忠左衛門とのんびりライフⅡ -29ページ目

公園の主は喋れない


 

36話 公園と家出少女と心の虹!


 


初夏の公園は、緑が眩しく、鳥のさえずりが心地よく響いていた。ハナちゃんは、いつものように元気いっぱいに公園を駆け回り、ヨシダさんはベンチで日向ぼっこ、チヨは木陰でスマホをいじっていた。そして、公園の隅には、いつもと変わらず佇む自販機、タカシがいた。

「あれ?あそこにいる子、一人ぼっちで寂しそうじゃない?」ハナちゃんが、公園のベンチに座り、俯いている少女、サキに気づいた。

「ほんじゃ、ちょっと話しかけてくるかのう」ヨシダさんが立ち上がり、サキに近づく。

ヨシダさんはサキの隣に腰を下ろした。

「こんにちは、お嬢ちゃん。何か困ってるのかね?」ヨシダさんが優しく声をかけると、サキは顔を上げ、不安そうな瞳でヨシダさんを見つめた。

「…別に、何も」サキはぶっきらぼうに答えたが、その声は震えていた。

「もし、何かあったら、ワシたちに話してみるとええ。ワシらは、みんなおせっかいじゃからのう」ヨシダさんが笑顔で言うと、ハナちゃん、チヨもサキの周りに集まった。

「そうだよ!私たち、みんなで力になるから!」ハナちゃんがサキの手を握り、励ます。

サキは、意を決したように、自分の身の上話を始めた。

「…私、家族と上手くいってないんです。特に、お母さんと。いつも私を責めるんです。『あんたはダメな子だ』って。『もっとしっかりしなさい』って。でも、私だって頑張ってるのに…。将来のことも不安なんです。何をしたいのか、何ができるのか、全然分からなくて…」

サキは、目に涙を浮かべながら、自分の悩みを吐露した。

「学校でも、友達とうまくいかないんです。みんな、私のことを『変わってる』って言うんです。一人ぼっちでいるのが楽なんですけど、本当は、誰かと一緒に笑いたいんです。でも、どうすればいいのか分からなくて…」

サキは、孤独と不安に押しつぶされそうになりながら、言葉を続けた。

ハ「そっか…辛かったね」ハナちゃんがサキの背中を優しく撫でる。

「…ありがとう」サキは、少しだけ表情を和らげた。

「よし、それじゃあ、元気を出してもらおう!」ハナちゃんが手を叩き、提案する。「タカシ!何か温かい飲み物とか、美味しいものある?」

自販機、タカシは、いつものように豊富な品揃えで応えようとした。しかし、なぜか出てくるのは賞味期限切れの缶コーヒーや、見たこともない色の謎のドリンクばかり。

(どうなってんだ、俺の機能!?さっきまでちゃんと動いてたのに!)タカシは内部で焦り、機能の再起動を試みる。

「仕方ないのう。ワシが何か面白い話でもしてやろう」ヨシダさんは咳払いをして、話を始めた。「ワシの若い頃はのう…」

しかし、ヨシダさんの話は、昔の武勇伝や自慢話ばかり。サキはうんざりした表情で、ハナちゃんは苦笑い、タカシは機能の再起動を試み、チヨはスマホで霊界の情報を調べていた。

「ちょっと、ヨシダさん!話が長すぎるよ!」ハナちゃんがヨシダさんの話を遮る。

「霊界の情報によると、サキちゃんの未来は…」チヨがスマホの画面を見ながら、話し始めた。しかし、その時、霊界の住人たちが次々と現れ、騒ぎ始めた。

「お前ら、今は忙しいんやから邪魔せんといて!」チヨは霊たちを追い払おうとするが、霊たちはチヨの周りを飛び回り、騒ぎを大きくするばかり。

公園は、カオスと化した。ヨシダさんの武勇伝はますますヒートアップ、チヨは霊たちに囲まれ、サキは俯いたままだった。タカシは、機能の再起動に苦戦していた。

「もう、めちゃくちゃだよ!」ハナちゃんは頭を抱え、叫んだ。「みんな、ちょっと落ち着いて!今はサキちゃんの話を聞くのが先でしょ!」

ハナちゃんの言葉に、ようやくみんなの動きが止まった。サキは、戸惑いながらも、自分の悩みを打ち明け始めた。

「私…どこにも居場所がないんです。家族も、友達も、誰も私のことを理解してくれない。将来のことも、何もかも不安で…」

サキの言葉に、ハナちゃんは優しく語りかけた。「サキちゃん、大丈夫だよ。私たち、今日会ったばかりだけど、サキちゃんの話、ちゃんと聞いてるからね。それに、ヨシダさんもチヨちゃんも、タカシも、みんな優しい人たちだから、きっとサキちゃんの力になってくれるよ!」

