクライアントからのメールを全てタイムリーに返信する。。。

全てが消化したと思えば、
おまけは、食後のデザート(テキスト・メッセージ)。


どんなに効率を上げても、
世界のニーズは収まるばかりか膨れ上がってくる。




【印刷会社社長との会話】

ある日、
ハリウッドのクライアントと最終ブランディング・パッケージを印刷工場現場までチェックに行ったんだぁ。

決して環境には良くないシンナー臭い工場で
締め切りの確認の会話をしていたころ、
当時社長であったJさんと“効率”と“締め切り”の話で盛り上がったんだぁ。

「Dさんのパッケージは先週の金曜日にいただいたので
お届け日は2週間後の木曜日になります。」

「。。。でも、印刷は一週間でできるって言ってたよねぇ。。」


彼の話では受け取り日は週一回、木曜日収集。
木曜日以降、(金・土日)は次の週の木曜日から一週間という計算になる。


「そんなんじゃ、ものすごく効率が悪くない?」という自分の質問に、

「いやいや、Dさん、実は効率は良いばかりか、、効果が400%あがりましたよ。笑」



「。。。。。」



レスポンスが悪いばかりか、心理的に感じる時間が倍以上に思えるビジネス戦略。
なぜ、効果が400%に?  そんなのあり得ないじゃない?


「でも、確かに、僕もリサーチをして、友人の推薦などを考慮した結果、この場所を選んでいる。。。」


「もう少し、詳しく教えてよ。。」

その後、クライアントも巻き込み印刷会社オーナーをディナーをすることに。。


彼の話を聞いてみると納得できる。

彼は“プリントすること”が仕事である。
彼が携わるプリントはロスの中でも一流で、
クオリティー=“彼”となっている。

宣伝もろくにしない彼だけど、業界の中では知ってい人が知る人。

「そりゃぁ、沢山電話がなりましたよ。。  腕が上がれば上がるほど。。」

「印刷のレイアウトをチェックしている時に電話がなり、他のオーダーを確認して。。。」

「色合わせをしている時にまた他のオーダーがレイアウトチェクの時間だったり。。」


印刷といっても、沢山のプロセスがあり、一つ一つ、ステップを組んで1から10まで順番に作業をする。

仕事が増えるにつれ、通常朝レイアウトチェックをしていたオーダーにズレが生じて、
夜にまわす事にする。  

一つズレると全てに影響がでる。。

社会はそんな“ズレ”など気にすることなく、
朝、昼、夜と新しいオーダーが入る。

一つのオーダーをこなすのに1日で出来た事が、
5つのつのオーダーをこなすのに2週間かかってしまったという。

しかも、彼は当時より倍以上の仕事量をこなしていたというのに。。


三ヶ月後、大きな問題が発生する。
典型的な“ケアレス・ミス”だ。

オーダーAの作業1をこなす間にオーダーBの作業8を同時に進行し、
作業8が終わるころにはオーダーCの作業4を始める。

しかし、
オーダーCの作業4はオーダーAの作業2を得意とするAさんの仕事なので、
5分前に注文を受けたオーダーWの作業1を始めることにする。。。。


「これじゃ、間違いが起きるのは当然だよねぇ。。」

「しかも、もっと忙しくなってくる。。。」




【バッチングの誕生。】

この“ケアレス・ミステイク”(Careless Mistake)は1つではなく、2つ、3つ。
同じ間違いを社員が続けて起こす事になるのだが。。。


みんなも経験ないかなぁ?

一つの事をしている間に、他の仕事が入ってきて。。

ボスに不平を言うと、

「マルチ・タスクができなくてどうする!」


そうなんだよねぇ。

世間では、数多くの仕事を同時にこなし、
仕事をテキパキして行動する人ほど、
“頭が良く、仕事ができる。。”

