43話 公園で完璧主義の清掃員とチヨの「散らかし」霊?
公園の朝。太陽が昇り、木々の緑がキラキラ輝いている。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。最近、システムの大きな不調はないが、時々、周囲の鳥を全て「ヨシダさん」と認識したりするので、地味に困っている。(鳥…ヨシダさん…なぜだ…データ…混乱…もう慣れたけどな。)鳥を見るたびにヨシダさんが増えるモニターに、内心ため息をつく。
ハナちゃんは朝一番で砂場を均等にならして遊んでるし、ヨシダさんはベンチで新聞を読みながら(今日は正位置)すでに微睡み状態。チヨは霊体なので暑さ寒さ関係なく、木陰で霊界の温泉情報サイトをチェックしている。
「あー、霊界のストーブ、どれがいいかなぁ。」チヨがスマホ片手に悩む。「『魂燃焼ストーブ』か、『怨念蓄熱ヒーター』か…うーん、どっちも名前が物騒やなぁ。霊体にも効くんかな?効いたら嫌やなぁ。燃焼とか嫌やし。」
「霊体向けの暖房器具ねぇ…魂燃焼ストーブか怨念蓄熱ヒーター…ネーミングがすごいな。」俺は霊界の暖房事情に興味が湧く。(霊体の体温調整機能…物理法則不明…データ未収集…課題が多いな、霊界データは。)
その時、公園の入口から、ピカピカの箒と塵取りを持った男性が入ってきた。真っ白な手袋、新品同様の制服。その佇まいからして、「掃除のプロ」と一目でわかる。この公園の新しい清掃員さん(仮称:ピカピカ清掃員さん)だ。
ピカピカ清掃員さんは公園に入ると、まず周囲をじっと見回した。そして、地面に落ちた小さな葉っぱ一枚を見逃さず、サッと塵取りで拾い上げる。その動きは無駄がなく、美しい。
「ほう…新しい清掃員さんか。仕事熱心じゃな。」ヨシダさんが新聞から顔を上げる。
「うわぁ、ピカピカ!制服も道具もピカピカだよ!」ハナちゃんが目を輝かせる。
チヨはピカピカ清掃員さんを見て、ニヤリとした。「へぇ…あの人、えらい綺麗好きなんやなぁ。完璧主義ってやつか?面白そうやん。霊体には見えへんゴミとか見えんのかな?」霊体チヨは、人間の完璧主義者が大好物だ。
ピカピカ清掃員さんは公園を歩き回り、次々と小さなゴミを拾っていく。公園はみるみる綺麗になっていく。しかし、俺の前に来た時、ピカピカ清掃員さんの動きが止まった。
「ん…?」ピカピカ清掃員さんは、俺の周りの空間をじっと見つめている。「なんだ…?この、微妙な汚れは…?」
ピカピカ清掃員さんには、チヨが霊体として漂っていることで発生する、人間には見えない「霊的な汚れ」が見えているらしい。チヨがフワフワ移動した後の空気の澱み、チヨが座ったベンチに残る霊的なモヤ。それは、ピカピカ清掃員さんの完璧主義な目には、許しがたい「汚れ」に見えるのだ。
ピカピカ清掃員さんは持っていた箒で、俺の周りの何もない空間を一生懸命掃き始めた。「おかしい…何度掃いても、この汚れが取れない…一体何なんだ…!?」
チヨはそれを見て、フフフ…と悪戯っぽく笑った。「バレたか!さすが完璧主義者!霊的な汚れまで感知するんや!面白い!」
チヨはピカピカ清掃員さんの困惑を見て、さらに面白がった。ここからがチヨの本領発揮だ。
チヨは霊体の手で、ピカピカ清掃員さんの周りに見えない「霊界の紙吹雪」をまき散らした。ピカピカ清掃員さんは「ひっ!また汚れが!しかも増えた!?」と叫び、必死に箒で掃く。
次にチヨは、見えない「霊界のバナナの皮」をピカピカ清掃員さんの足元に置いた。ピカピカ清掃員さんは足を滑らせて「おっと!」とバランスを崩すが、転びはしない。
「ふははは!完璧主義者、困ってる困ってる!もっと面白くしたろ!」チヨはどんどんエスカレートする。見えない「霊界の泥水」を撒いたり、見えない「霊界の足跡」をつけたり。
