43話 公園で未来予知少年?ハナちゃん、予言に振り回
公園の午後。太陽はまだ高いけど、木陰に入れば少し涼しい。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。最近はシステムの大きな不調はないが、時々、周囲の鳥を全て「ヨシダさん」と認識したりするので、地味に困っている。(鳥…ヨシダさん…なぜだ…データ…混乱…)鳥を見るたびにヨシダさんが増えるモニターに、内心ゾッとする。
ハナちゃんは砂場で山脈を作り、ヨシダさんはベンチで新聞を逆さまに持ちながらうたた寝。チヨは霊体なのに「日焼けしたら嫌やなぁ」とか言いながら木陰のさらに奥に隠れている。
「あー、霊界の天気予報、当たった試しがないわぁ。」チヨがブツブツ。「『明日は霊界全体にモヤがかかるでしょう』言うて、快晴やったり。『霊界流星群が見れるでしょう』言うて、一個も流れ星見えへんかったり。もう信用できひん。」
「霊界の天気予報か…精度が低いと。まあ、霊界のデータは謎が多いからな。」俺は霊界情報に耳を傾ける。データとして記録しておこう。
その時、公園の広場に、なんかちょっと生意気そうな小学生の男の子が現れた。腕組みしてキョロキョロしてる。
「ん?なんや、あの子。探検隊か?」チヨが気づく。
男の子は公園を見渡すと、ニヤリと笑った。「ふっ…未来は俺に見えている…この公園で次に起こる出来事は…」
男の子は公園の真ん中に立って、指をさした。「まず…そこのベンチで寝てるおじいさん…あと3秒で寝言を言う!」
ヨシダさん?スースー寝てる。3秒後…
「…うーん…せんべい…」
「おおっ!」ハナちゃん、砂遊びの手を止める。「ホントだ!」
チヨも「ま、まぐれやろ!」と怪訝そう。
男の子は得意げな顔。「ふっ、どうだ!次!あそこにいるハト…あと10秒で…あの女性の頭にフンを落とす!」
公園でベンチに座って休憩している女性がいる。皆が固唾を飲んで見守る。ハトが頭上を飛ぶ。10秒後…ボトッ。
「キャー!」女性が悲鳴を上げる。
「うわー!ホントだー!」ハナちゃん、目を丸くする。
「ま、まさか…!」チヨもさすがに驚きを隠せない。
俺は男の子の顔認識を開始し、予言内容を記録する。最初の予言、2件目、的中…予言的中率100%か…これは興味深いな。
男の子はさらに得意げに胸を張る。「どうだ!俺は未来が見えるんだ!この公園で次に何が起こるか、全部お見通しさ!」
ハナちゃんは興奮気味に男の子に駆け寄る。「ねえねえ!すごいね!どんな未来が見えるの?あたしの未来も見える!?」
男の子は生意気な顔でハナちゃんを見る。「君か。君の未来…うーん…よし!教えてやろう!今日のラジオ体操で…君は…盛大に転ぶ!」
「えーっ!やだー!」ハナちゃんはショックを受ける。「どうしよう!転ばないようにしなきゃ!」
チヨが男の子の周りをフワフワ。「ほほう…未来予知ねぇ…うちの霊感でも未来が見えることあるけど、あんなハッキリは無理やなぁ…って、お前、もしかして霊感持ちか?霊視できるんか?うちの霊体見えるか?」
男の子はチヨが見えないので、ハナちゃんの方を見て「ん?誰かいるの?」と首を傾げる。
「あ、この子はチヨちゃん!幽霊だよ!チヨちゃんも未来が見えるんだって!」ハナちゃんがまたしても幽霊を紹介。
男の子はハナちゃんに「幽霊?まさか!そんなの見えるわけないだろ!俺は未来が見えるんだ!」と言い張る。
「見えへんのか!霊感ちゃうんかぁ…つまらんなぁ…」チヨはガッカリする。霊感天気予報と一緒か…
ヨシダさんが起きてきた。「未来予知じゃと?ほう。ワシも昔、宝の場所を予知してな…夢枕に宝の地図が出てきて…」いつもの昔語りが始まった。
「ヨシダさん!今は未来予知の話!」ハナちゃんがツッコミ。
俺は少年の予言内容を記録する。ハナ、ラジオ体操で転倒…と。
そして、夕方。ラジオ体操の時間になった。ハナちゃんは少年の予言を思い出して、いつもより慎重に体操をしている。腕を振るのもゆっくり、足を上げるのも恐る恐る。
「なんかハナちゃん、今日のラジオ体操、動きが変だよ?」近くにいたお母さんが怪訝そうに言う。
少年はニヤニヤしながらハナちゃんを見ている。「ふっふっふ…運命からは逃げられない…」
ハナちゃんのぎこちない動きを観察する。動作精度が低下し、転倒リスクが上昇しているな。予言の自己成就の可能性が出てきたぞ。
ハナちゃんが腕を回す動作で、バランスを崩しかける!「きゃっ!」
少年が「ほら見たことか!」と叫ぶ!