「◯◯仕事術」なんて本も沢山見かけるぐらい。。。



「。。。。。やっぱり才能が。。。」

「これが“僕ができる精一杯の実力”。。。。」


開き直った社長Jさん。

もう一度、印刷作業に大切なプロセスを一から書いて従業員に伝える。

「今日から我々は変わる。」

「僕たちは印刷のプロであり、常に自分が出来るベストを尽くしてほしい。」

「世の中が僕たちに求めていることは、最高の印刷技術であり、(パッケージングも含む)、クオリティーの高い成果品を届けることだ。」


J社長は続ける。

「どんなに多くの仕事を受注しても
成果品に傷がついていては、みんなの努力が全て台無しになってしまう。。」

「今日から僕たちが世の中にクオリティーにかかる時間を教えてあげよう!」

周りにいる社員はそのスピーチがどのようなことだったのか
何も気づいていないようだったそうだ。。

「つまり、今日から、僕たちが世界をコントロールする。。。
            世の中のスピードに合わせる必要はない」


っというと昨夜書いたメモを机の真ん中に広げ、
ゲームプランを説明した。。

1 オーダーは24/7で、いつでも受注してください。
2 しかし、ファイルの受け取り日は木曜日のみ。
3 そして最初のステップ、(作業1)は必ず月曜日に行うこと。
4 一番大切な印刷作業(機械にかける事)は木曜日から土曜日まで。
5 例外は基本的に認めない。。


「それでは、お客様が火曜日に来た場合、仕事を開始するためには翌週の月曜日からという事になりますが。。」

「その通りだ。」

「そんな事をすれば、お客様に怒られますし、
   誰もオーダーなんてしてくれなくなります!」

マーケティング部にとっては納得がいかない内容だったらしい。


社長Jはニコっと微笑みながらこういったんだって。

「逃げられるお客はいつでも逃がしてあげなさい。。」


「今までは、お客さんのスケジュールで私たちの仕事をまわそうとしてきたよねぇ。 だから 一番精密な印刷機だって月曜から日曜までずっと回りっぱなし。。。」

「火曜日に突然必要になったと思えば、
突然発注がキャンセルして、土曜日まで使わないとか。。。」

「先週は水曜日からずっと回りっぱなしだ。。 メンテをする時間すらない。。」


「でも実際に印刷した量を見てみると、成果品は一日24時間まわし続ければ一週間分の印刷量をこなすことができる。。。」

「つまり、2日で2週間分の印刷成果品をプリントすることができるんだよ。」


「仕事に必要な作業を分割し究極まで貯めてから、必要なエネルギーを計量し、実行する。。」



「これを “
Batch Process”というんだ。」

※Batching Process(バッチ・プロセス)
Executing a series of noninteractive jobs all at one time

様々な作業を非相互作用的に集中して行い、一度で終了する仕事過程






つづく。




See ya


:D


【杭州市・西湖】 その2


【杭州市・西湖】
その2

 中国浙江省杭州市西湖
(Hangzhou / ハンジョウ)



今日はみんなに
プレゼント。






言葉で伝えるより、
見るほうが。。






きれいでしょう?


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うん。

本当に
きれいだなぁ。






See ya,


:D
 

【TAKEの使い方】

Okay, Okay....

最近、どこかのサイトで紹介されたのでしょうか?
Japanglish101の記事に関するリクエストをいただくようになりました。。

このコーナー。 実は目次を最初に造りコツコツ書いてきたセクションなんだけど、
なんだか終わりたくないような、「完成」させたくないようなぁ。。


とにかく、沢山のリクエストありがとう。


文法や学校で教えていることは僕より優れた先生方にお任せすることにして、
生きた英語の様々な使い方を紹介することがよいかなぁ。。




【Takeの使い方】


生きた英語の第一条件。

それは“難しい単語”を使わないこと。
つまり、簡単な言葉をいろいろな使い方で変化させることで
沢山の表現力をつける事なんだよねぇ。

その中でも誰もが知っていて、でも中々使いこなせない単語 “Take”


一日にどのくらい“Take”をつかうのだろうか?
それでは実験発表です。。


This machine doesn't take ten-thousand yen bills.
この自動販売機、一万円札が使えないじゃん。。。



I don't know which I should take.

どちらにしようかと迷ってるんだぁ。。



You must be crazy to take his words seriously.

あんな男の言葉を真に受けてるなんて、どうかしてるよ。。。



Which airline do you take?

航空会社はどれを使ってる?



Yeah, I'm often taken for a chinese.

ええ、よく中国人と間違われます。



Please take this way for V.I.P access.

VIP アクセスへはこの道を行ってください。



I should have taken your advice....

君の言うことを聞いとくべきだったなぁ。。



Well, I take this..

じゃあ、これ下さい。



I'm not gonna take a day-off, dude..

休みなんていらないよ。


※ be going to = be gonna (口語)



I took United 888 at 2-ishi to LAX.

