今夜の猫たちです。
【愛用しているノートPC ASUS(エイスース) X301A】
以前にも記事で書きましたが、愛用しているノートPC ASUS X301Aの画面がとうとうまともに表示できなくなってしまいました。
調子が悪くなる都度、分解して本体と液晶パネルをつなぐケーブルを差しなおしたりして、だましだましつかっていたのですが、いよいよ手の施しようがなくなりました。
4年半ほど前の2013年1月に購入したエントリークラスのノートPCなのですが、価格の割に性能の高いCPU(Pentium B980)を載せていてくれたおかげで、3D-CADや昨年から始めた3DCGイラストなどでの使用にも耐えてくれて、本当によく働いてくれました。
【Lenovo(レノボ) ideapad 310 AMD A12-9700P搭載機】
↑メーカーは違うのに兄弟のようなideapad 310(左)とX301A(右)
先週からほとんど画面が使い物にならなくなっていたX301Aの後継となるノートPCを探しました。
〇とにかく安いこと、上限は5万円…安さこそ正義です(;^_^A
〇現在のX301Aよりは処理速度が速いこと…3DCGイラストのレンダリング速度を上げたい
〇画面解像度はフルHD(1920×1080ドット)は欲しい…X301Aの1366×768ドットはさすがに狭い
という条件で絞って選んだのが上のLenovo製ideapad 310 AMD A12-9700P搭載機(←価格.comへのリンク)です。
メーカー直販サイトでの価格は49,486円(税込・送料無料)でした。
これまでが13.3インチの画面サイズで、今度は15.6インチなので一回り大きく、重量も1.5kgから2.2kgと700gほど重くなりました。
X301Aは台湾ASUS(エイスース)社製で、今回のideapad 310は中国Lenovo(レノボ)社製と、メーカーは違うのですが、見ての通りデザインはとても良く似ています。
米国HP(ヒューレット・パッカード)社のエントリークラスのノートPCもよく似たデザインです。
デザインで差別化を図るのはある程度価格の高いミドル~ハイエンド機ということなのでしょうね。
【謎のCPU AMD A-12 9700P】
低価格・高性能CPUのRyzenシリーズをリリースして、これまでパソコンCPU市場をほぼ独占していたインテルを青ざめさせているAMD社のAPU(AMDではグラフィック内蔵型のCPUをAPU… Accelerated Processing Unit という呼び方をしています)のA12-9700Pを、このideapad310では採用しています。
CPUの性能を測る指数として使われているpassmark値では、X301で使われているPentium B980が2056で、このideapad 310で使われているAMD A12-9700Pでは3841なので、約2倍の処理速度が期待できます。
このA12-9700PはAMD社のノートPC用APUとしては最新の第7世代APU(コードネームBristol Ridge)で、内蔵されているGPU(グラフィック専用チップ)も、インテルCore i7のそれよりも50%以上性能が高いといわれています。
そしてAMD製APUは同性能ならインテル製CPUよりもずっと安価です。
日本ではこのAMD製APUを採用したノートPCはきわめて少なく、第7世代APUを搭載したノートPCについて言えば、このideapad 310シリーズしか販売されていません。
※8月中旬にHP社より第7世代APU搭載のノートPCの新機種が発売されます
以前使っていたシャープのノートPC MebiusがAMDのSempron CPUを採用していて、当時としては価格に対して高いパフォーマンスを見せていたので、私自身はAMD社には悪くない印象を持っているのですが、欧米と違いインテル信仰が強い日本では大手メーカー製PCへの採用例が極めて少ないのが残念です。
【ideapad310のWindowsエクスペリエンス・インデックス】
※測定にはWinScoreSHAREを使用しました
純粋に計算速度だけで比較するのであれば上のプロセッサのスコアを見ればよいのですが、ここで7.5という数値が出ています。
この数値はノートPC用CPUインテルCore i5-6300Uと同等で、ミドルクラスノートPCのパフォーマンスをエントリークラスノートPCの価格できるAMD社のAPUのパフォーマンスの良さを見せてくれています。
実際にCore i5-6300Uを搭載した国産ノートPCだと、実売価格は10万円以上するので、外国製ノートという点を割り引いてもideapad 310のコストパフォーマンスは高いと思います。
