忠左衛門とのんびりライフⅡ -25ページ目

公園の主は喋れない


 

40話公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走


 

 


初夏の公園には、今日もいつもの面々が集まっていた。タカシは変わらず公園を見守る。最近はいつ変なものが出るか分からないから、気が抜けない。(ったく、俺だっていつ何が出てくるか分かったもんじゃないぜ…ヒヤヒヤするな…)

ハナちゃんは元気いっぱいに駆け回り、ヨシダさんはベンチでうたた寝、チヨは木陰でスマホをいじっている。

「あー、霊界つまらん。ほんま、刺激が足りひんわ。」チヨがスマホから目を離し、大きくため息をつく。「霊界ニュースも『昨日の晩御飯は何でしたか?』とか、しょーもない投稿ばっかやし。霊界にも『いいね!』ボタン欲しいわ。マジで。」

(霊界にいいねボタンねぇ…どういうシステムになるんだか。)俺は内心でツッコミを入れる。霊界の平和ボケぶりはチヨの話でよく分かる。

公園の入口に、なんかソワソワしてる若いお姉さんが現れた。地面ばっか見てて、顔色悪いし、めっちゃ焦ってる感じ。お姉さんの顔色や心拍数から見て、何か困っているのは明らかだ。

「ん?あの人、どうしたんやろ?」チヨがお姉さんに気づく。「兄さん、カメラで見てみい。完全に迷子キッズの親御さんモードやん。汗だくやで。」

(ああ、何か探し物をしているみたいだ。)俺は応じる。

ハナちゃんがピューっと駆け寄る。「お姉さん!どうしたの?なんか落としちゃった?」

お姉さんはハナちゃんを見て、顔をクシャッとさせた。「そうなの!ここでね、とっても大切なものを落としちゃって…探してるんだけど見つからなくて…」

「大切なもの?なーに?」ハナちゃん、キラキラ好奇心。

お姉さん、モジモジ。「あの…タオルなんですけど…」

「タオル?」ハナちゃん、キョトン。「どんなタオル?クマさん?ウサギさん?」

「ううん…普通ので…使い古した、ただのタオルなんですけど…」お姉さん、さらに言いづらそうに小声で。「でも…私にとっては…『運命のタオル』なんです!」

「う、うんめいのタオルぅ!?」ハナちゃん、目が点。今日一番の驚き。

チヨが面白がってすり寄ってきた。「なんやて!?『運命のタオル』!?どこの少女漫画やねん!ってか、タオルに運命って重すぎやろ!うちの霊感で探し出したろか?霊なら得意やけど、タオルかぁ。まあ、霊感は万能やし、やってみよか!」

お姉さん、チヨの声に「ひっ!」ってなってハナちゃんの影に。「え?声が!?誰かいるんですか!?」

「あ、この子はチヨちゃん!幽霊だよ!でも怖くないよ!チヨちゃん、探し物もできるんだ!」ハナちゃん、幽霊を紹介する時の声が明るすぎる。お化け屋敷の案内か。

お姉さん、恐る恐る宙を見る。「…ユ、ユウレイの方…!?あ、あの!もしよろしければ!私の『運命のタオル』を…霊感パワーで!あれがないと私…もう…もう…干からびちゃうんです!精神的に!」

「干からびるって大げさやなぁ!タオルごときで!」チヨ、ウキウキ。「よっしゃ、任せとき!うちの霊感、当たるも八卦当たらぬも八卦、てか当たるんやけどな!湿気でちょっと鈍ってるけどな!」

チヨは目を閉じて、お姉さんの周りをフワフワ。「タオル…タオルの気配…うーん…感じるのは…なんかこう…使い込まれた『年季』と…お姉さんの『尋常じゃない執着心』やな…あと、ちょっと酸っぱい匂い…」チヨ、困った顔。「タオルの霊体が見えへんわ。タオルにも霊って宿るんかな?意外と奥深いな、タオル。」

(タオルにも霊体ねぇ…そりゃ新しいデータだ。)俺は内心で面白がる。(それに酸っぱい匂いのデータは…まあ、記録しておこう。)