2時頃発のユナイテッド888便でLAに飛んだよ。。



Take it easy

気楽にいこうよ。





みんなも、“Take”のさまざまな使い方。。

トライしてみて。





See ya,





:D



【杭州市・西湖】その1


【杭州市・西湖】
その1

 中国浙江省杭州市西湖
(Hangzhou / ハンジョウ)



西湖(シーフー)は中国、浙江省の省都
銭塘江 (せんとうこう) の河口に位置する。

南宋の都臨安の地で
大運河の南の起点。。。

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国家歴史文化名城にも指定されているこの場所は
上海から車で2時間、
南潯(ナンシュン)から約1時間
(やっぱり僕のドライバーは飛ばし過ぎ。。)


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この街の訪問は去年フランス・パリに滞在していた頃から
訪れたい場所#10にリストされていたんだぁ。


杭州。
Hángzhōu(ハンジョウ)と発音するけど、
日本語では「こうしゅう」とか「くいしゅう」って呼ぶらしい。



それでは少々歴史から紹介。


杭州の歴史

杭州は申国歴史文化の町として、
中国の七大古都の一つなんだったて。

4700年前の新石器時代から人類が生活していまして、
中国文明の発祥地の一つ。


2200年以上の歴史を持っていて
五代十国時代の呉越国と南宋時代の都としても栄えたらしい。。。


「ふ~ん。。。つまり昔から人が住みやすい環境にあるわけだ。。」



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 ~南宋の都~


1129年、宋の皇帝高宗は杭州に都を持ってきて、
140年間杭州を都としました。

南宋時代の都市発展は当時世界一で、
この頃の杭 州は440種類の商業を持ち、交易は盛んに行われていたという。

対外貿易も相当発達しており、
世界中 50カ国以上と友好往来と貿易関係を持っていたんだって。


酒屋、レストラン、旅館、茶館等のサービス業が繁栄して、
国内外から常に人々が訪問していた街。


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今日は早速、
“Urban Surfing”

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計画無しに歩く。

人の波をサーフする

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これは!
フランスで活用したVélib!!! (“ヴェリブ”:公共レンタル自転車)。

フランス語で“自由”という意味だったねぇ。

Vélib System をチェック
http://ja.wikipedia.org/wiki/ヴェリブ


パリのスケールを既に越え
チェックイン・ステーションが2倍以上設備されているという。

このシステムは世界中で急速度で広がっている。


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流石、中国
文化の街だねぇ。

自動車普及が増加する一方、
このようなシステムも中国はいち早く導入しているんだんねぇ。


関連記事を読む
http://ameblo.jp/e-volution/entry-10332296214.html



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常に沢山の人々が湖を訪ねる。


「これは。。。」

湖での噴水ダンス。


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ラスベガスのスケールより大きいなぁ。


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→関連記事を読む
http://ameblo.jp/e-volution/entry-10431048300.html


湖の周辺では沢山の人々が様々なイベントを楽しんでいるよ。


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これは。。


上海にある新天地のヴァージョン・アップといったところか。

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本当にきれい。

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水彩画を描きたくなってくるなぁ。
 


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有名なマルコポー口は杭州を
「世界で最も華麗な街」と称賛したんだって。