ハナちゃんの言葉に、サキは少しずつ心を開き始めた。その時、タカシの機能が突然、正常に戻り、光り輝き始めた。

(…やっと直った!)タカシは内部で安堵し、温かいココアと、美味しそうなサンドイッチを出す。

「あれ?さっきまで変なものしか出てこなかったのに…」ハナちゃんが不思議そうに呟くと、ヨシダさんが言った。

「もしかしたら、お嬢ちゃんの心が通じたのかもしれんな。ワシらの熱意が、自販機に伝わったんじゃろう」

ヨシダさんの言葉に、ハナちゃんは笑顔で頷いた。「そうだ!みんなで温かいココアを飲んで、美味しいサンドイッチを食べよう!」

みんなでココアを飲み、サンドイッチを食べていると、サキの表情が少しずつ和らいでいった。

「ねえ、サキちゃん。何かやりたいこととかない?」ハナちゃんが尋ねると、サキはポツリと呟いた。

「…綺麗な景色が見たい」

サキの言葉に、ハナちゃんは提案した。「それなら、夕焼けを見に行こう!この公園から見える夕焼けは、すごく綺麗なんだ!」

みんなで公園の丘に登り、夕焼けを見た。サキは、生まれて初めて見る夕焼けに、目を奪われた。

「…綺麗」サキは、感動のあまり、涙を流した。

その時、チヨが霊界の住人たちを連れてきた。「サキちゃん、見て!あれは、霊界の虹やで」

空には、七色の美しい虹がかかっていた。それは、霊界と人間界を繋ぐ虹だった。

「この虹はな、希望の象徴や。サキちゃんの未来も、きっと虹のように輝いてるわ」チヨが優しく語りかけた。

サキは、虹を見つめ、自分の未来に希望を感じ始めた。ハナちゃんたちは、サキの背中を優しく押し、サキは、笑顔で公園を後にした。

公園に、いつもの穏やかな時間が戻った。タカシは、機能が正常に戻ったことを確認し、新商品を追加しようとするが、またもや謎のドリンクが出てきた。

(俺の機能、どうなってんだー!)タカシの内部で叫び声が響き渡るのであった。

 

 

37話 只今編集中(しばらくお待ちください)

 

忠左衛門とのんびりライフ

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1話 俺はなに?俺はどこ?なんじゃこりゃー!

2話 公園の噂と、困ったじいさん

3話 消えたお弁当と、爆笑!勘違い大作

4話 雨上がりの虹と、見つからない宝物

5話 自動販売機、意識あり

6話 熱中症にご用心!自販機、緊急事態発生!

7話 動けない俺と爆笑!恋のキューピッド大作戦

8話 夜の公園と、爆笑!謎の夜間徘徊者

9話 ボールはどこへ消えた!?自販機探偵、華麗なる(迷)推理!

10話 あの頃へ…? タイムスリップ大作戦!…って、?

11話 謎の箱、現る!…一体何が入ってるんだ!? 爆弾…じゃ

12話 星空からの訪問者と、言葉の壁(1)

13話 星空からの訪問者と、言葉の壁(2)

14話 いつもの公園と、現れた小さな芸術家

15話 夜の響きと、心に響くリズムの巻

16話  公園に現れた、色彩の記憶

17話 犬になった親友と、自販機の受難と友情?

18話 自販機パニックと、機械オタクの来襲

19話 自販機せんせい、勘違いとジュースの嵐、そして伝説

20話 春爛漫!自販機せんせい、桜の下の奇跡

21話 初夏爛漫!鬼ごっこと秘密の花園、そして自販機の辛口

22話 自販機せんせい、ワールドワイドデビュー!?

23話 キクエさんの忘れ物~自販機、まさかの再会!?~

24話 公園に現れたタイムトラベラー~自販機

25話 公園の秘密の花園~自販機、まさかの植物と会話!?~

26話 公園と夢見るアイドル~自販機、少女の夢を応援する!?

27話 公園の都市伝説~自販機、少女と怪奇現象!?~

28話 公園の事件簿~自販機と霊の迷コンビ、事件に挑む!?

29話 公園の宝探しと、残された謎 -

30話  井戸が誘う、時空迷宮!~自販機と幽霊、過去へのダイブ!?~

31話 公園の新しい住人~未知なる植物踊る〇〇草、マジかー

32話 ヨシダさんの秘密の趣味~盆栽と猫と懐かしのメロディー

33話 チヨ、霊力チャージ!~公園で迷子の霊を探せ!~

34話 ラジオ体操は替え歌合戦!?~公園の夏休み大騒動!~

35話 公園 de 大喜利花見!~自販機と霊の迷コンビ、春風

36話 公園と家出少女と心の虹!

37話 公園でスズメバチ大パニック!笑撃の巣退治作戦

38話 公園でラジコン大暴走!?自販機、まさかの電波

39話 公園で謎の健康おじさん現る!ヨシダさんと奇妙な健康対決!

40話 公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走