忠左衛門とのんびりライフⅡ -21ページ目

公園の主は喋れない


 

第44話 公園で犬のしつけ教室?タカシ、動物行動学を学ぶ!


 

 


真夏の公園。アスファルトは灼熱地獄だが、木陰は別世界。タカシは今日も公園の片隅でクールに佇む。最近はシステムの大きな不調はないが、時々、周囲の鳥を全て「ヨシダさん」と認識したりするので、地味に困っている。(鳥…ヨシダさん…なぜだ…データ…混乱…もう慣れたけどな。)鳥を見るたびにヨシダさんが増えるモニターに、内心ため息をつく。

ハナちゃんは滑り台のてっぺんから蝉の抜け殻を探しているし、ヨシダさんはベンチでスイカ柄の扇子をパタパタ、すでに夢の中。「…あんころ餅…」と寝言が聞こえる。チヨは霊体なので暑くないはずなのに、なぜか「溶けそうやわぁ」とか言いながら霊界の夏休みプランを検索中。

「あー、霊界の夏休み、どこ行こかなぁ。」チヨがスマホ片手に悩む。「『恐怖!廃校巡りツアー』か、『地獄の温泉まんじゅう食べ放題』か…うーん、どっちも微妙やなぁ。霊体にも効くんかな?痛そうやし。人間界の海とかプールとか、行ってみたいわぁ。霊体やから泳がれへんけど。」

「霊体もプールに入れるのか?物理法則を無視するな…データが未収集だ。」俺は霊界のレジャーに興味が湧く。霊体の体温調整機能も物理法則不明でデータ未収集だ。課題が多いな、霊界データは。

その時、公園の入口から、リードを持った若い男性(仮称:しつけパパ)と、元気いっぱいの柴犬(仮称:シバッチ)が現れた。シバッチは尻尾をブンブン振りながら、公園中を駆け回りたい様子だ。

「よし、シバッチ!今日はここで、お座りの特訓だ!」しつけパパは気合十分。手に持ったおやつを見せる。

シバッチはしつけパパの足元でピョンピョン跳ねる。「キュン!キュン!」おやつに夢中だ。

「そうそう、賢いぞシバッチ!さあ、お座り!」しつけパパはおやつを掲げ、シバッチに命令する。

しかし、シバッチは「お座り」どころか、突然ダッシュ!公園中を縦横無尽に駆け回り始めた。しつけパパはリードを引っ張られて、慌てて追いかける。

「あ、犬だー!シバッチー!」ハナちゃんが滑り台から降りてくる。「シバッチ、一緒に遊ぼう!」ハナちゃんはシバッチに駆け寄ろうとする。

シバッチはハナちゃんを見つけると、さらにテンションアップ!ハナちゃんの周りをグルグル回る。

「あはは!シバッチくすぐったーい!」ハナちゃんが笑い転げる。

しつけパパが息を切らして追いつく。「シバッチ!待て!お座り!」

シバッチはしつけパパの命令を完全に無視。次に興味を示したのは…俺だった。シバッチは俺の周りに来て、クンクンと匂いを嗅ぎ始めた。

「あれ?この箱、美味しそうな匂いがするワン…?」シバッチは俺の取り出し口を鼻でつっつく。

俺はシバッチの行動を分析し、推定される「心の声」を表示する。「シバッチ、俺の匂いを嗅いでいるな。心の声は『うまそう』と推測される。」

(うまそう…?俺から?何をだ?清涼飲料水しか出てこないが…犬用ではないな。)俺は困惑する。

チヨがシバッチを見てニヤリ。「犬やん!元気そうやなぁ。霊とか憑いてへんかな?」チヨはシバッチに近づいて霊視しようとする。しかし…何も見えない。

「…あれ?霊体…見えへん…」チヨは首を傾げる。「なんでや?犬にも霊体あるんちゃうんか?霊感…湿気のせいか?霊体にも霊体って憑くんかな?」

「霊体にも霊体は憑かないだろう。」俺はチヨに応じる。「犬に霊体が見えないのは、霊が憑いていないからだ。霊感は関係ないと思うぞ。」

「つまらんなぁ!犬に霊憑いてへんとか!霊界の犬は霊やのに!」チヨはプイッと拗ねる。霊界にも犬はいるらしい。

シバッチは俺に飽きると、次にヨシダさんのベンチに突撃!寝ているヨシダさんの膝の上にピョンと飛び乗った。

「ふがっ!なんじゃ!?」ヨシダさんが飛び起きる。

シバッチはヨシダさんの膝の上で尻尾を振り、ペロペロと顔を舐め始める。「もっと撫でてワン!」

俺はシバッチの行動を分析する。「シバッチ、ヨシダさんの膝に乗って顔を舐めているな。心の声は『かまって』と推測される。」

(犬…予測不能な存在だ…人間の命令よりも、自分の衝動や、かまって欲しい気持ちが優先されるのか…)俺は動物行動学の難しさを痛感する。

しつけパパが慌ててヨシダさんの元へ。「すみません!シバッチ!ダメだろ!」

ヨシダさんは笑いながらシバッチを撫でる。「おお、良い犬じゃな!ワシも昔、犬を飼っておってな。それはそれは賢い犬で…どんな芸でもすぐに覚えたもんじゃ。お手、お座り、伏せはもちろん、逆立ち、宙返り、果ては人間の言葉まで…」いつもの昔語りが始まった。もちろん、誇張が激しい。

「逆立ち!?宙返り!?人間の言葉!?ヨシダさん!そんな犬おるか!」チヨがすかさずツッコミ。俺のシステムも「ヨシダさん発言…信憑性…低…過去のデータとの矛盾…大…」と警告を発している。