当時を創造してみると
その気持ちがわかるなぁ。。。




See ya,


:D




追伸:沢山にメッセージありがとう。

【Dear Tatsuya】~たつやが教えてくれたこと


「だいすけ兄ちゃんのように僕もなりたいんだぁ」

歳が12以上も違う自分にとって
従兄弟の達也は今でも小さな幼児のような印象がある。


生まれてから小学校時代までだろうか。。
母親が共稼ぎをしていたので幼児の僕と弟の世話を手伝うために
母親の妹(叔母)が常時家に来てくれていた。

物心がついた時から一緒だった叔母は、僕たち兄弟の頭の中では“姉”であり
「あさこ姉ちゃん」と呼んでいた。

実は小学生になってから、あさこ姉ちゃんは真の姉ではなかったと気がつくぐらい
兄弟にとってはとても近い関係だった。

高校へ進学した時はあさこ姉ちゃんも結婚し、二人のかわいい子供ができた。
兄、達也、そして妹の里美ちゃん。

高校時代は我ながら忙しく、
武道・スポーツやバンド活動に明け暮れていた自分にとって、
たまに朝子姉ちゃんの家に遊びにいっては、ピアノを借りて練習したくらい。

隣の部屋から兄妹の顔をちょこんと出して、自分の行動を観察しては、
マネをしたり。

遊んでもらいたいから、いろいろな方法を使ってこちらにアプローチしてきたっけなぁ。

時間が経つにつれ、手をつないでは、離さなくなったり。

近くの林に行っては、一緒に隠れんぼをした振りをして、
こちらは木の上で昼寝をしていたり。。


小さくていつもニコニコ笑う妹をいつも大切に守っていた兄。 達也。


数年後、自分はアメリカに渡り
全く違った生活をしている中、


母親から「達ちゃんもあなたと同じように剣道をがんばっているのよ」
なんていう手紙を読んでは、なんだか自分の事のように嬉しい気がした。


「彼もあなたと同じように一番になりたいんだって。。」





社会人になり、久しぶりに帰った日本。
ある日、あさこ姉ちゃんの家を訪ねた。
幼児だったはずの達也は、声変わりをしていて。
喉ぼとけがあるじゃないかぁ。。


なんだか弟に似ているような、
ちょっとした素振りが自分に似ているような。。



「やっぱり従兄弟なんだなぁ。。」




「だいすけ兄ちゃんみたいに、僕もアメリカにいきたいなぁ。」
「スゲー。僕も英語がしゃべれるようになりたいなぁ。」


「そんなの簡単だよ。 達也も将来大学にいって就職するのだから
その前に一度アメリカに来てみるといいよ。」



「ラッキー!うん。きっとアメリカに行くよ。。。」
「お母さん、お母さん、アメリカに行かせて~!」


そんなカジュアルな会話をかわしていたっけ。



年月が過ぎ、僕は独立しビジネスを順調に延ばしていた。
達也は大学3年生だといっていた。

「時間が経つのは早いものですねぇ。。」と敬語まじりな言葉を
ニヤニヤしながら話す達也はヒゲまじりに背まで高くなっていた。


「R204恒例のリトリート(社員旅行)のスケジュールと重なってるなぁ。。」

「それなら、達也も一緒に来ればいい。」

「でも日本語をしゃべる人は一人もいないからな。」



「はい! 僕もだいすけ兄ちゃんみたいに、実践・実験体験でがんばりマス!」

こうやって達也は就職前に初めてのアメリカ実験体験を経験する。



初日、ロスの空港でカリフォルニアの日差しに眩しそうな表情をする達也を迎え、
車の中でBegin with the End in Mindの話をした。

D
「僕も同じぐらいの歳にアメリカに来たんだ。 だから達也もこれから何だってできる」

「今回の旅は一生忘れないぐらい楽しい旅にしよう!」

「まずは旅の終わりに達也が感じたい感情を今決める事にしようよ。」


T
「旅の終わりを今、決めてしまうってこと? それってつまんないなぁ。。」



D
「ははは。旅の終わりに僕たちがここに帰ってくるでしょう?」

「そのとき、達也はどんな感情に包まれたいかなぁ?」

「その感情を今創造してみることが、今日からの時間を楽しむ“コツ”なんだよ。」


T
「。。。。はい。 とにかく。楽しくて楽しくて帰りたくない気持ち。。」

「それから。。英語がなんとなく話せるような気がする感覚。。。」

「。。。う~ん。それから、ちょっと自分にも自信がついた気分かなぁ。。」



D
「なるほど。。。 それは面白いねぇ。。”自信”かぁ。。」

「どうしたら”自信”がつくのかねぇ。。。。」



もう一つ彼と約束した。

D
「家までつくまで日本語。それからは緊急事態が起こらない限り英語で話すこと」


T
「いやぁ~!。だいすけ兄さん。。それはちょっと辛いっすよ。。。汗」



D
「達也。 本当にやりたいのなら、中途半端じゃだめだよ。」

「大丈夫。なんとかなるから。。。」



こうやって彼のアメリカ実験体験が始まった。
次の朝からは全て英語。


“おはよう”からトイレットペーパーまで、全て通じない。。

彼は当時の僕より確実に頭が良かったが、やはり最初は自分の留学経験と同じ。


“ただ、ひたすら。。。に・や・わ・ら・い・だ・け。。”
 笑



日本から持ってきた観光案内を取り上げて、
英語版のトラベルガイドを与えた。


英和辞書を取り上げて
英語版の類似辞典を与えた。


自分とはやはり年代の違いも考え、会話にズレが生じないように
会社に連れて行っては同じ年代に近いスタッフとまぜあわせるようにした。

結果、“アルバイト”としていろいろな手伝いをしてもらった。笑
(アメリカに来たのに仕事?。。。汗)

