今朝は、近所の商工会議所に行き、個人事業の開業に関するノウハウをいろいろと聞きに行ってきました。
ひとまず、サラリーマンを辞めた方の場合は、年金や国民健康保険などの各種変更手続きと合わせ、個人事業主としての届け出書類も、来年の確定申告の前まで(年内)には行っておく必要があります。
個人事業主となった場合は、青色申告でしてもいいし、もちろん白色申告のままでも構いません。(白色なら複式帳簿を作る必要もナシ、税務署のチェックが青色よりはあまり入らないのがメリット)
ただ、いずれ法人化を目指すだとか、家族や知人等を専従者として形式上にも雇ったり、給与等や備品購入や事務費、交際費等を必要経費にするなどの事業メリットで考えると、青色にするというのもメリットとしては、確かにあります。(そのかわり税務署にきちんと収支を見られます・・・)
請求書や領収書など、税務署にきっちり収支を報告しないといけないのが、若干のデメリットかもしれません。また、それなりの収入規模や利益が出ていないと、手間がかかる割に、減税メリットも薄いのが欠点です。
白色のメリットとして言えるのは、請求書や領収書のようなものが申告時に完璧に貼り付いてなくても、申告は大体は受け付けてくれます。
中には個人で使った経費なのか、事業として使った経費なのか、あいまいそうな人もいるようですが、なにせ白色の方は年金受給者などが激増しており、その数が多過ぎて、全ての領収書の類を税務署が一つ一つつぶさに会計書類を把握しきれません。
ギリシャみたいな国を例に出すのは適切ではないかもしれませんが、彼の国は収支報告なんてまるでやっていないような個人事業主がほとんどです。いかに税務署に収支を見られない様にして自分のビジネスをうまく秘密裡に展開するかに人生を懸けている人もいるくらいなのです。(=脱税天国)
もちろん日本国内でも、「税理士は税務署の手先だ!」とのたまい、「事業の収支や会計など、自分の内側で処理を済ませるものであり、税理士や税務署などに明からさまに見せるべきものではない」というちょっと変わった考え方を言う人もいます。
それは国の特別会計を例に出せば分かりますが、一般会計は表に明示されていても、特別会計はきちんと明示されていないことが多いですよね。
特に「重要な収支」というのは「あまり表に出さない」というのも、国の特別会計を見ればすぐ分かります。(裏帳簿)
また、複式簿記などの記帳も個人ではやや面倒で、会計処理を税理士に任せるということまですると、減税分と必要経費で相殺されてしまう面もありますね。(決算期だけ税理士に任せるという方法もありますが)
もっとも国の特別会計でも、複式簿記などは採用していません。それを公にしたら、どこに資産があるのか国民に明確になり、それを売っ払え!などと消費増税議論に多大な影響を与えてしまうからです。
と、それはともかくとして、純・利益が年1000万円を超える辺りになれば、個人事業主でも法人化をしていくのがメリットがあるということです。
まずは2~3年ぐらい、青色申告で経験を積んでみて、今後の税制改正や法人税減税などの措置が取られた場合には、減税メリットが大きければ法人化するというのも、一般的で現実的かもしれません。
今後に事業拡大のために、各種公庫や信用金庫、商工中金など、事業融資を利用しようという場合に、まず青色からでも2~3年着実に利益を上げて、事業継続性が高いことを証明しておけば、その後の事業相談の応用もやりやすくなるでしょう。
ただし、個人的な会計処理でとどめたいという意図により、敢えて白色申告で進めるという方法も考えられますので、この方式でいく場合には、事業拡大は融資よりも自己資金で押し進めていくことになるでしょう。(もちろん後から法人や青色にするのでも可能でしょうが)
よく「株式会社を上場するか、上場しないか」という資金調達の議論にも似ています。しかし、公や市場に収支を回すとなれば、コンプライアンス遵守になるのは当然であり、会計や決算処理を税理士に厳重チェックの上で、きっちりとやらないと、税務署からお咎めが来るかもしれません。