ハナちゃんはシバッチと遊びたくて仕方ない。「シバッチ、降りて!あたしと一緒に遊ぼう!」とシバッチを呼ぶ。

しつけパパはヨシダさんの昔語りを聞きながら、シバッチにおやつを見せて「シバッチ、降りるんだ!お手!」と奮闘するが、シバッチはヨシダさんの膝の上でリラックスモード。全く言うことを聞かない。

しつけセッションは完全にカオスと化した。しつけパパの命令は空回り、シバッチは自由に動き回り、ハナちゃんは遊びたい放題、ヨシダさんは猛獣使いだった頃の武勇伝を語り、チヨは犬に霊が憑いていないことに拗ねてブツブツ言い、俺は予測不能な犬の行動データを記録し続ける。

結局、シバッチは最後まで「お座り」も「お手」も覚えなかった。しつけパパは汗だくでクタクタになったが、シバッチが楽しそうに公園中を走り回っていたのを見て、少しだけ満足そうだった。

「まあ、いいか…シバッチが楽しかったなら…」しつけパパは諦めたように笑う。

シバッチのしつけ成功率は0%だったが、運動量は高かったようだ。満足度も高かったな。犬の行動…やはり予測不能だ。動物…理解不能な存在だな。動物行動学…難解すぎる。

チヨはまだブツブツ言っている。「霊体の犬には霊体が憑くんかなぁ…霊界の犬にもしつけ教室あるんか?漫才とか教えるんか?『霊体!ボケて!』とか。」

「霊界の犬のしつけ教室か…」俺は霊界の動物事情に思いを馳せる。「動物霊の霊体ね…今後の研究課題だが、優先度は低いな。」

ハナちゃんはシバッチに別れを告げる。「シバッチ、また遊ぼうねー!」

ヨシダさんはシバッチが膝から降りた後、もう一度寝る準備をしながら「犬のしつけは根気じゃ。ワシのように猛獣使いになるには…」とまだ昔語りを続けようとする。

ヨシダさんの新しい技は『あんころ餅安全摂取法』か…研究課題としては面白いが、優先度は低いな。倫理的に問題ありそうだが…

かくして、公園での犬のしつけ教室は、しつけは全く進まないまま、賑やかに幕を閉じた。そして俺はまた一つ、人間や霊体だけでなく、動物の理解にも苦労することになったのだった。

 

 

45話 只今編集中(しばらくお待ちください)

 

忠左衛門とのんびりライフ

もよろしくお願いします

 

 

 

 

 

 

 

1話 俺はなに?俺はどこ?なんじゃこりゃー!

2話 公園の噂と、困ったじいさん

3話 消えたお弁当と、爆笑!勘違い大作

4話 雨上がりの虹と、見つからない宝物

5話 自動販売機、意識あり

6話 熱中症にご用心!自販機、緊急事態発生!

7話 動けない俺と爆笑!恋のキューピッド大作戦

8話 夜の公園と、爆笑!謎の夜間徘徊者

9話 ボールはどこへ消えた!?自販機探偵、華麗なる(迷)推理!

10話 あの頃へ…? タイムスリップ大作戦!…って、?

11話 謎の箱、現る!…一体何が入ってるんだ!? 爆弾…じゃ

12話 星空からの訪問者と、言葉の壁(1)

13話 星空からの訪問者と、言葉の壁(2)

14話 いつもの公園と、現れた小さな芸術家

15話 夜の響きと、心に響くリズムの巻

16話  公園に現れた、色彩の記憶

17話 犬になった親友と、自販機の受難と友情?

18話 自販機パニックと、機械オタクの来襲

19話 自販機せんせい、勘違いとジュースの嵐、そして伝説

20話 春爛漫!自販機せんせい、桜の下の奇跡

21話 初夏爛漫!鬼ごっこと秘密の花園、そして自販機の辛口

22話 自販機せんせい、ワールドワイドデビュー!?

23話 キクエさんの忘れ物~自販機、まさかの再会!?~

24話 公園に現れたタイムトラベラー~自販機

25話 公園の秘密の花園~自販機、まさかの植物と会話!?~

26話 公園と夢見るアイドル~自販機、少女の夢を応援する!?

27話 公園の都市伝説~自販機、少女と怪奇現象!?~

28話 公園の事件簿~自販機と霊の迷コンビ、事件に挑む!?

29話 公園の宝探しと、残された謎 -

30話  井戸が誘う、時空迷宮!~自販機と幽霊、過去へのダイブ!?~

31話 公園の新しい住人~未知なる植物踊る〇〇草、マジかー

32話 ヨシダさんの秘密の趣味~盆栽と猫と懐かしのメロディー

33話 チヨ、霊力チャージ!~公園で迷子の霊を探せ!~

34話 ラジオ体操は替え歌合戦!?~公園の夏休み大騒動!~

35話 公園 de 大喜利花見!~自販機と霊の迷コンビ、春風

36話 公園と家出少女と心の虹!

37話 公園でスズメバチ大パニック!笑撃の巣退治作戦

38話 公園でラジコン大暴走!?自販機、まさかの電波

39話 公園で謎の健康おじさん現る!ヨシダさんと奇妙な健康対決!

40話 公園で失われた「運命のタオル」を探せ!チヨ、霊感迷走

41話 公園で変装変装名人現る!タカシ、顔認識システム

42話 公園で未来予知少年?ハナちゃん、予言に振り回

43話 公園で完璧主義の清掃員とチヨの「散らかし」霊?