ショパンとリストは、同時代に生きた、しかも主にピアノ作品中心の作曲家です。
演奏者は、2人の作曲家に対して、知識も感覚も、はっきりとした違いを持って対峙することが重要です。
その方法の1つとして、ロマン派の時代のオペラを聴いてみることをお勧めします。
ショパンの特に初期の作品においては、メロディーラインはその音域、曲線的なことからベルカントのオペラそのものです。 ショパンはベッリーニのオペラを好んで聴いていたと言われております。特に女性の声が彼の頭の中にイメージされていたように感じられ、中でも、軽めのソプラノ、メゾソプラノの声をピアノに置き換えていたと思うのです。ただ、中期以降の作品からは、ベルカントの領域を超えてきているように感じます。私個人としては、特にイタリアのメゾソプラノ、チェチーリア・バルトリ、フランスのソプラノ、ナタリー・デセイの歌声を聴いているとイメージが湧いてきます。
一方、リストは、ヴェリズモのオペラの世界です。 メロディーラインの音域、どちらかというと直線的なイメージから、男性の声、重めのテノール、バリトンの声を頭の中にイメージしてピアノに置き換えているように感じられます。私個人としては、フランスのテノール、ロベルト・アラーニャの歌声やロシアのバリトン、ドミトリー・ホロストフスキーの歌声を聴いているとリストの音楽と重なるものを感じます。
歌は根源的な音楽です。それぞれの作曲家にとっても同じことが言えると思います。 歌を知らずして、ピアノを含めて楽器を扱うことはできないと思います。
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