しかし、ハナちゃんはギリギリのところで持ちこたえ、転ばなかった。
「あれ?」少年が目を丸くする。「転ばなかった…なぜだ?」
「あはは!転ばなかったよー!」ハナちゃんは安心した顔。
予言は外れたか。転倒…結果未転倒。予言的中率が低下したな。
少年は悔しそうな顔。「おかしいな…俺の予言は絶対のはずなのに…」
チヨがフワフワと少年の周りを回る。「おっちゃん、霊感天気予報と一緒やん!当たったり外れたり!当たらなくてもクレームは受け付けへんからな!」チヨは予報通りにならない天気予報に文句を言う人みたいだ。
ヨシダさんがラジオ体操を終え、汗を拭きながら「未来予知じゃと?ワシも昔、宝の場所を予知してな…」まだ宝の地図の話をしている。
少年はさらに予言を試みるが、どれも些細なことばかりで、しかも微妙に外れたり、誰かの行動で結果が変わったり。
ベンチの下に10円玉がある…結果1円玉だったか。あの猫が塀から落ちる…猫、飛び降りる直前で引き返した…予測不能だな。
俺のシステムは、少年の予言的中率がどんどん下がっていく様子を記録する。現在30%か…
少年は段々と自信をなくし、生意気な態度が崩れていく。「うう…どうして…俺の未来予知が…」
結局、彼の予言は、公園の日常で起こる、ちょっとした偶然レベルのことばかりだった。
ラジオ体操が終わり、少年は肩を落として公園を出て行こうとする。
「ねえ、未来予知くん!今日は面白かったよ!また来てね!」ハナちゃんが無邪気に声をかける。
少年は振り返り、少し複雑な顔をして「うるさいな…」と呟き、トボトボと帰っていった。
公園にいつもの時間が戻る。
「あー面白かった!予言、当たらなかったけどね!」ハナちゃんは満足げだ。
チヨは腕組み。「未来予知かぁ…難しいもんやな。うちの霊感で、明日の夕飯は何になるか予知でもしてみよか…」
俺は淡々とデータを記録する。未来予知少年、データ採取完了。予言的中率は低かった。人間の予知能力…信頼性が不明だ。今後の研究課題だな。
ヨシダさんはベンチで寝直す準備をしながら、「やれやれ、未来が見えるのも良し悪しじゃな…ワシは今日の昼寝の未来しか見えんわい。」
ヨシダさんの予知能力は昼寝限定か…しかし的中率は高い…これはデータ記録しておこう。倫理的に問題ありそうだが…優先度は低いな。
かくして、公園での未来予知騒動は、大した未来は見えないまま、賑やかに幕を閉じた。そして俺はまた一つ、人間の(そして老人の)予測不能なデータと向き合うことになったのだった。
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