でも彼はコツコツと作業をこなしていた。。

基本的に照れ屋な達也は直ぐ自分の所に来ようとしたが、
自分のスケジュールを理由に彼をアメリカ人の中にどっぷり浸からせた。

かなり苦戦していたが、
社員旅行の週になるころにはパートナーのハービーの弟・ジェフと仲が良くなり、
自分には理解できない遊びやジェスチャーをしては、楽しく遊んでいるようだった。


“Work Smart, Play Hard”のキャッチフレーズを実際に実行するR204にとって
社員旅行は一年のクライマックスだった。

スタッフばかりではなく、スタッフの妻や夫、家族にとっても楽しみなイベントだった。


そんなクライマックスに達也は一人で飛び込んでいった。


その年は長距離を目指すのではなく、近郊で派手に遊ぶ。。コンセプト

カリフォルニア州のカジノ&リゾート、“MORONGO”を目指した。
Morongo Casino & Resort http://www.morongocasinoresort.com/

初めて体験する派手なギャンブル。。
アメリカ流のパーティー。(Rated R)


何もわからないまま、竜巻のようなエンターテイメントを
達也はなんのこともないようにニコニコ笑いながらこなしていった。


メインのディナーパーティーではR204恒例の「Lucky Birthday」。


当時、メイン・ディナーというと、社員+デート・付き添い。
合計すると軽く5-8千ドルを一晩で使ってしまう。

そんな中、レストランにビジネスを提供する変わりと言ってはなんだか、
ちょっとした“遊び”をしていた。。

ターゲットにした人物を当日誕生日ということにしてしまい、
レストランマネージャーにコッソリ伝えてしまう。

アメリカのレストランでは誕生日ということで特別なケーキや歌などを提供するが、
ターゲットにされた本人にとってはとても恥ずかしい経験となる。。。
というとても“バカバカしい遊び”だ。 

(レストランの関係者のみなさん、 ゴメンナサイ。現在はこのような事はいたしません。
又、みなさんも絶対にマネをしないで下さい。)



