14.私がピアノ教師を始めて
私がピアノ教師を始めて、15年以上の月日が経ちました。この間、人を介しての紹介、ホームページの通しての申し込みがきっかけで、約200人以上の生徒たちと出会ってきました。これは、伝統あるロシアのピアニズム、その特徴は色彩感に満ちた倍音豊かな極上の美しい響き。そして、レガートを基軸とした無駄のない、身体にやさしく、指の動きに頼らない重力奏法ともいえる、合理的なテクニック。この2つが融合してこそ可能な上質の演奏を指示しています。この伝統あるピアニズムは、ロシア人ピアニストたちの飽くなき追求とスタインウェイという楽器の完成により、その相乗効果によって約100年前に到達できた奇跡ともいえる世界です。この世界が、100年たった今でも、実は世界のスタンダードであるという事実は揺るぎないものであり、西ヨーロッパにおいては、世に残る作曲家を多数派出してきた歴史を持ってしまったがゆえに、残念ながら不必要なプライドが邪魔をしてこの現実を直視できない現実。また、その歴史がゆえに、西ヨーロッパ信仰が根強い我が国、日本においても同じことが言えると思うのです。私自身、この伝統を身につけるために全精力を費やしてきましたが、基本の発声、響きを生み出すことができるようになるまで、約10年の歳月が必要でした。これは、私の生徒たちにも言えることであり、先に申し上げました約200人以上の出会いがありましたが、その伝統が受け継がれたと感じることができる生徒は、現時点でたったの5,6名です。皆、様々な理由から中途で挫折してしまうのです。これは非常に残念なことではありますが、同時に仕方がないことにも感じます。なぜならば、その目的を達成するには、様々な条件、これらすべてを含めて、才能といっても過言ではありませんが、その条件がそろわないことには到達できないことなのです。その到達できた5,6名にしても、10年かかって、初めて本当の意味でのスタート地点に立ったと言える過酷な世界です。一般的に、世の中に出るのは早いほど良いという風潮がありますが、一般にどの世界でも本物になるまでには、時間がかかるものだと思います。それは熟成されたワインと同じです。特に芸術の世界では必然だと思うのです。そこにはある種の忍耐、揺るがない精神が必要であり、社会的成功だけを夢見ていては到達できない世界です。クリックお願いします!にほんブログ村