「チヨちゃん、どうだった?どこにある?」ハナちゃん、期待の眼差し。完全に探偵と助手やん。

チヨは腕組み。「うーん…なんか念が強い方向があるわ…こっちや!」チヨが指差したのは、公園の隅っこの植え込み。

皆で植え込みをゴソゴソ。ハナちゃんが枝を避け、お姉さんが心配そうに見守る。しかし出てくるのは、犬の散歩グッズとか、誰かが落としたお菓子の袋とか。あとは、なんか変なキノコ。

「あれぇ?ないやん…」チヨ、首を傾げる。「おかしいなぁ…さっき、ここらで『タオルのモヤモヤ』を感じたんやけど…モヤモヤ、逃げ足速いなぁ!」

お姉さん、顔面蒼白。「そんな…!モヤモヤって何ですか!?もしかして、もう誰かに拾われちゃったのかしら…!モヤモヤを置いて…!」

俺は監視カメラの映像を巻き戻す。(公園内の監視カメラ履歴を検索したが…タオルらしき物体は多数確認できる。どれが探しているものか、個別特定は不可能だ。)モニターに、地面に落ちたタオルらしきものがザーッと流れる映像が映る。色が違う、形が違う、サイズもバラバラ。とても特定できそうにない。

「うわ、兄さん、全然役に立たへんやん!人類に不可能って!大げさか!」チヨが俺に抗議。

「人類に不可能かどうかは分からないが、俺のデータでは不可能だな。」俺は冷静に応じる。

その時、ベンチで爆睡してたヨシダさんが「ふごっ!」と鼻提灯を破って目覚めた。「ふむ…タオル探しじゃと?ワシも昔、運命のフンドシを失くしてな…あれがないと、どうにも落ち着かんくて…」

「ヨシダさん!フンドシの話は今関係ないでしょ!タオル!タオルの話!」ハナちゃんがツッコミ炸裂。今日も元気!

ヨシダさん、聞いちゃいない。「そうじゃったそうじゃった。あのフンドシはのぅ、ワシが初めて…」

お姉さん、ヨシダさんの話を聞いて、さらに目が泳ぎ出した。目の前にいるのが幽霊で、隣で寝ぼけたおじいさんがフンドシの話を延々としてるんだから、そりゃそうなる。情報量多すぎやろ。

「もう!チヨちゃん!ちゃんと探してよー!霊感パワー全開で!」ハナちゃん、チヨの腕を引っ張る。

チヨ、必死の形相で再度霊感集中。「くっ…!湿気のせいで、霊感が!霊体が!しなしなになった海苔みたいになってるんや!タオルの念が掴めん!滑るんや!」

(霊感、しなしなになった海苔か…チヨの表現はいつもユニークだな。)俺は内心で感心する。(霊体と湿気の関係ね…新たな研究テーマになりそうだ。)

チヨは諦めない。「ええい!今度こそ!この風に乗って、タオルの念が…あっちや!あの滑り台の下!今日こそ当たるわ!」

皆、滑り台の下へ!ハナちゃんが率先して潜り込む。そこには、泥だらけになった、明らかに子供が使っていそうなクマ柄のタオルが丸まってた。しかも、ちょっと臭い。

「ち、違う…これは私のタオルじゃない…」お姉さん、涙目。そらそうやろ。

「また外したぁ…霊感天気予報、今日も外れか…」チヨがガックリする。予報通りにならない天気予報に文句を言う人みたいになってる。

結局、公園中を探し回ったけど、「運命のタオル」は見つからなかった。チヨの霊感は湿気でしなしななのか、元々なのか、全く役に立たず。俺のデータも正直すぎるだけで役に立たず。ヨシダさんは相変わらず「運命のフンドシ」について熱く語り続け、もう壮大な叙事詩になってる。ハナちゃんは健気に普通のタオルをいくつか発掘。リサイクルショップに持って行こうか。

お姉さん、とうとう力尽きた。「やっぱり…見つかりませんでしたか…。私の『運命のタオル』…」お姉さん、力なく立ち上がり、肩を落として公園を出て行こうとする。完全に『運命のタオル』ロスだ。

「お姉さん!大丈夫!また見つかるかもしれないよ!」ハナちゃんが最後まで声をかける。諦めない心、大事。

チヨはそんなお姉さんの背中に向かって、フォローなのか何なのか分からんセリフを吐く。「まあ、霊感なんて、天気予報みたいなもんやしな!たまには外れることもあるわ!当たらなくてもクレームは受け付けへんからな!」開き直りスキル、高すぎィ!