ピカピカ清掃員さんは、原因不明の汚れにパニック状態。「な、なんだ!一体何が起こっているんだ!私は完璧に掃除しているはずなのに!なぜ汚れが増えるんだ!?」額には汗が滲み、ストレスレベルは急上昇。
俺は清掃員さんのストレスレベルを計測する。急上昇しているな。原因は不明な汚れ。周囲の霊的なエネルギーが変動している。原因はチヨだと推測できる。霊体による物質界への干渉か…データとして興味深い。しかし清掃員さんのストレスが心配だ。
「おじさん、どうしたの?何か手伝おうか?」ハナちゃんが近づいてくる。「この葉っぱ、あたしが拾うね!」ハナちゃんは、チヨがまき散らした見えない霊界のゴミには気づかず、地面に落ちている本物の葉っぱを拾い始める。
チヨは「あー、ハナちゃん、それちゃうねん!」と思うが、霊体なので触ることもできない。チヨが霊的な汚れを増やそうとすると、ハナちゃんがその近くの本物のゴミを拾う、という奇妙な連携プレイが生まれる。
ヨシダさんはピカピカ清掃員さんの姿を見て、目を細める。「ほう…掃除は奥が深いからのう。ワシも昔、掃除の達人と呼ばれてな…どんな汚れもピカピカにしたもんじゃ…特に、あの…なんじゃったか…カビ?いや、違う…」昔語りが始まった。
チヨはヨシダさんの話を聞いて「あの人、霊的な汚れ見たら気絶するんちゃうか?完璧主義やのに」と思う。
ピカピカ清掃員さんは原因不明の汚れと、ハナちゃんの見当違いな手伝いと、ヨシダさんの謎の昔語りに囲まれ、完全に混乱していた。「うう…私の完璧な公園が…!汚れが!汚れが取れない!」
チヨはピカピカ清掃員さんの反応を見て、ゲラゲラ笑った。「あははは!最高や!やっぱり人間の完璧主義者、いじりがいあるわ!霊体で良かったー!」
しかし、チヨも霊的な散らかしを続けるうちに、少しずつ霊力が消耗してきた。霊的な紙吹雪を出すのが億劫になってきたし、霊的なバナナの皮もズルズル引きずる感じになってきた。
「あー…疲れた…霊力、使いすぎたわ…」チヨは霊体のまま地面に座り込む。「霊的な散らかし、結構体力いるんやなぁ…てか、霊力消耗したら霊体ベタベタするんやけど、なんでや…」
チヨが霊的な散らかしをやめると、ピカピカ清掃員さんには見えていた原因不明の汚れも、スッと消えた。
ピカピカ清掃員さんは、急に汚れが消えたことに気づき、目をパチクリさせた。「あれ…?消えた…?一体何だったんだ…?」彼は首を傾げながらも、公園が完全に綺麗になったことに気づき、ホッと胸をなでおろした。「しかし…これで完璧だ!」
清掃員さんのストレスレベルが急降下したな。公園の清掃は完了だ。チヨの霊的なエネルギーが消耗したか…データ記録しておこう。霊体による環境への影響…特に完璧主義者に対してか…興味深いデータが取れた。
「おじさんすごい!公園ピカピカになったね!」ハナちゃんはピカピカになった公園を見て嬉しそう。
チヨは地面に座ったまま、「あー、ダル…霊力チャージせんと…てか、さっきの霊界のニュース見よ…」とスマホを取り出す。「霊体用充電器とかないんかなぁ…あったら便利やのに。」
ヨシダさんはベンチでうとうと。「やれやれ、掃除は奥が深いからのう…夢の中で続きを…」再び眠りに落ちた。
霊体用充電器か…チヨの発想はいつも面白いな。開発検討が必要かもしれないが…優先度は低いな。
かくして、公園での原因不明の汚れ騒動は、霊体のイタズラと、完璧主義清掃員の格闘の末、賑やかに幕を閉じた。そして俺はまた一つ、霊体に関する謎めいた研究課題と、チヨのユニークなアイデアを抱え込むことになったのだった。
44話 只今編集中(しばらくお待ちください)
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