あの時のメイン・ディナーも同じだった。
当時グラフィック・デザイン・ディレクターのデニスが耳を触り合図をする。
彼らは達也を今夜の“えもの”にしたいらしい。。

自分もニッコリ、サインをして“GO”の承諾をした。


ディナーの後半、みんなもお酒、風陰気に酔い会話に盛り上がっていると

突然、

♫♪ Happy Birthday to you... ♫♪」

♫♪ Happy Birthday to you... ♫♪」


お腹いっぱいだから、絶対食べれ切れないはずの大きなケーキが
達也のテーブルの前に置かれた。

彼は何が起きたかわからないような顔をして
「オーマイ・ゴーッド!!」と言っていた。。




長いようで一瞬に流れさった時間。
達也を空港に送る時、
同じ質問をした。

D
「今、どんな気持ちかなぁ?」


T
「Now I know.. だいすけ兄ちゃん」

「一生絶対に忘れない旅だったよ。」

「それから。。僕、なんだか自信がついたよ!」

「カンフィデンスっていうんだよねぇ。。自信って。。。」




コンガリ日焼けした達也はそういって元気な姿で日本へ帰った。


「又来るねぇ。。」って言っては、
あんなに楽しみにしていた飛行機に乗りたくない表情をしていた。


数年後、彼は日本で就職した。
建材関係の会社に入り、一から頑張っていると聞いた。


東京で働く親父の事務所を訪ね、
「これからがんばりマス」と元気な姿をみせていたという。



それから一年。
達也は突然この世を去った。

若干22歳。
体に何も以上は無かったという。


ある日のお昼、いつものラーメンを食べると、
少々気分が悪いので当時勤務していた会社の寮へ戻ったとのこと。

彼はそれっきり畳に寝そべり目を開けることが無かった。




突如、日本へ飛び、空港から直接達也の親族が待つ場所まで向かった。
数年前、アメリカに遊びに来たはずの“達也”が
綺麗な布に包まれた小さな箱に入っていた。

周りには子供の頃お世話になった叔父さん、叔母さん、従兄弟、従姉妹が同じように年を重ねて座っていた。

あさこ姉ちゃんが涙が枯れた表情で僕の手を強くにぎった時、
不思議に涙がこぼれてこなかった。



2週間後、日本を去る前、
もう一度、達也に手を合わせに行った。

ご主人そしてあさこ姉ちゃんは10年歳をとった表情になっていた。

あさこ姉ちゃんは人生の目的を失ってしまったようだった。


「今、達也はこんな落ち込んだお母さんを見てもっと悲しがっていると思うよ。」

「達也のためにもあさこ姉ちゃんが頑張って生きなくっちゃ。」


無責任な言葉だったのかもしれない。
でも、僕にはそんな言葉しか残すことができなかった。



今日 達也が他界して3回忌、2年が経つ。

彼の部屋にはアメリカで知り合ったジェフと二人でとった写真や
いろいろなレストランの名刺やギフトの時計が未だ置いてある。




「又来るねぇ。」





「又来るねぇ。」っていう言葉を思い出すと沢山涙が出てくる。


突然、どこからともなく涙が止まらないぐらい押寄せてくる。


ずっと平気だったのに。


沢山、涙が出てくるんだ。。。



僕はあまり彼の事を知らないのに。。。


達也。 またアメリカに遊びにおいでよ。。。



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楽しい思いで。

ありがとう。

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In & Out Burger を食べる達也


僕は達也から命をわけてもらっているんだと思う。




D


【記憶を辿って】その4


【記憶を辿って】
その4

 中国浙江省湖州市南潯 
(Nanxun / ナンシュン)


カリフォルニアの建築家日記

なぜスケッチするのかなぁ?


スケッチは建築やデザインのスケッチだけじゃないだよねぇ。


「写真を撮ればいいじゃん?」

そうだよねぇ。

電気がある世界で
ロウソクの明かりで生活するなんておかしいものねぇ。


「Videoだっていいじゃん?」

動画は一瞬の“画像”よりもっと経験を録画できるし、
将来みても、その時の状況を鮮明に思い出すことができる。。



「スケッチは時間が掛かるしねぇ。」



確かに。。


写真やVideoから比べると遥かに時間がかかる。。


ではなぜ、わざわざスケッチするのかなぁ?。。



【スキャニング】

スケッチは描写とは違うんだよ。
スケッチって最小時間に、もっともシンプルに
大切な情報を表現するためにあるんだぁ。

だからソッコリに書かなくてもよい。


自分で見た風景を
自分がわかるように描けばよいだけ

だから見かけは関係ない。


一本の線で
わかるところだけ描いてみよう。


装飾もなし、
技法も関係なし。

構図?

そんなの後からついてくるから。。


身の回りを違う角度から見てみよう。

普段は空気のように見えなかった風景。

見方を変えただけで、
心の置き方を変化させただけで、

全てがとても綺麗に見えてくる。


スケッチする一本一本の線は
指先を通って頭の中に刻まれてくる。

画像、空気、音、
その時自分が置かれている心境まで

全てがスケッチに焼き付いてくる。



【スケッチする時】

見るだけではなく、
理解しながら描いている。

「ここは、こうなっているのかぁ。。。」とか、

「こんなところにこんな物が。。。」なんてねぇ。


だから覚え拓無くても、覚えてしまう。

デジカメのように、
一度に沢山の写真は撮れないけれど、
一度描いたスケッチは一生覚えている。


だから、
「困ったなぁ。。」
という時にアイデアとして生まれ変わるんだぁ。


どんなに綺麗な写真を撮っても、
どんな素晴らしいVideoを撮っても、
半年も経てば忘れてしまっている。

だから、
1000枚の写真を撮るより、
一枚のスケッチの方が効果あり。





アイデアが欲しい?

それならスケッチをする癖をつけてみよう。


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明日からではなく、
今日から。


“花”から描いてみる?






See ya,


:D

【記憶を辿って】その3


【記憶を辿って】
その3

 中国浙江省湖州市南潯 
(Nanxun / ナンシュン)

 

眠っている街・
南潯

この街はどこにあるのかなぁ?


