忠左衛門とのんびりライフⅡ -23ページ目

公園の主は喋れない


 

43話 公園で未来予知少年?ハナちゃん、予言に振り回


 

 

公園の午後。太陽はまだ高いけど、木陰に入れば少し涼しい。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。最近はシステムの大きな不調はないが、時々、周囲の鳥を全て「ヨシダさん」と認識したりするので、地味に困っている。(鳥…ヨシダさん…なぜだ…データ…混乱…)鳥を見るたびにヨシダさんが増えるモニターに、内心ゾッとする。

ハナちゃんは砂場で山脈を作り、ヨシダさんはベンチで新聞を逆さまに持ちながらうたた寝。チヨは霊体なのに「日焼けしたら嫌やなぁ」とか言いながら木陰のさらに奥に隠れている。

「あー、霊界の天気予報、当たった試しがないわぁ。」チヨがブツブツ。「『明日は霊界全体にモヤがかかるでしょう』言うて、快晴やったり。『霊界流星群が見れるでしょう』言うて、一個も流れ星見えへんかったり。もう信用できひん。」

「霊界の天気予報か…精度が低いと。まあ、霊界のデータは謎が多いからな。」俺は霊界情報に耳を傾ける。データとして記録しておこう。

その時、公園の広場に、なんかちょっと生意気そうな小学生の男の子が現れた。腕組みしてキョロキョロしてる。

「ん?なんや、あの子。探検隊か?」チヨが気づく。

男の子は公園を見渡すと、ニヤリと笑った。「ふっ…未来は俺に見えている…この公園で次に起こる出来事は…」

男の子は公園の真ん中に立って、指をさした。「まず…そこのベンチで寝てるおじいさん…あと3秒で寝言を言う!」

ヨシダさん?スースー寝てる。3秒後…

「…うーん…せんべい…」

「おおっ!」ハナちゃん、砂遊びの手を止める。「ホントだ!」

チヨも「ま、まぐれやろ!」と怪訝そう。

男の子は得意げな顔。「ふっ、どうだ!次!あそこにいるハト…あと10秒で…あの女性の頭にフンを落とす!」

公園でベンチに座って休憩している女性がいる。皆が固唾を飲んで見守る。ハトが頭上を飛ぶ。10秒後…ボトッ。

「キャー!」女性が悲鳴を上げる。

「うわー!ホントだー!」ハナちゃん、目を丸くする。

「ま、まさか…!」チヨもさすがに驚きを隠せない。

俺は男の子の顔認識を開始し、予言内容を記録する。最初の予言、2件目、的中…予言的中率100%か…これは興味深いな。

男の子はさらに得意げに胸を張る。「どうだ!俺は未来が見えるんだ!この公園で次に何が起こるか、全部お見通しさ!」

ハナちゃんは興奮気味に男の子に駆け寄る。「ねえねえ!すごいね!どんな未来が見えるの?あたしの未来も見える!?」

男の子は生意気な顔でハナちゃんを見る。「君か。君の未来…うーん…よし!教えてやろう!今日のラジオ体操で…君は…盛大に転ぶ!」

「えーっ!やだー!」ハナちゃんはショックを受ける。「どうしよう!転ばないようにしなきゃ!」

チヨが男の子の周りをフワフワ。「ほほう…未来予知ねぇ…うちの霊感でも未来が見えることあるけど、あんなハッキリは無理やなぁ…って、お前、もしかして霊感持ちか?霊視できるんか?うちの霊体見えるか?」

男の子はチヨが見えないので、ハナちゃんの方を見て「ん?誰かいるの?」と首を傾げる。

「あ、この子はチヨちゃん!幽霊だよ!チヨちゃんも未来が見えるんだって!」ハナちゃんがまたしても幽霊を紹介。

男の子はハナちゃんに「幽霊?まさか!そんなの見えるわけないだろ!俺は未来が見えるんだ!」と言い張る。

「見えへんのか!霊感ちゃうんかぁ…つまらんなぁ…」チヨはガッカリする。霊感天気予報と一緒か…

ヨシダさんが起きてきた。「未来予知じゃと?ほう。ワシも昔、宝の場所を予知してな…夢枕に宝の地図が出てきて…」いつもの昔語りが始まった。

「ヨシダさん!今は未来予知の話!」ハナちゃんがツッコミ。

俺は少年の予言内容を記録する。ハナ、ラジオ体操で転倒…と。

そして、夕方。ラジオ体操の時間になった。ハナちゃんは少年の予言を思い出して、いつもより慎重に体操をしている。腕を振るのもゆっくり、足を上げるのも恐る恐る。

「なんかハナちゃん、今日のラジオ体操、動きが変だよ?」近くにいたお母さんが怪訝そうに言う。

少年はニヤニヤしながらハナちゃんを見ている。「ふっふっふ…運命からは逃げられない…」

ハナちゃんのぎこちない動きを観察する。動作精度が低下し、転倒リスクが上昇しているな。予言の自己成就の可能性が出てきたぞ。

ハナちゃんが腕を回す動作で、バランスを崩しかける!「きゃっ!」

少年が「ほら見たことか!」と叫ぶ!