【3DCGイラストのレンダリング】
3DCGイラストのレンダリング速度ではどうかと思い、以前作成したCGイラストのデータをASUS X301Aと同時に実行して比較しました。
【約2.5倍のレンダリング速度】
メタセコイア4で作成した3DモデルデータをRenderman 21.4を使いレンダリングしました。
〇総ポリゴン数145964面
〇解像度1280×720ドット
〇サンプリング数128
〇シェーディングレート1.0
〇ノイズ除去オン
上記の条件でレンダリングを実行したところ
ideapad 310→22分03秒
ASUS X301A→58分15秒
と、約2.5倍の速度でレンダリングが完了しました。
【ideapad 310とAMD A12-9700Pの総評】
ideapad 310のボディは高級感も個性もありませんが、白と黒のベーシックなカラーリングなので家庭や事務所でも悪目立ちすることはありません。
ボディはDVDドライブ内蔵なのにとても薄く、底面にはHDD、メモリへのアクセス窓があり、メモリの増設(最大12GB)やSSDへの換装も容易です。
キーボードもたわみがなく打鍵感も悪くありませんし筐体の強度も標準的ですが、デカい猫が上に乗ることにはちょっと不安があるので、今後はPCバッグに入れた状態で立てかけるようにします。
液晶はグレア(光沢あり)のフルHD(1920×1080ドット)で発色も鮮やかですが、周りからの映り込みがあります。安価なTN液晶なので視野角は狭く色再現性も決して高くはありませんが、この価格帯のノートPCとしては標準的だと思います。
筐体だけでなく、キーボードの打鍵感や液晶の発色傾向まで、これまで使っていたX301Aとかなり似ていて、テンキー付きのキーボードにまだ慣れていないだけでほとんど操作感が似ています。
これは機体の問題ではないのですが、Windows8.1からWindows10になり、さらにお節介度が増してきたのにはちょっとうんざりします。
なので不要なサービスやプレインストールソフトの一部はバッサリ切り捨てます。
AMD A12-9700Pプロセッサは期待通りの高性能です。
発熱がちょっと心配でしたが、レンダリング作業時もキーボード上面がほんのり暖かくなる程度です。
ノート用インテルCore i5(Uシリーズ)に迫るパフォーマンスを低価格で実現している質実剛健なプロセッサです。
Youtubeを見るとA12-9700Pを搭載したノートPCでも、結構3DCGバリバリのゲームが動いているので、内蔵GPUでもある程度の規模の3DCGゲームがプレイできそうです。
【CGイラスト・アニメに向いた機種か?】
はっきり言ってノートPCそのものがグラフィックワークには向いていません。
PCでCGイラストやアニメ、マンガを描きたいのならデスクトップPCに大量のメモリと外付けグラフィックボードを取り付けて、発色の正確なIPS液晶の大画面ディスプレイを使用すべきです。
ただし予算は15万~20万コースになります。
ノートPCや液晶一体型のパソコンは排熱の問題があるため、高性能なCPUやグラフィックボードを取り付けることができず、そのために特に負荷のかかる3DCGや3Dアニメには不向きです。
ただ、プロユースではなく趣味のレベルでの3DCGやイラスト、マンガ描きにはこのクラスのノートPCでも十分だと思います。
色は多少違っていてもよく、商業誌のように印刷用に高い解像度で出力するわけでもなく、締め切りはないのでレンダリングに十分時間がかけられる、という用途であれば、このクラスのノートPCでも十分に楽しむことができます。
ノートPCの最大のメリットはコタツで使えるということです。
いつでもどこでも作業ができるというのはデスクトップPCにはできない芸当です。
もし、ノートPCの買い替えを検討している方がいましたら、AMD製APU搭載機も検討に入れてください。
待てるようであれば、この秋にはAMD社からさらにパワーアップしたMobile Ryzen(モバイルライゼン)APUが登場します。こちらは演算能力もグラフィック能力もかなり強化されるようです。
安いからと言ってインテル社のCeleron(セレロン)やAtom(アトム)といったCPUを搭載したノートPCだけは選択しないでください。ネット閲覧とメール以上のことはできないものと思ったほうがよいほど低性能です。
インテルCPUであれば、Core i3以上のものでないと実用的ではないと考えたほうがよいです。
ですが新しいPCにすると環境の再構築が面倒です(>_<)