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中国人民共和国

浙江省(zhejiang-sheng)

湖州市(Huzhou-shi)に属する

市街区(
Shìxiáqū )となる

南潯は
Nánxúnと発音する





この街に来てから
小さな音に気がつくようになる



この街に来てから
小さな花の香りに気がつくようになる



この街に来てから
何か大切なことを思い出させてくれたような気がする





同じ時間に生きているのに、
こんなに時間の流れが穏やかに感じるのはなぜだろう?



同じような食べ物を口にしているのに、
こんなに美味しく感じるのはなぜだろう?



同じお月様を見ているのに、
こんなに星が綺麗にみえるのはなぜだろう?






日が昇って目が覚める
日が沈んだら目を閉じる



こんなシンプルな生活もあるんだなぁ。




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Photo: D





See ya,

:D
 

【記憶を辿って】その2

 
【記憶を辿って】

中国浙江省
南潯

(Nanxun / ナンシュン)

すきま風が入ってきたり
壁を通して声が聞こえることがあるけれど

なんだかとても落ち着くんだよねぇ。

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ちょっと肌寒くて、

体いっぱいストレッチができない部屋だけど、


とっても落ち着くんだよねぇ。


カリフォルニアの建築家日記

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まだみんな寝てるから
音を立てずに降りてきたら、

小さなワンちゃんが待ってたよ。


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大きなワンちゃんも。

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僕をみてこの鳥さんは
「ニーハオ」だって。。



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早饭(Zaofan)は中庭で。

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庭にはニワトリがいて
卵をわけてくれる

野菜を作って、
育った分だけ食べる。

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隣人とピーナツを漬け物を
物物交換する。。

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街が起きる

外へ出てきては
洗濯、食事の準備、日光浴


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道に迷っている自分をみては、

食べながら外へ出てきて
教えてくれる。。汗


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「ここでも食べるか。。」
 



一つ一つの風景が
アートのように見える


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人と生活が自然ととけ込んでいるような。。。



今日も沢山歩いたなぁ。


やってきたのはこの街、
自慢のレストラン


入り口の側にある“福”の文字。。

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“福”の文字が上下反対なのは
福を取り入れるため。。


中に入ったら、“福”は正式に飾られていたよ。

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街をサーフしながら、
沢山のことを学んだよ。

街全体が学校であり、
住民全員が先生みたい。

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そして
さぁ~。やってきました。。

カリフォルニアの建築家日記 カリフォルニアの建築家日記

お決まりの乾杯を繰り返し

 
カリフォルニアの建築家日記


言葉は文化であり、
歴史はスピリットであり、

建築は人が使って初めて建築となる

建築は人と自然が会話する
言葉みたいなものなのかもしれないなぁ。


歴史・文化を保護するだけでは
何れ滅びてしまう

歴史・文化が育つ場所をつくるには?

歴史・文化を実際に利用して
常に発展させなければいけないよねぇ。


美術館を作るのではなく、
街全体を美術館にするのはどうだろうか?


カリフォルニアの建築家日記
photo: D




続く


See Ya,


:D

【記憶を辿って】その3 〜水の都



【記憶を辿って】

中国浙江省
南潯

(Nanxun / ナンシュン)


カリフォルニアの建築家日記

イタリア、Veneziaみたいな街だなぁ。

カリフォルニアの建築家日記

朝になるとみんな外に出てきて
日光浴。


今日はゆっくり街?(村)を散歩するねぇ。




See ya,


:D



※コメント、メッセージの返信が大変遅れております。
もう少し時間をくださいねぇ。


【今月のテーマ】4月

【今月のテーマ】

January 2010
“Raise your standard”
 常に自分の基準を上げること
http://ameblo.jp/e-volution/entry-10424987971.html


February 2010
Look for your hero!
  ヒーローをさがせ!
http://ameblo.jp/e-volution/entry-10449472348.html



March 2010
Power of Now
  ヒーローをさがせ!
http://ameblo.jp/e-volution/entry-10449472348.html



April 2010
“Ask and you shall receive.”
 問うものが受けとる

求めることは悪いことではないと思うなぁ。
綺麗になりたいとおもったり
お金がもっと欲しいと思ったり、
有名人になりたいとか、
名誉や権力が欲しくなったり。

求めるということは
生きる際の活力にもなり
「生きがい」となる。。




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http://ameblo.jp/e-volution/entry-10499572920.html