37話 公園でスズメバチ大パニック!笑撃の巣退治作戦
初夏の公園は、緑が眩しく、鳥のさえずりが心地よく響いていた…はずだった。しかし、今は阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。
「ひぃー!スズメバチの大群だー!」ハナちゃんは、いつもの元気はどこへやら、ヨシダさんの後ろに隠れて震えていた。
「こりゃ、タダごとじゃないぞ…」ヨシダさんも、普段の威厳はどこへやら、必死にスズメバチを追い払おうと、持っていた新聞紙をブンブン振り回していた。
「ギャー!スズメバチが多すぎるー!」チヨは、スマホを落とし、右往左往していた。
そして、公園の隅に佇む自販機、タカシ。普段は冷静沈着な彼も、今日は様子がおかしかった。
(…緊急事態…スズメバチ…駆除…アイテム…検索…)タカシは、カタコトの音声で呟きながら、自販機の取り出し口から、ありとあらゆるものを吐き出し始めた。
出てきたのは、殺虫スプレー、防護服、煙幕発生装置…だけではなかった。なぜか、巨大なハエ叩き、熊のぬいぐるみ、そして大量の激マズ缶コーヒー、そして巨大な網まで出てきた。
「って、タカシ!なんでこんなものが出てくるのよ!」ハナちゃんが叫ぶと、タカシはカタコトで答えた。
(…データベース…誤作動…)
「誤作動ってレベルじゃないわよ!熊のぬいぐるみでどうやってスズメバチ退治するのよ!」チヨがツッコミを入れた。
そんなドタバタ劇の中、スズメバチの攻撃は激化し、公園は完全にパニック状態となった。
「こうなったら、作戦を立てるしかない!」ハナちゃんは、震える声で叫んだ。「ヨシダさん、煙幕でスズメバチを混乱させて!チヨちゃんは、何か方法でスズメバチを追い払って!タカシは…その…えっと、自販機から何か役に立つものを出して!」
(…了解…)タカシは、カタコトで答え、自販機の機能で何か役に立つものを探そうとした。
こうして、笑撃のスズメバチ退治作戦が始まった。
ヨシダさんは、煙幕発生装置を噴射したが、煙が風で流され、逆に自分たちが煙に包まれてしまった。
「ゴホゴホ…こりゃ、たまらん…」ヨシダさんは、涙目で呟いた。
「ヨシダさん、煙幕のつもりで燻製でも作ってるんですか?スズメバチじゃなくて、私たちが燻製になっちゃうわよ!」チヨがツッコミを入れた。
チヨは、持っていたスマホから高周波の音を出し、スズメバチを混乱させようとしたが、スズメバチたちは全く動じなかった。
「全然効かないじゃないのー!」チヨは、スマホを投げ捨てた。
「チヨちゃん、そのスマホ、スズメバチにはモスキート音にしか聞こえなかったんじゃない?」ハナちゃんがツッコミを入れた。
タカシは、自販機の機能でスズメバチ対策に役立つものを探したが、データベースの誤作動により、次々と珍妙なアイテムが出てくるばかりだった。
(…巨大扇風機…効果…不明…)(…大量の風船…効果…不明…)(…激辛ソース…効果…不明…)(…巨大な網…効果…不明…)
「タカシ、もういいから!その激マズ缶コーヒーでも飲んでて!って、飲めないんだったわね!そして、その巨大な網は何に使うの?」ハナちゃんがツッコミを入れた。
ハナちゃんは、あまりのドタバタ劇に、笑うしかなかった。しかし、笑っている場合ではなかった。
「もう、こうなったら…」ハナちゃんは、覚悟を決めた。「私がスズメバチの巣を叩き落とす!」
ハナちゃんは、公園にあった長い棒を手に取り、老木の洞にあるスズメバチの巣に近づいた。そして、タカシが出した巨大な網を棒の先につけ、巣を覆うように被せた。
巣は網に覆われ、スズメバチたちは飛び出してきたが、網に阻まれ、ハナちゃんたちに近づくことができなかった。
「くらえー!スズメバチめー!」ハナちゃんは、叫びながら、殺虫スプレーを網の中へ噴射し続けた。
ついに、スズメバチたちは全滅し、公園に平和が戻った。
「やったー!スズメバチをやっつけたぞー!」ハナちゃんは、両手を上げて叫んだ。
ヨシダさん、チヨも、疲れ果てていたが、笑顔でハナちゃんに拍手を送った。
「しかし、まさかハナちゃんが巨大な網でスズメバチの巣を覆うとは…」ヨシダさんは、感心したように言った。
「ハナちゃん、あんた、本当にすごいわ…」チヨも、感心したように言った。
タカシは、自販機から大量の激辛ソースを出しながら、心で呟いた。(…ハナ…最強…激辛ソース…プレゼント…)
「タカシ、その激辛ソース、誰が飲むのよ!って、あなたも飲めないんだったわね!」ハナちゃんがツッコミを入れた。
こうして、公園のスズメバチ騒動は、ハナちゃんの活躍によって幕を閉じた。しかし、タカシの自販機から出てきた大量の激マズ缶コーヒーと激辛ソースは、誰にも飲まれることなく、公園の隅に積み上げられたままだった。そして、巨大な網も、公園の遊具に引っかかったまま、風に揺れていた。
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