お姉さんは力なく振り返り、幽霊の励まし(?)に少しだけ複雑な顔をして、公園を後にした。たぶん、今日の出来事は夢だったことにするだろう。

公園にいつもの時間が戻る。

「やれやれ、結局見つからんかったなあ。」ヨシダさんがフンドシの話を終え、伸びをする。「しかし、『運命のフンドシ』…良い響きじゃ。」

「って、だからフンドシはもうええって!」チヨが本日何度目かのツッコミ。もう様式美やな。

(今日の霊感的中率は0%か…霊感という機能の信頼性は低いな。)俺は淡々と分析する。(まあ、霊体と湿気の関係は興味深いデータとして記録しておこう。)

チヨは腕をさすりながらブツブツ。「あーあ、霊力チャージどころか、湿気で霊体ベタベタやん。風呂上がりみたいや。霊界にも除湿機、マジで必要やわ。てか、ドラム式乾燥機とか欲しい。」

(霊体用除湿機にドラム式乾燥機か…)俺はチヨの言葉に内心で反応する。(新しい研究課題だな…優先度は低いが。)

かくして、公園での「運命のタオル」探しは、大した成果もなく、賑やかに幕を閉じた。そして俺はまた一つ、霊体に関する謎めいた研究課題を抱え込むことになったのだった。

 

 

41話 只今編集中(しばらくお待ちください)

 

忠左衛門とのんびりライフ

もよろしくお願いします

 

 

 

 

 

 

 

1話 俺はなに?俺はどこ?なんじゃこりゃー!

2話 公園の噂と、困ったじいさん

3話 消えたお弁当と、爆笑!勘違い大作

4話 雨上がりの虹と、見つからない宝物

5話 自動販売機、意識あり

6話 熱中症にご用心!自販機、緊急事態発生!

7話 動けない俺と爆笑!恋のキューピッド大作戦

8話 夜の公園と、爆笑!謎の夜間徘徊者

9話 ボールはどこへ消えた!?自販機探偵、華麗なる(迷)推理!

10話 あの頃へ…? タイムスリップ大作戦!…って、?

11話 謎の箱、現る!…一体何が入ってるんだ!? 爆弾…じゃ

12話 星空からの訪問者と、言葉の壁(1)

13話 星空からの訪問者と、言葉の壁(2)

14話 いつもの公園と、現れた小さな芸術家

15話 夜の響きと、心に響くリズムの巻

16話  公園に現れた、色彩の記憶

17話 犬になった親友と、自販機の受難と友情?

18話 自販機パニックと、機械オタクの来襲

19話 自販機せんせい、勘違いとジュースの嵐、そして伝説

20話 春爛漫!自販機せんせい、桜の下の奇跡

21話 初夏爛漫!鬼ごっこと秘密の花園、そして自販機の辛口

22話 自販機せんせい、ワールドワイドデビュー!?

23話 キクエさんの忘れ物~自販機、まさかの再会!?~

24話 公園に現れたタイムトラベラー~自販機

25話 公園の秘密の花園~自販機、まさかの植物と会話!?~

26話 公園と夢見るアイドル~自販機、少女の夢を応援する!?

27話 公園の都市伝説~自販機、少女と怪奇現象!?~

28話 公園の事件簿~自販機と霊の迷コンビ、事件に挑む!?

29話 公園の宝探しと、残された謎 -

30話  井戸が誘う、時空迷宮!~自販機と幽霊、過去へのダイブ!?~

31話 公園の新しい住人~未知なる植物踊る〇〇草、マジかー

32話 ヨシダさんの秘密の趣味~盆栽と猫と懐かしのメロディー

33話 チヨ、霊力チャージ!~公園で迷子の霊を探せ!~

34話 ラジオ体操は替え歌合戦!?~公園の夏休み大騒動!~

35話 公園 de 大喜利花見!~自販機と霊の迷コンビ、春風

36話 公園と家出少女と心の虹!

37話 公園でスズメバチ大パニック!笑撃の巣退治作戦

38話 公園でラジコン大暴走!?自販機、まさかの電波

39話 公園で謎の健康おじさん現る!ヨシダさんと奇妙な健康対決!

40話 公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走