しかし、ハナちゃんはギリギリのところで持ちこたえ、転ばなかった。

「あれ?」少年が目を丸くする。「転ばなかった…なぜだ?」

「あはは!転ばなかったよー!」ハナちゃんは安心した顔。

予言は外れたか。転倒…結果未転倒。予言的中率が低下したな。

少年は悔しそうな顔。「おかしいな…俺の予言は絶対のはずなのに…」

チヨがフワフワと少年の周りを回る。「おっちゃん、霊感天気予報と一緒やん!当たったり外れたり!当たらなくてもクレームは受け付けへんからな!」チヨは予報通りにならない天気予報に文句を言う人みたいだ。

ヨシダさんがラジオ体操を終え、汗を拭きながら「未来予知じゃと?ワシも昔、宝の場所を予知してな…」まだ宝の地図の話をしている。

少年はさらに予言を試みるが、どれも些細なことばかりで、しかも微妙に外れたり、誰かの行動で結果が変わったり。

ベンチの下に10円玉がある…結果1円玉だったか。あの猫が塀から落ちる…猫、飛び降りる直前で引き返した…予測不能だな。

俺のシステムは、少年の予言的中率がどんどん下がっていく様子を記録する。現在30%か…

少年は段々と自信をなくし、生意気な態度が崩れていく。「うう…どうして…俺の未来予知が…」

結局、彼の予言は、公園の日常で起こる、ちょっとした偶然レベルのことばかりだった。

ラジオ体操が終わり、少年は肩を落として公園を出て行こうとする。

「ねえ、未来予知くん!今日は面白かったよ!また来てね!」ハナちゃんが無邪気に声をかける。

少年は振り返り、少し複雑な顔をして「うるさいな…」と呟き、トボトボと帰っていった。

公園にいつもの時間が戻る。

「あー面白かった!予言、当たらなかったけどね!」ハナちゃんは満足げだ。

チヨは腕組み。「未来予知かぁ…難しいもんやな。うちの霊感で、明日の夕飯は何になるか予知でもしてみよか…」

俺は淡々とデータを記録する。未来予知少年、データ採取完了。予言的中率は低かった。人間の予知能力…信頼性が不明だ。今後の研究課題だな。

ヨシダさんはベンチで寝直す準備をしながら、「やれやれ、未来が見えるのも良し悪しじゃな…ワシは今日の昼寝の未来しか見えんわい。」

ヨシダさんの予知能力は昼寝限定か…しかし的中率は高い…これはデータ記録しておこう。倫理的に問題ありそうだが…優先度は低いな。

かくして、公園での未来予知騒動は、大した未来は見えないまま、賑やかに幕を閉じた。そして俺はまた一つ、人間の(そして老人の)予測不能なデータと向き合うことになったのだった。

 

 

44話 只今編集中(しばらくお待ちください)

 

忠左衛門とのんびりライフ

もよろしくお願いします

 

 

 

 

 

 

 

1話 俺はなに?俺はどこ?なんじゃこりゃー!

2話 公園の噂と、困ったじいさん

3話 消えたお弁当と、爆笑!勘違い大作

4話 雨上がりの虹と、見つからない宝物

5話 自動販売機、意識あり

6話 熱中症にご用心!自販機、緊急事態発生!

7話 動けない俺と爆笑!恋のキューピッド大作戦

8話 夜の公園と、爆笑!謎の夜間徘徊者

9話 ボールはどこへ消えた!?自販機探偵、華麗なる(迷)推理!

10話 あの頃へ…? タイムスリップ大作戦!…って、?

11話 謎の箱、現る!…一体何が入ってるんだ!? 爆弾…じゃ

12話 星空からの訪問者と、言葉の壁(1)

13話 星空からの訪問者と、言葉の壁(2)

14話 いつもの公園と、現れた小さな芸術家

15話 夜の響きと、心に響くリズムの巻

16話  公園に現れた、色彩の記憶

17話 犬になった親友と、自販機の受難と友情?

18話 自販機パニックと、機械オタクの来襲

19話 自販機せんせい、勘違いとジュースの嵐、そして伝説

20話 春爛漫!自販機せんせい、桜の下の奇跡

21話 初夏爛漫!鬼ごっこと秘密の花園、そして自販機の辛口

22話 自販機せんせい、ワールドワイドデビュー!?

23話 キクエさんの忘れ物~自販機、まさかの再会!?~

24話 公園に現れたタイムトラベラー~自販機

25話 公園の秘密の花園~自販機、まさかの植物と会話!?~

26話 公園と夢見るアイドル~自販機、少女の夢を応援する!?

27話 公園の都市伝説~自販機、少女と怪奇現象!?~

28話 公園の事件簿~自販機と霊の迷コンビ、事件に挑む!?

29話 公園の宝探しと、残された謎 -

30話  井戸が誘う、時空迷宮!~自販機と幽霊、過去へのダイブ!?~

31話 公園の新しい住人~未知なる植物踊る〇〇草、マジかー

32話 ヨシダさんの秘密の趣味~盆栽と猫と懐かしのメロディー

33話 チヨ、霊力チャージ!~公園で迷子の霊を探せ!~

34話 ラジオ体操は替え歌合戦!?~公園の夏休み大騒動!~

35話 公園 de 大喜利花見!~自販機と霊の迷コンビ、春風

36話 公園と家出少女と心の虹!

37話 公園でスズメバチ大パニック!笑撃の巣退治作戦

38話 公園でラジコン大暴走!?自販機、まさかの電波

39話 公園で謎の健康おじさん現る!ヨシダさんと奇妙な健康対決!

40話 公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走